エネルギー省、ポーランド発の原子力発電所建設で合意

エネルギー省(Department of Energy)は4月28日、ポーランド初の原子力発電所建設に向けた技術開発協定の調印式が行われ、ウェスチングハウス社(Westinghouse)とベクテル社(Bechtel)のコンソーシアム(WBC)と、ポーランドのポルスキエ・エレクトロウニエ・ヨンドロヴェ社(Polskie Elektrownie Jądrowe: PEJ)の間でエンジニアリング開発協定(Engineering Development Agreement: EDA)が締結されたと発表した。建設予定地はポーランド北東部のホチェボ(Choczewo)でAP1000型原子炉3基の建設が計画されており、2026年に建設が開始される予定である。ウェスチングハウス製のAP-1000型原子炉を、ベクテル社が建設する予定で、この計画により国内で約4万人の雇用創出を見込んでいる。将来的には2カ所に計6基のAP1000型原子炉を建設し、数百億ドル規模の事業となる見通しで、エネルギー省のクリス・ライト長官(Chris Wright)は「両国のエネルギー安全保障協力の重要な一歩となる」と述べた。 Department of Energy “United States Signs Agreement to Advance American Civil Nuclear Deal in Poland” (04/28/25) https://www.energy.gov/articles/united-states-signs-agreement-advance-american-civil-nuclear-deal-poland

内務省、エネルギー開発の許認可手続きを大幅短縮

内務省(Department of the Interior)は4月23日、国内エネルギー供給強化に関する許認可手続きを、最大28日に短縮する緊急措置の実施を発表した。トランプ大統領による国家エネルギー緊急事態宣言に対応するもので、代替の国家環境政策法遵守プロセス(National Environmental Policy Act compliance process)を採用し、従来であれば数年かかる環境影響評価などの手続きを大幅に簡素化し、環境アセスメントは14日以内、環境影響評価書は28日以内に審査を完了させる。原油、天然ガス、石炭、ウラン、地熱などの広範なエネルギー資源に関連するプロジェクトが対象で、ダグ・バーガム内務長官(Doug Burgum)は「エネルギー安全保障は国家安全保障である」と述べ、エネルギー自給と経済的競争力の強化を図る方針を示した。この措置により国家環境政策法(National Environmental Policy Act)や絶滅危惧種法(Endangered Species Act)、国家歴史保存法(National Historic Preservation Act)に基づく許認可手続きが迅速化される。 Department of the Interior “Department of the Interior Implements Emergency Permitting Procedures to Strengthen Domestic Energy Supply” (04/23/25) https://www.doi.gov/pressreleases/department-interior-implements-emergency-permitting-procedures-strengthen-domestic

日立エナジー、バージニア州で2,250万ドル投資 120人雇用創出へ

バージニア・ビジネス(Virginia Business)は4月25日、電力網インフラ大手の日立エナジー社(Hitachi Energy)が、バージニア州南西部で総額2,250万ドルの設備投資を実施し、120人の新規雇用を創出すると報じた。同社は、ブランド郡にある既存の乾式変圧器工場に1,250万ドルを投じて施設を拡張し、生産能力の拡大を進め、80人の雇用を創出する。同施設は1972年の操業開始以来、乾式変圧器の国内生産拠点として約450人を雇用しており、公益事業や産業、運輸など幅広い分野に製品を供給している。また、スミス郡アトキンスの約7万5,000フィートの倉庫施設の取得に1,000万ドルを充て、コア加工と物流機能を強化する。8月の操業開始を予定しており、バージニア州のグレン・ヤングキン知事(Glenn Youngkin)は「バージニア州製造業の能力に対する力強い支持表明」と評価した。スイスに本社を置く同社は、2024年から2027年にかけて世界で60億ドルの投資を計画しており、今回の投資はその一環となる。 Virginia Business “Hitachi Energy to invest $22.5M in SWVA expansion, creating 120 jobs” (04/25/25) Hitachi Energy to invest $22.5M in SWVA expansion, creating 120 jobs

トランプ大統領、科学技術諮問委員会を創設 

大統領府は4月26日、科学技術諮問委員会(Council of Advisors on Science and Technology)を創設し、米国の技術革新政策の立案と実施を強化する方針を発表した。人工知能(AI)による自動化、ブロックチェーンなど次世代技術分野での米国のリーダーシップを強化することを主な目的とし、知的財産権の保護を重視する姿勢を示した。同分野の優位性確立に向け、産業界や学術界から「最高の英知(best and brightest)」を結集させ、21世紀の成長を牽引する革新的技術の開発を加速させるという。大統領はこれに先立ち、米国のAIリーダーシップへの障壁除去に関する大統領令に署名し、官僚主義を撤廃し、規制緩和を進めている。さらに、関税政策の戦略的活用や貿易協定を見直し、知的財産の窃取にも対処する方針で、カルビン・クーリッジ元大統領(Calvin Coolidge)の「ビジネスが米国の仕事である(The business of America is business)」との言葉を引用し、米国の競争力の源泉は、知的財産保護にあるとも強調した。 The White House “World Intellectual Property Day, 2025” (04/26/25) https://www.whitehouse.gov/presidential-actions/2025/04/world-intellectual-property-day-2025/

科学者の国外流出が加速 トランプ政権の予算削減で

ネイチャー誌(Nature)は4月22日、トランプ政権による科学研究予算の大幅削減により、研究者の国外で求職する動きが加速していると報じた。同誌の調査によると、2025年1~3月期の研究者の海外求人への応募が前年同期比32%増加し、求人閲覧数も35%増加したという。特にカナダへの応募は41%増加した一方、カナダから米国への応募は13%減少した。また、調査回答者の75%が国外転出を希望していることを受け、仏エクス・マルセイユ大学(Aix-Marseille University)や独マックス・プランク協会(Max Planck Society)などの欧州研究機関が独自のイニシアチブやプログラムを設立し、米国からの人材獲得に動いている。さらに、2025年第1四半期にネイチャー・キャリア誌(Nature Careers)に掲載された中国の求人広告に対する米国の閲覧数と応募数は、前年同期比でそれぞれ30%と20%増加したとも伝えた。他のアジア諸国での就職機会に対する米国の関心は、34%(視聴回数)と39%(応募)増加しているという。 Nature “Exclusive: a Nature analysis signals the beginnings of a US science brain drain” (04/22/25) https://www.nature.com/articles/d41586-025-01216-7

ビッグテン大学、トランプ政権への共同防衛協定を模索

ワシントン・ポスト紙(Washington Post)は4月24日、中西部を中心に全米18校が加盟する名門大学連合ビッグテン(Big Ten)において、トランプ政権による高等教育への攻撃に対抗するため「北大西洋条約機構(North Atlantic Treaty Organization:NATO)型」と称される相互防衛協定の締結を求める動きが拡大していると報じた。連携校が法律顧問や資金を共有し、政府による特定大学への制裁や研究費凍結、留学生ビザ取り消しなどを行った場合に、団結して対応できる仕組みで、ラトガース大学(Rutgers University)の決議採択を皮切りにインディアナ大学(Indiana University)やネブラスカ大学(University of Nebraska)、ワシントン大学(University of Washington)など6校以上の教職員組合がすでに決議を採択した。ミシガン大学も危機感から、教授陣が大差で協定支持を表明した一方で「法的リスクが高い」という慎重論もあるという。今後は、大学執行部による締結の是非と複数大学間のさらなる連携強化が焦点となる。 The Washington Post “Big Ten university faculties push for defense compact against Trump” (04/24/25) https://www.washingtonpost.com/education/2025/04/24/big-10-universities-alliance-trump-attacks/

インテル、大規模リストラと支出削減を発表

ワシントン・ポスト紙(The Washington Post)は4月24日、半導体大手インテル社(Intel)がCHIPS法(Creating Helpful Incentives to Produce Semiconductors)に基づき、バイデン前政権から約79億ドルの資金を受領したにもかかわらず、2025年の支出削減と人員削減を発表したと伝えた。2025年の設備投資計画も200億ドルから180億ドルへと10%引き下げる。2024年第1四半期に8億ドルの赤字を計上し、主力の人工知能(AI)市場でも国内ライバルのエヌビディア社(Nvidia)に後れを取ったことから、リップブー・タンCEO(Lip-Bu Tan)は従業員に向けたメールで、経営効率化のため管理職層の削減に踏み切る内容を伝えた。2024年に1万5,000人の大規模人員削減を発表し、今回の追加削減は従業員の20%以上となる可能性も報道されている。同社はこれまでに、中核的な製造能力を構築するための78億6,000万ドルに加え、国防総省(Department of Defense)からの30億ドルの追加支援も受けている。 The Washington Post “Intel to cut jobs and spending after getting $7.9 billion in federal grants” (04/24/25) https://www.washingtonpost.com/technology/2025/04/24/intel-cuts-manufacturing-trump/

AIP、物理学科や大学院プログラムの縮小を予想

米国物理協会(American Institute of Physics:AIP)は4月24日、予算削減により、物理・天文学系大学院の今後2年間の入学者数が減少する見込みと発表した。国内の物理学と天文学を専門とする大学院292校を対象に調査し、115校から回答を得た。報告書は、2025年度秋の新入生数は約13%減少すると予測し、特に私立大学で25%減、公立大学で7%減となると指摘した。多くの学科長が2026年度も大幅に減少すると予測し、科研費打ち切りや削減を報告する学科や、大学によっては入学枠の追加を停止する動きや初年度分のみの財政支援に変更するケースも出てきたという。不安定な資金状況が教職員の採用凍結や高齢教員の後任不在、研究環境の悪化懸念につながり、教員や学生の心理的負担を高めていることに加え、トランプ政権の入国管理政策は留学生や外国人研究者の渡航に影響を及ぼし、優秀な人材の流出や国際会議出席の回避も報告されており、このような状況が国の科学技術力低下に直結すると警鐘を鳴らしている。 AIP “US Physics Departments Expect to Shrink Graduate Programs” (04/24/25) https://ww2.aip.org/fyi/us-physics-departments-expect-to-shrink-graduate-programs

インフルエンザウィルス研究のタウベンバーガー氏、NIAID所長代行に就任 

サイエンス誌(Science)は4月24日、1918年スペイン風邪ウイルスの全ゲノム解読で知られるジェフリー・タウベンバーガー氏(Jeffery Taubenberger)が国立アレルギー・感染症研究所(National Institute of Allergy and Infectious Diseases:NIAID)の所長代行に任命されたと報じた。同研究所で約19年間研究者として研究に携わってきた同氏は、国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)の中で2番目に大きな66億ドルの予算規模の同研究所を率いることになる。2023年までアンソニー・ファウチ氏(Anthony Fauci)が38年間所長を務めた後、ジーン・マラッツォ氏(Jeanne Marrazzo)によって引き継がれたが、2024年3月31日付でトランプ政権によって解任された。タウベンバーガー氏は、これまでNIAID規模の組織管理経験はないものの、アラスカの永久凍土から発掘されたイヌイット女性や陸軍兵士遺体から得た1918年ウイルスの標本を採取し、その全遺伝子配列を明らかにした功績で知られる。 Science “Researcher of 1918 flu virus takes over NIAID” (04/24/25) https://www.science.org/content/article/researcher-1918-flu-virus-takes-over-niaid

深海重要鉱物の採掘強化に向けた大統領令発令

大統領府は、4月24日、海底鉱物資源の優位性確立に向けた大統領令を発表した。中国の影響力に対抗すべく、国の管轄域内外を問わず、深海の重要鉱物の探査・収集・加工能力開発を加速させる。これに伴い、商務省(Department of Commerce)に「深海底硬鉱物資源法(Deep Seabed Hard Mineral Resources Act)」に基づく許認可手続きの迅速化を指示し、内務省(Department of the Interior)やエネルギー省(Department of Energy)と国防総省(Department of Defense)と連携し、大陸棚での民間企業による探鉱や採掘、加工体制の整備や国防備蓄に関する調査報告の提出も求めた。また海底の優先領域の地図化に加え、同盟国と協力し、海底資源の国際的利益配分メカニズムの検討も行う。トランプ大統領は、アンブラー・アクセス・プロジェクト(Ambler Access Project)の推進に加え、鉱物輸入が米国安全保障へ及ぼす影響を調査する第232条(Section 232)調査の実施も命じている。 The White House “Fact Sheet: President Donald J. Trump Unleashes America’s Offshore Critical Minerals and Resources” (04/24/25) https://www.whitehouse.gov/fact-sheets/2025/04/fact-sheet-president-donald-j-trump-unleashes-americas-offshore-critical-minerals-and-resources/