Category:その他
商務省、AI人材育成へ2,500万ドルを助成
商務省(Department of Commerce)経済開発局(Economic Development Administration: EDA)は5月11日、人工知能(AI)のスキル向上支援に向け、約2,500万ドルの資金を提供する「AIアップスキル・アクセラレーター・パイロット・プログラム(AI Upskill Accelerator Pilot Program)」の公募を開始すると発表した。地域経済における革新的な職業訓練モデルを構築するもので、昨年トランプ政権が策定した「AI行動計画」に基づく取り組みの一環である。地域の競争力強化と雇用創出を通じた持続可能な経済発展推進を支援するEDAは、AIが生産性向上と経済成長を基盤技術となっている現状について触れ、AIを活用できる能力を身につけることが地域の投資誘致や技術導入の鍵になると強調した。これに伴い、応募対象となる団体が持続可能で拡張可能なトレーニング体制を構築できるよう支援し、長期的な経済成長につなげていく方針を示しており、詳細は、EDA公式ウェブサイト(eda.gov/ai-upskill)で公開されている。 EDA “U.S. Department of Commerce Announces $25 Million Notice of Funding Opportunity to Upskill American Workers in Using Artificial Intelligence” (05/11/26) https://www.eda.gov/news/press-release/2026/05/11/us-department-commerce-announces-25-million-notice-funding
国家安全保障懸念を理由に165件の陸上風力発電所計画が膠着状態
アース・テクニカ(ARS Technica)は5月4日、トランプ政権が国家安全保障上の懸念を理由に陸上風力発電開発を膠着状態にさせており、再生可能エネルギーに対するトランプ大統領の攻撃姿勢が更に強まっていると報じた。米国クリーン電力協会(American Clean Power Association: ACP)及び情報筋によれば、現在、民間用地における約165件の陸上風力発電プロジェクトが国防総省(Department of Defense)によって停滞しており、この中には、最終的な締結直前であった案件や交渉半ばの案件、通常であれば国防総省の監督を必要としない案件等が含まれるという。風力発電プロジェクトは一般的に、レーダーシステムと干渉しないことを確実にするため、国防総省の承認が必要となり、それらの評価は早ければ数日で完了する。しかし2025年8月以来、風力発電プロジェクトの開発事業者は、国防総省からの連絡が途絶えたり、プロジェクト状況に関する協議が中止された上に再設定の機会も与えられないなど様々な困難に直面している。 ARS Technica “Trump administration cites national security in stalling 165 wind farms” (05/04/26) https://arstechnica.com/science/2026/05/trump-administration-cites-national-security-in-stalling-165-wind-farms/
ビザ規則の厳格化により研究者や米国科学への影響が増大
化学&工学ニュース(Chemical & Engineering News: C&EN)は5月5日、過去1年間で米国における海外研究者向けのビザ状況が非常に悪化していると報じた。国務省(Department of State)のデータを分析したクロニクル・オブ・ハイヤー・エデュケーション紙(Chronicle of Higher Education)によれば、米国内で博士号等の学位取得を目指す海外留学生向けのF-1学生ビザの発給件数は、2025年5~8月の間に前年比36%減少したという。また、教育組織のショアライト(Shorelight)によれば、F-1ビザ申請が却下される割合はここ10年で最高の35%に達し、ポスドク研究者等が取得するJ-1ビザの発給件数も減少し続け、2025年5月だけで13%減少したという。研究者や大学、移民問題専門家は、法的手段の駆使や海外拠点への配置等で対応しているものの、擁護団体は、たとえ政策が変更されたとしても、科学的人材が目指す目的地としての米国への信頼を回復するには数年を要する可能性があると警告している。 C&EN “As visa rules tighten, impacts to researchers and US science escalate” (05/05/26) https://cen.acs.org/articles/104/web/2026/05/us-visa-restriction-stem-research-innovation-patent.html
下院中国特別委員会、米国のスパコン保護を目的としたNSF改革を支持
下院中国特別委員会(House Select Committee on China)は5月5日、米国科学財団(National Science Foundation: NSF)が、研究者にスパコン資源やデータサービスを提供する「先端サイバーインフラストラクチャ調整エコシステム:サービス&サポート(Advanced Cyberinfrastructure Coordination Ecosystem: Service & Support: ACCESS)」の安全対策を強化するため、迅速かつ断固たる措置を講じたことを支持するとの見解を発表した。特別委員会が1月にNSFに対して、米国の研究インフラが中国と関連のある事業体によって搾取されている可能性を指摘した後、NSFはACCESSシステム内に適格でないユーザーが複数存在していることを発見し、即座にそれらのアカウントを停止した。NSFは、海外の提携者に関する開示義務を厳格化するなど一連の安全強化措置を講じている。NSFはまた、海外ユーザー及びその所属組織について半年ごとに定期審査を実施する計画であり、これは重要な公的資金による研究の保護の大幅な前進となると特別委員会は発表している。 Select Committee on China “Select Committee Supports NSF Reforms to Protect U.S. Supercomputing” (05/05/26) https://chinaselectcommittee.house.gov/media/press-releases/select-committee-supports-nsf-reforms-to-protect-us-supercomputing
米政府、技術大手3社とのAIモデル安全評価試験に関する詳細をウェブサイトから削除
商務省(Department of Commerce)傘下の米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)は5月5日、グーグル社(Google)、エックスエーアイ社(xAI)、マイクロソフト社(Microsoft)との間で人工知能(AI)モデルの国家安全保障評価試験に関する協定を締結したと発表したが、ロイター社(Reuters)は5月11日、この報道発表がNISTのウェブサイトから削除されたと報じた。アンソロピック社(Anthropic)のモデル「ミュトス(Mythos)」など、AIシステムが呈する国家安全保障リスクを巡る米政府の懸念が増大する中、米政府高官は、「先端モデルへの早期アクセスを確保することで、サイバー攻撃や軍事的誤使用など様々な脅威を特定することが狙いである」と述べていた。現時点では、報道発表が削除された理由は不明である。 Reuters “Microsoft, Google, xAI security test details deleted from US government website” (05/11/26) https://www.reuters.com/legal/litigation/microsoft-google-xai-security-test-details-deleted-us-government-website-2026-05-11/
米国政府、科学研究への「AIエージェント」導入加速
NEXTGOV/FCWは5月7日、大統領府科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy)は、人間による監視を最小限に抑えながら、特定タスクを自律的に実行できる「AIエージェント(Agentic AI)」機能の導入を加速させ、科学的発見を劇的に加速する方針であると報じた。マーケット・コネクションズ社(Market Connections)による政府機関の200人以上の技術幹部を対象とした調査によると、回答者の53%が既にエージェント型AIの活用や試験運用を検討していると回答したことから、同局は研究のワークフローを抜本的に刷新し、効率化につなげる。同局が、この試みがあらゆる技術開発の基盤になるとの認識を示す一方で、記事は全米の科学研究を支援する米国科学財団(National Science Foundation: NSF)の全委員解任など現政権が進める政府規模の縮小策による研究体制への影響も指摘しており、トップ不在と相まって科学的リーダーシップが損なわれるとの懸念も広がっていると伝えている。 NEXTGOV/FCW “Department of Energy: Action Needed to Approve Advanced Test Reactor Spent Fuel Plan” (05/07/26) https://www.nextgov.com/artificial-intelligence/2026/05/us-tech-official-calls-transformational-use-ai-scientific-discovery/413405/?oref=ng-homepage-river
エネルギー省、使用済み核燃料計画承認が急務 GAO勧告
政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は5月7日、海軍の原子力艦隊運用に不可欠な先進試験原子炉(Advanced Test Reactor: ATR)の稼働継続に向け、エネルギー省(Department of Energy)に使用済み核燃料の貯蔵施設再編計画を承認するよう勧告した。アイダホ国立研究所(Idaho National Laboratory: INL)の先進試験原子炉複合施設は、潜水艦や空母の燃料試験を行う全米唯一の施設であるが、使用済み燃料の容量が2030年までに上限に達すると予測されている。これに対し、同省はこれまで最大198億ドルに上る後継炉建設などの選択肢を検討してきたものの、現在はコストを約12.6億ドルに抑えた既存施設の維持・改修案へと方針を転換しており、さらにコスト増加の可能性についても示唆している。GAOは、使用済み燃料保管計画の評価と承認がこれ以上遅延すれば、国家安全保障に関わる試験が停止されるリスクがあると指摘し、施設再編計画の評価を完了させ、ATRの運転を中断せずに2030年以降も燃料管理を続けられるよう勧告している。 GAO “Department of Energy: Action Needed to Approve Advanced Test Reactor Spent Fuel Plan” (05/07/26) https://www.gao.gov/products/gao-26-107969
2026年セレクトUSA投資サミット、560億ドル超の投資計画を誘致
商務省(Department of Commerce)は5月8日、メリーランド州ナショナル・ハーバーで開催した「2026年セレクトUSA投資サミット(2026 SelectUSA Investment Summit)」において、過去最高となる560億ドル以上の新規投資確約・計画を発表した。5月3日から6日にかけて行われた同サミットには100を超える国際市場からの関係者5,500人以上に加え、全55州・地域の経済開発組織(Economic development organization: EDOs)が一堂に会し、過去最大規模となった。これに併せて、米国独立250周年の節目を祝うレセプションも催された。同サミットはこれまで米国における2,500億ドルを超える新規投資プロジェクト創出に直接寄与し、12万5,000人以上の雇用創出に貢献しており、同省は、現政権の通商・投資政策が米国を世界最高のビジネス拠点として確立させ、数千件もの高賃金雇用創出と支援に直結するとアピールしている。次回は来年5月2日に開催される予定となっている。 Department of Commerce ” 2026 SelectUSA Investment Summit Concludes, Catalyzing Over $56 Billion in Investment Commitments and Plans” (05/08/26) https://www.commerce.gov/news/press-releases/2026/05/2026-selectusa-investment-summit-concludes-catalyzing-over-56-billion
PNNL、AI活用の新拠点設立 送電網安全強化に向け
エネルギー省(Department of Energy)傘下のパシフィック・ノースウエスト国立研究所(Pacific Northwest National Laboratory: PNNL)は5月7日、次世代電力網の安全性確保に向け、高度人工知能(AI)システムを導入した「送電網可視化・事象対応(Enhanced Visibility and Event Response: EVE@PNNL)」機能を設立したと発表した。サイバー攻撃や物理的な攻撃、自然災害などから送電網を保護する取り組みで、現行送電網は双方向の電力供給や多様な分散型電源の普及により物理的な挙動が変化することから、従来制御では対応が困難になっている。そこで、研究機関や民間企業と協力し、大規模言語モデルを含む最新AIツールの現場導入を推進し、リアルタイムのAI分析やシミュレーションを通じて、最適発電源の選択や障害箇所の隔離を支援する。膨大なデータを電力事業者が正確に管理することで、有事の際も国家安全保障に直結するインフラ機能を維持できる環境の構築を目指す。 PNNL “DOE’s Office of Critical Minerals and Energy Innovation Announces $52 Million to Revitalize Domestic Manufacturing and Onshore Industrial Excellence” (05/07/26) https://www.energy.gov/cmei/articles/does-office-critical-minerals-and-energy-innovation-announces-52-million-revitalize
エネルギー省、安全かつ安価なエネルギー技術開発に5,200万ドル拠出
エネルギー省(Department of Energy)の重要鉱物・エネルギー・イノベーション局(Office of Critical Minerals and Energy Innovation)は5月7日、全米15州における20事業に対し総額5,200万ドルを拠出すると発表した。貿易の影響を受けやすい産業における安全かつ安価なエネルギー技術開発を加速させることが目的で、主に化学、製鉄、食品・飲料、パルプ・製紙、セメント・コンクリート製造といったエネルギー集約型分野に対し、レーザーを用いた省エネ乾燥技術や人工知能(AI)による供給網(サプライチェーン)最適化、高効率熱交換器の開発など、市場即応性の高い革新的な解決策の導入を後押しする。同局は、次世代技術への投資が国のエネルギー安全保障を強固にし、経済成長と雇用創出を促進して、国内産業を世界市場の最前線へと位置付けるための鍵であると強調しており、選定事業を通じて、大幅なコスト削減や資源の有効活用を実現し、国内産業の卓越性を再構築していく方針である。 Department of Energy “DOE’s Office of Critical Minerals and Energy Innovation Announces $52 Million to Revitalize Domestic Manufacturing and Onshore Industrial Excellence” (05/07/26) https://www.energy.gov/cmei/articles/does-office-critical-minerals-and-energy-innovation-announces-52-million-revitalize