NIH、動物実験を削減する新イニシアチブを発表

国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)は4月29日、研究における動物実験を削減し、ヒトベースの研究技術を拡大する新構想を導入すると発表した。これまでの生物医学研究システムに新科学技術や新興技術を導入し、動物を使わない代替研究モデル開発とその活用を進めるもので、研究のやり方を根本的に再考していく。具体的には、オルガノイド(Organoid)や組織チップ(Tissue Chips)、また、複雑な生物学的人間システム、疾患経路、薬物相互作用をシミュレートする計算モデルなどの技術を用いて、データサイエンスとテクノロジーの進歩をヒト生物学(Human biology)と融合させるという。これまでアルツハイマー病や癌などの疾患に関する動物実験の結果を、臓器や機能の違いからヒトへ応用することの有効性が確認できなかったことから、新たに研究イノベーション・検証・応用局(Office of Research Innovation, Validation, and Application: ORIVA)も設立し、ヒトベースの開発と検証を促進していくという。 NIH “NIH to prioritize human-based research technologies” (04/29/25) https://www.nih.gov/news-events/news-releases/nih-prioritize-human-based-research-technologies

トランプ政権、自動車部品関税に軽減措置 産業支援へ

大統領府は4月29日、トランプ大統領が自動車輸入関税の一部を軽減する措置を講じたと発表した。この措置は、国内で自動車を生産するメーカーに対し、メーカー希望小売価格(Manufacturer’s Suggested Retail Price: MSRP)に応じた自動車部品の関税の軽減を認めるもので、生産台数が多いほど軽減幅が大きくなる。具体的には、2025年度(2025年4月3日から2026年4月30日まで)はMSRPの3.75%、2026年度(2026年5月1日から2027年4月30日まで)は2.5%を控除する内容で、米国・メキシコ・カナダ協定(United States-Mexico-Canada Agreement: USMCA)製部品を85%使用した場合、最初の1年間はその自動車の生産に対して関税を課せられず、50%の場合は、最初の1年間に35%の関税を支払う仕組みとなる。政府は、国内産業の活性化に向けた取り組みを強化しており、特に約100万人の雇用を擁する自動車産業の再建は最重要課題と位置付けている。 The White House “Fact Sheet: President Donald J. Trump Incentivizes Domestic Automobile Production” (04/29/25) https://www.whitehouse.gov/fact-sheets/2025/04/fact-sheet-president-donald-j-trump-incentivizes-domestic-automobile-production/

トランプ大統領、最新技術導入で許認可プロセスを効率化

大統領府は4月15日、トランプ大統領が連邦政府の環境審査と許認可プロセスに最新技術を活用する覚書を発出したと発表した。この覚書は、すべてのインフラプロジェクトにおける許認可申請のデジタル化や審査の迅速化を目指すもので、環境諮問委員会(Council on Environmental Quality:CEQ)が、プロジェクト許認可スケジュールの透明性と予測可能性を高めるためのガイドとなる許可技術行動計画を策定する。また、新しいソフトウェアを各政府機関へ導入し、申請および審査プロセスの自動化を支援する許認可イノベーションセンターも設立する。環境審査および許認可制度改革を最重要課題とするトランプ政権は、国家環境政策法(National Environmental Policy Act: NEPA)の規制撤廃と合わせ、州や部族当局との情報共有の強化を図りつつ、手続きの簡素化により経済成長を阻む遅延を排除し、米国のエネルギー優位性の確立に向け、取り組んでいくとしている。 The White House “Fact Sheet: President Trump Brings Permitting Technology Into the 21st Century for Government Efficiency” (04/15/25) https://www.whitehouse.gov/fact-sheets/2025/04/fact-sheet-president-trump-brings-permitting-technology-into-the-21st-century-for-government-efficiency/

アムジェン社、オハイオ州で製造事業拡大

アムジェン社(Amgen)は4月25日、オハイオ州の製造施設拡大に向けて9億ドルを投じる計画を発表した。これにより創出される総雇用数は750名となり、オハイオ州中央部への同社の投資合計額は14億ドル以上となる。アムジェン社は2021年6月にオハイオ州に初めて進出し、同州中央部に最新のバイオ製造施設を建設する計画を発表していた。今回の投資によって同社の存在はコロンバス地域へと拡大され、米国を拠点とする製造能力を強化することになる。施設開設時には400名の雇用創出が見込まれている。 Amgen “AMGEN ANNOUNCES $900 MILLION MANUFACTURING EXPANSION, CREATION OF 350 NEW JOBS IN OHIO” (04/25/25) https://www.amgen.com/newsroom/press-releases/2025/04/amgen-announces-900-million-manufacturing-expansion-creation-of-350-new-jobs-in-ohio

メルク社、バイオ医薬COEの建設開始

メルク社(Merck)は4月29日、デラウェア州ウィルミントンで最新のバイオ医薬センター・オブ・エクセレンス(biologics center of excellence)の建設に着工したと発表した。建設されるメルク・ウィルミントン・バイオテック(Merck Wilmington Biotech)(総額10億ドル)は47万平方フィートの最新施設で、ラボ、製造および倉庫能力を備え、強力な抗体薬物複合体(Antibody-drug conjugates: ADCs)を含む次世代のバイオ医薬および治療の開始と商業生産を行う。施設は、チェストナット・ラン・イノベーション・アンド・サイエンス・パーク(Chestnut Run Innovation & Science Park)内に位置し、500名以上の従業員と4,000名以上の建設雇用を創出する。ラボ部分は2028年までに全面稼働し、2030年までに治験薬の生産が開始される見通しである。 Merck “Merck Breaks Ground on New $1 Billion Biologics Center of Excellence in Wilmington, Delaware” (04/29/25) Merck Breaks Ground on New $1 Billion Biologics Center of Excellence in Wilmington, Delaware

コーニング社、米国製ソーラー製品の需要増に対応

コーニング社(Corning Incorporated)は4月29日、ミシガン州にある先端製造事業を加速させ、米国製ソーラー部品の需要増を支援すると発表した。これにより、同社の新たな製造施設投資額は15億ドルとなり、新たに400名の先端製造における高賃金雇用が創出され、労働者数は合計1,500名に達する見込みである。コーニング社の傘下企業であるヘムロック・セミコンダクター社(Hemlock Semiconductor: HSC)は高純度ポリシリコンの世界大手供給企業であり、今回、新たな製造施設に投資することで、ソーラー市場におけるコーニング社の存在感を高めることが期待されている。 Corning Incorporated “Corning Expands Advanced Manufacturing Capacity To Meet Increased Demand for U.S.-Made Solar Products” (04/29/25) https://www.corning.com/worldwide/en/about-us/news-events/news-releases/2025/04/corning-expands-advanced-manufacturing-capacity-to-meet-increased-demand-for-US-made-solar-products.html

サーモフィッシャーサイエンティフィック社、追加投資発表

医薬製造の世界最大手の一つであるサーモフィッシャーサイエンティフィック社(本社:マサチューセッツ州)は、4月24日、今後4年間で米国に20億ドルの追加投資を行うと発表した。科学部門における米国のイノベーション、製造、経済競争力を強化する。米国の製造能力への追加投資は、対応力のある米国の医療ケアサプライチェーンを支援し、米経済全般で力強い相乗効果をもたらすと期待されている。20億ドルの投資の内訳は、①米国製造事業の強化及び拡大を目的とした15億ドルの資本支出、②高インパクトのイノベーションに焦点を当てた研究開発への5億ドルの補完的投資、となっている。 Thermo Fisher Scientific “Thermo Fisher Scientific Invests to Enhance U.S. Innovation and Support Customers’ Manufacturing” (04/24/25) https://ir.thermofisher.com/investors/news-events/news/news-details/2025/Thermo-Fisher-Scientific-Invests-to-Enhance-U-S–Innovation-and-Support-Customers-Manufacturing/default.aspx

癌の研究成果で中国が米国を上回る

ネイチャー・インデックス(Nature Index)における癌研究成果で、2024年に中国が初めて米国を上回り、同分野で首位となった。同年におけるシェア(Share)数値は、中国が19%急増した一方で、米国は5%のみの増加にとどまった。シェアとは、ネイチャーが採用する指標で、論文絶対数を示す指標であるカウント(Count)と異なり、シェアでは、共同著者数が検討される。例えば、ある論文で10名の共同著者がいる場合、カウントは1、シェアは0.1として計算される。一方で、米国は癌の国際共同研究において突出したリーダーであり、中国との共同研究は2021年に勢いを失ったが、それ以降回復傾向にある。また、2019~2024年の5年間でみると、癌研究シェアの首位は米国となっている(米国11%、中国9%)。機関別にみると、癌関連の研究成果で圧倒的な成果を上げているのはハーバード大学(Harvard University)であり、2019年1月~2024年8月におけるシェアは1,169.18で、2位の中国科学院(Chinese Academy of Sciences)(シェア768.90)を大きく引き離している。 Nature “China overtakes the United States in cancer research output” (04/23/25) https://www.nature.com/articles/d41586-025-01154-4

AI活用の電力網改善、データ共有がカギ

ユーティリティ・ダイブ(UTILITY DIVE)は4月29日、人工知能(AI)を活用した電力網の改善がAI学習用データの不足で遅れており、電力・技術セクターがデータ共有推進に動いていると報じた。電力研究所(Electric Power Research Institute:EPRI)主導のオープン・パワーAIコンソーシアム(Open Power AI Consortium)などは、データセットのオープン化やテスト環境提供でアクセス障壁克服へ取り組むとしている。また、各施設・設備のセキュリティ下でデータが管理・保護されている現状を踏まえ、全米公益事業委員会協会(National Association of Regulatory Utility Commissioners: NARUC)の指針や州レベルの政策で個人特定データの保護を前提にしつつ共有を進める。記事は、分散型エネルギー資源(Distributed Energy Resources: DER)や仮想発電所(Virtual power plants: VPP)統合に不可欠な配電システムデータ活用には、分散型エネルギー資源管理システム(DER management systems: DERMS)への投資が重要であるとも伝えている。 UTILITY DIVE “EPRI’s Open Power AI Consortium plans to fuel grid modernization with data sharing” (04/28/25) https://www.utilitydive.com/news/epri-open-power-ai-consortium-grid-modernization-data/745730/

共和党、総額1,500億ドルの国防予算増額案を発表

米国物理協会(American Institute of Physics: AIP)は4月28日、共和党が提案した2025年度の国防予算増額法案の詳細を発表した。下院・上院軍事委員会の共和党議員が提案した本法案によると、ゴールデン・ドーム(Golden Dome)ミサイル防衛構想に約250億ドル、国家核安全保障管理局(National Nuclear Security Administration: NNSA)に32.4億ドルが割り当てられている。ゴールデン・ドーム構想では、指向性エネルギー研究に2.5億ドル、宇宙配備型迎撃ミサイルの開発に56億ドル、宇宙配備型センサーの開発に72億ドルを計上する。また、人工知能(AI)関連では、研究開発および国防総省(Department of Defense)の既存システムへの導入に10億ドル以上を投じ、その他、量子ベンチマーキング構想に2.5億ドル、小型モジュール炉の開発に1.2億ドルを配分する計画となっている。 AIP “DOD reconciliation bill includes billions of dollars for Golden Dome and NNSA” (04/28/25) https://ww2.aip.org/newsletter/00000196-7dc0-d7df-a5f6-ffc669c00000