Category:その他
EEI、今後5年間で1.1兆ドル超の投資計画を発表
エジソン電気協会(Edison Electric Institute: EEI)は7月23日、投資家が所有する電力会社は、人工知能(AI)やデータセンターの需要拡大対応に向け、2025年から2029年の5年間で1.1兆ドル超の巨額の設備投資を計画していると発表した。送配電網の強化、安定供給の確保、そしてクリーンエネルギーへの移行加速を目的としており、2025年は約2,080億ドルを投じる計画であるという。2024年の発電量は430万ギガワット時(GWh)と過去5年間で最大となり、2024年の設備投資額も前年比5.5%増の1,782億ドルと過去最高を記録した。投資増加は13年連続となり、背景には、業界全体の2024年純利益が前年比4.5%増の546億ドル、株主への配当金総額は5.8%増の340億ドルに達したことに加え、EEI指数(EEI Index)構成企業の株式時価総額も2024年末時点で1兆ドルを超えるなど、好調な業績が大規模投資を支えていることにある。また、企業の平均信用格付けも11年連続で「BBB+」を維持するなど、安定した財務基盤が投資家の信頼を集めていると説明している。 EEI “2024 Financial Review Annual Report of the U.S. Investor-Owned Electric Utility Industry” (07/23/25) https://www.eei.org/-/media/Project/EEI/Documents/Issues-and-Policy/Finance-And-Tax/Financial_Review/FinancialReview_2024.pdf 参照記事:Axios “Exclusive: U.S. trails China and Russia on hypersonic weapons, task force finds” (10/09/25) https://www.axios.com/2025/10/09/hypersonic-missiles-china-russia-atlantic-council
極超音速兵器で中ロに後れ 開発加速が急務
シンクタンクのアトランティック・カウンシル(Atlantic Council)は10月9日、極超音速兵器の開発と配備で中国とロシアに著しく後れを取っているとする報告書を発表した。極超音速能力タスクフォース(Hypersonic Capabilities Task Force)のまとめによると、戦場戦略におけるこれらの国との非対称性が米国を著しく脅かしていると指摘し、国の抑止力と防衛戦略の根本的な見直しを提言している。具体的には、中国などが構築する接近阻止・領域拒否(Anti-access/Area-denial: A2/AD)環境打破に向け、攻撃用の極超音速兵器(マッハ5を超える速度で飛行、数秒で数マイルを移動)を相当数配備することが不可欠であると強調した。また地対空ミサイルのパトリオット(Patriot)や終末高高度防衛ミサイル(Terminal High-Altitude Area Defense: THAAD)などの極超音速兵器を迎撃する能力の強化も急務と訴え、国防総省(Department of Defense)と議会に対し、現行システムの調達加速、次世代システムの開発、試験インフラの拡充、同盟国との共同生産など強く促している。 Atlantic Council “The imperative for hypersonic strike weapons and counterhypersonic defenses” (10/09/25) The imperative for hypersonic strike weapons and counterhypersonic defenses 参照記事:Axios “Exclusive: U.S. trails China and Russia on hypersonic weapons, task force finds” (10/09/25) https://www.axios.com/2025/10/09/hypersonic-missiles-china-russia-atlantic-council
2023年の企業R&D支出、実質成長率がほぼ横ばい SSTI調査
州科学技術研究所(State Science & Technology Institute: SSTI)は10月9日、2023年の国内企業による研究開発(R&D)支出が、インフレ調整後の実質値でほぼ横ばいの0.20%となり、過去10年間の力強い成長が止まったと発表した。企業研究開発(Business Enterprise R&D: BERD)のデータに基づいた調査によると、2022年から2023年にかけての名目支出は4%(290億ドル)増加したものの、実質成長率はわずか0.20%にとどまった。2018年から2022年まで年平均8%近い実質成長を続けてきた好調な流れから一転し、明らかな減速となった。一方で、過去10年間(2014~2023年)成長を牽引したのはITやソフトウェア、バイオテクノロジーなどの科学研究開発サービスなどの非製造業で、そのR&D支出は実質で134%と大幅に増加した。同期間の製造業の実質支出の伸びは30%で、企業R&D支出全体に占める構成比は、製造業が約55%、非製造業が約45%となった。 SSTI “Useful Stats: Growth in real business R&D expenditures comes to a halt in 2023” (10/09/25) https://ssti.org/blog/useful-stats-growth-real-business-rd-expenditures-comes-halt-2023
北米の研究開発拠点、地域経済を牽引 AURP報告
大学リサーチパーク協会(Association of University Research Parks: AURP)は9月11日、北米のリサーチパークが地域経済と雇用に極めて大きく寄与しているとする報告書を発表した。「2025年度経済影響報告書(2025 Economic Impact Report)」によると、約100万平方フィート規模の大型リサーチパークはそれぞれ平均1万5,700人の雇用、GDP18億ドル、年間9億7,400万ドルの雇用所得、2億680万ドルの連邦税収を生み出している。また北米全体では約200カ所のリサーチパークが合計250万人の雇用と2,948億ドルのGDPを支え、連邦税収も年間330億ドルに達した。これら拠点は大学や研究機関と連携し、研究開発や起業支援を通じた地域のイノベーション・エコシステムを形成していることから、スタートアップの存続率が全国平均の49%を大きく上回る75%に達するなど、技術集積と人材育成の中核拠点としての強みもある。さらに、今後10年間で9,880万平方フィートの新規開発も計画されており、約97万5,000人の新規雇用創出が見込まれているという。 AURP “THE POWER OF NORTH AMERICAN RESEARCH PARKS” (09/11/25) https://aurp.org/wp-content/uploads/2025/09/AURP2025_Stiletto_Econ_Impact_RE_FINAL.pdf 参照記事:SSTI “New report from AURP describes significant impacts of research parks” (10/09/25) https://ssti.org/blog/new-report-aurp-describes-significant-impacts-research-parks
エネルギーボルト社とPG&E社、水素と蓄電池による世界初のマイクログリッドを完成
エネルギー貯蔵技術企業のエネルギーボルト・ホールディングス社(Energy Vault Holdings Inc.)と、パシフィックガス&エレクトリック社(Pacific Gas and Electric Company: PG&E)は9月25日、カリストガ・レジリエンシー・センター(Calistoga Resiliency Center: CRC)の完成と商業運用開始を発表した。CRCは、先端の水素燃料電池とリチウムイオン電池を統合した最新のハイブリッド型マイクログリッドエネルギー貯蔵施設で、カリフォルニア州の遠隔地カリストガに設立された。州内で山火事リスクが高まる中、電力の対応力強化につながる持続可能な解決策を提供することを目指す。293メガワット時(MWh)の蓄電容量を持つカリストガの地域マイクログリッドは、山火事リスク等を回避するための計画停電の間も電力を維持することができ、最大出力8.5MWで少なくとも48時間の連続電力供給が可能になる。 PG&E Corporation “Energy Vault, PG&E Announce Successful Completion of the Calistoga Resiliency Center, the World’s First Ultra-Long Duration Hybrid Battery + Hydrogen Energy Storage Microgrid” (09/25/25) https://investor.pgecorp.com/news-events/press-releases/press-release-details/2025/Energy-Vault-PGE-Announce-Successful-Completion-of-the-Calistoga-Resiliency-Center-the-Worlds-First-Ultra-Long-Duration-Hybrid-Battery–Hydrogen-Energy-Storage-Microgrid/default.aspx 参考:https://www.utilitydive.com/news/pge-energy-vault-hydrogen-battery-microgrid/801985/
トランプ大統領、次期NIST長官に工学者のアルビンド・ラマン氏を指名
トランプ大統領は、米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)の次期長官に アルビンド・ラマン氏(Arvind Raman)を選出し、10月2日に議会へ通知した。ラマン氏は現在、パーデュー大学(Purdue University)の工学部長で、2000年以来、同大学で機械工学教授を務める。同氏はインドで生まれ、パーデュー大学での修士号取得を目指して米国に留学後、カリフォルニア大学バークレー校(University of California, Berkeley)で博士号(機械工学)を取得した。ラマン氏は、振動と非線形力学の研究で知られており、原子力艦顕微鏡の開発に貢献している。研究を通じた途上国開発支援にも力を入れており、2018~2023年には、国際開発庁(United States Agency for International Development: USAID)の助成プロジェクト(低・中所得国における重要な開発問題に実用的な解決策を提供する7,000万ドルのプロジェクト)で主任研究員を務めた。NISTでは現在、クレイグ・バークハルト氏(Craig Burkhardt)が長官代理を務めている。 AIP “Trump Nominates Engineer Arvind Raman as Next NIST Director” (10/07/25) https://www.aip.org/fyi/trump-nominates-engineer-arvind-raman-as-next-nist-director
300mmウェハー対応工場向け装置の世界支出額は今後3年間で3,740億ドル SEMI予測
国際半導体製造装置材料協会(Semiconductor Equipment and Materials Institute: SEMI)が10月8日に発表した「300mmウェハー対応工場見通し(300mm Fab Outlook)」によれば、300mm対応工場向け設備に関する世界支出額は、2026~2028年の間に3,740億ドルに達する見込みである。この投資は、半導体工場の地域分散化と、データセンター及び先端機器向けの人工知能(AI)チップの需要急増を反映し、地域ごとの産業エコシステムと供給網の再編を通じた半導体の自給自足に対する取り組みが主要地域で高まっていることを示すものである。300mm対応工場の設備に関する世界的支出は、2025年に初めて1,000億ドルを超え(1,070億ドル)、2026年は1,160億ドル、2027年は1,200億ドル、2028年は1,380億ドルとなる見通しである。分野別では、ロジックチップとマイクロデバイス分野が2026~2028年の投資を先導する見込みで、国別では、国家的な自給自足政策を推進する中国が引き続き300mm対応工場の設備の支出を先導するとみられる。 SEMI “SEMI Reports Global 300mm Fab Equipment Spending Expected to Total $374 Billion Over Next Three Years” (10/08/25) https://www.semi.org/en/semi-press-release/semi-reports-global-300mm-fab-equipment-spending-expected-to-total-374-billion-dollars-over-next-three-years
太陽光発電・貯蔵業界、リサイクル強化を目的としたオンラインプラットフォームを開始
太陽エネルギー産業協会(Solar Energy Industries Association: SEIA)は10月8日、ソーラー及びエネルギー貯蔵の長期的な持続可能性を強化し、業界のリーダーをリサイクルのパートナーと結び付けることを目的とした新たなオンラインプラットフォーム「SolarRecycle.org」を立ち上げた。このプラットフォームでは、①リサイクル可能な設備の収集拠点と太陽光発電リサイクルパートナー(PV Recycling Partners)の所在地に関するインタラクティブマップ、②リサイクルの最適な慣行に関する業界標準情報、③ソーラー設備の寿命後の管理に関する州・地方自治体の法規、④ソーラー設備の安全性と環境の健全性に関する報告書・ファクトシート・その他の資源、を閲覧することができる。 Solar Energy Industries Association “Solar and Storage Industry Launches New Online Resource to Enhance Solar Recycling, Support Long-Term Sustainability” (10/08/25) Solar and Storage Industry Launches New Online Resource to Enhance Solar Recycling, Support Long-Term Sustainability
元グーグルCEO、南極海調査に資金提供
ワイアード誌(WIRED)は10月2日、グーグル社(Google)元CEOのエリック・シュミット氏(Eric Schmidt)が設立した財団が南極海の炭素循環システム解明に向け、資金提供すると報じた。これは、無人水上艇(Uncrewed surface vessels: USV)による調査プロジェクトで、シュミット・サイエンス財団(Schmidt Sciences)は今後5年間で4,500万ドルを投じ、南極周辺の海域に4隻を派遣する。南極海は海洋による二酸化炭素吸収の世界約40%を担う重要な炭素吸収源であるが、遠隔地であることに加え、周辺海域の荒波や極端な気象条件のためデータ収集が困難であった。そこで無人船を投入し、機械学習で最適な航路を決定しつつ、冬季も含め継続的にデータを収集することで、科学的理解の向上をはかるという。具体的に、水中の二酸化炭素分圧をより精密に測定して、炭素循環プロセスに関する知見を確保することを狙っており、海洋大気庁(National Oceanic and Atmospheric Administration: NOAA)の予算30%削減が提案される中、科学者らは民間の資金提供がますます重要になっていると指摘している。 WIRED ” Former Google CEO Will Fund Boat Drones to Explore Rough Antarctic Waters” (10/02/25) https://www.wired.com/story/former-google-ceo-will-fund-boat-drones-to-explore-rough-antarctic-waters/
MIT、AIスパコン「TX-GAIN」を公開
MITリンカーン研究所(Massachusetts Institute of Technology: MIT Lincoln Laboratory)は10月2日、新型AIスパコン「TX生成AIネクスト(TX-Generative AI Next: TX-GAIN)」を公開したと発表した。生成AI向けに最適化されたTX-GAINは、ピーク性能2エクサフロップス(1秒あたり200京回の浮動小数点演算性能)を誇り、600基以上のエヌビディア社(NVIDIA)製GPU(画像処理半導体)アクセラレーターを搭載する。これにより、並列処理の専門知識がなくても、研究者のワークスペースから素早くモデルを実行し、結果を得ることが可能となったという。主に生物学的防御(バイオディフェンス)や材料開発、サイバーセキュリティなどの分野で活用され、特に大量破壊兵器対策分野ではタンパク質相互作用のモデリング能力が飛躍的に向上し、生物防御における画期的な成果が期待されている。同研究所は、AIモデル訓練時のエネルギー消費を最大80%削減するソフトウェアツールも開発中である。 MIT News “Lincoln Lab unveils the most powerful AI supercomputer at any US university” (10/02/25) https://news.mit.edu/2025/lincoln-lab-unveils-most-powerful-ai-supercomputer-at-any-us-university-1002