国土安全保障省 ハーバード大学の留学生受け入れ資格を取り消し 

国土安全保障省(Department of Homeland Security)は5月23日、ハーバード大学(Harvard University)が反米的なテロ支援や反ユダヤ主義などを容認し、中国共産党とも連携していたとして学生・交流訪問者プログラム(Student and Exchange Visitor Program: SEVP)の認証を取り消すと発表した。これにより、同大学は外国籍学生の受け入れが不可能となり、在籍中の留学生も転籍か在留資格喪失となる。クリスティ・ノーム長官(Kristi Noem)は、同大学がユダヤ人学生への暴力や差別行為を放置し、また外国人留学生の違法行動を適切に報告しなかったことを問題視したと説明した。4月16日にも詳細な情報提供を求めるなど同大学へ度重なる警告を発してきたが、同大学は要請を拒否して取り合わなかったとしている。新疆ウイグル自治区での弾圧に関与する中国の準軍事組織を受け入れ、訓練した疑いも取り上げ、欧米の研究機関との共同プロジェクトではイラン政府に関連するとされる資金を利用していた点も指摘した。 Department of Homeland Security “Harvard University Loses Student and Exchange Visitor Program Certification for Pro-Terrorist Conduct” (05/23/25) https://www.dhs.gov/news/2025/05/22/harvard-university-loses-student-and-exchange-visitor-program-certification-pro

NETL、新CSEセンター建設 世界最大チップ導入でエネルギー研究を加速

国立エネルギー技術研究所(National Energy Technology Laboratory: NETL)は5月22日、最先端スパコン技術を導入する新たな計算科学・工学(Computational Science and Engineering: CSE)センターを建設中と発表した。ウェストバージニア州モーガンタウンの敷地内に約1万4,000平方フィートのスペースを確保し、ウエハースケール・エンジン(Wafer-Scale Engine: WSE)をはじめとする人工知能(AI)ハードウェアメーカーのセレブラス・システム社(Cerebras Systems)の世界最大級の単一チップや高性能スパコン「ジュール(Joule)」を含む研究資産を集約して、省エネにつなげる。また場の方程式を解く新たなユーザー・インターフェースにより、従来に比べ470倍も高速な演算処理を可能にした。これにより研究モデル実施を1年から1日未満まで短縮することも可能になるという。さらに、合金や吸着剤などの先進材料や複雑な多相流の解析、効率的な化石エネルギー炉設計も加速させるという。 NETL “NETL’s Computational Science & Engineering Center Is Under Construction” (05/22/25) https://netl.doe.gov/node/14819

エネルギー省、GREETモデルを改訂 国内水素生産への投資加速へ

エネルギー省(Department of Energy)は5月22日、国内水素産業の活性化に向け、45VH2-GREETモデルを改訂し、企業固有のメタン損失データ算入を可能にしたと発表した。従来は全国平均で計算されていたメタン排出量を個別数値に置き換えることで、より多くの企業が税制優遇を受けられるようになるという。同モデルは財務省(Department of the Treasury)にも採用され、企業が独自の施設データを使用して排出量評価を正確に行い、45V税額控除の対象となるかを評価できるようにした。アルゴンヌ国立研究所(Argonne National Laboratory)が1994年に開発した同シリーズ(Greenhouse gases, Regulated Emissions, and Energy use in Technologies: GREET)は、燃料やエネルギー関連技術のライフサイクル影響評価に活用されており、同省は、官僚的障壁を取り払い、水素生産の技術革新を促すとし、民間投資の拡大に期待を示している。 Department of Energy “Energy Department Removes Barriers for American Energy Producers, Unleashing Investment in Domestic Hydrogen” (05/22/25) https://www.energy.gov/eere/articles/energy-department-removes-barriers-american-energy-producers-unleashing-investment

オークリッジ国立研究所とエレメントパワー、原子力発電設置で提携

エネルギー省(Department of Energy)は5月22日、オークリッジ国立研究所(Oak Ridge National Laboratory: ORNL)とエレメントル・パワー社(Elementl Power)が、データセンター向け原子力発電所の候補地選定の加速に向け提携したと発表した。同パートナーシップは、同省の革新的原子力技術加速化プログラム(Gateway for Accelerated Innovation in Nuclear: GAIN)を通じて開始された。同社は、研究所の候補地評価ツール「オークリッジ発電所拡張のための立地分析(Oak Ridge Siting Analysis for power Generation Expansion: OR-SAGE)」を活用して独自の選定手法を強化し、低リスクでより迅速なプロジェクト開発を実現することで、通常数年かかる開発準備作業を加速できるとしている。同プログラムを通じて、グーグル社(Google)と3カ所の先進的原子力発電所建設計画にも合意し、600メガワット(MW)以上の発電能力を持つ大規模データセンターの電力供給に活用する見通しである。 Department of Energy “Oak Ridge National Laboratory and Elementl Power Partner to Accelerate Siting of Nuclear-Powered Data Centers” (05/22/25) https://www.energy.gov/ne/articles/oak-ridge-national-laboratory-and-elementl-power-partner-accelerate-siting-nuclear

トランプ大統領、ゴールデン・ドーム構想に1,750億ドル

ディフェンスニュース(DefenseNews)は5月21日、トランプ大統領が総費用約1,750億ドルの次世代ミサイル防衛システム「ゴールデン・ドーム(Golden Dome)」の概要を明らかにしたと報じた。完成を任期内とし、北朝鮮やイランなどのならず者国家に加え、中国やロシアなどの脅威に対応する次世代技術を陸・海・宇宙に展開する多層防衛システムの実現を図る。システムは国内で製造する予定で、宇宙配備型センサーや迎撃ミサイル配備により、宇宙から発射されたミサイルでも追撃できるようになるとし、カナダが参加を表明しているが、具体的な配備方法などの詳細については明らかになっていない。宇宙配備型及び極超音速迎撃ミサイルへの言及はあったが、いずれも開発段階にあり、実用化は2030年代半ばと見られる。宇宙開発局(Space Development Agency)の拡散型戦闘宇宙アーキテクチャ(Proliferated Warfighter Space Architecture)を基盤とするセンサー層は開発中で、同システムへの拡張が想定されている。 DefenseNews “Trump estimates Golden Dome will cost $175B over 3 years” (05/21/25) https://www.defensenews.com/pentagon/2025/05/20/trump-estimates-golden-dome-will-cost-175b-over-three-years/

TVA、SMR建設許可申請を提出

ユーティリティー・ダイブ(Utility Dive)は5月21日、テネシー・バレー川流域開発公社(Tennessee Valley Authority: TVA)が小型モジュール炉(Small modular reactor: SMR)の建設許可申請書を原子力規制委員会(Nuclear Regulatory Commission: NRC)に提出したと発表した。国内最大の公営電力会社であるTVAは、2032年までにテネシー州のクリンチリバー原子力発電所における出力300メガワット(MW)のGE日立ニュークリア・エナジー社(Hitachi-GE Nuclear Energy)製「BWRX-300」型SMRの稼働開始を目指している。国内初となる今回の申請は、先進的原子炉技術・サプライチェーン・構築モデル開発の加速を意図したもので、今回の取り組みを皮切りに、国内に加えカナダやポーランドなど海外展開も計画している。BWRX-300は既存の商業用原子炉と同じ低濃縮ウラン燃料を利用することから、確立済みの燃料供給網を活用できるのも特長で、人工知能(AI)や高度製造業の電力需要にも対応が可能になるという。 UTILITY DIVE “TVA is first US utility to apply for an SMR construction permit” (05/21/25) https://www.utilitydive.com/news/tva-first-utility-small-modular-reactor-construction-permit/748734/

NIH長官、初の職員集会で人員削減や研究方針に苦言

サイエンス誌(Science)は5月20日、国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)のジェイ・バタチャリア長官(Jay Bhattacharya)による初の職員集会で、2,500人超の人員削減や研究の多様性に関する方針転換に対し、職員や研究者から厳しい質問を受けたと報じた。同長官は、一連の解雇について自らの決定ではないと弁明した上で、透明性の欠如を指摘し、一部再雇用の意向を示した。また、動物実験の削減方針や海外研究者による直接助成金申請制度の導入、リモートワークの原則廃止といった新政策についても説明した。多様性・公平性・包括性(Diversity, Equity, and Inclusion: DEI)には科学的根拠が必要とし、女性やマイノリティの健康研究の重要性を強調しつつ、レッドライニング(Redlining)など特定政策による健康格差研究も支持するものの、構造的差別(Structural Racism)は科学的仮説ではないとの見解も示した。患者受け入れや研究支援の実務面にも言及したが、方針の一貫性や誠実さを疑問視する研究者も多いという。 Science “NIH director faces pointed questions at first staff town hall” (05/20/25) https://www.science.org/content/article/nih-director-faces-pointed-questions-first-staff-town-hall

半導体関税、家庭負担は10年で4,000ドル超へ ITIF試算

情報技術イノベーション財団(Information Technology & Innovation Foundation:ITIF)は5月21日、半導体輸入への一律25%の関税措置を継続する場合、今後10年間のGDP成長率が0.76%押し下げられ、累計で1.4兆ドルの経済損失となり、一般家庭あたり4,000ドル超の負担増となるとする報告書を発表した。関税収入は消費税や所得税の大幅な減収により帳消しされ、10年間で1,650億ドル超の累計純損失となる見通しで、同措置はコスト上昇やイノベーション鈍化、グローバル競争力低下を招くデジタル経済根幹への課税と指摘している。また、人工知能(AI)やクラウド、先端製造業などの技術的優位性の弱体化回避に向け、一律関税の撤廃やCHIPS法(Creating Helpful Incentives to Produce Semiconductors)による研究開発の投資拡大、官民連携強化、税制優遇や規制緩和、半導体供給網の強靱化と国際的アクセスの維持を提言しており、最高水準の技術への手頃なアクセスこそが、イノベーション優位の源泉と訴えている。 ITIF “US Semiconductor Tariffs Could Reduce GDP Growth by $1.4 Trillion Over 10 Years, Costing American Households More Than $4,000, ITIF Finds” (05/21/25) https://itif.org/publications/2025/05/21/us-semiconductor-tariffs-could-reduce-gdp-growth-by-1-4-trillion/

内務省 重要鉱物確保へ、サモア沖でリース手続き開始

内務省(Department of Interior)は5月20日、国内の重要鉱物開発強化に向け、米国領サモア沖における鉱物資源採掘権売却の可能性を評価するプロセスを開始すると発表した。大統領令に基づく海底鉱物資源開発に向けた動きで、30年以来の試みとなる。ダグ・バーガム長官(Doug Burgum)は「重要鉱物は国家の強靭性強化と国益保護の基礎で、環境に配慮した資源利用の機会提供は、経済成長と国家安全保障を支える」と述べた。これに先立ち、4月8日にインポッシブル・メタルズ社(Impossible Metals)からリース売却の正式要請を受けていた海洋エネルギー管理局(Bureau of Ocean Energy Management: BOEM)は、国家環境政策法(National Environmental Policy Act)など関連法規の完全遵守を保証しつつ、科学、国民参加、環境管理を重視した多段階の評価プロセスを開始する。最初のステップとして、連邦官報に情報提供・関心表明に関する内容を掲載し、先住民コミュニティや一般から広く意見を求める予定である。 Department of Interior “Interior Launches Process for Potential Offshore Mineral Lease Sale Near American Samoa” (05/20/25) https://www.doi.gov/pressreleases/interior-launches-process-potential-offshore-mineral-lease-sale-near-american-samoa

DARPA、第24代局長にウィンチェル氏就任

国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Projects Agency: DARPA)は5月20日、スティーブン・ウィンチェル氏(Stephen Winchell)を第24代局長に任命すると発表した。同氏はこれまで、国防総省(Department of Defense)の戦略能力局(Strategic Capabilities Office: SCO)で人工知能(AI)と自律化技術を統括し、アルゴリズムの軍事利用を官民横断的に加速させるイニシアチブ(Algorithmic Warfare Cross-Functional Team)、通称プロジェクト・メイブン(Project Maven)で主任技術者として従事した経歴を持つ。海軍兵学校(Naval Academy)卒業後、物理学者として母校で教壇に立ち、海軍では潜水艦士官としても勤務、救助ダイバーやスカイダイバーとしての活動にも取り組んだ。軍事史への造詣も深く、諜報高等研究計画計画活動局(Intelligence Advanced Research Projects Activity: IARPA)では、大統領イノベーション・フェローとして従事し、AIセキュリティ関連のスタートアップ企業にも籍を置いた。 DARPA “Stephen Winchell appointed DARPA director” (05/20/25) https://www.darpa.mil/news/2025/stephen-winchell-appointed-darpa-director