Day: April 24, 2026

トランプ政権、中国によるAIモデルの「産業規模での蒸留」を非難

大統領府は4月23日、中国などの外国勢力が、米国の人工知能(AI)モデルの能力を意図的・組織的かつ産業規模で蒸留(巨大なAIモデルの知識を軽量なモデルに転写し、軽量かつ高性能なモデルを作る機械学習技術)していると発表した。大統領府科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy: OSTP)によると、外国勢力は数万件のプロキシアカウントを使って検出を回避し、脱獄(ジェイルブレイク:AIの安全制限を解除し、禁止された情報や行動を誘引する)技術を駆使して米国の先端AIモデルから機密情報と能力を抽出しているという。この不正な手法により、外国勢力が低コストで米国製AIと見かけ上の性能が同等の製品を開発できるほか、安全性や信頼性を担保する機能を意図的に排除したモデルを流通させていると指摘している。この対応に向け、政府は米国のAI企業に外国勢力の手口に関する情報を共有し、民間セクターとの連携を強化するとしている。また、不正な情報抽出活動への対策を共同で開発するとともに、関与した外国勢力の責任を追及する措置を検討する方針も示した。 The White House “Adversarial Distillation of American AI Models” (04/23/26) https://whitehouse.gov/wp-content/uploads/2026/04/NSTM-4.pdf 参照記事: Axios “U.S. accuses China of “industrial-scale” campaigns to steal AI secrets” (04/24/26) https://www.axios.com/2026/04/23/us-china-ai-theft-distillation

インディアナ州、イスラエルと連携 6,000万ドル超の投資イニシアチブを開始

インディアナ州のマイク・ブラウン知事(Mike Braun、共和党)は4月13日、イスラエルとの新たな投資・商業化イニシアチブ立ち上げを発表した。総額6,000万ドル超の取り組みで、州政府が1,500万ドル、アイアン・ネーション・パートナーシップ(Iron Nation partnership)が3,000万ドル以上を拠出する。同イニシアチブは、イスラエル発テクノロジー企業が同州に米国本社や拠点を設立し、州内大手企業、医療機関、大学、地域社会と商業関係を構築することを目的としており、同州にとっても賃金上昇、経済強化、また州民のための機会創出などの戦略に合致するとし、ディープテックが次世代の革新的な技術開発を推進する原動力であるという共通認識のもと、同州で最先端技術の開発を推進していく。この取り組みは、2023年10月7日のテロ事件後に市場の混乱に直面したイスラエルのスタートアップを支援するベンチャー投資イニシアチブとして設立され、現在、同国で最も活発な投資プラットフォームの一つに成長している。 EDC “Governor Braun Announces Launch of Iron Nation–Indiana to Drive Innovation, Investment and Economic Growth” (04/13/26) https://iedc.in.gov/events/news/details/2026/04/13/governor-braun-announces-launch-of-iron-nation-indiana-to-drive-innovation-investment-and-economic-growth

企業のAI導入率18%、個人の業務利用は41%に FRB報告

連邦準備制度理事会(Federal Reserve Board: FRB)は4月3日、国内経済における人工知能(AI)導入動向に関する調査報告書を発表した。国勢調査局(Census Bureau)の「ビジネス動向・見通し調査(Business Trends and Outlook Survey: BTOS)」によると、2025年末時点での企業によるAI導入率は約18%となり、2026年上半期には20%超がAI利用を予定しているという。また、アトランタ連邦準備銀行(Federal Reserve Bank of Atlanta)のビジネス不確実性調査(Survey of Business Uncertainty: SBU)では、AI導入企業で働く労働者の割合が約78%、大規模言語モデル(LLM)利用企業で働く割合が約54%と推計された。業種別では専門・科学・技術サービスと金融セクターにおける導入率が約33%と30%と突出し、認知的・分析的業務でのAI活用が先行した。一方、「リアルタイム人口調査(Real-Time Population Survey: RPS)」によると個人業務における生成AI利用率は約41%に達した。 FRB “Monitoring AI Adoption in the US Economy” (04/03/26) https://www.federalreserve.gov/econres/notes/feds-notes/monitoring-ai-adoption-in-the-u-s-economy-20260403.html 参照記事: SSTI “Researchers find AI adoption moderate across firms, stronger among individuals” (04/22/26) https://ssti.org/blog/researchers-find-ai-adoption-moderate-across-firms-stronger-among-individuals

公立高等教育機関への州政府支援、12年ぶりに減少 SHEEO報告

州高等教育管理者協会(State Higher Education Executive Officers Association:SHEEO)は4月8日、2025年度の州高等教育財政(State Higher Education Finance:SHEF)報告書を発表した。これによると学生1人当たりの教育予算は前年比1.0%減の1万2,082ドルとなり、12年連続増から一転し、マイナスとなった。学生数の増加率が3.6%増となり、教育支出の増加率(インフレ調整後2.6%増)を上回ったことが要因となった。一方、学生の純授業料・その他諸費用収入は前年比3.5%減の7,459ドルとなり、1980年以降で2番目に大きい減少幅となった。州別の教育予算では、ニューハンプシャー州の4,557ドルが最も低かった一方で、イリノイ州は最も高く2万5,468ドルと大きな開きが出た。また、2024年度が教育予算のピークで、経済成長の継続や総投資額の高水準推移を楽観材料として挙げる一方で、24州で大不況前2008年の水準を下回っていることに加え、今後10年間で進学適齢人口減少が予測される「人口の崖(Demographic Cliff)」を懸念材料として示している。 SHEEO “State Higher Education Finance (SHEF) FY 2025” (04/08/26) https://shef.sheeo.org/wp-content/uploads/2026/04/SHEF_FY25_Report.pdf 参照記事: SSTI “An FY25 decline in public higher ed funding raises questions about future trends” (04/22/26) https://ssti.org/blog/fy25-decline-public-higher-ed-funding-raises-questions-about-future-trends

中小企業向け技術支援プログラム、公募再開

州科学技術研究所(State Science & Technology Institute: SSTI)は4月22日、中小企業技術イノベーション研究(Small Business Innovation Research: SBIR)及び中小企業技術移転(Small Business Technology Transfer: STTR)プログラムが再開されたと発表した。半年以上の失効期間を経て4月13日に大統領による署名により再承認されたが、現在公募を再開しているのは国防総省(Department of Defense)のみで、各機関によって進捗にばらつきが生じている。教育省(Department of Education)は一部の事前公募を発表したが、最大の資金提供機関である国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)をはじめ、米国科学財団(National Science Foundation: NSF)やエネルギー省科学局(Department of Energy’s Office of Science)なども新規公募を再開していない。再開については各機関の判断に委ねられており、新たな情報については中小企業庁(Small Business Administration: SBA)のSBIR専用サイトにおいても掲載される予定である。 SSTI “SBIR slowly relaunching following president’s signature” (04/22/26) https://ssti.org/blog/sbir-slowly-relaunching-following-presidents-signature

海軍と沿岸警備隊の造船計画が遅延、数十億ドルの予算超過 GAO報告

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は4月22日、海軍及び沿岸警備隊の造船計画が、数十億ドルの予算超過に加え、数年遅延していると報告した。同計画が過去20年間に亘り当初計画からずれ込んでいたとし、その一例として海軍のコンステレーション級フリゲート艦プログラムでは30億ドル超の契約オプションを行使しながらも、昨年、戦略的転換を余儀なくされたと指摘した。また、沿岸警備隊のオフショア哨戒艦(Offshore Patrol Cutter)も最初の引き渡しが5年以上遅れ、2隻が建造一時中断、別の2隻が中止の事態となったほか、国防総省(Department of Defense)による潜水艦の産業基盤強化への100億ドル以上の支援も、将来的な必要資金の全体像を把握せず、高額な投資に対する監視プロセスも不十分と指摘している。この状況を受け、GAOは同省に対し、年間でコロンビア級1隻とバージニア級2隻を生産するという海軍の目標達成に必要な投資の全容評価と監視改善を求める2つの新たな勧告を行っており、同省もこれに同意している。 GAO “Weapon System Sustainment: DOD Identified Critical Cost Growth, and the Army Should Take Action to Yield Cost Savings” (04/22/26) https://www.gao.gov/products/gao-26-109068

陸軍はソフトウェア更新でコスト削減を GAO提言

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は4月23日、国防総省(Department of Defense)の兵器システム維持費に関する調査報告書を発表した。同省が2023年度及び2024年度に実施した36件の兵器システム維持審査のうち、14件の運用・支援コストが著しく増加していたことがわかった。直近の独立コスト見積もりと比較して少なくとも25%、もしくは当初の基準コスト見積もりと比較して少なくとも50%増加しており、主な原因には運用寿命の延長、数量の増加、計画外コストなどを挙げている。GAOはまた、陸軍に対し、戦闘車両に搭載する汎用遠隔操作兵器ステーション(Common Remotely Operated Weapons Station: CROWS)のソフトウェア更新を全ユニットで完了していないとし、このソフトウェア更新を実施すれば、今後約30年間において1億3,000万ドル以上の節減が可能となると指摘した。これらを踏まえ、CROWSの改善計画で特定されたソフトウェア更新を適時に実施するよう勧告しており、同省は勧告に同意している。 GAO “Weapon System Sustainment: DOD Identified Critical Cost Growth, and the Army Should Take Action to Yield Cost Savings” (04/23/26) https://www.gao.gov/products/gao-26-108140

空軍、軍事AI覇権確立に向けた軍事力構築へ データ・AI戦略を公開

空軍(Department of the Air Force)の最高データ・AI責任者室(Office of the Chief Data and Artificial Intelligence Officer)は4月20日、人工知能(AI)基盤を活用して軍事力を構築するデータ・AI戦略を公開した。2026年国家防衛戦略(2026 National Defense Strategy)及び2026年国防総省AI戦略(2026 AI Strategy for the Department of Defense)と連携するもので、航空・宇宙分野における技術的優位性を通じた抑止力の再確立を支援する。空軍は、AIそのものの開発ではなく、実際の作戦上の問題を解決する戦闘即応能力の迅速な提供が目的と説明しており、訓練・即応態勢から多領域作戦まで複数の任務分野におけるAIの優先事項を定め、特に、データを現代戦の「戦略的資産」と位置付けた。機敏性維持に向け、分散型データアーキテクチャを採用することで、作戦遂行のスピードに合わせたデータを現場に提供していくという。 USSF “DAF releases data, AI strategies to accelerate military dominance” (04/22/26) https://www.spaceforce.mil/News/Article-Display/Article/4467281/daf-releases-data-ai-strategies-to-accelerate-military-dominance/

エネルギー省、使用済み核燃料のリサイクルについて民間パートナーを模索

エネルギー省(Department of Energy)の原子力エネルギー局(Office of Nuclear Energy)及び環境管理局(Office of Environmental Management)は4月22日、米国内での使用済み核燃料のリサイクル能力進展を目的として、業界を対象とした応募要請(Request for Application: RFA)をそれぞれ発表した。このうち原子力エネルギー局のRFAは、先端原子炉の導入を支援し、米国の核マテリアルのリサイクル技術のイノベーションを加速させるため、エネルギー省の許認可プロセスを活用して核燃料のリサイクルや処理、燃料生産を設計・建設・運用する詳細な計画を募集するものである。一方の環境管理局のRFAは、アイダホ原子力技術・工学センター(Idaho Nuclear Technology and Engineering Center)において防衛関連の使用済み核燃料のリサイクルを商業規模で実施するための提案を求めている。これらのRFAは、米国の原子力産業基盤及びエネルギー自立を強化する取り組みを進展させるというトランプ大統領の大統領令を支援するものである。 Department of Energy “Department of Energy Seeks to Partner with Private Sector for Used Nuclear Fuel Recycling” (04/23/26) https://www.energy.gov/em/articles/department-energy-seeks-partner-private-sector-used-nuclear-fuel-recycling

エネルギー省、国防生産法コンソーシアムを通じて国内の核燃料サイクル育成へ

エネルギー省(Department of Energy)の原子力エネルギー局(Office of Nuclear Energy)は4月23日、国内の核燃料供給網確保を目的とした新たなイニシアチブを開始した。連邦政府は、国防生産法核燃料サイクル・コンソーシアム(Defense Production Act (DPA) Nuclear Fuel Cycle Consortium)を通じて、米国が現在の原子炉及び将来の先端原子炉に十分な核燃料を確保できるよう国内の原子力産業と連携する。コンソーシアムには90社以上の原子力産業関連企業が参加しており、採鉱や転換、濃縮、再転換、加工、リサイクル、再処理を含む核燃料供給網のあらゆる側面に対処する。コンソーシアムは同日行われた会合で、「核の優勢-2033年までに3つの目標(Nuclear Dominance – 3 by 33)」として、①確実で費用対効果の高い国内燃料供給網の確立、②先端原子炉開発の促進と、核燃料サイクルの完結、③DPAの枠組みを活用して労働力や資金・イノベーション・協力を育成・整合しつつ、原子力の導入支援を検討、の3点を提示した。 Department of Energy “Department of Energy’s Defense Production Act Consortium Unveils New Initiative to Grow Nation’s Nuclear Fuel Cycle” (04/23/26) https://www.energy.gov/ne/articles/department-energys-defense-production-act-consortium-unveils-new-initiative-grow