OSTP長官、科学技術推進に向けた政権の考えを表明

4月14日にテキサス州オースティンで行われた「エンドレス・フロンティアーズ・リトリート(Endless Frontiers Retreat)」会議(招待者のみ参加可能)において、科学技術政策局長官(Director of Office of Science and Technology Policy: OSTP)のマイケル・クラツィオス氏(Michael Kratsios)が講演し、革新的な技術開発を推進し、米国の科学技術における主権を取り戻すに向けた政権の考えを明らかにした。具体的に、人工知能(AI)や量子コンピューティングなどの分野で米国の優位性を確立し、政府が研究開発への資金配分をより創造的に行って、民間部門や大学・学術機関との協力を強化するとした。また、クラツィオス長官は、今日の進歩は20世紀の飛躍と比べると見劣りがすると前政権の取り組みを非難し、米国の開拓者精神を取り戻し、規制改革と研究開発への投資を強化すると強調した。さらに、今後4年間で「より少ない資源でより多くのこと」を行う意向を示し、米国製の製品やツールの海外への輸出を推進するための、迅速かつ柔軟な資金調達メカニズムを構築すると意気込みを見せた。 The White House “Remarks by Director Kratsios at the Endless Frontiers Retreat” (04/14/25) https://www.whitehouse.gov/articles/2025/04/8716/

宇宙軍 CASRを活用したオンデマンド打ち上げを検討

ディフェンスニュース(DefenseNews)は4月15日、宇宙軍(United States Space Force: USSF)が新たに設立した商業増強宇宙予備隊(Commercial Augmentation Space Reserve: CASR)を活用し、必要な能力を迅速に軌道に投入するためのオンデマンド打ち上げの選択肢を検討していると報じた。同軍の商業宇宙局(Commercial Space Office)はCASRを利用した迅速な打ち上げの枠組みを構築するためのパイロットプログラムを今年秋に開始するという。CASRは、平時および紛争時に商業能力を活用するためのメカニズムとして設立され、同軍は民間企業との連携を強化し、緊急時の輸送能力や衛星通信と戦術監視・偵察・追跡(データ・画像の収集及び配信を含む)などの技術開発における機能を、様々なミッション領域に統合する努力を進めているという。また、民間部門や国際同盟国などの要求を比較検討するために、複数の衛星通信ベンダーを集めて、初の商用衛星通信演習も開催したという。 DefenseNews “Space Force commercial office eyes pilot for quick-reaction launches ” (04/15/25) https://www.defensenews.com/space/2025/04/14/space-force-commercial-office-eyes-pilot-for-quick-reaction-launches/

シカゴ市、EV充電インフラ拡充計画を発表

ユーティリティ・ダイブ(UTILITY DIVE)は4月14日、シカゴ交通局(Chicago Department of Transportation: CDOT)が電気自動車(EV)充電インフラを拡充し、環境負荷を軽減するための新たな計画を発表したと報じた。シカゴでEVの登録台数が着実に増加していることを受けた同局の取り組み「シカゴ・ムーブス・エレクトリック・フレームワーク(Chicago Moves Electric Framework)」は、シカゴ市における充電ステーションの設置を促進し、特に環境負荷の高い環境正義を重視した地域へのアクセスを強化することを目指した同市初の試みで、この計画に関する一般からの意見を募集しているという。同市長ブランドン・ジョンソン氏(Brandon Johnson)は声明で、歴史的にサービスが行き届いていない地域への投資を優先することで、公共の健康と移動手段の向上を図ると述べた。計画には、街中の高密度住宅地での路上充電の試行や、2025年までに2,500カ所の公共EV充電ステーションを設置する目標が含まれている。 UTILITY DIVE “More public EV charging, including curbside, envisioned in Chicago plan” (04/14/25) https://www.utilitydive.com/news/more-public-ev-charging-including-curbside-envisioned-in-chicago-plan/745139/

FDAの技術部門、人員削減の影響で危機的状況に

NEXTGOV/FCWは4月14日、厚生省(Department of Health and Human Services: HHS)が2万人員削減を進める中、食品医薬品局(Food and Drug Administration: FDA)の技術部門が深刻な影響を受けていると報じた。FDAのデジタル変革局(Office of Digital Transformation)の戦略的な役割を担うアーキテクチャ、設計、財務・契約管理、ガバナンス部門など約40%が削減され、CIO部門のサイバー関連の運用に関する職員のみとなり、重要なプロジェクトが危機に瀕しているという。数十億ドル相当の業界の企業秘密を保管するシステムを、誰が管理するのかも不透明な状況にあるといい、デジタル基盤を支えるインフラが崩壊するリスクが高まっていると伝えた。 NEXTGOV/FCW “Deep cuts hit HHS tech offices” (04/14/25) https://www.nextgov.com/people/2025/04/deep-cuts-hit-hhs-tech-offices/404540/?oref=ng-homepage-river

大学、ブリッジプログラムで研究者を支援

サイエンス誌(Science)は4月11日、トランプ政権による助成金削減の影響を受けた研究者を支援するため、国内の大学が「ブリッジ(Bridge)」プログラムを導入していると報じた。これは、政府助成金受給が遅延している大学研究者に対して、所属大学が短期的に支援を行うという仕組みである。アリゾナ大学(University of Arizona)、ハワイ大学(University of Hawaii)やマサチューセッツ大学(University of Massachusetts)などがブリッジプログラムを実施しており、特に大学院生の支援に重点が置かれている。大学の財政的制約から、支援金の額は限られているものの、研究者の生産性を維持するための取り組みが、それぞれ異なる方法で進められている。大学関係者らは、今後の連邦政府の支援が不可欠であると強調しつつも、新たなビジネスモデルが必要になるかもしれないとしている。 Science “After Trump grant cuts, some universities give researchers a lifeline” (04/11/25) https://www.science.org/content/article/after-trump-grant-cuts-some-universities-give-researchers-lifeline

NIHの国際センター長、解任

サイエンス誌(Science)は4月11日、キャサリン・ノイツェル氏(Kathleen Neuzil)が国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)のフォガティ国際センター(Fogarty International Center: FIC)の所長を解任されたと報じた。厚生省(Department of Health and Human Services: HHS)からメールで通知を受け、即時に休職扱いとなり、インディアン保健サービス局(Indian Health Service: IHS)への再配置を提案されたという。2024年3月に同職に任命され、5月に就任していた。同氏は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック中にワープ・スピード作戦(Operation Warp Speed: OWS)の臨床試験ネットワークを共同で指導した実績を持つ。世界の健康研究を支援し、低・中所得国の科学者を育成する役割を担うFICは、長年保守派の標的となっており、同センターの廃止を目指すトランプ政権は、NIH改革案で、同センターと他の4つの小規模研究所を統合する計画であるという。 Science “Chief of NIH’s international center is latest director to lose job under Trump” (04/11/25) https://www.science.org/content/article/chief-of-nihs-international-center-latest-director-to-lose-job-under-trump

建設中のスパコン、ホライズン 計画中止の可能性も 

サイエンス誌(Science)は4月14日、米国科学財団(National Science Foundation: NSF)のテキサス大学オースティン校(University of Texas at Austin)における5億2,000万ドルのスーパーコンピューター「ホライズン(Horizon)」の建設が遅延、もしくは中止になる可能性があると報じた。議会が割り当てたNSFの2025年度予算90億ドルのうち、トランプ大統領は2億3,400万ドルの緊急支出を凍結する意向を示しており、研究者たちは既存のスーパーコンピューター「フロンティア(Frontier)」の10倍の性能を持つホライズンが、科学の進展に不可欠であると強調している。ホライズンの建設に対しては既に7,300万ドルが支出されていることに加え、2,600万ドルが計画や移行のために使われており、資金不足が続けば、フロンティアの老朽化が進むことが懸念されるだけでなく、支援の打ち切りにより、これまでの投資が無駄になり、政府は1億ドルの損失を被る恐れがあると伝えている。 Science “Trump throws wrench into NSF’s support for new Texas supercomputer” (04/14/25) https://www.science.org/content/article/trump-throws-wrench-nsf-s-support-new-texas-supercomputer

電子システム設計産業、第4四半期に49億ドルの収益を達成

国際半導体製造装置材料協会(Semiconductor Equipment and Materials Institute: SEMI)は4月14日、電子システム設計(Electronic System Design: ESD)産業が2024年第4四半期に前年同期比11%増の約49億2,730万ドルの収益を記録したと発表した。最新の電子設計市場データレポート(Electronic Design Market Data: EDMD)によると、半導体知的財産(Semiconductor Intellectual Property)を除くすべてのカテゴリーが二桁成長を達成した。特にコンピューター支援エンジニアリング(Computer-Aided Engineering: CAE)の収益は前年同期比10.9%増の16億9,690万ドルとなり、集積回路(IC)物理設計・検証分野の売上高も前年同期比15.4%増の7億9,790万ドルとなった。また、同レポート参加企業の従業員数は前年同期比2.9%増の6万1827人となり、業界の拡大傾向を裏付ける結果となった。 SEMI “Electronic System Design Industry Posts $4.9 Billion in Revenue in Q4 2024, ESD Alliance Reports” (04/14/25) https://www.semi.org/en/semi-press-releases/electronic-system-design-industry-posts-4.9-billion-dollars-in-revenue-in-q4-2024-esd-alliance-reports

ITIF、小型モジュール原子炉の開発加速を提言

情報技術・イノベーション財団(Information Technology & Innovation Foundation:ITIF)は4月13日、小型モジュール原子炉(Small Modular Reactors:SMRs)の開発・展開を加速する提言を発表した。報告書を作成したITIFのクリーンエネルギーイノベーションセンター(Center for Clean Energy Innovation)のロビン・ガスター研究部長(Robin Gaster)は、従来型の大型原子炉と異なるSMRsは、工場での大量生産が可能でコスト削減と導入期間の短縮が見込めるとし、中国やロシアが世界市場を支配する前に早急に導入する必要があると強調している。大手IT企業は既にこの状況に注目しており、人工知能(AI)データセンターの電力需要に対応するため、SMRsへの投資を開始しているという。さらに報告書は、エネルギー省(Department of Energy)による研究開発資金の拡大や、原子力規制委員会(Nuclear Regulatory Commission:NRC)の認証プロセス簡素化なども提言し、同エネルギーの主導権獲得に向けた早期対策を促している。 ITIF “Small Modular Reactors Are the Future of Nuclear Power; New Report Recommends Policy Shift for Energy Department” (04/13/25) https://itif.org/publications/2025/04/14/smrs-are-the-future-of-nuclear-power-new-report-recommends-policy-shift-for-energy-department/

トランプ大統領、半導体関税に新方針発表へ

AXIOSは4月13日、トランプ大統領が中国製半導体チップに対する新たな関税方針を巡り、今後1週間以内に発表し、一部企業へ柔軟な対応を示す可能性があると報じた。大統領は当初、アップル社(Apple)のスマートフォンやタブレットなどの製品を対象とした中国からの輸入品に対する125%の関税を免除する方針を示していたが、その後、ソーシャルメディアのトゥルース・ソーシャル(Truth Social)で関税の免除を否定した。また、大統領専用機のエアフォースワン機内で記者団に対し「チップや半導体などを国内で製造したい」と語り、今後の国家安全保障関税調査で半導体と電子機器サプライチェーン全体を調査する意向を示した。ハワード・ラトニック商務長官(Howard Lutnick)も、電機製品への関税免除は一時的なものに留まるとの見解を示しており、専門家らは、この政策の揺れ動きが米国経済に打撃を与える可能性を指摘している。 AXIOS “Commerce to launch Section 232 semiconductor probe” (04/13/25) https://www.axios.com/2025/04/14/trump-chip-tariffs-china