Day: April 27, 2026

富士通とカーネギーメロン大学、フィジカルAIの共同研究拠点を設立

カーネギーメロン大学(Carnegie Mellon University)は4月23日、富士通(Fujitsu)と共同で、フィジカル人工知能(AI)基盤技術の研究開発を推進する「富士通・カーネギーメロン・フィジカルAI研究センター(Fujitsu-Carnegie Mellon Physical AI Research Center)」を設立したと発表した。実環境におけるフィジカルAI検証が目的で、人間とロボットが協働する持続可能な社会の実現を目指す。フィジカルAIは製造、物流、建設、インフラ、ヘルスケアなどの分野で生産性向上や労働力不足の解消、安全性確保など社会課題の解決に貢献すると期待されており、ロボティクス、機械学習、言語技術、ヒューマン・コンピューター・インタラクション(Human–computer interaction)、哲学などの分野に携わる同大学教員と富士通研究者・技術者が連携して、実社会の課題解決に取り組む。富士通はこの成果を開発中のロボットやセンサー、システム、物理空間を統合する「富士通コズチ・フィジカル OS(Fujitsu Kozuchi Physical OS)」基盤へ段階的に組み込んでいくとしている。 CMU “Fujitsu, CMU Launch Joint Center for Physical AI” (04/23/26) https://www.cs.cmu.edu/news/2026/cmu-fujitsu-physical-ai-center

商務省、41億ドルのクラウド調達 ハイパースケーラーに直接発注へ

NEXTGOV/FCWは4月24日、商務省(Department of Commerce)が総額41億ドル規模のクラウド調達において、ハイパースケーラーのみを対象とする方針を固めたと報じた。人工知能(AI)や気象モデリングに必要な膨大な計算能力と広帯域インフラ確保に向け、クラウド・サービス・プロバイダー(Cloud Services Providers: CSP)へ直接発注し、10年間の包括購買契約(Blanket Purchase Agreement: BPA)を締結する。これにより、再販業者やシステムインテグレーターは対象外となり、自社ブランド・技術基盤を開発構築・運用する企業のみが対象となった。この取り組みは国防総省(Department of Defense)が実施する「共同戦闘員クラウド能力(Joint Warfighter Cloud Capability: JWCC)」モデルを踏襲しており、手続きは一般調達局(General Services Administration: GSA)の電子調達ポータル「イーバイ(eBuy)」を通じて行われる。今回の通知はクラウド戦略周知が目的で、意見公募の実施は予定していないという。 NEXTGOV/FCW “Commerce goes direct to hyperscalers with $4.1B cloud pact” (04/24/26) https://www.nextgov.com/acquisition/2026/04/commerce-goes-direct-hyperscalers-41b-cloud-bpa/413105/?oref=ng-homepage-river

GSAが次世代技術職を登用 連邦政府のDXを加速

一般調達局(General Services Administration: GSA)は4月23日、2026年度の「大統領イノベーションフェロー(Presidential Innovation Fellows: PIF)」プログラムを開始したと発表した。本年度では、政府のデジタル化推進を目指して、民間企業の技術専門家17名を連邦機関に配属することになり、各専門家は今後1年間でメディケア・メディケイドサービスセンター(Centers for Medicare and Medicaid Services)、サイバーセキュリティー・社会基盤安全保障庁(Cybersecurity and Infrastructure Security Agency: CISA)、エネルギー省(Department of Energy)など10の政府機関で人工知能(AI)を活用した許認可インフラ構築の迅速化やサイバー防衛の強化など、重要課題の解決に向けた技術的助言やプロトタイプ開発を行う。GSAは史上最高の技術者集団を結集し、政府の重要施策を推進するとし、この取り組みが政府機関の技術強化を推進する中核的な役割を担うと説明した。 GSA “GSA Advances Tech Talent Strategy with New Presidential Innovation Fellows Class” (04/23/26) https://www.gsa.gov/about-us/newsroom/news-releases/gsa-advances-tech-talent-strategy-with-new-presidential-innovation-fellows-class-04232026

GAO、国防総省へ監視体制改善を勧告 機密情報の保護に不備

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は4月24日、国防総省(Department of Defense)の国防防諜・安全保障局(Defense Counterintelligence and Security Agency: DCSA)による請負業者への検査が義務付けられた件数の4割未満にとどまり、機密情報流出のリスクがあると発表した。同局が2025年度に実施した4,600件以上の安全保障審査でデータ流出などの違反が815件、1,000件以上の脆弱性が放置されている現状が明らかになり、人員不足やITシステム分析能力の低さに加え、リスク管理体制の抜本的な見直しが急務となっている。特に業務負荷軽減に向け設立された国家外部アクセス安全保障監視センター(National Access Elsewhere Security Oversight Center: NAESOC)に対し、現場から実効性の欠如を指摘する声が相次いだと報告した。外国組織による機密情報や技術の不正入手が年間数千回に及ぶ中、GAOは最新分析ツール導入やNAESOCによるリスク対応活動評価、記録システム開発への関係者からの継続的な意見確保を同省に勧告している。 GAO “Industrial Security: Improved Risk Management and Stakeholder Engagement Needed to Help DOD Address Mission Gaps” (04/24/26) https://www.gao.gov/products/gao-26-107861

商務省、インド、インドネシア、ラオス発のソーラー輸入品に暫定反ダンピング関税

商務省(Department of Commerce)の国際貿易局(International Trade Administration: ITA)は4月23日、インド、インドネシア、ラオスから輸入される結晶シリコン太陽電池(モジュールに組み立てられているか否かを問わず)の反ダンピング関税に関する調査について、暫定的認定を発表した。これらの国からの輸入品への関税率は、インド123.04%、インドネシア35.17%、ラオス22.46%となっている。ITAは今後、インドとインドネシアからのソーラー電池輸入品に関する反ダンピング調査の最終決定を2026年7月13日頃に、ラオスからの同調査の最終決定を2026年9月9日頃に発表する予定である。同調査は、米国ソーラー製造・貿易同盟(Alliance for American Solar Manufacturing and Trade)による請願を受けて昨年8月に開始された。商務省はまた、これら3国からのソーラー電池について、並行的な相殺関税(concurrent countervailing duty)調査も実施している。 Department of Commerce “Preliminary Affirmative Determinations in the Antidumping Duty Investigations of Crystalline Silicon Photovoltaic Cells, Whether or Not Assembled into Modules, from India, Indonesia, and the Lao People’s Democratic Republic” (04/23/26) https://www.trade.gov/preliminary-determinations-antidumping-duty-investigations-crystalline-silicon-photovoltaic-cells 参考:PV magazine “Commerce sets preliminary anti-dumping duties on …
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政権1年目 NIHの助成数が大幅削減、特に女性・癌・精神医療への支援が激減

ワシントン・ポスト紙(Washington Post)の分析によれば、トランプ政権発足から最初の会計年度の年度半期となる3月31日までの間に、国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)が提供した競争的助成金の数は、昨年同期に比べて半分以上減少したという。生物医療研究への資金においても、ほぼ全ての主要な疾病分野で米国の研究活動が縮小している中、特に、女性の医療、癌、精神医療に焦点を当てた研究助成金が減少している。同紙の分析によれば、2025年度にNIHが支援した科学的プロジェクトは2,700件強で、前年同期比で15%減少した。女性医療分野では31%減少した。米国研究の縮小は徐々に影響を及ぼしつつあり、多くの研究室が自然減によって縮小し、学生やポスドク研究者は離脱し、その空席は補充されない。有技能技術者は解雇され、多くの研究大学で博士課程の入学者が減少するなど、新たな科学者の育成パイプラインの入り口が小さくなっている。一方、NIHによる助成金政策の変更も影響を及ぼしつつある。例えば、多くの助成金は年毎に交付されていたが、NIHは現在、複数年の予算を一括交付する形を取っており、移行期間中の助成金提供数の減少につながっている。NIHは、ある程度のスコアで評価された助成金の申請は資金を提供される可能性が高いという、一定の目安として機能していたペイライン(payline)と呼ばれる仕組みも廃止している。 Washington Post “Where U.S. science has been hit hardest after Trump’s first year” (04/19/26) https://www.washingtonpost.com/science/2026/04/19/science-research-funding-cuts-trump/

米高官、国際海事機関(IMO)技術会合で「国際的な炭素税に未来はない」と発言

4月27日からロンドンで開催される国連国際海事機関(U.N. International Maritime Organization: IMO)の協議に先駆けて行われた技術会合で、米国派遣団を率いる沿岸警備隊(Coast Guard)のウェイン・アルガン少将(Pear Adm. Wayne Arguin)は、「船舶業界による気候汚染を低減しようとする世界的な取り組みに反対する米国の努力は勢いを拡大しつつある。現時点で、相当規模の国々が、いわゆる正味ゼロ枠組み(Net-Zero Framework: NZF)に反対しており、NZEについて総意を達成できる見込みはない」と発言した。NZEの中核にあるのは、船舶への炭素税と関連する持続可能な燃料基準の提案で、いずれも、2050年までに船舶部門の炭素排出をゼロにするというIMOの目標(2023年に設定)の達成を支援するものである。トランプ政権は地球温暖化への国際的な対策を弱体化させようとしており、この枠組みはその主要な標的となっている。 Politico “US official: No hope for global carbon tax” (04/24/26) https://www.politico.com/news/2026/04/24/us-official-no-hope-for-global-carbon-tax-00890085

CNAS、主権AI指標を発表

新米国安全保障センター(Center for a New American Security: CNAS)が発表した「主権AI指標(Sovereign AI Index)」によれば、米国と中国が最先端の人工知能(AI)の開発・導入に必要な計算能力の90%を占める中、世界各国は、自国のAI「主権AI(sovereign AI)」の構築に取り組んでいる。主権AIの開発を段階別にみると、インフラプロジェクトが59%を占め、モデルプロジェクトが34%、データプロジェクトがわずか7%となっている。地域別で見ると、中東(410億ドル)と東アジア(252億ドル)が全体の8割以上を占め、更に国別で見ると、アラブ首長国連邦(335億ドル)と日本(204億ドル)が全体の3分の2以上を占める。ただし、主権AIの構築を目指す国の多くは、米国の技術企業に多くを依存しているのが現状である。CNASは、「世界中の政策策定者が直面する問いは、完全な主権AIを構築できるか否かではなく(それは不可能)、自国のAI導入に有意義な主体性を確保できるよう、パートナーシップを築き、技術を導入し、ガバナンス枠組みを実装できるかどうかである」と分析している。 CNAS “Sovereign AI Index” (April 2026) https://interactives.cnas.org/reports/sovereign-ai-index/