Category:その他
22州とDCが「ソーラー・フォー・オール」助成中止を巡りEPAを提訴
アリゾナ州、ミネソタ州、ワシントン州など22州及びワシントンDCは10月15日、「環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)は、低費用の分散型ソーラーエネルギーを90万世帯以上の低所得層及び社会的に不利なコミュニティに提供することを目的とした『ソーラー・フォー・オール(Solar for All: SFA)プログラム』(総額70億ドル)を一方的かつ違法に打ち切りにした」として、EPAとリー・ゼルディンEPA長官(Lee Zeldin)を提訴した。原告側は、「SFAによる70億ドルの助成金は、ワンビッグビューティフルビル法(One Big Beautiful Bill Act)が成立する前に予算充当(obligated)済みであることから、EPAの措置は違法である」と主張する。本提訴の前には、SFAプログラムの助成金受益者24名で構成される同盟が、SFA助成金打ち切りによる損害の回収を目的として、契約違反訴訟を連邦請求裁判所(U.S. Court of Federal Claims)に起こし(10月14日)、テキサス州のハリス郡が同様の提訴(10月13日)を行う等している。 Utility Dive “States sue EPA over canceled Solar for All grants” (10/17/25) https://www.utilitydive.com/news/states-sue-epa-canceled-solar-for-all-grants/803118/
エネルギー省、核融合科学技術ロードマップを発表
エネルギー省(Department of Energy)は10月16日、核融合エネルギーの開発と商業化を加速させる国家戦略「核融合科学技術ロードマップ(Fusion Science and Technology (FS&T) Roadmap)」を発表した。ロードマップは、エネルギー省による「構築・革新・成長」戦略を公的投資及び民間のイノベーションと整合させて、2030年代半ばまでに電力網に商用核融合電力を供給することを目指す。戦略の具体的な内容は、①核融合マテリアルと技術の溝を是正する重要インフラの「構築」、②先端研究・高性能計算・人工知能(AI)を通じた「革新」、③官民連携や地域製造ハブ、労働力開発を通じた米核融合エコシステムの「成長」である。ロードマップは、600名以上の科学者、工学者、業界関係者による洞察と共に開発されたもので、核融合パイロットプラント(Fusion Pilot Plant)を実現し、世界の核融合産業における米国のリーダーシップを強化するための主要研究、マテリアル、技術的溝を提示している。 Department of Energy “Energy Department Announces Fusion Science and Technology Roadmap to Accelerate Commercial Fusion Power” (10/16/25) https://www.energy.gov/articles/energy-department-announces-fusion-science-and-technology-roadmap-accelerate-commercial
フルエンスとトーチ・クリーン・エナジー アリゾナに大規模蓄電池プロジェクト
フルエンス・エナジー社(Fluence Energy)は10月15日、トーチ・クリーン・エナジー社(Torch Clean Energy)と共同で、アリゾナ州コチセ郡で160メガワット(MW)/640メガワット時(MWh)規模の蓄電池を備えた「ウィンチェスター(Winchester)」プロジェクトを開発すると発表した。フルエンス社の蓄電ソリューション、グリッドスタック・プロ5000™(Gridstack Pro 5000)システムを採用したこのプロジェクトは2027年初旬の運転開始を予定しており、この蓄電システムはトーチ社の80MWの太陽光発電設備2基と併設され、地域の電力需要増加やピーク時の需給調整を支援する。また国内製造部品を活用していることから、追加的な税額控除(bonus credit)の対象となり、製造業とエネルギー安全保障の後押しにもつながるという。トーチ社は太陽光発電の電力を必要な時間に供給できる柔軟性と効率性を強調し、フルエンス社も同施設が地域経済と信頼性の高い電力供給を支える重要な一歩になると発表した。 Fluence Energy “Fluence and Torch Clean Energy Partner to Deliver 160 MW / 640 MWh Winchester Battery Energy Storage System” (10/15/25) https://ir.fluenceenergy.com/news-releases/news-release-details/fluence-and-torch-clean-energy-partner-deliver-160-mw-640-mwh 参照資料:Utility Dive “Torch Clean Energy taps Fluence for 640 MWh battery at Arizona solar plant” (10/16/25) https://www.utilitydive.com/news/torch-clean-energy-taps-fluence-for-640-mwh-battery-at-arizona-solar-plant/802990/
カリフォルニア州、気候情報開示規則の策定を2026年に延期
ユーティリティ・ダイブ(Utility Dive)は10月16日、カリフォルニア州大気資源局(California Air Resources Board: CARB)が、気候情報開示規則(Climate disclosure rule)の上院法案(Senate Bill)253及び261の最終規則策定を2026年第1四半期に延期すると報じた。8月の意見交換会後に寄せられた多数コメントへの対応と、対象事業者の範囲特定の継続検討が延期の理由としている。SB 253法案は年間売上10億ドル以上の企業に温室効果ガスのスコープ1(Scope 1、企業による直接排出)・2(購入分)排出量の報告を義務付け、SB 261法案は5億ドル超の企業に気候リスク開示を求める内容で、これに先立ち、CARBは10日にSB 253向けの報告書テンプレート案を公表した。現時点では任意利用としているが、報告期限はSB 261対象企業が2026年1月1日、SB 253対象企業が同年6月30日で変更はない。暫定リストには電力・エネルギー企業など約3,100社が含まれるがリスト作成中のため、記載されていなくても、企業側が自己判断で法を遵守するよう求めている。 Utility Dive “California delays rulemaking timeline for climate disclosure laws to 2026” (10/16/25) https://www.utilitydive.com/news/california-delays-rulemaking-timeline-for-climate-regulations-sb-253-261-to-2026-carb/802947/
政府閉鎖中の政府職員削減、カリフォルニア地裁が差し止め
NEXTGOV/FCWは10月15日、カリフォルニア州のスーザン・イルストン連邦地裁判事(Susan Illston)が、トランプ政権による政府閉鎖中の人員削減(Reductions in force: RIF)の実施を違法の可能性が高いとして、一時的に差し止めたと報じた。同判事はトランプ政権が「政府機能の停止を口実に、人員削減が法律の適用外にあるとみなしている」と指摘し、法律を無視した政府構造の恣意的な変更を断じた。裁判では、政権側の司法省(Department of Justice)弁護士のエリザベス・ヘッジス氏(Elizabeth Hedges)が削減の合法性について明言を避け、同判事から厳しく追及された場面もあったという。政権は10日に7機関で約4,000人の解雇を実施し、さらなる人員削減を進める意向を示していたが、今回の決定により少なくとも2週間、新たな人員削減の実施や準備を停止する。原告の労働組合側は、政府は具体的な削減対象を決定済みと主張しており、今回の措置が実質的な違法行為であると訴えている。同判事は最終判断に向け、近く追加の審理を行う予定である。 NEXTGOV/FCW “Judge blocks shutdown layoffs after finding Trump’s actions are likely illegal” (10/15/25) https://www.nextgov.com/people/2025/10/judge-blocks-shutdown-layoffs-after-finding-trumps-actions-are-likely-illegal/408834/?oref=ng-home-top-story
アマゾン、ワシントンに次世代原子炉SMRを建設 脱炭素電力網を強化
アマゾン・ドット・コム社(Amazon.com)は10月16日、次世代小型モジュール原子炉(Small modular reactor: SMR)を用いた「カスケード先進エネルギー施設(Cascade Advanced Energy Facility)」の建設計画を発表した。公共電力事業者エナジー・ノースウエスト社(Energy Northwest)及び先進原子炉開発のエックス・エナジー社(X-energy)と提携し、初期段階で4基・計320メガワット(MW)を発電し、将来的には12基・960MWまで拡大する。ワシントン州リッチランド近郊の、エックス・エナジー社所有コロンビア発電所近くにある従来型原発より大幅に狭い敷地に建設する予定で、エックス・エナジー社の「Xe-100」炉型とコロンビア・ベイスン・カレッジ(Columbia Basin College)の制御室シミュレーターを導入する。建設には1,000人超、運転開始後も100人以上の専門職を確保し、地域人材の育成にも取り組む予定で、2020年以降、世界で600件以上の再エネプロジェクトを展開するアマゾン社は、脱炭素社会実現に向けた取り組みを更に強化するとしている。 Amazon “How Amazon is helping to build one of the first modular nuclear reactor facilities in the United States” (10/16/25) https://www.aboutamazon.com/news/sustainability/amazon-smr-nuclear-energy
商工会議所、就労ビザ「H-1B」手数料に関し政権を提訴
Axiosは10月17日、商工会議所(Chamber of Commerce)が就労ビザ「H-1B」手数料10万ドルの導入計画阻止に向け、国土安全保障省(Department of Homeland Security: DHS)と国務省(Department of State)を相手取り、提訴したと報じた。同ビザプログラムを通じた労働者雇用に、一人当たり10万ドルの手数料を課すとする9月に発表された大統領令に反対するもので、同会議所はこの命令が違法で、議会で可決された法律に矛盾すると主張している。多くの企業が科学技術人材の確保にこのプログラムを活用しており、ビザ保証にかかる費用はこれまで約3,600ドルであったことから、新たな手数料が米国企業の優秀な外国人労働者の雇用を妨げ、米国の競争力に影響するとも強調した。約30万の会員を代表する商工会議所は2020年の第1期トランプ政権でもビザ関係で訴訟を起こしており、その後のバイデン政権に対しても、政権が法的権限を逸脱していると主張してきた経緯がある。一方の政府報道官は、合法であるとの姿勢を崩していない。 Axios “U.S. Chamber of Commerce sues to block Trump H-1B visa changes” (10/17/25) https://www.axios.com/2025/10/16/trump-h-1b-visa-immigration-chamber-lawsuit
エネルギー省、中西部送電網強化に16億ドルの融資保証
エネルギー省(Department of Energy)は10月16日、中西部5州にまたがる送電線約5,000マイルの改修・再建プロジェクトに対し、16億ドルの融資保証を実行したと発表した。インディアナ、ミシガン、オハイオ、オクラホマ、ウェストバージニア各州の送電網の信頼性向上と電力料金低減に向け、アメリカン・エレクトリック・パワー社(American Electric Power: AEP)の子会社への融資を融資プログラム局(Loan Programs Office: LPO)を通じて行うもので、トランプ大統領が今年初めに署名した「勤労家族減税法(Working Families Tax Cut)」により創設したエネルギー優位性融資プログラム(Energy Dominance Financing Program: EDF)下での初の案件となる。このプロジェクトにより1,000人以上の建設雇用が創出される見込みで、同省は人工知能(AI)競争での優位性確保と製造業基盤の拡大に寄与すると説明した。また今回の融資では、電力会社が同省に対し、財務上の利益を顧客に還元することを保証する必要があり、これが融資対象の条件であると明記されている。 Department of Energy “Energy Department Closes Loan Guarantee to Strengthen U.S. Grid Reliability” (10/16/25) https://www.energy.gov/articles/energy-department-closes-loan-guarantee-strengthen-us-grid-reliability
トランプ政権、連邦採用の透明性を強化
大統領府は10月15日、各省庁に上級幹部で構成される戦略的採用委員会(Strategic Hiring Committee)の設置と、年度ごとの人員配置計画策定を義務化する新たな大統領令を発表した。連邦政府の採用プロセスにおける責任の確保と行政の効率化が目的で、国の優先事項や国家的利益に即した採用を進める。具体的には、傘下の人事管理局(Office of Personnel Management: OPM)や行政管理予算局(Office of Management and Budget: OMB)が四半期ごとに実施状況を監視し、社会保障やメディケア(Medicare)、退役軍人給付への影響がないようにする。また、国家安全保障、移民執行、公的安全分野の採用は引き続き重点的に行う。バイデン前政権下で連邦政府が新規雇用の4分の1以上を担ったことへの反省から、トランプ政権は民間主導の雇用成長を強調し、官僚機構の肥大化や重複事業の削減に取り組んでいる。退職奨励制度(buyout program)を活用し、これまで30万人超の人員を削減しているが、行政サービスの維持に支障は出ていないと説明している。 The White House “Fact Sheet: President Donald J. Trump Ensures Continued Accountability in Federal Hiring” (10/15/25) https://www.whitehouse.gov/fact-sheets/2025/10/fact-sheet-president-donald-j-trump-ensures-continued-accountability-in-federal-hiring/
エアロバイロメント社、グランドフォークス米空軍基地に対ドローン技術を配備へ
防衛技術企業のエアロバイロメント社(AeroVironment)は10月14日、ノースダコタ州にあるグランドフォークス空軍基地(Grand Forks Air Force Base)に対ドローン能力を配備すると発表した。同社は、商用無人航空システム(UAS)事業及び航空パークのグランドフォークス社と協力し、内層分散型対無人航空機システム(inner layer distributed counter-UAS)能力をグランドフォークス基地に配備する。同システムには、エアロバイロメント社の長距離対ドローン検知及び認識システムのタイタン(Titan)とタイタンSV(Titan-SV)システムが含まれる。エアロバイロメント社によれば、グランドフォークス基地での取り組みは、トランプ政権による国家ミサイル防衛システム「米国ゴールデンドーム(Golden Dome for America)」プロジェクトの基盤を築くものになるという。 Defense News “AeroVironment to deploy counter-drone tech at Grand Forks USAF base” (10/15/25) https://www.defensenews.com/air/2025/10/15/aerovironment-to-deploy-counter-drone-tech-at-grand-forks-usaf-base/