エネルギー省、燃料電池の海洋利用でエネルギー効率が30%向上する可能性を示す報告書を公表

エネルギー省(Department of Energy)エネルギー効率・再生可能エネルギー局(Office of Energy Efficiency and Renewable Energy: EERE)の燃料電池技術局(Fuel Cell Technologies Office)は、サンディア国立研究所(Sandia National Laboratories)が作成した報告書を公表した。報告書は、水素燃料電池発電機(hydrogen fuel cell power generator)の海洋利用で、部分負荷におけるエネルギー効率の向上と排出の削減を検証するために実施されたプロジェクトの結果を詳述したものである。本プロジェクトの目標は、海洋環境での同発電機の利用を実証すること、更なる研究開発が必要な分野を特定すること、ビジネス事例を分析すること、規制及びその他の市場障壁に対処することであった。プロジェクトの結果、水素燃料電池の利用を通じて、部分負荷のエネルギー効率を最大30%向上し、排出をゼロに削減できる可能性があることが示された。 Department of Energy “DOE Shows Fuel Cells Used in Maritime Applications Can Increase Efficiency by 30%” (7/21/17)

米国の電力グリッドは引き続き、自然災害やサイバー/物理的攻撃に脆弱との報告

米国アカデミー(National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine)は、「国内の電力システムの対応力を強化する(Enhancing the Resilience of the Nation’s Electricity System)」と題する報告書を発表した。報告書は、「米国内の電力グリッドの自然災害によるリスクや悪質な攻撃の対象となる危険性が増大している中、エネルギー省(Department of Energy)と国土安全保障省(Department of Homeland Security: DHS)はユーティリティ機関やその他の関係機関と密接に協力し、サイバー及び物理的な安全保障と対応力を強化する必要があると指摘している。報告書は、「グリッドの計画/運用/規制の責任を負う単一機関はなく、対応力の強化には州や連邦、民間、公的機関による調整的な行動が求められる」とした上で、様々な勧告を提示している。 National Academies “United States’ Electric Grid Remains Vulnerable to Natural Disasters, Cyber and Physical Attacks; Actions Needed to Improve Resiliency of the Power System” (7/20/17)

先端製造、不振から回復し始める

CBインサイツ社(CB Insights)の発表によれば、先端製造分野は、2016年に30億ドル以上の資金を獲得するまでに成熟した。製造コストの削減は戦略的価値が大きいことから、この分野で最も積極的なプレイヤーの一部に企業のベンチャー部門(GE社など)がいることは驚きではない。取引件数は2016年に過去最高の126件に増加したが、2017年の取引ペースを見ると、記録が2017年に更新される見通しは低い。現行ペースの場合、取引件数は29%減少する見通しである。2016年にベンチャー投資金額が急増した要因は、ソフトウェアのユニコーン企業であるインフォア社(Infor)に行われた25億ドルのプライベート・エクイティ投資である。これまでの所、2017年の最大取引案件には、商業用3Dプリンターのデスクトップ・メタル社(Desktop Metal。最近のシリーズDラウンドで1億1,500万ドルを調達)、中国に拠点を置く人工知能及びクラウド・コンピューティングのクラウドマインズ社(CloudMinds。シリーズAメガラウンドで1億ドルを調達)などがある。取引件数の全体的な減少傾向は、四半期別に見るとより顕著で、2016年第4四半期には金額で急増したものの、取引件数は前期比49%減となった。2017年第1四半期にはやや回復したが、依然として低迷している。 CB Insights “Advanced Manufacturing Begins To Recover From Slump” (7/19/17)

エネルギー省、半導体照明技術で11件のSBIR及びSTTRグラントを発表

エネルギー省(Department of Energy)は、半導体照明(solid-state lighting: SSL)技術の重要な進展を狙いとして、10件の中小企業技術革新制度(Small Business Innovation Research: SBIR)グラントと、1件の中小企業技術移転制度(Small Business Technical Transfer: STTR)グラントを発表した。受益プロジェクトは、エネルギー省のSSL研究開発計画で示されている価格と性能の目標を達成する上で一助となることが期待されている革新的な概念または技術の技術的メリット及び商業的可能性を模索する。 Department of Energy “Eleven New SBIR-STTR Grants Awarded for SSL Technology” (7/20/17)

イーロン・マスク氏、「ニューヨーク市=DC間のハイパーループに口頭で承認を得た」とツイート

イーロン・マスク氏(Elon Musk)は7月20日、「北東部に超高速の地下鉄道システムを建設することに口頭で政府の承認を得た」とツイートした。これまでの一連のツイートで、同氏は、ニューヨーク市とワシントンDCを29分で移動できるネットワークの構築を模索していると述べ、運送業界を戸惑わせている。運送システムの専門家は、こうした計画には巨額の費用と膨大な行政手続きが大きな障害となるであろうと述べている。マスク氏は数か月前に、より高速で効率的なトンネル掘削機械を製造するベンチャー企業「ボーリング社(Boring Co.)」を設立したと発表しており、今回の大胆な発言はこれに続くものとなる。マスク氏は更に、本運送システムを早期実現させるため、連邦や州政府にロビー活動するよう米国民に要請している。 USA Today “Elon Musk: I got ‘verbal’ approval for 29-minute NYC-to-DC hyperloop” (7/20/17)

エネルギー省、熱電併給システム設置データベースの更新版を公表

エネルギー省(Department of Energy)の先端製造局(Advanced Manufacturing Office: AMO)は7月19日、熱電併給(Combined Heat and Power: CHP)システム設置データベースの更新版を発表した。このデータベースには、国内の包括的なCHPシステム設置リストが含まれている。米国内には2016年末現在、約4,400拠点で82.6ギガワットのCHPシステムが設置されている(2015年の81.1ギガワットから増加)。エネルギー省CHPシステム設置データベースは、エネルギー省からの委託を受けて、ICF社(ICF Inc.)が維持管理しており、現在のデータベースには2016年12月31日時点のデータが含まれている。データベースの利用者は、①特定のCHPシステムまたはシステム・グループの検索、②アプリケーション(ビル/施設など)または燃料タイプなどカテゴリー別のデータ分類と選別、などができる。 Department of Energy “Department of Energy Releases Updated Combined Heat and Power Installation Database” (7/19/17)

安全な遺伝子ツールキットの構築

国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)は、遺伝子編集技術の根本的な理解を得ること、安全で責任があり、予測可能な形で遺伝子編集技術を活用する手法を考案すること、そして遺伝子編集技術の意図的及び偶発的な誤用に関連した潜在的な健康及び安全保障上の懸念に対処することを目的として、「安全な遺伝子(Safe Genes)」プログラムを開始する。7月19日には、この取り組みを推進する7件のプロジェクトに助成を発表した。受益するのは、マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology: MIT)とハーバード大学(Harvard University)によるブロード研究所(Broad Institute)、ハーバード大学医学大学院(Harvard Medical School)など7機関である。DARPAは、安全な遺伝子プログラムに、今後4年間で6,500万ドルを投資する計画である。受益チームは、遺伝子編集の責任あるイノベーションを支援し、ゲノムの完全性への脅威から保護することを目的として、新たな知識とツールの開発に取り組むことになる。 Department of Energy “Defense Advanced Research Project Agency” (7/19/17)

NSFとUSDAが植物の関係の研究に重点を置いたグラントを発表

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)と農務省(U.S. Department of Agriculture: USDA)傘下の国立食料・農業研究所(National Institute of Food and Agriculture: NIFA)は、植物や微生物、環境におけるその他の生物の関係に関する研究を支援するため、合計27件の研究プロジェクトに1,800万ドル以上の助成を行うと発表した。これらの助成は、NSFの統合生物システム部(Division of Integrative Organismal Systems: IOS)とNIFAが共同で運営管理する「植物生物相互作用(Plant Biotic Interactions: PBI)」を通じて行われる。ウィルスや微生物、無脊椎動物などの生物は植物との間で、互いに恩恵的共生をもたらしたり、病因となったり、宿主植物に有害となる寄生生物となったりするなどの関係があり、PBIプログラムはこうした関係の解明に重点を置いている。 National Science Foundation “New NSF, USDA awards focus on relationships that benefit, harm plants” (7/19/17)

カリフォルニア交通局、州内の道路を自動運転車向けに修正開始

カリフォルニア交通局(California Department of Transportation: Caltrans)のマルコム・ドガティ(Malcolm Dougherty)局長は、ラジオ放送での発言で、「カリフォルニア州の高速道路管理システムは既に自動運転車の走行に備え、道路の修正を開始している」と発言した。「自動運転車は車線を追跡走行することができるが、ボッツドッツ(道路の区画用に埋め込まれたビョウ)を追跡走行することができない。このため、カリフォルニア州ではボッツドッツから車線への移行を始めている」と述べた。局長によれば、カリフォルニア交通局は、2~3年以内に高速道路と州間道路の修正を終えることを目指しており、車線の幅も現在の4インチから6インチへと変更されるという。 San Francisco Business Journal “Caltrans has begun modifying California roads for self-driving cars” (7/18/17)

比較的少数の研究者がNIHグラントの大半を獲得

ハーバード大学(Harvard University)バークマン・クレイン・インターネット&ソサエティ・センター(Berkman Klein Center for Internet & Society)が発表した分析報告によれば、国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)のグラントを受益する研究者のうち、受益額が高い上位10%の研究者がNIHによるグラントの約37%を受益している(2015年)という。これは、1985年の32%から上昇したが、ピークであった2010年の40%からは低下している。対照的に、2015年のNIHグラント受益研究者の下位40%が受益したのは全体の約12%で、これは1985年の16%から減少したが、2010年(11%)からはさほど変化していない。さらに報告書によれば、2010年におけるグラント受益者の上位10%の平均グラント受益額は研究者一人につき145万ドルだが、下位40%の受益額は同14万ドルとなっており、上位と下位の間で大きく開いている。グラント受益額の上位と下位の差は、大学でも同様の傾向が見られている。 Science “Relatively few NIH grantees get lion’s share of agency’s funding” (7/17/17)