NIH、次世代ワクチン開発プラットフォームを発表

国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)は5月1日、厚生省(Department of Health and Human Services)とパンデミックに備える次世代汎用型ワクチン・プラットフォーム「ジェネレーション・ゴールド・スタンダード(Generation Gold Standard)」の開発を発表した。β-プロピオラクトン(beta-propiolactone: BPL)を用い不活化した全ウイルスに対応するもので、インフルエンザやコロナウイルスなどを防御するBPL-1357やBPL-24910ワクチンを開発する。将来的にはRSウイルス(RSV)やメタニューモウイルス(metapneumovirus)、パラインフルエンザ(parainfluenza)にも適応可能とし、国立アレルギー・感染症研究所(National Institute of Allergy and Infectious Diseases: NIAID)が主導し、政府所有で商業上利益から相反させ、透明性や公的説明責任を確保しつつ、安全性と有効性を検証する。臨床試験は2026年に開始予定で、2029年までに食品医薬品局(Food and Drug Administration:FDA)の承認を目指すという。 NIH “HHS, NIH launch next-generation universal vaccine platform for pandemic-prone viruses” (05/01/25) https://www.nih.gov/news-events/news-releases/hhs-nih-launch-next-generation-universal-vaccine-platform-pandemic-prone-viruses

NATCAST、NSTC技術諮問委員会を設立

国立半導体技術推進センター(National Center for the Advancement of Semiconductor Technology: NATCAST)は5月1日、半導体技術における戦略的指導と専門知識を提供する19名の委員からなる初の技術諮問委員会(Technical Advisory Board: TAB)を設立したと発表した。半導体エコシステムを代表する専門家で構成される同委員会は、CHIPS ・科学法(CHIPS and Science Act)によって設立された国立半導体技術センター(National Semiconductor Technology Center: NSTC) の研究アジェンダを形成し、米国主導のイノベーションと経済および国家安全保障の強化に役立つ戦略的なガイダンスと専門知識を提供する。2025年5月から開始され、今後数カ月以内に第一弾が公開される予定である。委員の任期は1~3年とし、交代により専門家の幅広い参加と多様な視点を確保する。同センターの研究活動が、業界課題にリアルタイムで対応できるよう努めていく方針という。 Natcast “Natcast Announces Inaugural NSTC Technical Advisory Board” (05/01/25) Natcast Announces Inaugural NSTC Technical Advisory Board

大統領府、許認可イノベーション・センターを設立

大統領府は4月30日、環境諮問委員会(Council on Environmental Quality: CEQ)による許認可イノベーション・センター(Permitting Innovation Center)設立を発表した。トランプ大統領の覚書「21世紀に向けた許認可技術の改進(Updating Permitting Technology for the 21st Century)」に基づき、新技術を活用したインフラ計画の環境評価と許認可プロセスを効率的に行うことを可能にするもので、同センターは国家エネルギー優位性評議会(National Energy Dominance Council: NEDC)と関連する許認可機関と連携し、各機関に技術的な指針を提供しつつ、初期の国家環境政策法(National Environmental Policy Act: NEPA)のデータと技術標準を策定する。また、許認可技術行動計画に基づいて一般調達局(General Services Administration: GSA)と協力し、各機関で実施可能な試作ソフトウェアシステムの設計と試験も行うとし、プロセスの迅速化と透明性向上に対する政府のコミットメントを示したと表明している。 The White House “The White House Council on Environmental Quality Establishes Permitting Innovation Center” (04/30/25) https://www.whitehouse.gov/articles/2025/04/the-white-house-council-on-environmental-quality-establishes-permitting-innovation-center/

メルセデス、アラバマ工場で新型車を生産予定

CNBCは5月1日、独メルセデス・ベンツ社(Mercedes-Benz)がアラバマ州の工場で新型車の生産を2027年までに開始すると発表したと報じた。車種などの具体的な詳細については明らかにしていないが、多目的スポーツ車(Sport utility vehicle: SUV)を生産する同州タスカルーサ近郊の工場で予定している。同社は、今回の決定がトランプ関税の影響によるものかどうかについてのコメントを避け、販売する場所で車両を生産する「地産地消戦略」に基づく決定と述べた。生産するSUVの約60%を輸出する同工場は、SUVの世界輸出拠点として確立されており、同社北米CEOのジェイソン・ホフ氏(Jason Hoff)は声明で「タスカルーサでの生産を通じて、米国市場との関係を強化する」と強調した。 CNBC “Mercedes-Benz to add new vehicle to Alabama plant amid Trump tariffs” (05/01/25) https://www.cnbc.com/2025/05/01/mercedes-benz-alabama-plant-trump-tariffs.html

国務省、大規模再編を発表 科学技術エネルギー関連部局を廃止

国務省(Department of State)は4月22日、米国第一の外交政策に基づく組織再編計画を発表した。マルコ・ルビオ国務長官(Marco Rubio)は声明で、従来の組織について「肥大化し、官僚的」であると指摘し「大国間の競争が激化するこの新たな時代において、本来の外交任務を遂行することができていない」と言及した。ワシントン・ポスト紙(Washington Post)の報道によると、科学技術顧問室(Office of the Science and Technology Advisor to the Secretary)やエネルギー資源局(Bureau of Energy Resources)、また、民間安全保障・民主主義・人権担当国務次官(Under Secretary for Civilian Security, Democracy, and Human Rights)等、132の部署の閉鎖と700のポストを廃止する一方で、軍備管理と国際安全保障担当国務次官(Under Secretary of Arms Control and International Security)を新たに設置し、麻薬や対テロ、新興脅威への対策を拡大する。国の利益と合致しない部署を統廃合し、機能性を強化していくという。 Department of State “Building an America First State Department” (04/22/25) https://www.state.gov/building-an-america-first-state-department/

2025年第1四半期に約80億ドルの新規クリーンエネルギープロジェクトが中止に

スマート政策を提唱する非営利組織のE2は4月17日、「市場の不確実性が高まり、議会が税控除やその他のインセンティブの廃止について議論を開始する中、2025年第1四半期に米国内で79億ドルの投資(16件の新規大型工場プロジェクトなど)が、中止、閉鎖、縮小された」と発表した。これはそれより以前の30カ月間に中止された総投資額の3倍以上となっている。それでも企業は米国のクリーン経済の可能性への投資を続けており、3月には6州で新たなソーラー、電気自動車、グリッド及び送電設備工場に16億ドル以上の投資が発表された。E2は、「クリーンエネルギー企業は引き続き米国への投資を望んでいるが、トランプ政権の政策とクリーンエネルギー税控除の今後を巡る不確実性が、明らかに打撃をもたらしている」としている。 E2 “$8 Billion and 16 New Clean Energy Projects Abandoned in First 3 Months of 2025, Triple 2022-2024 Cancelled Investments Combined” (04/17/25) https://e2.org/releases/march-clean-economy-works-update/ Clean energy manufacturers cancel projects as Trump-era policies take hold https://www.utilitydive.com/news/inflation-reduction-act-canceled-projects-q1-2025-kore-freyr/746737/

州主導の地域間送電プロジェクトに関する戦略的行動計画

中部大西洋岸及び北東部の9州で構成されるグループが4月28日に発表した「戦略的行動計画(Strategic Action Plan)」によれば、ニューイングランド独立系統運用機関(Independent System Operator: ISO)、ニューヨークISO、PJMインターコネクション(PJM Interconnection)の間で、後悔の少ない(low-regrets)地域間送配電プロジェクトを構築する可能性を探るため、情報の要請を行う計画である。「後悔の少ない」とは、短期的に見て経済性が高く、また、将来的に利益があることを指し、脱炭素化に向けて緊急に取るべき行動と一般に定義されている。同計画によると、後悔の少ない地域間送電プロジェクトは、2040年までに、PJMとニューヨークISOの間で4ギガワット(GW)、ニューヨークISOとニューイングランドISOの間で3GW、それぞれ拡張する必要があり、電力需要と脱炭素化の展開状況によっては更なる拡張が必要となる可能性があるという。9州の一つであるコネチカット州の高官は、「州が共同で追求できる有益な送電を特定することに焦点を当てている。現行の送電計画手法が見落としている、容易に実行でき、後悔のの少ないプロジェクトがある可能性は高い」と述べる。 Northeast States Collaborative on Interregional Transmission “Release of a Strategic Action Plan on State-Led Interregional Transmission Priorities” (04/28/25) https://energyinstitute.jhu.edu/wp-content/uploads/2025/04/Strategic-Action-Plan-Final.pdf

DARPAのAIサイバーコンペ、ソルト・タイフーン型ハッキングを模す

国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)によれば、今年8月のDEF CON会議で行われるDARPA AIサイバー・チャレンジ(AI Cyber Challenge)の最終ラウンドの構成は、昨年明らかになった中国のサイバー攻撃「ソルト・タイフーン(Salt Typhoon)」と「ボルト・タイフーン(Volt Typhoon)」にヒントを得たものとなるという。AIサイバー・チャレンジの最終ラウンドでは、7チームが、水道システムや金融機関などの重要インフラ部門を支えるオープンソース・ソフトウェアをセキュアにすることを目的として、AI主導型システムを用いてバグの発見と修正に取り組む。ソルト・タイフーンは、米国及び諸外国の通信提供事業者に侵入し、ボルト・タイフーンは、水道処理工場などの非軍事重要インフラに侵入したサイバー攻撃である。これは、DARPAが、中国によるハッキング活動に注目していることを示唆する。 Salt Typhoon hacks to influence final round of DARPA’s AI-cyber competition https://www.nextgov.com/cybersecurity/2025/04/salt-typhoon-hacks-influence-final-round-darpas-ai-cyber-competition/404912/?oref=ng-skybox-hp

厚生省はヒトゲノムデータについて海外検査の追跡と安全対策を強化すべき GAO提言

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は4月30日、厚生省(Department of Human and Health Services)は、ヒトゲノムに関して海外の検査事業体による使用の追跡と安全対策を強化すべきであると提言した。ヒトゲノムデータについては、国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)がゲノム研究への資金提供を、疾病対策予防センター(Centers for Disease Control and Prevention: CDC)がゲノム研究を実施するなどしている。国家情報長官室(Office of the Director of National Intelligence:ODNI)やその他の連邦機関は、特定の懸念国の政府は米国のゲノムデータにリスクを呈していると警告しているが、厚生省はリスク軽減措置を十分に実施していない。GAOは、「厚生省国家安全保障局(Office of National Security: ONS)は、サプライチェーンのリスク評価基準に関する訓練と指針を策定・普及すべき」など、4件を勧告している。 Government Accountability Office “Human Genomic Data:HHS Could Better Track Use of Foreign Testing Entities and Strengthen Oversight of Security Measures” (04/30/25) https://www.gao.gov/products/gao-25-107377

スマートシティ技術の導入 個人情報保護の課題浮き彫りに

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は4月30日、全米で導入が進むスマートシティ技術の活用状況と課題に関する報告書を発表した。報告書は、ヒューストンなどで交通管理・警察目的で導入されている交通カメラや銃声検知システムなどのスマート技術は、交通量の測定による信号タイミングの調整や車両の盗難を検知するなど市民サービスの向上に貢献する一方で、収集されたデータが個人を特定できる形で販売される可能性があり、プライバシーの侵害や詐欺被害につながる懸念や使用目的の透明性の欠如を指摘した。GAOは課題対応に向け、技術導入時の透明性向上や、データガバナンスの基準策定、効果検証のための連携強化など3つの政策オプションを提示しており、特に技術利用の透明性確保とデータ収集に関する市民への十分な説明と同意取得の重要性を強調した。調査は国内の4都市での現地視察と専門家会議を通じて行われた。 GAO ” Smart Cities:Technologies and Policy Options to Enhance Services and Transparency” (04/29/25) https://www.gao.gov/products/gao-25-107019