ペリー・エネルギー長官による石炭・原子力発電所救済策、却下される

エネルギー省(Department of Energy)のリック・ペリー長官(Rick Perry)が、国内で苦戦する石炭・原子力発電所を救済するため、「少なくとも90日分の燃料を備蓄できる発電所に金銭的見返りを保証する案(天然ガスは通常、パイプラインで給電されるため、該当しない)」を、連邦エネルギー規制委員会(Federal Energy Regulatory Commission: FERC)に提案していたが、同委員会は1月9日、これを却下した。ペリー長官は、「石炭・原子力発電所の損失は、米国の電力グリッドの信頼性と対応性を脅かす恐れがある」と警告していたが、反対派は、ペリー長官の提案は国内電力市場の競争に混乱をきたすものであると批判した。FERCは、「競争力のない石炭・原子力発電所の閉鎖を一時的に遅らせることがグリッドの対応力の大幅な向上につながることを示す証拠はない」として却下した。この決定は、トランプ政権にとり、大きな打撃となる。 New York Times “Rick Perry’s Plan to Rescue Struggling Coal and Nuclear Plants Is Rejected” (1/8/18)

テスラ社、NYバッファロー工場でソーラー・ルーフの生産を開始

テスラ社(Tesla)は1月9日、ニューヨーク州バッファローにある自社工場で先月、プレミアム・ソーラー・ルーフ・タイルの生産を開始し、昨年に1000ドルの前払い金を払った顧客の住宅調査を開始したと発表した。このソーラー・ルーフは、従来型の屋根上パネルを使わずに電力を生産するもので、電気自動車メーカーであるテスラ社の戦略の基軸となるものである。同社は2016年10月にソーラー設置事業者のソーラーシティ社(SolarCity)の買収を模索した際、ソーラー・ルーフ製品を発表していた。テスラ社は、長年の電池製造パートナーであるパナソニックと協力し、バッファロー工場でソーラー製品を生産している。 CNBC “Tesla says solar roof production has started in Buffalo” (1/9/18)

エネルギー省、チャネッテ・アームストロング氏の技術移転局局長指名を発表

エネルギー省(Department of Energy)のリック・ペリー長官(Rick Perry)は1月8日、チャネッテ・アームストロング氏(Chanette Armstrong)が技術移転局(Office of Technology Transitions: OTT)の局長(Director)に指名されたと発表した。アームストロング氏はOTT局長として、エネルギー省のプログラム局、17の国立研究所及びその他の研究・生産施設の責任者となる。また、エネルギー省のエネルギー投資家センター(Energy Investor Center)、技術商業化基金(Technology Commercialization Fund)、エネルギー省全体の技術移転活動とベスト・プラクティスの監督も行う。さらに、エネルギー省の技術移転調整官(Technology Transfer Coordinator)としてエネルギー長官に技術移転及び商業化活動に関する助言を行う。アームストロング氏は特許弁護士で、電気工学学士号、経営修士号(MBA)、法務博士号(J.D.)を保有している。 Department of Energy “Department of Energy Announces Chanette Armstrong as Director of the Office of Technology Transitions” (1/8/18)

マサチューセッツ州、MITのリンカーン・ラボによる繊維及び織物研究の進展にグラントを提供

マサチューセッツ州の住宅・経済開発行政府(Executive Office of Housing and Economic Development)のジェイ・アッシュ長官(Jay Ash)は2017年12月20日、マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology: MIT)のリンカーン・ラボ(Lincoln Laboratory)における防衛織物発見センター(Defense Fabric Discovery Center: DFDC)を支援するため、390万ドルの州グラントを提供すると発表した。本グラントは、防衛を目的とした先端繊維及び織物のイノベーションというDFDCのミッションを後押しする。DFDCは、2017年5月に発表された220万ドルの州グラントを受け、陸軍ナティック兵士システムズ・センター(U.S. Army Natick Soldier Systems Center: NSSC)及び米国先端機能織物(Advanced Functional Fabrics of America: AFFOA)との協力によって設立された。 MIT News “State grant will support advanced fiber and fabric research at Lincoln Lab” (1/2/18)

MIT、クラウドソースによる気候変動イノベーションへの一般投票受付開始

マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology: MIT)のMIT気候コーラボ(MIT Climate CoLab)は、クラウドソースで集められた気候変動対策の中から最も革新的なアイデアを選ぶ一般投票の受付を開始した。気候コーラボはMIT集合的インテリジェンス・センター(MIT Center for Collective Intelligence)によるプロジェクトで、世界中から9万人以上のコミュニティ・メンバーが気候問題解決を支援する提案の開発及び選出に取り組んでいる。気候コーラボは今年、具体的な部門を対象とした7つの気候対策コンテストを開始し、専門家による審査が行われた後、37件の決勝進出者が選ばれた。関心のある一般市民は、各部門で一つのアイデアに投票することができる(締め切りは1月15日)。各コンテストで最も多く一般投票を得た者は、審査員による選出者と共に、MITでそのアイデアを発表する機会などが贈られ、最終的にコンテスト全般の中から一人の最優秀者に1万ドルの賞金が贈られる。 MIT News “Voting open for crowdsourced climate change innovations” (1/2/18)

DARPA、ウィルス性疾患の発生源を追求するプログラムを発表

鳥インフルエンザ、MERSコロナウィルス、エボラウィルス病など、2017年に世界で発生あるいは再発生したウィルス性感染症の多くに見られる共通点は、ある動物で発生した病原体が一連の変異を経て異なる動物種を飛び越え、人に拡散するという点である。こうした中、国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)は、「新興病原体による脅威の予防(Preventing Emerging Pathogenic Threats: PREEMPT)」プログラムを発表した。PREEMPTプログラムは、動物や昆虫の病気が種を超えて人間へと感染することを防ぐため、ウィルス性の変異を予想及び制御することを狙いとしたもので、3年半をかけて実施される予定である。 Defense Advanced Research Project Agency “Going to the Source to Prevent Viral Disease Outbreaks” (1/4/18)

アスペン研究所がサイバーセキュリティ・イニシアチブを開始

アスペン研究所(Aspen Institute)は1月5日、国レベルで様々なサイバーセキュリティの脆弱性に対処することを狙いとした新しいサイバーセキュリティ・イニシアチブとして、「アスペン・サイバー戦略グループ(Aspen Cyber Strategy Group)」を発表した。IBMのジニ・ロメッティ最高経営責任者(Ginni Rometty)、ウィル・ハード連邦下院議員(Will Hurd。テキサス州選出共和党)、オバマ政権下で国土安全保障長官アドバイザーを務めたリサ・モナコ氏(Lisa Monaco)が共同議長を務める。同グループは、従来の取り組みの多くは、「行動」よりも「言論」が多かったとの認識の下で立ち上げられ、35名のメンバー(学術機関や政府、民間部門)に、具体的な行動で貢献することを望んでいる。グループの当面の潜在的なフォーカス・エリアとしては、モノのインターネットの安全性確保、選挙の脆弱性への対処などが含まれている。 Axios ” Exclusive: Aspen Institute launches cybersecurity initiative” (1/5/18)

トランプ政権、オフショア掘削の大規模な拡大を提案

トランプ政権は1月4日、大西洋、太平洋、北極海岸の更なる掘削を可能にする新たな5か年計画を発表した。これは石油・天然ガス業界にとり、大きな勝利である。数か月に及ぶ憶測と激しい非難の後、内務省(Department of Interior)のライアン・ジンキ長官(Ryan Zinke)がこの計画を発表し、「これは、米国によるエネルギー支配を目指すスタート地点である」と述べた。新計画によって、連邦大陸棚(Outer Continental Shelf: OCS)の90%以上がリースに開放され、2019年から2024年の間に47件のリース・セールが予定される。ジンキ長官によれば、これは、国のOCSプログラム(OCS Program)の5か年リース計画案としては過去最大の件数となる。この発表を受けて、反対派からを中心に海洋エネルギー管理局(Bureau of Ocean Energy Management: BOEM)にコメントが殺到し、その数は50万件に上った。 Science “Trump proposes vast expansion of offshore drilling” (1/4/18)

NIHがSBIRへの応募に関する無料援助パイロット・プログラムを開始

これまでに、国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)による中小企業技術革新制度(Small Business Innovation Research: SBIR)及び中小企業技術移転制度(Small Business Technical Transfer:STTR)のアワードを受益したことがない適格の中小企業は、NIHによる新たなパイロット・イニシアチブ「応募者援助プログラム(Applicant Assistance Program: AAP)」に応募することができるようになった。AAPの主たる目標は、バイオメディカル科学では伝統的に過小評価されている中小企業のSBIRプログラムへの参加を高めることである。また、R&Dを行う中小企業及び個人が国立癌研究所(National Cancer Institute: NCI)などからフェーズ1のSBIR/STTR助成を受益できるよう支援することも狙いとしている。AAPの参加者には、ニーズ評価/中小企業メンタリング、フェーズ1応募準備支援、応募書類のレビューなどの支援が無料で提供される。 SSTI “Hatch announces retirement, Romney likely to run New NIH pilot provides free SBIR application assistance” (1/10/18)

リリー基金、インディアナ州の経済開発に3,900万ドルを拠出

インディアナ州に拠点を置くリリー基金(Lilly Endowment)は、インディアナ州の北西中央部で強固な経済と繁栄の育成に取り組む「中央インディアナ・コミュニティ・パートナーシップ(Central Indiana Community Partnership, Inc.: CICP)」に5年間で3,890万ドルのグラントを提供する。グラントは、州内の10郡を中心としたエリアを、モノのインターネット(IoT)をベースとした農業及び次世代製造の世界的な中心地とすることに重点を置いたCICPの「ウォバッシュ・ハートランド・イノベーション・ネットワーク(Wabash Heartland Innovation Network: WHIN)」を支援する。WHINは今後、パーデュー大学(Purdue University)、アイビー・テック・コミュニティ・カレッジ(Ivy Tech Community College)と協力して、IoTアプリケーション開発のためのテストベッドの構築、学生及び労働力のための研修センターの設立などに取り組む。 Philanthropy News Digest “Lilly Endowment Awards $39 Million for Economic Development in Indiana” (12/26/17)