中国によるアフリカへの影響力増大を懸念し、米国は予算600億ドルの新しい機関を設立

オバマ前政権の最後の数年間、米国企業がアフリカで投資することを奨励する開発機関の「海外民間投資公社(Overseas Private Investment Corporation: OPIC)」の廃止を求める声が高くなっており、「米国第一主義」を掲げるトランプ大統領が、2017年の最初の予算請求でOPICを実質上廃止する予算を組んだことは驚きではなかった。このような中、今年5月5日になって、トランプ大統領は、「開発につながる投資のより良い活用(Better Utilization of Investments Leading to Development: BUILD)法」に署名し、OPICを「国際開発金融公社(International Development Finance Corporation: IDFC)」に改称した上、その予算を倍増した(合計600億ドル)。こうした動きの背景には、アフリカへの投資を積極的に行っている中国への懸念がある。 Government Executive “A New $60 Billion Agency Is The Clearest Sign The U.S. Is Worried About China’s Africa Influence” (10/15/18)

国立核安全保障局(NNSA)、核備蓄科学の進展を目標として共同契約を提携

エネルギー省(Department of Energy)傘下の国立核安全保障局(National Nuclear Security Administration: NNSA)は、スチュワードシップ科学学術同盟(Stewardship Science Academic Alliances: SSAA)プログラムの一環として、全国4つの大学で新しいセンター・オブ・エクセレンス(Center of Excellence)を指定し、今後5年間で合計4,050万ドルを助成する。これにより、SSAAセンター・オブ・エクセレンスは合計8センターとなる。センターでは、大学院教育及び研修の強化と、NNSA国立研究所の科学者と学術機関のリーダーの間の協働の促進が行われる。今回選出された受益機関は、ジョージワシントン大学(George Washington University)(受益金額1,250万ドル)、テキサスA&M大学(Texas A&M University)(同額)、カリフォルニア大学サンディエゴ校(University of California San Diego)(1,050万ドル)、ミシガン大学(University of Michigan)(500万ドル)の4大学。 National Nuclear Security Administration “NNSA awards new cooperative agreements to advance nuclear stockpile science” (10/15/18)

オフショア風力ファーム大手のエルステッド社、米国市場進出に足掛かり

世界最大のオフショア風力エネルギー開発業者の一つ、デンマークのエルステッド社(Orsted)は10月8日、ロードアイランド州のディープウォーター・ウィンド社(Deepwater Wind)を5億1,000万ドルで買収すると発表した。これは、米国がオフショア風力エネルギー発電企業にとり、魅力的な市場になりつつあることを示す兆候である。エルステッド社は、英国、ドイツ、台湾、デンマークの各地でプロジェクトを有しているが、今年、マサチューセッツ州における競争入札プロセスで失敗し、プロジェクトを獲得できなかった。エルステッド社は、ディープウォーター・ウィンド社を買収することで、米国内の規制及び政治システムに精通しようと目論んでいるようである。 New York Times “Orsted, a Giant in Offshore Wind Farms, Makes a Move in the U.S.” (10/8/18)

ジンキ内務長官のエネルギー輸出計画、「無謀」と一蹴される

内務省(Department of Interior)のライアン・ジンキ長官(Ryan Zinke)は10月15日、AP通信とのインタビューで、「米国西部にある軍事施設(具体的な施設名を挙げたのはアラスカの遠島にある元海軍基地)を国家安全保障案件として扱うことで、米国は同盟国に安価なエネルギーを確実に供給できる」というアイデアに言及した。しかし、そのアイデアは即座に非難を招いた。批判家は、「そのような計画はうまくいくはずがない」と一蹴している。ワシントン州のジェイ・インスレー知事(Jay Inslee、民主党)は、「無謀な計画を量産している現政権には驚く。大統領は、本当に悪質な助言を受けているに違いない。ワシントン州のクリーンな水とクリーンな大気に関する法律は依然として存在しており、執行される」と強く批判した。 Politico “Zinke’s energy export plan knocked as ‘harebrained’” (10/15/18)

ペリー・エネルギー長官の石炭業界救済策、大統領府で座礁

低迷している石炭業界を活気づけるためにトランプ政権が進めている主要な取り組みの一つが、大統領府で座礁に乗り上げている。エネルギー省(Department of Energy)のリック・ペリー長官(Rick Perry)は、国家安全保障強化に向けて電力企業が石炭発電所の運用を継続するよう働きかけるため、1年以上にわたって様々な計画を推進しており、これは、「クリーン・コールを復活させる」という、トランプ大統領がしばしば口にする約束と一致するゴールである。しかし、国家安全保障会議(National Security Council: NSC)及び国家経済会議(National Economic Council: NEC)内の補佐官が反対していることから、大統領府はペリー長官の計画を棚上げている。トランプ大統領自身がペリー長官の提案に従うことに反対しているのかどうかは不明である。しかし、情報筋は、トランプ大統領はしばしば心変わりすることから、そのアイデアは大統領の再選挙運動に先駆けて再浮上する可能性はあると警告している。 Politico “Rick Perry’s coal rescue runs aground at White House” (10/15/18)

セレクトUSAの新たなエクゼクティブ・ディレクターを発表

商務省(Department of Commerce)のギル・カプラン次官(国際貿易)(Gil Kaplan、Under Secretary for International Trade)は10月15日、「セレクトUSA(SelectUSA)」のエグゼクティブ・ディレクター(Executive Director)として、ブライアン・レニハン氏(Brian J. Lenihan)を正式に指名した。セレクトUSAは、国際貿易局(International Trade Administration: ITA)によるプログラムで、対米投資の誘致及び拡大に専門的に取り組むプログラムである。レニハン氏は、これまでに新規の米国投資プロジェクトとして440億ドル以上を誘致する助けとなってきたグローバル・チームを率いることになる。レニハン氏及び同氏が率いるチームは、トランプ政権が「米国の経済的リーダーシップを維持する上で重要」と考える業界部門(先端製造、宇宙商務、エネルギー生産、農業、生命科学を含む)に焦点を当てて取り組んでいく。 SelectUSA “UNDER SECRETARY KAPLAN ANNOUNCES NEW SELECTUSA LEADERSHIP” (10/15/18)

IARPA、犯罪現場に残された皮膚細胞から個人を特定する手法を模索

米国諜報コミュニティでは、犯罪現場で人々が触った物に残されたマーカーから個人を特定する技術の確立に取り組んでいる。人が何かに触ると、そこには皮膚細胞が残り、そこにはDNAと同じぐらい固有のタンパク質が詰め込まれている。具体的に、諜報先端研究プロジェクト局(Intelligence Advanced Research Projects Activity)は、それらのタンパク質が犯罪科学捜査における次の大きなブレイクスルーになる可能性があると考え、「プロテウス(Proteos)」プログラムを開始した。これは、皮膚細胞から抽出したたんぱく質を使って、犯罪現場及びその他の犯罪科学証拠と個人を結び付ける方策を探求するものである。現在、DNAは犯罪科学における黄金律と考えられているが、実際には犯罪現場の捜査官が個人を確実に特定するのに十分なDNAを採取できないケースは珍しいことではない。 Nextgov “IARPA Wants to Identify Criminals From Their Skin Cells” (10/15/18)

MIT、コンピューティング学部新設とAI・コンピューティングへの10億ドル投資を発表

マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology: MIT)は10月15日、コンピューティングの普及と人工知能(AI)の台頭によって呈される世界的な機会と課題に対処することを目的とした10億ドルのコミットメントを発表した。その中核となるのは、MITステファン・A・シュワルツマン・カレッジ・オブ・コンピューティング(MIT Stephen A. Schwarzman College of Computing)の新設である。これは、世界大手の資産管理会社、ブラックストーン社(Blackstone)の共同創立者で会長兼最高経営責任者(CEO)のシュワルツマン氏による3億5,000万ドルの寄付によって実現するものである。同カレッジは、コンピューター科学、AI、データ科学、及び関連分野の活動において学際的なハブとして位置づけられる。 Massachusetts Institute of Technology “MIT reshapes itself to shape the future” (10/15/18)

米国医学アカデミー、医療ケアの相互互換性強化を目的とした調達要件の使用について概説

米国医学アカデミー(National Academy of Medicine)は、「調達の相互互換性:良質で互いにつながり、人間を中心としたケアの達成(Procuring Interoperability: Achieving High-Quality, Connected, and Person-Centered Care)」と題する特別論文を出版した。論文によれば、医療ケアでは近年、電子医療記録(electronic health records: EHR)の普及が大きく進んだものの、地域的な医療情報交換体制の確立やデータ交換のための規格及びインターフェース、医療ケア技術間の相互互換性は極めて限定的となっている。相互互換性の欠落は、無駄や非効率、臨床医の疲弊につながり、結果として患者の安全リスクに影響を及ぼす可能性がある。本論文は、ベンダーに影響されないオープン・プラットフォームに基づく相互関連性のあるソフトウェア/ハードウェアへ移行することで、包括的かつ持続的な調達戦略を確立できるようステップを概説している。 National Academies “National Academy of Medicine Publication Outlines Use of Procurement Requirements to Drive Interoperability in Health Care” (10/12/18)

EPA、大気汚染科学審査委員会を廃止

環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)のアンドリュー・ウィーラー長官代理(Andrew Wheeler)は10月11日、EPAによる粒子状物質の大気質基準見直しを補佐する科学専門家委員会を解散した。同長官代理はまた、最近開始された地上レベルのオゾン規制評価において同様の諮問委員会を設置する計画も廃止した。これらの措置と、ウィーラー長官代理が最近発表した決定事項は、同長官代理がほとんどを任命した7名の委員会に権限を集中させるためのものであり、「EPAはこれらの見直しの結果を業界に有利な形にするため歪曲しようとしている」との非難を招いている。 Science “Trump’s EPA scraps air pollution science review panels” (10/12/18)