女性のコンピュータ科学者が男性の同僚と同じ論文出版率に達するには118年必要

6月21日に発表された論文「コンピュータ科学の論文執筆におけるジェンダーの傾向(Gender trends in computer science authorship)」によれば、女性のコンピュータ科学者の年間論文出版が男性の同僚のそれと同じになるには、今世紀が終わってからになる可能性がある(2137年頃)。バイオメディカル研究分野の女性の論文出版率が男性の同僚と同じになるのは、それより早く、2050年までに実現する可能性がある。研究は、大規模なデータセットと統計手法を使い、それらの分野で女性による論文が出版される割合を試算したもの。本論文の執筆者は、「男女のバランスは改善されつつあるが、その進歩状況は我々が期待していたよりも遅い」と述べている。​ ​ Science “It could take 118 years for female computer scientists to match publishing rates of male colleagues” (6/21/19) ​

エルセビア社、より透明性のある研究評価手法を創出することを狙いとした新たなセンターを設立へ​

研究の評価により透明性のある手法を創出するための一助として、エルセビア社(Elsevier)は、「国際研究評価センター(International Center for the Study of Research: ICSR)」を立ち上げた。ICSRのミッションは、「一連の指標と様々な質的・量的手法を用いた研究の評価を奨励すること」である。研究者及び研究マネジャーは、ICSRの成果として、研究の測定における実用的及び技術的な発展が提示されることを期待している。また、研究や研究評価、政策、研究管理、およびエルセビア社の代表で構成されるICSR諮問委員会(Advisory Board)が設置される。​ ​ Elsevier “New center aims to create a more transparent approach to research assessment” (6/19/19) ​

大統領府、各省庁に「今後、プロジェクトが気候に及ぼす長期的影響を考慮する必要はなし」と提案​

大統領府は6月21日、「連邦機関は今後、プロジェクトが環境に及ぼす影響について評価する際、気候への長期的な影響を考慮する必要はない」とするガイダンス草案を発表した。これは、オバマ前政権の主要な政策から大きな転換となる。ガイダンス草案は、環境品質評議会(Council on Environmental Quality: CEQ)が発表した。同草案によって、連邦政府が、採鉱から天然ガス・パイプライン、石油掘削など、様々な活動を評価する際、それによる温室効果ガス排出の計算義務付けが限定的となる。具体的には、国家環境政策法(National Environmental Policy Act: NEPA)に基づく評価を行う場合、「プロジェクトと炭素排出増加の間に十分に緊密な因果関係が認められる場合のみ、その活動の温室効果ガス排出を計算する必要がある」とされる。​ ​ Washington Post “White House tells agencies they no longer have to weigh a project’s long-term climate impacts” (6/21/19) ​

ルノーと日産自動車がウェイモ社と独占契約を締結​

ルノー社(Groupe Renault)と日産自動車は、ウェイモ社(Waymo)との間で、ドライバーレス・モビリティ・サービスに関する独占契約を締結した。3社は、フランスと日本において、乗客と配送向けのドライバーレス・モビリティ・サービス事業に関して様々な面から実現の可能性を探る。今回の合意は、長期的かつ収益性のあるドライバーレス・モビリティ・サービス事業を開発するための第一歩となる。まずは、それぞれの本社があるフランスと日本で取り組みが開始され、のちに中国を除くその他の市場へと拡大される計画である。​ ​ alliance-2022 ” GROUPE RENAULT AND NISSAN SIGN EXCLUSIVE ALLIANCE DEAL WITH WAYMO TO EXPLORE DRIVERLESS MOBILITY SERVICES” (6/20/19) ​

UCサンディエゴ、スタートアップ・グループとフィンテック・ハブで協力

カリフォルニア大学サンディエゴ校(University of California at San Diego: UCSD)は6月11日、地元のスタートアップ・グループ「エボネクサス(EvoNexus)」とパートナーシップを組むと発表した。同大学の学生及び卒業生が、エボネクサスが新たに立ち上げる金融テクノロジー(フィンテック)向けのスタートアップ・インキュベーターへ入っていくことを期待している。エボネクサスは、サンディエゴで最も人気があり、かつ最も入居競争率が高いスタートアップ・インキュベーターで、去る4月に、フィンテック・スタートアップに限定したプログラムを新たに設置すると発表していた。UCSDのラディ経営大学院(Rady School of Management)のロバート・サリバン学部長(Robert Sullivan, Dean at UCSD’s Rady School of Management)によれば、エボネクサスが2010年にスタートして以来、UCSDは協力関係にあったが、今回、フィンテック・インキュベーターを開始すると知り、両組織間の関係を正式なものにしたいと考えたという。​ ​ Government Technology “Academia and Local Startups Team Up on Fintech Hub in San Diego” (6/11/19) ​

エネルギー省、大学ベースの研究開発プロジェクトに540万ドルを発表

エネルギー省(Department of Energy)の化石エネルギー局(Office of Fossil Energy)は、「大学タービン・システム研究(University Turbine Systems Research: UTSR)」と題する資金提供公募(FOA)の下、7件の大学ベースの研究開発プロジェクトに合計540万ドルの連邦資金を提供すると発表した。受益プロジェクトは、化石燃料発電における燃焼タービン及びタービン・ベースの電力サイクルの性能及び効率性強化に伴う応用工学技術問題及び科学的課題に対処し、解決に取り組む。国立エネルギー技術研究所(National Energy Technology Laboratory: NETL)がプロジェクトを管理する。​ ​ Department of Energy “DOE Announces $5.4M for University-Based Research and Development Project Selections” (6/20/19) ​

スパコンの「トップ500」、全てがペタフロップに​

スパコンのランキング「トップ500(TOP500)」(第53版)が発表された。今回は、上位500のスパコン全てがペタフロップ以上のリンパック性能(High Performance Linpack)を達成した。これは26年に及ぶ本ランキングにおいて初めてのことである。上位10件は昨年とほぼ変わらず、新たにトップ10入りしたスパコンはわずか2件であった。エネルギー省(Department of Energy)のオーク・リッジ国立研究所(Oak Ridge National Laboratory)の「サミット」と、ローレンス・リバモア国立研究所(Lawrence Livermore National Laboratory)の「シエラ(Sierra)」が1位、2位であった(いずれもIBM社製)。前者が148.6ペタフロップス、後者が94.6ペタフロップスを達成した。3位は、中国の国家並列計算機工程技術研究中心(National Research Center of Parallel Computer Engineering & Technology: NRCPC)が構築した「神威太湖之光(Sunway TaihuLight)」で、93.0ペタフロップスを記録した。日本は、国立研究開発法人 産業技術総合研究所が構築・運用するAI橋渡しクラウド(AI Bridging Cloud Infrastructure: ABCI)が8位(19.9ペタフロップス)となった。トップ500で最も多かった国は中国(219システム)で、次いで米国(116)、日本(29)であった。​ ​ TOP500 “TOP500 Becomes a Petaflop Club for Supercomputers” (6/17/19) ​

ネイチャー指数(2018)発表

良質の科学ジャーナルに出版された著作論文を指標化する「ネイチャー指数(Nature Index)」の2018年版(2018年1月1日~2018年12月31日のデータを基に作成)が発表された。それによれば、中国科学院(Chinese Academy of Sciences)が昨年同様、1位となった。同科学院はまた、上位10機関の中で、1年間の出版論文数の増加が最大であった。以下、2位:ハーバード大学(Harvard University)、3位:ドイツのマックス・プランク研究所(Max Planck Society)、4位:フランスの国立科学研究センター(National Centre for Scientific Research)、5位:スタンフォード大学(Stanford University)、6位:マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology: MIT)、7位:ドイツ研究センターヘルムホルツ協会(Helmholtz Association of German Research Centres)、8位:ケンブリッジ大学(University of Cambridge)、9位:東京大学、10位:北京大学となっている。北京大学が初めてトップ10入りした。​ ​ Nature “The top 10 global institutions for 2018” (6/19/19) ​

2050年までに世界の電力供給の半分は風力とソーラー由来に

ブルームバーグNEF(BloombergNEF)が6月18日に発表した報告によれば、風力やソーラー、バッテリー貯蔵の費用が下落し続けることから、2050年までに世界の電力のほぼ半分は再生可能エネルギー由来となるという。その背景として、世界の電力需要は今後30年間で62%増加し、投資家は13兆3,000億ドルを新規プロジェクトに投資する見込みである。化石燃料からの離反はエネルギー市場と気候変動対策において大きな意味合いを持つ。BNEFによれば、風力とソーラー、バッテリー貯蔵によって、パリ気候協定下で電力部門に規定されている排出削減の義務付けを達成できる見込みであるが、それは少なくとも2030年までであり、その後は合理的な費用で更なる削減を実現するにはその他の新たな技術が必要となるという。​ ​ Bloomberg “The World Will Get Half Its Power From Wind, Solar by 2050” (6/18/19) ​

テスラ社、米国の住宅向けソーラーパネル設置ランキングで3位に下落​

ウッド・マッキンゼー・パワー&リニューアブル社(Wood Mackenzie Power & Renewables)が6月16日に発表した、「米国PVリーダーボード(U.S. PV Leaderboard)」報告によれば、2019年第1四半期における米国住宅向けソーラー設置市場でテスラ社が占める割合は6.3%となり、2013年第1四半期に同報告が開始されて以来、初の3位となった。2位に浮上したのはビビント・ソーラー社(Vivint Solar)で、2013年第3四半期に3位に下落して以来、初めて2位に復活した。1位は2018年第2四半期に1位をテスラ社から奪取したサンラン社(Sunrun)で、住宅向けソーラー設置市場の11%を占めた。上位3社で全市場の25%を占める。ウッド・マッキンゼー社の上級ソーラー・アナリストは、「テスラ社は実質的に住宅ソーラー市場での成長を追求することをあきらめた。その理由は、顧客獲得コストは高すぎると判断したためだ」と述べている。​ ​ Wood Mackenzie “Tesla drops to third place in US home solar installer rankings” (6/16/19) ​