ローレンス・バークレー国立研究所、グリッド計画に関する州の要件を調査

約20州が、規制対象の電力ユーティリティ機関に対して、地域のグリッド投資計画を明らかにするよう義務付けている。こうした計画には、変電所、電柱及び電線、住宅や企業に電力を届けるためのその他の設備が含まれる。ユーティリティ機関を管轄する区域には、総合計画に関する要件を採用するところが増えており、顧客サービスの期待に応え、州と地方自治体の政策に対処し、グリッド・エッジでの増大する複雑さについて検討するホリスティックな投資戦略を講じている。ローレンス・バークレー国立研究所(Lawrence Berkeley National Laboratory)は今般、「電力送電システム計画に関する州の要件(State Requirements for Electric Distribution System Planning)」と題する報告書を発表した。州議会やユーティリティ規制当局の計画ガイダンスをまとめ、先導的な計画慣行を特定した内容となっている。また、付録の「データの視覚化とカタログ(data visualization and catalog)」は、インタラクティブ・マップと、州及びユーティリティに関する文書の情報とリンクを提示している。 Lawrence Berkeley National Laboratory “New Report Explores State Requirements for Local Grid Planning” (1/9/25)

データセンター、米国のユーティリティ機関の成長とリスクを拡大

バンク・オブ・アメリカ・グローバル・リサーチ(Bank of America (BofA) Global Research)が1月7日に発表した調査メモによれば、人工知能(AI)やデータセンターの拡大に伴う電力需要の増加は今後、米国のユーティリティ機関にリスクと機会の双方をもたらし、2025年に収益を得るユーティリティ機関が複数出るという。BofAのアナリストは、「データセンターやその他の大規模な産業電力需要は、2025年に重要な役割を果たすだろう。電力関連の大型資本投資に関連した収益増加を実現できる企業と、そうでない企業の間で、企業価値の違いが生じるだろう」と述べる。BofAの調査メモは、パシフィック・ガス・アンド・エレクトリック社(Pacific Gas & Electric)、ノースウェスタン・エネルギー・グループ(NorthWestern Energy Group)、コンステレーション・エナジー・グループ(Constellation Energy Group)には短期的な機会があると強調している一方で、電力需要高は、長期的なリスクにつながると指摘している。 Utility Dive “Data centers drive growth, risk for PG&E, Constellation, NorthWestern: BofA” (1/8/25)

ローレンス・バークレー国立研究所、ユーティリティのグリッド投資に関する規制判断を支援

米国の投資家所有型ユーティリティ機関は、2024年に597億ドル(試算)を送電システム投資に充当した。これは、資本支出の最大部分を占める。ユーティリティ機関は、送電システム計画を策定するため、広範な分析を実施するが、多くの区域の規制当局や関係機関は、どのようなデータが利用可能なのか、ユーティリティ機関は計画や投資でどのようにデータを使用しているのかを知らない。ローレンス・バークレー国立研究所(Lawrence Berkeley National Laboratory)が発表した報告書「送電計画データ及び分析に関する溝をふさぐ:ユーティリティ機関が規制当局や州エネルギー局、その他の関係機関に提供できる情報(Bridging the Gap on Distribution Planning Data and Analysis: Information That Utilities Can Provide Regulators, State Energy Offices and Other Stakeholders)」は、ユーティリティ機関が送電システム計画を策定するために使用しているデータや分析の種類、それらの情報がユーティリティ機関の意思決定にどのように影響するのかについて、理解を高めることを狙いとしている。データを共有することで、ユーティリティ機関が計画する資本投資や、運用及び維持管理に関する支出に透明性がもたらされる。 Lawrence Berkeley National Laboratory “Bridging the Data Gap to Inform Regulatory Decisions for Utility Grid Investments” (1/8/25)

DIUの軌道物資輸送宇宙船開発、プロトタイプで前進

国防総省(Department of Defense)による宇宙空間内でのモビリティ向上を促進するため、商業技術の活用に取り組む国防イノベーション・ユニット(Defense Innovation Unit: DIU)は、静止軌道(geostationary orbit: GEO)や、地球低軌道(low Earth orbit: LEO)とは異なるその他の特殊な軌道への低費用で応答的なアクセスを実現する物資輸送の提供を目的として、3社と取り組んでいる。3社は、ブルー・オリジン社(Blue Origin)、スペース・ロジスティクス社(Space Logistics)、スカイコープ社(Skycorp)(現在は、「スペースビルト社(Spacebilt)」)。ブルー・オリジン社は、機械的に結合されたペイロード(50キロ以上)を収容、移送できる重量ユーティリティ多軌道用物資輸送宇宙船(heavy utility multi-orbit logistics vehicle: m-OLV)を同社のブルー・リング(Blue Ring)プラットフォームを使って実証する契約を受注した。スペース・ロジスティクス社は、宇宙空間での一連の燃料補給技術を提供しており、それらは宇宙システム司令部(Space Systems Command: SSC)による補完的な取り組みと協調的に実施されている。スペースビルト社は、同社のm-OLV製品を国防総省の使用事例とすることを目指し、「宇宙空間でのアセンブリ及び製造(In Space Assembly and Manufacturing)」手法の更なる検証を目的とした契約を受注した。 Defense Innovation Unit “Companies Selected for DIU Orbital Logistics Vehicle Project Moving Forward with Prototypes” (1/7/25)

財務省、技術中立の税クレジット規則を発表

財務省(Department of the Treasury)は1月7日、技術中立のクリーン電力クレジットに関する最終規則(Final Rules for Technology-Neutral Clean Electricity Credits)を発表した。「クリーン電力投資及び生産税クレジット(Clean Electricity Investment and Production Tax Credits)」は通称、45Y及び48Eとして知られ、今年から建設が開始されるプロジェクトに適用される。インフレ低減法(Inflation Reduction Act: IRA)によって制定された技術中立のクレジットで、風力、ソーラー、水力発電、海洋、水力運動エネルギー、地熱、原子力、一部の廃棄物エネルギー回収設備が対象。再生可能エネルギー及び環境保護団体は、議会とトランプ次期政権に本クレジットを維持するよう要請し、ソーラーエネルギー業界協会(Solar Energy Industries Association: SEIA)の社長兼最高経営責任者(CEO)のアビゲイル・ロス・ホッパー氏(Abigail Ross Hopper)は、「本クレジットは米国のエネルギー・イノベーションへの投資に企業が必要とする長期的な政策の確実性をもたらす」と述べた。一方、水素発電の業界団体である燃料電池及び水素エネルギー協会(Fuel Cell and Hydrogen Energy Association)のCEOであるフランク・ウォラック氏(Frank Wolak)は、「規則は燃焼及びガス化設備の技術を検討しており、ほとんどの燃料電池が対象外となっている。この技術がどのようにして経済成長とエネルギー安全保障を促進できるかについて新議会との徹底した討論を期待する」と述べる。 Axios “Treasury issues tech-neutral tax credit rules” (1/8/25)

サンディア国立研究所、2024年に過去最高の経済効果を報告

サンディア国立研究所(Sandia National Laboratories)の2024年経済報告(Economic Impact 2024)が発表された。それによれば、同研究所は2024年に過去最高となる経済効果(52億ドル)をもたらし、昨年の経済効果を約4億ドル上回った。この他にも、①1万6,900名の雇用を支援、②中小企業のサプライヤーに10億8,000万ドルの支払い、③ニューメキシコ州への1億3,300万ドルの納税、などが含まれる。サンディア国立研究所のジェイムス・ピーリー所長(James Peery)は、「サンディア国立研究所は75年にわたり、国家安全保障の強化と技術の進展でリーダーとなっている。我々の成功は、中小企業を中心とした多様なサプライヤーとの強力なパートナーシップのおかげである」と述べている。 Sandia National Laboratories “Sandia National Labs to announce record-breaking impact in 2024″ (1/8/25)

エネルギー省、先端原子炉のライセンス活動支援に1,300万ドル

エネルギー省(Department of Energy)は1月8日、「先端原子力エネルギー・ライセンシング費用分担グラント・プログラム(Advanced Nuclear Energy Licensing Cost-Shared Grant Program)」を通して、最大1,300万ドルを業界に提供する用意があると発表した。この競争的な資金提供機会は、先端原子炉の市場化に取り組む先駆企業を対象にライセンス費用の低減を支援する。「クリーンで信頼性の高いエネルギーへの需要が増大し続ける中、先端原子炉技術の導入を加速させる必要がある。本プログラムは、官民の資金を合体させて、軽水炉及び軽水炉以外の先端原子炉設計の導入と商業化を迅速化させ、規制上の確実性を高める」と、エネルギー省の高官は述べる。エネルギー省の資金は、原子力規制委員会(Nuclear Regulatory Commission: NRC)に公式なライセンス申請書が提出される前の白書やトピック報告書のレビューと、ライセンス申請書がNRCに正式に受理された後の活動の双方を支援する。 Department of Energy “U.S. Department of Energy Announces $13 Million to Support Advanced Nuclear Reactor Licensing Activities” (1/8/25)

エネルギー省と環境保護庁、先端バイオ燃料の開発支援に600万ドル

エネルギー省(Department of Energy)のバイオエネルギー技術局(Bioenergy Technologies Office: BTO)と環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)は1月8日、バイオ燃料開発を進展させ、エネルギー及び排出のイノベーションで米国のリーダーシップを支援する3件のプロジェクトに600万ドルを提供すると発表した。インフレ低減法(Inflation Reduction Act: IRA)から資金が拠出される。受益プロジェクトは、影響力の高いバイオ燃料生産技術のパフォーマンス向上と費用削減につながる研究、業界内の生産システムの拡張、米国バイオ経済の支援に取り組む。受益プロジェクトは、エネルギー省の「持続可能な航空燃料のグランド・チャレンジ(Sustainable Aviation Fuel (SAF) Grand Challenge)」のゴール(持続可能なバイオマスと廃棄物原料を使ったバイオ燃料技術の開発)を支援する。また、これらのプロジェクトは、EPAによる再生可能燃料基準(Renewable Fuel Standard: RFS)プログラムの要件に適応するための新技術を業界に提供する。 Department of Energy “U.S. Department of Energy and Environmental Protection Agency Announce $6 Million to Support Development of Advanced Biofuels” (1/8/25)

エネルギー省、産業サブセクターのエネルギー需要削減に1億3,600万ドル

エネルギー省(Department of Energy)は1月8日、米国の主要な産業サブセクターにおけるエネルギー需要を削減し、生産性を向上させる上で重要な変革的技術の研究開発を支援するため、66件のプロジェクトに1億3,600万ドル以上を提供すると発表した。これらの投資は、革新的な技術開発を加速させ、急速に変化する世界市場における米国の産業サプライチェーンの対応力と競争力を確実にする。受益プロジェクトは、①化学及び燃料、②鉄鋼、③食品及び飲料品、④建造及びインフラ、⑤森林製品、⑥産業の基本工学設計(front-end engineering and design: FEED)前研究、の6つのトピックに分けられる。これらの産業を合わせると、米国の産業エネルギー需要の75%を占め、約1,300万人の米国民を雇用し、米国の国内総生産(GDP)への寄与は約28兆ドルに上る。 Department of Energy “U.S. Department of Energy Announces more than $136 Million in Projects To Develop Transformational Technologies Across America’s Most Critical Industrial Subsectors” (1/8/25)

エネルギー省、地熱による冷暖房の全国的拡大へ向けた経路を提示

エネルギー省(Department of Energy)は、地熱による冷暖房の拡大に焦点を当てた報告書「商業化発進への経路:地熱冷暖房(Pathways to Commercial Liftoff: Geothermal Heating and Cooling)」を発表した。地熱による冷暖房技術は、効率的なエネルギー・システムを構築し、建造物からの排出を削減する強力な手段となり得るが、軽視されることが多いツールである。報告書は、米国の地熱産業をどのようにして成長させ、人々が、信頼性が高く手頃な費用で地元で利用できる冷暖房ソリューションへのアクセスをより容易に得られるようになるための方法について説明している。報告書のキーファインディングとして、①地熱冷暖房は混雑時の電力使用を低減し、エネルギー・システムの信頼性を高め、エネルギー費用削減の一助となる可能性がある。②クリーンで国内利用される地熱冷暖房を拡大するため、2035年までは新規建造物への地熱導入を増加させることに焦点を当て、その後、古い建造物への導入を加速させること、などが挙げられている。 Department of Energy “DOE Report Highlights Pathways to Expand Geothermal Heating and Cooling Nationwide” (1/8/25)