LNG安全性向上に向けた国立研究拠点、マクニーズ州立大学に設立へ

運輸省(Department of Transportation)は5月19日、液化天然ガス(Liquefied Natural Gas: LNG)の安全性向上を目指す国立研究拠点、パイプライン・危険物安全管理局(Pipeline and Hazardous Materials Safety Administration: PHMSA)LNG安全センター(PHMSA National Center of Excellence for LNG Safety)を、ルイジアナ州レイクチャールズのマクニーズ州立大学(McNeese State University)に設立すると発表した。同地域はLNG活動における重要拠点であり、米国初のLNGビジネス認定プログラムを提供する同大学に拠点を設けることで専門知識を集約し、LNG分野へ長期的に貢献し、政府の専門知識向上やベストプラクティスの情報集約も担うという。また、トランプ大統領によるエネルギー政策推進の一環として、地域の人材育成と研究における画期的な進展を目指すとし、同センターでは、研究開発や研修、規制調整を促進しつつ、国内外との連携を通じて、LNG安全の課題解決に取り組んでいくとしている。 Department of Transportation “Transportation Secretary Duffy and Sen. Kennedy Announce New LNG Project As America Is Building Again” (05/19/25) https://www.transportation.gov/briefing-room/transportation-secretary-duffy-and-sen-kennedy-announce-new-lng-project-america

国土安全保障省、重要インフラ向けGNSS試験ツール公開

国土安全保障省(Department of Homeland Security: DHS)傘下の科学技術局(Science and Technology Directorate:S&T)は5月20日、重要インフラの全地球航法衛星システム(Global Navigation Satellite System:GNSS)の安全性強化と耐性向上を目指す新ツール「GNSSテスト・ベクター・スイート及び配布方法論(GNSS Test Vector Suite and Distribution Methodology)」をギットハブ(GitHub)上で公開したと発表した。測位・ナビゲーション・タイミング(Positioning, Navigation and Timing: PNT)システムの保護強化を目的とする大統領令によるもので、国民生活の根幹である正確なPNT情報を提供し、新ツールセットはそのシステム保護を強化する手段となると説明した。GNSS信号に依存する同システムは、自然災害や技術的障害、サイバー脅威などによって信号が途絶すれば重要サービスに影響が出る。そこでインフラ事業者へ模擬データで信号干渉などへの応答を評価する脅威シナリオ定義や、脆弱性特定とレジリエンス基準適合させる試験機能など、システムの堅牢性を独自に試験・評価する標準的手法を提供するという。 Department of Homeland Security “DHS S&T Releases New Tool to Strengthen Global Navigation Satellite Systems for Critical Infrastructure” (05/19/25) https://www.dhs.gov/science-and-technology/news/2025/05/19/st-releases-new-tool-strengthen-global-navigation-satellite-systems

テック・ハブ・プログラム、資金配分を見直し

商務省(Department of Commerce)は5月16日、経済開発局(Economic Development Administration: EDA)が運営するテック・ハブ・プログラム(Tech Hubs program)において、国家安全保障と納税者への利益を最優先する公正なプロセスで新たな公募を実施すると発表した。同プログラムから助成を受けていない地域を地元とする連邦議員から批判を受けていることが背景にあり、この決定により19拠点の参加が新たに可能となった。うち既に資金提供が内定している6つの拠点も含まれ、優先的に審査される見通しである。具体的には、多様性・公平性・包摂性(Diversity, Equity, and Inclusion: DEI)及びエネルギーに関する執行命令と矛盾する前政権の方針や、労働組合及び質の高い雇用原則(Good Jobs Principles)を優先する記述が削除されるとし、同局は今夏に新たな公募要項(Notice of Funding Opportunity: NOFO)を公開し、2026年初頭の選定を目指すという。 Department of Commerce “Tech Hubs Program Fact Sheet” (05/16/25) https://www.commerce.gov/news/fact-sheets/2025/05/tech-hubs-program-fact-sheet

2025年水力発電量、前年比増加も10年平均下回る見込み

エネルギー情報局(Energy Information Administration: EIA)は5月19日、2025年の水力発電量が前年比7.5%増加し、総発電量の6%に相当する2,591億キロワット時(BkWh)となるものの、10年間の平均には2.4%及ばない見通しと発表した。同局は水力発電の約半分を占める西部のワシントン州、オレゴン州、カリフォルニア州地域の降水パターンを綿密に監視し、水力発電の見通しを策定した。北西部とロッキー山脈地域における2025年の発電量は1,251BkWhで前年比17%の増加するものの、過去10年平均より4%少ないと予測している。また、北西部河川予報センター(Northwest River Forecast Center: NWRFC)によると、北西部の水供給は地域でばらつきがあり、全体的に平年並みと見られている。一方、カリフォルニア州の発電量は285BkWhで昨年比6%減となったが、10年平均を15%上回る見込みで、州内の主要貯水池の水位やシエラネバダ山脈の積雪量が例年を上回り、暖かい気候による早期雪解けが観測されたという。 EIA “U.S. hydropower generation expected to rise in 2025 following last year’s relative low” (05/19/25) https://www.eia.gov/todayinenergy/detail.php?id=65286

OSTP 資金配分を見直し、ゴールドスタンダード科学を推進

5月19日、科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy: OSTP)のマイケル・クラツィオス局長(Michael Kratsios、Director)は、米国科学アカデミー(National Academy of Sciences)において講演し、その中で、米国は国益にかなう基礎研究に集中し、産業界との連携を強化して賞やコンテストなどで資金を誘引していくという方向性を発表した。同局長は「政府資金は必要な科学研究にのみ充てられるべき」と述べ、1990年代以降、研究予算は急増したものの科学進歩は停滞していると指摘した。また2009年にネイチャー誌に発表されたアルツハイマー病治療に関する論文問題を例に挙げ、再現性や透明性を重視し、失敗や異論を奨励する「ゴールドスタンダード科学」の確立が科学的信頼回復の鍵と強調した。事務手続きを削減し、研究者が実験や共同研究に専念できる環境整備が重要であるとしたうえで、特に既存のアプローチを精査し、ベストプラクティスを追求していくことを明らかにした。 The White House “Remarks by Director Kratsios at the National Academy of Sciences” (05/19/25) https://www.whitehouse.gov/briefings-statements/2025/05/remarks-by-director-kratsios-at-the-national-academy-of-sciences/ 参照: NEXTGOV/FCW “Scientific research needs more precise federal funding, White House tech leader says” (05/19/25) https://www.nextgov.com/policy/2025/05/scientific-research-needs-more-precise-federal-funding-white-house-tech-leader-says/405427/?oref=ng-homepage-river

陸軍、戦術的UAS開発を中止

陸軍は、旅団戦闘チーム(Brigade Combat Teams)向けに、シャドウ・ドローン(Shadow drone)(2024年初頭に引退)に代わる新たな無人航空機を模索・調達する取り組みに約7年を費やしてきたが、今般、この取り組みを継続しないことを決定した。「これは、我々が将来型戦術的無人航空機システム(Future Tactical UAS: FTUAS)を望んでいないということではなく、現在開発中のものが我々のニーズを満たすものではないということである」と、陸軍の高官は説明する。現行のFTUASプログラムは、契約受注した2社が競争的な飛行実証段階を終了した直後であったが、ピート・ヘグセス国防長官(Defense Secretary Peter Hegseth)による組織や編成、プログラムを大幅に変更するための大規模な指令を受け、陸軍は中止を決定した。 Defense News “Army halts tactical UAS competition without clear plan forward” (05/16/25) https://www.defensenews.com/land/2025/05/16/army-halts-tactical-uas-competition-without-clear-plan-forward/

国際エネルギー機関、「2025年世界EV見通し」を発表

国際エネルギー機関(International Energy Agency: IEA)は今般、「2025年世界EV見通し(Global EV Outlook 2025)」を発表した。それによれば、貿易及び政策上の懸念はあるものの、今年の世界的な電気自動車(EV)の売上は2,000万台を超え、販売される車の4分の1を占める見通しであり、中国と欧州市場がそれを先導している。IEAは、米国のEV市場予測については、トランプ政権と議会共和党がバイデン政権時の助成や規則を撤回させていることから、大幅に低下させている。IEAはまた、最近の世界的な自動車市場の概況が極めて流動的であることに広く警戒心を示しているが、「見通しに不確実性はあるものの、現行の政策環境の下、世界的な自動車売上に占めるEVの割合は2030年には40%を超える見通しである」としている。 International Energy Agency “Global EV Outlook 2025” (May 2025) https://www.iea.org/reports/global-ev-outlook-2025 https://www.axios.com/2025/05/14/global-ev-sales-iea

エネルギー省による新たな厳格審査、一部のエネルギープロジェクトに危機感

エネルギー省(Department of Energy)が5月15日に、バイデン前政権下で承認された数十億ドルの助成金提供について厳格な審査を行うと発表したことを受け、一部のプロジェクトが問題に直面する可能性がある。2021年インフラ法及び2022年気候法の下で提供された助成金は、マイルストーンに基づいて段階的に資金が提供される形となっており、トランプ政権はその助成決定に影響を及ぼしたり、新たな審査方法を適用したりできる可能性がある。クリーン技術に関するロビイングやコンサル企業の幹部は、既に顧客からエネルギー省による厳格審査への対応について相談を受けているという。エネルギー省が受益者へ送付した文書には、数多くの詳細な質問が含まれているという。 AXIOS “DOE’s new grant scrutiny could endanger some energy projects” (05/16/25) https://www.axios.com/2025/05/16/doe-new-grant-scrutiny

DIU、ブルーUAS認定プロセスを改定

国防イノベーションユニット(Defense Innovation Unit: DIU)は5月16日、ブルーUAS(Blue UAS)認定プロセスの変更について発表した。今回の変更により、ドローン製造企業が、自社資金を利用して、独自に国防権限法 (National Defense Authorization Act: NDAA)準拠の認定を第3者評価により受け、自社ドローンをブルーUASとして登録することができるようになった。さらに、NDSSに加えてサイバーセキュリティ規制準拠が確認され、DIUから認定(ATO:Authority to Operate)を受けたドローンは、「ブルーUASセレクト(Blue UAS Select)」に分類され、国防総省(Department of Defense)において、さらなる評価を行うことなく調達を行うことが可能となる。このATOは通常2年間有効とされ、有効期限を過ぎたドローンは、国防総省または競争的プロセスを経てATOの更新をする必要がある。なお、NDSS準拠認定を行う第3者機関については、今年6月に募集が行われる予定である。 Defense Innovation Unit “BLUE UAS To Evolve To Meet Broader Department Needs” (05/16/25) https://www.diu.mil/latest/blue-uas-to-evolve-to-meet-broader-department-of-defense-needs

中国製ソーラー・パワー・インバータに不審な通信機器が見つかる

ソーラーパネルや風力タービンを電力グリッドと接続するパワー・インバータは、その大半が中国で生産され、世界中で使用されている。インバータによって更新や維持管理のための遠隔アクセスが可能になるが、それらを使用するユーティリティ企業は通常、ファイアウォールをインストールし、中国への直接的な通信を防止する。しかしある米国輸出業者が、セキュリティ調査のため、グリッドに接続された設備を分解したところ、一部の中国製ソーラーパネルに、製品文書には記載されていない不審な通信機器が見つかったという。不審な通信機器を使用することで、ファイアウォールを迂回し、インバータの電源を遠隔操作で解除したり、設定を変更したりするなどして、電力グリッドやエネルギーインフラに悪影響をもたらす可能性がある。エネルギー省(Department of Energy)は、新興技術に関連するリスク評価を継続しており、製造事業者の情報開示や機能文書には重大な課題があるとしている。 Reuters “Rogue communication devices found in Chinese solar power inverters” (05/14/25) https://www.reuters.com/sustainability/climate-energy/ghost-machine-rogue-communication-devices-found-chinese-inverters-2025-05-14/