内務省、西部州における水インフラの整備を迅速化する規制緩和措置

内務省(Department of the Interior)は11月25日、西部17州にある開拓局(Bureau of Reclamation)の施設で連邦資金を受けて実施される建設プロジェクトを合理化する長官命令第3446号(Secretary’s Order 3446)を発表した。本令は、行政上の負担を軽減し、水及び電力の利用者の費用を削減し、西部州で重要なインフラ整備のより早い実現を支援する。命令は、開拓局が地元の水・電力パートナー組織と協力し、一部の契約の修正や適格のパートナーが連邦資金を受けた一部のプロジェクトの調達プロセスの一部を管理できるよう新たな契約条件を設定することを指示している。こうしたパートナー主導型の手法は、プロジェクトの実現を迅速化し、効率性を向上させつつ、連邦の監督を維持することを意図している。 Department of the Interior “Interior Cuts Red Tape to Speed Water Infrastructure in the West” (11/25/25) https://www.doi.gov/pressreleases/interior-cuts-red-tape-speed-water-infrastructure-west

エネルギー省、冬季へ向けて中部大西洋岸地域の電力網の信頼性を確保

クリス・ライト・エネルギー長官(Chris Wright)は11月25日、米国中部大西洋岸地域の停電リスクを最小限にすることを目的として、PJMインターコネクション社(PJM Interconnection)に対し、コンステレーション・エネルギー社(Constellation Energy)と連携して、ペンシルバニア州にあるエディストン発電所(Eddystone Generation Station)の3、4号機が運転可能な状況であることを確実にすること、米国民の費用を最小限に抑えるためにあらゆる策を講じることを指示する緊急命令を発令した。これらの発電機による電力生産は、冬季へ向けてPJMの信頼性を維持する上で引き続き重要となる。ライト長官は今年5月30日、エディストン発電所の両発電機を運転終了予定日以降も夏季へ向けて稼働し続けるよう緊急命令を発令していた。 Department of Energy “Energy Secretary Secures Grid Reliability in Mid-Atlantic Ahead of Winter” (11/25/25) https://www.energy.gov/articles/energy-secretary-secures-grid-reliability-mid-atlantic-ahead-winter

海軍、コンステレーション級フリゲート艦プログラムを中止

ディフェンスニュース(DefenseNews)は11月26日、海軍がコスト超過と遅延によりコンステレーション級フリゲート艦プログラムを中止したと報じた。ウィスコンシン州で建造中の2隻の艦艇は継続するものの、未着工の4隻については契約を打ち切る。同プログラムは2020年に伊フィンカンティエリ社(Fincantieri)が受注し、同州マリネット海洋造船所で最大20隻の建造を予定していた。しかし、政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)の報告によると、海軍による度重なる設計変更により、当初88%完了していた基本設計が70%まで後退し、3年の遅延が発生しているという。バイデン前政権下の海軍による設計変更で、重量の許容範囲超過や速度要求の引き下げの検討など当初予定していたフリーム(Fregata Europea Multi Missione : FREMM)型フリゲート艦からかけ離れた設計となっていた。同社は55億ドルの契約のうち、継続分と新規受注により50億ドル相当の業務を確保するとしている。 DefenseNews “US Navy nixes Constellation frigate program after two ships half-built” (11/26/25) https://www.defensenews.com/naval/2025/11/26/us-navy-nixes-constellation-frigate-program-after-two-ships-half-built/

再生エネ市場、ハイブリッド発電が台頭 

ユーティリティ・ダイブ(Utility Dive)は11月25日、2030年以降、蓄電池と風力・太陽光発電とのハイブリッド計画へより重点が置かれる見込みとするレベルテン・エナジー社(LevelTen Energy)の調査結果について報じた。これによると、ワン・ビッグ・ビューティフル・ビル法(One Big Beautiful Bill Act: OBBBA)による税額控除の段階的廃止後の政策環境において、風力、太陽光、貯蔵、ハイブリッド計画、合計233GWが計画中で、ハイブリッド開発が2030年までに独立型の風力・太陽光発電を上回る見込みという。このうち42.8GWが2028年までに完成予定で、33GWが税額控除の対象となる見込みとなっている。トラウトマン・ペッパー・ロック法律事務所(Troutman Pepper Locke)は税額控除の対象プロジェクト数は今後数カ月から数年で増加する見通しで、レベルテン社も「業界は確実な発電、必要時に確実にクリーン電力が供給されることを求めている」と説明し、蓄電池が再生エネの安定化と重要な系統サービスを提供すると強調している。 Utility Dive “Storage, hybrid projects emerging as renewable energy post-OBBBA winners: LevelTen Energy” (11/25/25) https://www.utilitydive.com/news/storage-hybrid-renewable-energy-obbba-levelten/806374/

EPA、微粒子規制を撤回へ

ユーティリティ・ダイブ(Utility Dive)は11月26日、環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)がバイデン前政権時代に導入された厳格な微粒子規制の撤回を連邦控訴裁判所に求めたと報じた。EPAは、車両排気ガス、発電所、工場から排出された微小粒子状物質(PM2.5)の基準を12マイクログラムから9マイクログラムに引き下げた2024年の「すす基準(soot standard)」について、科学的根拠がなく、実施されれば数十億ドルのコストが発生すると主張している。この基準はバイデン前大統領の環境正義推進策の重要な要素とされ、2032年までに最大4,500人の早死にを防止するなど年間460億ドルの健康効果をもたらすとされていた。しかし、24州の共和党司法長官と業界団体連合が2024年3月に基準の無効化を求め訴訟を起こしており、産業界も経済への悪影響を懸念していた。一方、環境正義団体は、黒人コミュニティが全人口の1.5倍のすす汚染にさらされている現状を踏まえ、規制緩和は格差拡大につながると強く反発している。 Utility Dive “EPA moves to roll back Biden-era particulate limits, signaling a major shift in clean air policy” (11/26/25) https://www.utilitydive.com/news/epa-roll-back-biden-soot-standard-naaqs/806590/

トランプ政権、半導体研究開発計画を大幅見直し VC型に転換

米国物理協会(American Institute of Physics: AIP)は11月26日、商務省(Department of Commerce)が国立半導体技術推進センター(National Center for the Advancement of Semiconductor Technology: Natcast)を解散し、CHIPS研究開発資金運用をベンチャーキャピタル(Venture capital: VC)方式に転換すると伝えた。これまでの半導体運営計画を大幅に見直すことが目的で、同センター閉鎖に伴い74億ドルを回収し、国立半導体技術センター(National Semiconductor Technology Center: NSTC)へ米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology: NIST)による一括公募方式で迅速に資金を配分する。また、新たに導入するVC方式に則り収益分配を求める方針で、この変更により、ニューヨーク州の極端紫外線加速器施設を除く、カリフォルニア州とアリゾナ州の研究開発施設2カ所の建設中止が決まった。数十年に亘る長期的な研究機関設立を目指していたバイデン前政権に対し、トランプ政権は任期内の短期的成果を重視する姿勢を鮮明にしている。 AIP ” Trump Administration Overhauls CHIPS R&D Plans” (11/26/25) https://www.aip.org/fyi/trump-administration-overhauls-chips-r-d-plans

NIH、包括的評価による新資金配分戦略を導入 査読スコア基準を廃止 

国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)は11月21日、従来の査読スコアに基づく「ペイライン(paylines)」と呼ばれる採択基準値を廃止し、各研究所の優先事項や資金配分の地理的バランスなど現状予算に照らして判断する新たな統一的資金配分戦略を2026年1月から導入すると発表した。27の研究所・センター全体で一貫した資金配分を行うことが目的で、これまで約半数が査読スコアに基づく基準を設定していた。NIHはこの「機械的な基準値」を廃止し、今後は各研究所長が権限を持って、より柔軟に資金配分を決定すると説明しているが、研究者らは政治的介入の可能性や査読プロセスの重要性が損失するなど懸念しており、ノーベル賞受賞者で分子生物学者のキャロル・グライダー氏(Carol Greider)も「査読スコアが必要なければ、誰がボランティアで審査に参加するだろうか」と疑問を呈している。これに対しNIHは、査読者の専門知識はNIHの研究費配分制度の公正性と信頼性を支える根幹であるという考えを崩していないと説明している。 NIH “Implementing a Unified NIH Funding Strategy to Guide Consistent and Clearer Award Decisions” (11/21/25) https://grants.nih.gov/news-events/nih-extramural-nexus-news/2025/11/implementing-a-unified-nih-funding-strategy-to-guide-consistent-and-clearer-award-decisions 参照記事:Science “NIH shake-up to grant decision-making draws concerns of political meddling” (11/24/25) https://www.science.org/content/article/nih-shake-grant-decision-making-draws-concerns-political-meddling

エネルギー省、核融合エネルギー専門局を新設

核融合産業協会(Fusion Industry Association: FIA)は11月20日、エネルギー省(Department of Energy)が核融合局(Office of Fusion)を新設したと伝えた。今回の科学局(Office of Science)からの独立についてFIAは、世界における核融合エネルギー開発競争でリーダーシップを取るという国の強い意思表明であると評価し、民間核融合産業界も商業化という共通目標の達成に向けて、プログラムや資金調達、戦略的方向性について協力する準備が整っていると表明した。FIAは、2027会計年度予算要求と100億ドルの投入により、マイルストーンプログラムなどの官民パートナーシップの維持・強化、国立研究所や大学との核融合イノベーションハブの推進やサプライチェーンの強靱化、国際原子力機関(International Atomic Energy Agency: IAEA)を含む適切な策定支援、商業用核融合装置・技術の輸出促進、核融合エネルギー専門人材の育成などの取り組みを支援するよう提言している。 Fusion Industry Association “U.S. Department of Energy Creates Dedicated Office of Fusion” (11/20/25) U.S. Department of Energy Creates Dedicated Office of Fusion

EPA、石炭廃棄物処理施設の閉鎖期限を3年延長へ

環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)は11月25日、一部の石炭火力発電所における石炭燃焼残渣(Coal Combustion Residuals: CCR)表面貯留池の閉鎖期限を2028年10月17日から2031年10月17日に3年間延長する提案を発表した。対象となるのは、代替閉鎖規定に基づいて運営されている40エーカー以上のライニングなしCCR表面貯留池を持つ施設の一部で、国土・緊急対応局(Office of Land and Emergency Management)は「手頃で信頼できるエネルギー提供に向け、基幹電源容量の維持が重要であることを理解している」とし、石炭火力発電所稼働継続に必要な柔軟性のある対策を行うと強調した。またEPAは2026年1月7日まで意見募集を受け付け、1月6日にはバーチャル公聴会を開催する予定である。同庁は、2025年3月12日にCCR規制に関する迅速な対応を約束して以降、ノースダコタ州のCCRプログラムを承認し、ワイオミング州のプログラム承認を提案するなど、州政府との連携を進めている。 EPA “EPA Proposes to Extend the Compliance Deadline for Certain Coal-Fired Facilities ” (11/25/25) https://www.epa.gov/newsreleases/epa-proposes-extend-compliance-deadline-certain-coal-fired-facilities

ゼネラル・アトミクス社、新型高速炉の概念設計を完了

エネルギー省(Department of Energy)は11月25日、新型ヘリウムガス冷却式高速炉(Fast Modular Reactor: FMR)の概念設計をゼネラル・アトミックス・エレクトロマグネティック・システムズ社(General Atomics Electromagnetic Systems)が完了したと発表した。FMRは現地組立が可能なモジュール構造を採用し、わずか0.2エーカーで44メガワット(MW)の出力を実現する設計とした。燃料には高温耐性を持つシリコンカーバイド被覆の高濃縮低濃度ウラン(High-assay Low-enriched uranium : HALEU)を用い、水を必要としない空冷システムとの併用も可能にした。試作燃料棒はアイダホ国立研究所(Idaho National Laboratory)にて照射試験中で、今後、安全試験や材料・燃料・発電システムの開発を進め、予備設計段階を経て最終設計及び建設準備に取り組む。同社はまた、ガス冷却式FMRの安全性と多用途性の向上に向け、主要設計基準と品質保証計画説明書などのライセンス申請書類を原子力規制委員会(Nuclear Regulatory Commission: NRC)へ提出している。 Department of Energy “General Atomics Finalizes Concept for New Fast Reactor Design” (11/25/25) https://www.energy.gov/ne/articles/general-atomics-finalizes-concept-new-fast-reactor-design