大統領府、「クラウド・ファースト」から「クラウド・スマート」へ

大統領府は9月24日、連邦クラウド・コンピューティング戦略として、「クラウド・ファーストからクラウド・スマートへ(From Cloud First to Cloud Smart)」と題する戦略草案を発表した。本草案は、連邦政府によるクラウド導入の取り組みに改めて焦点を当てるもので、2010年にオバマ前政権が確立した「クラウド・ファースト」方針の更新版となる。連邦最高情報責任者(Federal Chief Information Officer)のスゼッテ・ケント氏(Suzette Kent)は、「7年前、クラウド・コンピューティングはまだ新しく、多くの連邦機関でこれらの技術を導入する初期段階にあった。現在、連邦機関はクラウドについて、その恩恵と課題も含めて、より良い理解を得ている」と説明した。クラウド・ファーストがクラウドの潜在的な恩恵を強調しているのに対し、クラウド・スマートは連邦ミッションの成果を強調するものとなる。大統領府では、この戦略草案に対するパブコメを10月24日まで受け付けている。 Nextgov “White House Outlines Move from ‘Cloud First’ to ‘Cloud Smart’” (9/24/18)

電気自動車充電機器業界、炭素クレジット基準で合意

電気自動車(EV)を走行させることはガソリン自動車を走行させるよりも炭素排出が少ないが、多くの場所で、こうした炭素排出の低減にクレジットは与えられていない。こうした中、EV用充電スタンドの設置コストを低減させる努力の一環として、「電気自動車充電炭素同盟(Electric Vehicle Charging Carbon Coalition: EVCCC)」は、充電スタンド提供事業者に恩恵をもたらす炭素クレジットの計算で合意した。クレジットの計算は、EVとガソリン自動車の走行距離の差異に、充電器の種類別効率性と地域の発電所の炭素排出を考慮して算出される。充電スタンド事業者は、EVが充電するたびにクレジットを得る。EVCCCは、充電機器企業がカーボン・オフセット・クレジットを売却して資本の5~10%を更に回収できるようになることで、充電機器ネットワークの普及が加速することを期待している。 Green Car Reports “Charging industry agrees on carbon credit standards” (9/20/18)

DARPA、地下チャレンジで地下領域の探索を行うチームを選出

国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)は今般、「地下チャレンジ(Subterranean(SubT) Challenge)」で競う9つのチームを選出した。物理的システム(Physical Systems)トラック(以下「システム・トラック」)として7チームが、バーチャル(Virtual)トラックとして2チームがチャレンジに参加し、地下環境で急速にマッピング、ナビゲーション、捜索を行うための新しい手法の開発を目指す。システム・トラックのチームは、実際の環境で物理的システムの開発と実証を競う。バーチャル・トラックのチームは、シミュレーション・モデルと物理ベースの環境を用いてソフトウェアを中心とした進展に重点が置かれる。DARPAはまた、システムとバーチャルの双方のコンペに自己資金で参加するチームも模索している。 Defense Advanced Research Project Agency “DARPA Selects Teams to Explore Underground Domain in Subterranean Challenge” (9/26/18)

GAO報告:量子コンピューティング、合成生物学などにおける米国競争力を維持するための考察

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は、「科学技術:量子コンピューティング、合成生物学、その他の潜在的なトランスフォーメーショナル研究分野における米国競争力を維持するための考察(Science and Technology: Considerations for Maintaining U.S. Competitiveness in Quantum Computing, Synthetic Biology, and Other Potentially Transformational Research Areas)」と題する報告書を発表した。GAOの調査によれば、多数の連邦機関が量子コンピューティング及び合成生物学の研究を支援している。これらの連邦機関は、省庁間グループを新設するなどの協力体制を取っているが、鍵となる協力体制の慣行(役割や責務で合意するなど)が十分には実施されていない。こうしたことからGAOは、量子コンピューティングや合成生物学の省庁間グループを主導する連邦機関に対して、全面的な協力体制につながるよう策を講じることを勧告している。 Government Accountability Office “Science and Technology: Considerations for Maintaining U.S. Competitiveness in Quantum Computing, Synthetic Biology, and Other Potentially Transformational Research Areas” (9/26/18)

エネルギー省、「マテリアルのための高性能コンピューティング」プログラムの下、第一次助成を発表

エネルギー省(Department of Energy)は9月26日、「マテリアルのための高性能コンピューティング(High Performance Computing for Materials: HPC4Mtls)」プログラムの下、9件のプロジェクトに合計270万ドルを提供すると発表した。本プログラムは、業界が過酷な状況にも耐えられるマテリアルの新開発あるいは改良を行うことを支援するため、エネルギー省傘下の国立研究所の高性能コンピューティングを活用することを狙いとしている。HPC4Mtlsプログラムは、エネルギー省の「エネルギー・イノベーションのための高性能コンピューティング(HPC4EnergyInnovation)」イニシアチブの一部で、化石エネルギー局(Office of Fossil Energy: FE)、エネルギー効率・再生可能エネルギー局(Office of Energy Efficiency and Renewable Energy: EERE)、科学局(Office of Science)、国立研究所で構成されている。今回は、FEの下で5件のプロジェクトが、EEREの自動車技術局(Vehicle Technologies Office: VTO)と燃料電池技術局(Fuel Cell Technologies Office: FCTO)の下で4件のプロジェクトが選出された。 Department of Energy “Energy Department Announces Selections for First-Round Solicitation under the High Performance Computing for Materials Program” (9/26/18)

自動車、ユーティリティ、労働、環境の指導者らの同盟が輸送エネルギー半減へ向けた報告書を発表

より少ないエネルギー消費で経済の拡大に取り組む非営利組織「エネルギー節約のための同盟(Alliance to Save Energy)」の全国輸送委員会「米国輸送部門の効率に関する50×50同盟委員会(Alliance 50×50 Commission on U.S. Transportation Sector Efficiency)」は9月26日、「モビリティ(可動性)を向上させつつ、米国の輸送エネルギーを2050年までに50%削減するための経路」をまとめた報告書を発表した。その報告書「50×50: 米国モビリティの再発明(50×50: Reinventing U.S. Mobility)」は、政策策定者に、①変革、②イノベーション、③投資、の3つに焦点を当てるよう勧告を提示している。50x50同盟委員会は、アウディ・オブ・アメリカ社(Audi of America)のスコット・キーオ社長(Scott Keogh)とナショナル・グリッドUS(National Grid U.S.)のディーン・シーバース社長(Dean Seavers)が共同委員長を務めている。 Alliance to Save Energy “Auto, Utility, Labor & Environment Leaders Unveil Report Charting Path to Cut Transportation Energy Use in Half” (9/26/18)

米国のエネルギー関連の二酸化炭素排出、2017年は前年比で微減

エネルギー情報局(Energy Information Administration: EIA)は、「米国におけるエネルギー関連の二酸化炭素排出(2017年)」を発表した。それによれば、米国におけるエネルギー関連の二酸化炭素排出は、2016年の5,189MMmt(メトリックトン)から2017年は5,142MMmtへ、47MMmt減少した。この期間にGDPは2.3%増加したが、エネルギー関連の二酸化炭素排出に寄与するその他の要素はGDPの成長を相殺する以上のものとなった。過去10年間のうち、7年間に排出は減少しており、2017年のエネルギー関連の二酸化炭素排出は2005年水準を849MMmt(14%)下回った。 Energy Information Administration “U.S. Energy-Related Carbon Dioxide Emissions, 2017” (9/25/18)

世界銀行、開発国におけるバッテリー貯蔵導入を加速させるプロジェクトを開始

ソーラー及び風力エネルギーは、今後更に拡大する見込みであるが、再生可能資源で生産された電力を貯蔵し、必要に応じて使用するための広範なソリューションは今のところない。エネルギー貯蔵(特にバッテリー)はこうした問題を解決することができる。しかし、バッテリー技術は高価であり、広く導入されていない。このギャップは特に、風力・ソーラー電力の可能性が大きく、エネルギー需要が増大しつつあり、多くの人々が安定した電力を持たずに生活している開発途上国において深刻な問題である。こうした中、世界銀行グループ(World Bank Group: WBG)は、「開発諸国のためのバッテリー貯蔵の加速(Accelerating Battery Storage for Development)」プログラムを開始することを発表した。これは、開発途上及び中所得国でエネルギー・システムにおけるバッテリー貯蔵の導入を加速させることを狙いとした、初めての国際プログラムである。WBGは、本プログラムに10億ドルの資金をコミットしている。また、その他の資金調達活動を通じて更に40億ドルが投入される見通しで、2025年までに17.5ギガワット時(GWh)のバッテリー貯蔵が導入されることを目標としている。 World Bank “Powering New Markets for Battery Storage” (9/26/18)

ビル・ゲイツ氏主導の10億ドルのエネルギー基金がポートフォリオを拡大

ビル・ゲイツ氏(Bill Gates)が主導するブレイクスルー・エネルギー・ベンチャーズ(Breakthrough Energy Ventures: BEV)は、世界の排出を劇的に削減する能力を持つ急進的なエネルギー・スタートアップに10億ドルを投資することを狙いとしている。同ファンドは、インドのムケシュ・アンバニ氏(Mukesh Ambani)、アマゾン社(Amazon)のジェフ・ベゾス氏(Jeff Bezos)、ソフトバンク社(SoftBank)の孫正義氏など、世界の富豪から資金の提供を受けている。6月には、BEVが投資をする2社が明らかになったが、今般、BEZの投資を受益するその他の企業が明らかになった。ゲイツ氏は、これまで少数のエネルギー企業に投資をしており、その過程で、エネルギー系のスタートアップはソフトウェア企業とは異なることを学んだという。BEVによれば、スタートアップ企業は投資(開発段階及びニーズによって20万ドル~2,000万ドル)を受ける前に、様々な厳しい審査を受けるという。 Quartz “Bill Gates-led $1 billion energy fund is expanding its portfolio of startups fighting climate change’” (9/26/18)

NIH、人体を構成する細胞の詳細なマップを作成へ

国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)の「ヒトの生体分子アトラス・プログラム(Human BioMolecular Atlas Program: HuBMAP)」は、初となる研究助成プロジェクト(計15件)を発表した。これらのプロジェクトは、成人の体を個々の細胞レベルでマップ化する研究に向けて、オープンかつグローバルな枠組みの開発に取り組む。HuBMAPは、NIH共通資金(NIH Common Fund)のプログラムで、助成額は今後4年間で合計5,400万ドルとなる(資金の有用性次第)。組織内にある細胞の高解像度の重要な特徴を理解することは、依然として課題となっており、HuBMAPによって体全体のマッピングが完成することは期待されていないが、これを始動させることで、より複雑なマッピングのための枠組みが整い、研究コミュニティが研究で利用できるようなデータの収集が行われる計画である。 National Institutes of Health “NIH to build a detailed map of cells within the human body” (9/26/18)