トランプ大統領、重要鉱物の輸入依存に関する調査を開始

大統領府は4月15日、重要鉱物とその派生製品への輸入依存が国家安全保障に与えるリスクを調査するための大統領令を発表した。供給網の脆弱性や外国市場の歪みが経済に与える影響を評価するもので、商務長官に対し、1962年貿易拡大法第232条(Trade Expansion Act of 1962)に基づく調査を指示した。調査結果は、国内生産の強化や外国依存の軽減に向けた提言を含む報告書としてまとめられる予定で、その内容が国家安全保障を脅かすと判断された場合、関税が発生する可能性があり、その関税率は4月2日の大統領令に基づく現行の相互関税率に代わるものとなるという。中国が、ガリウムやゲルマニウム、アンチモンなど軍事用途に関連する重要なハイテク素材の米国への輸出を禁止に加え、6種の重希土類(レアレース)金属と希土類磁石の輸出を停止したことを受け、供給網の優位性を利用した価格操作や恣意的な輸出制限に対し、大統領は産業基盤を強化し、経済的安定を図るための措置を講じるという。 The White House “Fact Sheet: President Trump Brings Permitting Technology Into the 21st Century for Government Efficiency” (04/15/25) https://www.whitehouse.gov/fact-sheets/2025/04/fact-sheet-president-donald-j-trump-ensures-national-security-and-economic-resilience-through-section-232-actions-on-processed-critical-minerals-and-derivative-products/

トランプ大統領、市販製品の優先調達に関する大統領令に署名

大統領府は4月15日、トランプ大統領が、商業的に利用可能な市販の製品やサービスを優先的に調達することを、連邦政府に義務付ける大統領令に署名したと発表した。1994年の連邦調達合理化法(Federal Acquisition Streamlining Act: FASA)に基づくもので、各政府機関の契約担当官に対し、非商業製品(カスタム品)やサービスに関する保留中の契約全てを60日以内に審査し、政府の要求を満たせない理由を示した市場調査と価格分析を含む免除申請を、行政管理予算局(Office of Management and Budget: OMB)に提出するよう指示している。各機関は同法への順守状況と政策実施に関する進捗状況に関する書面の報告書を120日以内に同局へ提出し、それ以降も毎年提出する必要がある。大統領はIT調達を例に挙げ、過去25年間で推定3,450億ドルを節約できる可能性があったと声明で説明し、この義務化により政府契約の枠組みの悪用やカスタム品への過度な依存による政府支出の増加を防ぐことができるとしている。 The White House “Fact Sheet: President Donald J. Trump Enforces Requirement of Cost-Effective Commercial Solutions in Federal Contracts” (04/15/25) https://www.whitehouse.gov/fact-sheets/2025/04/fact-sheet-president-donald-j-trump-enforces-requirement-of-cost-effective-commercial-solutions-in-federal-contracts/

トランプ大統領、許認可技術の近代化を指示

大統領府は4月15日、トランプ大統領が政府機関に対し、環境審査と許認可手続きにおける最新技術の活用を指示したと発表した。行政手続きの非効率性を解消し、米国経済の成長促進に向けた取り組みで、連邦機関におけるインフラ計画の許認可申請をデジタル化し、審査を迅速化するための技術を最大限に活用していくという。これに伴い、環境諮問委員会(Council on Environmental Quality: CEQ)は、国家エネルギー優位性評議会(National Energy Dominance Council: NEDC)および関連機関と協力し、許認可技術行動計画(Permitting Technology Action Plan)を策定する予定で、許認可イノベーションセンター(Permitting Innovation Center)も新たに設立し、新しいソフトウェアの導入や申請と審査プロセスの自動化を支援する。時代遅れのプロセスを近代化させることにより、州や部族の関係者との情報共有が容易になり、スポンサーへの透明性確保と予測可能性の向上を図ることが可能になるという。 The White House “Fact Sheet: President Trump Brings Permitting Technology Into the 21st Century for Government Efficiency” (04/15/25) https://www.whitehouse.gov/fact-sheets/2025/04/fact-sheet-president-trump-brings-permitting-technology-into-the-21st-century-for-government-efficiency/

大統領府、連邦調達政策の改革を発表

大統領府は4月16日、行政管理予算局(Office of Management and Budget: OMB)傘下の連邦調達政策局(Office of Federal Procurement Policy: OFPP)が、初となる連邦調達規則(Federal Acquisition Regulations: FAR)の抜本的な見直しと改訂を行うと発表した。政府は、世界最大の購買国として調達契約に年間約1兆ドルを費やしている米国の現状について触れ、複雑かつコスト高な指示を含む2,000ページを超える現行規則が競争を妨げていると声明で言及し、FAR改革(Revolutionary FAR Overhaul)で競争と効率を高め、コストを削減するという。具体的には平易な英語へ再編成した規制作りや重複規制の廃止、また多様性・公平性・包括性(Diversity, Equity, Inclusion: DEI)や意識改革(wokeness)を排除した改訂を行い、調達プロセスの透明性を向上させる。新たなウェブサイトも立ち上げ、調達サイクルの迅速化、中小企業やスタートアップなどの新規参入障壁を低下させ、官僚機構の肥大化の解消を目指すという。 The White House “White House Announces Revolutionary Federal Procurement Overhaul” (04/16/25) https://www.whitehouse.gov/briefings-statements/2025/04/white-house-announces-revolutionary-federal-procurement-overhaul/

エクソンモービルとライス大学 エネルギー研究で提携

HPCwireは4月15日、ライス大学(Rice University:RU)とエクソンモービル社(ExxonMobil)が持続可能なエネルギー研究の推進に向けた研究提携を結んだと報じた。材料科学、ポリマー・触媒、高性能コンピューティング、応用数学といった同大学の強みと革新資源を取り入れたソリューションで、増大するエネルギー需要に対応するという。石油・ガス事業から発生する淡水化された水を有効活用するための高度な技術開発に重点を置く最初の研究プロジェクトは既に進行中で、具体的には電気化学的高度酸化プロセスを用いて、人体と環境にリスクをもたらす汚染物質、残留性揮発性(Persistent volatile organic compounds: PVOC)・半揮発性有機化合物(Semi-volatile organic compounds: SVOC)とアンモニア性窒素を除去し、水処理技術を向上する。これにより農業や産業用途への安全かつ有益な再利用が可能になり、アンモニア回収と水素製造の可能性を探求しつつ、持続可能な資源管理に貢献していくという。 HPCwire “Rice and ExxonMobil Collaborate to Advance Global Sustainable Energy Research” (04/15/25) https://www.hpcwire.com/off-the-wire/rice-and-exxonmobil-collaborate-to-advance-global-sustainable-energy-research/

データセンター需要増 新型原子力発電でも貢献可能に

ユーティリティ・ダイブ(UTILITY DIVE)は4月15日、2035年までに新型原子力発電によりデータセンターの電力需要増加分の約10%を賄えると報じた。デロイト社(Deloitte)の報告書で既存発電所の出力向上や廃炉原子炉の再稼働、また新設施設の稼働により、今後10年間で35~65ギガワット(GW)の新規容量が追加される見通しで、うち約30%の11~19GW相当がデータセンター向けと予測している。また2035年のデータセンターの電力需要は現行の33GWから最大176GWにまで拡大し、現行の発電所や石炭火力から原子力への転換により大半が確保される見通しという。低排出や高稼働率により信頼性の高い原子力発電は、コンパクトな設置面積と数十年に亘る競争力のあるエネルギーコストを実現できる一方で、建設費はガス火力に比べて高額であり、規模拡大に向け、デジタルツインなどの技術革新やモジュラー工法などによるコスト低減と先進プロジェクト管理の導入が急務であると伝えている。 UTILITY DIVE “New nuclear power could meet 10% of projected data center demand increase by 2035: Deloitte” (04/15/25) https://www.utilitydive.com/news/nuclear-power-smr-data-center-deloitte/745390/

米国医科大学協会 新間接費モデル提案へ

米国医科大学協会(Association of American Medical Colleges: AAMC)は4月8日、研究助成金の間接費における複雑な現行の仕組みを見直し、効率化と透明性向上を図る新たな資金モデル構築を目指すと発表した。不要な規制上の障壁を取り除き、シンプルで透明性の高いモデルを創出することで、税金が効果的に研究推進へ活用される環境を整えることが狙いで、直接費および間接費の運用に深い知識がある専門家らが集結し、研究コミュニティ全体の意見を反映させるという。AAMCは、現行の施設・管理費(Facilities and administrative: F&A)モデルは歴史的に成功を収めてきたものの、理解が困難で行政負担を増大させる側面があったと指摘し、これはトランプ大統領が進める研究開発の促進や規制緩和の動きにも反するものであると説明した。そのうえで、この取り組みが行政の効率化と倫理的責任を担保する形で、全ての国民に利益をもたらす研究を推進させ、研究環境を改善するものになると強調している。 AAMC “National Organizations Announce Joint Effort to Develop a New Indirect Costs Funding Model” (04/08/25) https://www.aamc.org/news/press-releases/national-organizations-announce-joint-effort-develop-new-indirect-costs-funding-model

政府、ハーバード大への資金凍結を発表 税制優遇撤廃の可能性も

アース・テクニカ(Ars Technica)は4月16日、政府がハーバード大学(Harvard University)への研究助成金22億ドルを凍結したと報じた。政府が送付した書簡、「視点の多様性」強化などを含むハーバード大学と連邦政府の財政関係を維持するために必要(Maintain Harvard’s financial relationship with the federal government)」な要求リストを同大学が拒否し、これらの要求の受け入れは「政府による支配を許すことになる」と反論したことによるもので、大学は独立性を守るため法的手段をとる構えである。これに対し、トランプ大統領は即座に資金拠出停止を決定し、また税制優遇の撤廃も視野に入れている。同大学は研究活動への悪影響が甚大であると訴え、公式サイトでも研究成果の重要性を強調し、これまでの社会への貢献を訴え、支持を呼びかけている。一方で、先に助成金停止処置を受けたコロンビア大学(Columbia University)は、政府の一部要求を受け入れたものの、結局、資金停止に直面している。 Ars Technica “Trump Administration puts $2.2 billion of Harvard’s research money on hold” (04/16/25) https://arstechnica.com/science/2025/04/harvard-says-feds-research-funding-demands-amount-to-a-takeover/

PNNL、アシュビー所長退任を発表

パシフィック・ノースウエスト国立研究所(Pacific Northwest National Laboratory: PNNL)は4月14日、スティーブン・アシュビー所長(Steven Ashby)の退任を発表した。2015年から所長を務め、研究予算16億ドルと約6,400人の職員を統括してきた同氏は、就任10年目を節目に次期リーダーに道を譲ることを決断したという。在任中は同研究所における化学や地球科学、生物学、データサイエンス分野の能力を強化し、重要研究施設の整備を推進、施設の近代化も加速させるなど、PNNLの認知度向上に貢献した。また、最大の課題は単独では解決できないという確固たる信念に基づき、5つの大学との6つの共同研究機関を複数立ち上げ、戦略的パートナーシップの拡充に尽力、研究ポートフォリオの拡大にも貢献した。今後はバテル記念研究所(Battelle Memorial Institute)の戦略パートナーシップ担当上級副社長に就任する予定で、同研究所は、4~8カ月後に次期所長が就任する予定としている。 PNNL “Steven Ashby Stepping Aside as Director of PNNL” (04/14/25) https://www.pnnl.gov/news-media/steven-ashby-stepping-aside-director-pnnl

エネルギー消費、一時的な減少も2040年代に増加傾向へ

エネルギー情報局(Energy Information Administration: EIA)は4月15日、「2025年の年次エネルギー展望(Annual Energy Outlook 2025: AEO2025)」報告書で、今後数年で、米国のエネルギー消費が減少する一方、2040年から再び増加に転じる見通しと発表した。今後の需要と供給をより正確に推計するために、今回新たに、水素市場に関連するモジュールや炭素回収・輸送・貯留モジュール、高度技術化した石油・天然ガス開発関連モジュールを導入した。そのうえで、同局が検討した複数のシナリオで、2050年のエネルギー消費量は2024年を下回る結果となったが、その幅は前提条件によって大きく異なるという。今回の分析では、2024年12月現在で実施されている法規制のみが反映されている。 EIA “U.S. energy consumption growth decreases in the near term in the latest AEO” (04/15/25) https://www.eia.gov/todayinenergy/detail.php?id=65004