Category:その他
AIが今後の地政学的状況に変革をもたらす JPモルガンチェース報告
JPモルガンチェース社(JP Morgan Chase)は今般、人工知能(AI)は今世紀に世界的同盟を揺るがし、新たな大衆主義を煽り、戦争のルールを変えると警告する報告書を発表した。具体的に、AI及び関連の計算能力は、21世紀における最も重要な技術的進展となり、日常生活のあらゆる側面に影響を及ぼし、世界経済を形成し、地政学に変革をもたらすと報告書は指摘する。また、過去の産業・技術革命と同様に、AIの変革的な可能性を最も効果的に活用しつつ、リスク対策を講じることができる国は、今後数十年間に亘り、経済・政治・安全保障上の圧倒的優位性を享受できるという。報告書は、現行の地政学的状況にとって重要な「戦略的軸」として、①強硬姿勢の中国は、自らを「AI開発の最前線」に位置付けるべく、巨費を投資、②米国は中国の台頭に対抗する立場に自らの位置付けを再構築、③欧州連合(EU)は、海外技術への依存削減と域内発のAI能力強化に努力、など7点を挙げている。 JP Morgan Chase “The Geopolitics of AI: Decoding the New Global Operating System” (October 2025) https://www.jpmorganchase.com/content/dam/jpmorganchase/documents/center-for-geopolitics/decoding-the-new-global-operating-system.pdf 参考:https://www.axios.com/2025/10/14/jpmorgan-ai-global-politics-report
SEMI財団、マイクロエレクトロニクス労働力開発の地域ノードを公募
SEMI財団(SEMI Foundation)は10月14日、「マイクロエレクトロニクス教育のための国家ネットワーク(National Network for Microelectronics Education: NNME)」の地域ノード(Regional Nodes)に関するプロポーザルの要請(Request for Proposals: RFP)を発表した。NNMEは、米国内でマイクロエレクトロニクス分野の人材開発を加速・拡大・改善することを目的とした全国的イニシアチブで、米国科学財団(National Science Foundation: NSF)が資金を提供する。SEMI財団が今年7月に、関心のある組織から書簡の提出を求めた際には、約300件の書簡が寄せられ、高度な有技能半導体労働力の構築へ高い関心が示された。今回のRFPでは、業界の人材育成ニーズに沿った労働力開発の取り組みを先導・拡張する地域エコシステムを特定し支援する。SEMI財団は、NNMEのハブオペレーター(Hub Operator)として機能し、最大8件の地域ノードを支援する予定で、各地域ノードは、5年間で最大2,000万ドルの資金を受益する。 SEMI “SEMI Foundation, in Partnership with NSF, Opens National RFP for Regional Nodes to Advance Microelectronics Workforce Development” (10/14/25) https://www.semi.org/en/semi-press-release/semi-foundation-in-partnership-with-nsf-opens-national-rfp-for-regional-nodes-to-advance-microelectronics-workforce-development
国防総省、未消化R&D予算80億ドルを兵士の給与に転用へ
連邦政府の閉鎖が2週間に及ぶ中、トランプ大統領は10月11日、「ピート・ヘグセス国防長官(Pete Hegseth)に対し、利用可能な資金を使って10月15日に兵士への給与支払いを行うよう指示した」と発表した。国防総省(Department of Defense)は同日、Breaking Defense紙の質問に対して、「国防総省は、前年度の研究開発試験評価(research development testing and evaluation)資金として予算化されたものの、未消化となっている約80億ドルを、10月15日以降も政府閉鎖が続く場合は、兵士への給与へ使用する計画である」と回答した。国防総省は政府閉鎖の間、軍部以外の職員は一時帰休としたが、軍兵は、2026年度歳出法案の可決等、何らかの形で事態が解決するまでの間も給与がない中で勤務を継続する義務がある。 Breaking Defense “Pentagon preparing to pull $8 billion from ‘unobligated’ R&D coffers to pay troops” (10/12/25) https://breakingdefense.com/2025/10/pentagon-military-pay-shutdown/
政府閉鎖中におけるエネルギー省、EPA等での解雇計画が明らかに
カリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所(U.S. District Court for the Northern District of California)に提出された資料によれば、トランプ政権は、様々な連邦省庁で数千人の職員に解雇通知を送付したことが明らかになった。具体的に、エネルギー省(Department of Energy)の約187名の職員が解雇通知を受け取り、環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)では数十名の職員が「解雇の対象となる可能性がある」との通知を受けた。この他にも、商務省(Department of Commerce)(対象約315名)、教育省(Department of Education)(約466名)、厚生省(Department of Health and Human Services)(約1,100~1,200名)などで、職員が解雇通知を受け取った。トランプ政権は、政府閉鎖による資金停止を解雇の要因として挙げているが、閉鎖を解雇の口実とすることは違法との見方もある。政府職員が加盟する労働組合は、本連邦地方裁判所に対して、政権が資金停止を政府職員の大量解雇を模索する機会として利用しないよう一時的差止命令の発令を求めた。 E&E News “Trump court filing reveals layoff plans at energy, enviro agencies” (10/10/25) https://www.eenews.net/articles/trump-court-filing-reveals-layoff-plans-at-energy-enviro-agencies/?stream=top
クリーン産業の成長育成を目指す新組織
各国において大型のクリーンエネルギー推進政策の勢いが減少する一方で、エネルギー費用への懸念、供給網の多様化、世界貿易における圧力などの問題は拡大していることを受けて、このような制約と優先事項に対応し、低排出技術で国内産業を強化することを目指す新たなグループ「新エネルギー産業戦略センター(New Energy Industrial Strategy (NEIS) Center)」が発足した。同グループは、エネルギー政策専門家であるサラ・ラディスロー氏(Sarah Ladislaw)が先導し、アイデアと協力のための新たなハブとして、米国及び他国が、人工知能(AI)やバイオテクノロジー、防衛、半導体等のための先端エネルギーを活用することを支援する。NEISセンターは、シンクタンクのRMIが主催し、ウィリアム・アンド・フローラ・ヒューレット財団(William and Flora Hewlett Foundation)から資金提供を受けている。 Axios “Writing new playbooks for clean industrial growth” (10/14/25) https://www.axios.com/newsletters/axios-future-of-energy-9ab91b90-a612-11f0-ba47-a5cb64e32186.html?chunk=4&utm_term=emshare#story4
中小企業向けR&Dプログラムの承認失効 新規助成と公募が停止
米国物理協会(American Institute of Physics: AIP)は10月9日、中小企業向け技術成熟化プログラムである中小企業技術革新研究(Small Business Innovation Research: SBIR)と中小企業技術移転(Small Business Technology Transfer: STTR)プログラムの承認が失効し、議会が再承認法案を通過するまで、連邦機関による新規助成や公募が一時停止されると伝えた。下院は超党派の支持で短期的な再認可法案を可決したが、上院共和党が否決した。1社あたりのSBIR助成総額の上限を7,500万ドルとするなどの改革案を提案している共和党に対し、民主党は現行維持を主張した。現在進行中の助成は継続されるが、民主党の試算によると、国防総省から1万社以上、国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)から約1,500社、エネルギー省から600社以上、米国科学財団(National Science Foundation: NSF)から約280社の中小企業が契約を失う可能性があるという。 AIP ” Small Business R&D Programs Lapse” (10/09/25) https://www.aip.org/fyi/small-business-r-d-programs-lapse
太陽光サプライチェーンの透明性向上へ新標準規格を承認
太陽エネルギー産業協会(Solar Energy Industries Association: SEIA)は10月10日、供給網の透明性を高める新たな標準規格が米国規格協会(American National Standards Institute: ANSI)により正式承認されたと発表した。新標準規格「ANSI/SEIA 101」は、製造業者や輸入業者が原材料から完成品までの製品の原産地を追跡できる枠組みを提供するもので、税関・国境警備局(U.S. Customs and Border Protection: CBP)のトレーサビリティ要件への対応を支援する。製造拡大に伴い、国内に設置される全ての太陽光・蓄電製品の最高倫理基準の反映に向け、税関による差し止め事例などを踏まえた業界関係者や第三者監査機関などの幅広い関係者の協力を得て策定された。これにより、太陽光及び蓄電設備の開発事業者は製品原産地の追跡が可能となり、設置工事業者や保険会社などは供給業者に対して同基準の遵守を求めることができるようになった。SEIAは今年初めにも消費者保護などに関する3つの標準規格の承認を受けており、さらに7つの業界標準を策定中である。 SEIA “ANSI Approves New SEIA Standard to Enhance Solar Supply Chain Transparency” (10/10/25) ANSI Approves New SEIA Standard to Enhance Solar Supply Chain Transparency
北極圏警備強化へ砕氷船11隻建造を承認 フィンランドと連携
大統領府は10月9日、国内外で最大11隻の北極圏警備艇(Arctic Security Cutters: ASC)の建造を承認する大統領覚書に署名したと発表した。覚書によると、外国での建造を国家安全保障上の必要性として認める大統領権限を行使し、まず最大4隻をフィンランドの造船所で建造し、その後フィンランドの専門技術を活用して最大7隻を国内造船所で建造する計画である。現在、沿岸警備隊(U.S. Coast Guard)が運用する極地艦隊は1976年就役の老朽船と先月就役した元商用船の2隻のみで国家安全保障上のリスクとなっており、沿岸警備隊は北極圏での通年任務遂行には少なくとも9隻のASCが必要としている。トランプ大統領は、外国の敵対勢力による北極圏での軍事的・経済的な攻勢が米国の主権、航路、エネルギー資源を脅かしていると指摘し、外国での建造は重要な能力不足を埋める一時的措置であり、将来の国内造船業への投資を促進すると強調している。 The White House “Fact Sheet: President Donald J. Trump Authorizes Construction of Arctic Security Cutters” (10/09/25) https://www.whitehouse.gov/fact-sheets/2025/10/fact-sheet-president-donald-j-trump-authorizes-construction-of-arctic-security-cutters/
土地管理局、ネバダ州の太陽光発電計画「エスメラルダ7」の中止を発表
ヒートマップ・ニュース(Heatmap News)は10月10日、ネバダ州で計画されていた国内最大級の太陽光発電プロジェクト「エスメラルダ7(Esmeralda 7)」が中止されたと報じた。土地管理局(Bureau of Land Management: BLM)が当初7月に最終決定を下すとしていたが実現せず、同局のウェブサイトでプロジェクトのステータスが「中止」と更新されたことで明らかとなった。通常BLMがプロジェクトを中止と表示する場合は開発業者による中止を意味するが、今回はトランプ政権による風力・太陽光発電の見直しが背景にあるという。同プロジェクトは同州西部の砂漠地帯における6.2ギガワットの巨大な発電能力を持ち、同州南部の主要公益事業者が供給する電力にほぼ匹敵する規模で、ネクストエラ・エナジー社(NextEra Energy)、インベナジー社(Invenergy)、コネクトジェン社(ConnectGen)など複数の再生可能エネルギー開発企業が支援していた。ネクストエラ社は「開発の初期段階」にあり、当局と緊密に協力して環境分析を継続すると表明している。 Heatmap News “Esmeralda 7 Solar Project Has Been Canceled, BLM Says” (10/10/25) https://heatmap.news/sparks/esmeralda-7-canceled-nevada-solar
ジョージア工科大、州内大学初となるドローンによる緊急対応を開始
ジョージア工科大学(Georgia Institute of Technology)は10月7日、911通報に対してドローンを初期対応者として派遣し、緊急対応時間を90秒以内に短縮する州内初の大学プログラムを開始したと発表した。常時キャンパスをパトロールし、重大事件に即応できるドローンを運用することで、学生の安全を強化することが狙いである。ドローンはリアルタイムで状況を把握できるため、効率的に現場を評価でき、時間と資源の節約につながるとし、ジョージア州では既に20以上の法執行機関がドローンを活用しているが、大学キャンパスでの導入は同大学が州内初となる。プログラムを運営するフロック・セーフティ社(Flock Safety)は、同大学のキャンパス内のどこにでも、ドローンシステムが90秒以内に到着でき、迅速な対応が可能と強調した。また、プライバシーへの配慮として、ドローンは目的地に到着するまでカメラを地平線に向けておく措置が取られるとも説明している。 Georgia Tech “Georgia Tech’s drone first responder program cuts emergency response time to 90 seconds or less” (10/07/25) https://www.maine.gov/governor/mills/news/governor-mills-announces-creation-maine-life-sciences-center-2025-09-25