倫理をコンピュータ科学に組み込む「責任あるコンピュータ科学チャレンジ」(最高350万ドルの賞金)が発表される

コンピュータ科学者が作るコードは数十億人に利用され、日常生活の様々なことに影響を及ぼしており、ソフトウェアは民主主義を強化し、機会を高め、遠く離れた人々をつなぐことができるが、責任ある形で実行されなければ極端な結果につながる可能性もある。こうした中、オミダイア・ネットワーク(Omidyar Network)、モジラ(Mozilla)、シュミッド・フューチャーズ(Schmidt Futures)、クレイグ・ニューマーク・フィランソロピーズ(Craig Newmark Philanthropies)は、「責任あるコンピュータ科学チャレンジ(Responsible Computer Science Challenge)」を開始する。これは、倫理と説明責任を米国の大学における大学生向けのコンピュータ科学カリキュラム及び教育学に組み入れることを目的としたイニシアチブで、最高350万ドルの賞金が計画されている。参加団体は、このコンペを通じて、倫理をコンピュータ科学に統合したカリキュラムの概念化、開発、パイロット活動を支援する。 Mozilla “Announcing a Competition for Ethics in Computer Science, with up to $3.5 Million in Prizes” (10/10/18)

兵器システムのサイバーセキュリティ:「国防総省は脆弱性の規模を把握し始めた段階」との報告

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は10月9日、「兵器システムのサイバーセキュリティ:国防総省は脆弱性の規模を把握し始めた段階(Weapon Systems Cybersecurity: DOD Just Beginning to Grapple with Scale of Vulnerabilities)」と題する報告書を公表した。国防総省(Department of Defense)による兵器はこれまでにないほどコンピュータ化及びネットワーク化されており、これが敵対者に攻撃の機会を呈していることは驚きではないが、国防総省が兵器のサイバーセキュリティを優先事項としたのは最近になってのことである。最近行われた国防総省による主要兵器システムのサイバーセキュリティ試験で、敵対役を務めた試験官は、比較的容易にシステムを支配し、ほとんど検知されることなく操作することができたという。GAOによれば、国防総省は近年、サイバーセキュリティの改善策(方針の更新や試験回数の増加など)を講じつつあるという。 Government Accountability Office “Weapon Systems Cybersecurity: DOD Just Beginning to Grapple with Scale of Vulnerabilities” (10/9/18)

リフト社、2019年のIPOを見据え、オバマ前政権の運輸長官を雇用

オバマ前政権の2期目に運輸長官(Secretary of Transportation)を務めたアンソニー・フォックス氏(Anthony Foxx)が、配車サービス会社のリフト社(Lyft Inc.)に加わり、同社が抱える全国的な規制問題対応を支援することとなった。具体的に、リフト社は10月9日、フォックス氏を同社の最高政策担当者(chief policy officer)及び創立者へのアドバイザーとして任命した。フォックス氏は運輸長官を務める前は、ノースカロライナ州シャーロットの市長であった。リフト社は、配車サービス・ネットワークを米国内のほとんどの地域へ拡大すると共に、電気スクーターのレンタル及び自動運転車ビジネスの基盤作りに取り組んでいる。情報筋によれば、同社は3月あるいは4月のIPOを目標としているという。競合でより大手のウーバー・テクノロジーズ社(Uber Technologies Inc.)も来年の上場を目指しているという。 Los Angeles Times “Lyft hires Obama’s Transportation secretary as it leans toward a 2019 IPO” (10/9/18)

エネルギー省、地熱エネルギー向けの効率的掘削を進展する新規プロジェクトに1,140万ドルの助成を発表

エネルギー省(Department of Energy)は10月9日、地熱エネルギー開発を進展させることを目的として、7件のプロジェクトに合計1,140万ドルを提供すると発表した。これらのプロジェクトは、革新的な地熱エネルギー技術の研究開発を加速させることに重点を置く。現在、米国の地熱電力生産は西部州でのみ行われており、在来型の地熱資源によって3.8ギガワットの電力がグリッドに送られている。こうした地熱エネルギーは、熱水及び強化地熱システムによって拡大できる可能性がある。これらの地熱資源をコスト効果の高いエネルギー資源へと経済的に転換するには、技術イノベーションが必要となっている。今回の受益機関は、地熱井の掘削に関する革新的技術を探索する初期ステージの研究開発プロジェクトに取り組む。 Department of Energy “Energy Department Announces $11.4 Million for New Projects to Advance Efficient Drilling for Geothermal Energy” (10/9/18)

先端製造における米国リーダーシップのための戦略発表

大統領府は10月5日、「先端製造における米国リーダーシップのための戦略(Strategy for American Leadership in Advanced Manufacturing)」を公表した。これは、連邦機関、州政府及び地方自治体、教育機関全般、民間産業、投資家、そして最も重要な点として米国市民がどのようにして、「国家安全保障と経済的繁栄を確実にすることを目的とした、産業部門全般の先端製造における米国のグローバル・リーダーシップ(U.S. Global Leadership in Advanced Manufacturing Across Industrial Sectors to Ensure National Security and Economic Prosperity)」という国家的ビジョンを達成するかを示したものである。このビジョンを達成するため、本戦略は3つの目標を提示し、新技術の開発と将来の労働力育成に重点を置いた内容となっている。 manufacturing.gov “Strategy for American Leadership in Advanced Manufacturing” (10/5/18)

NIH、腸由来代謝物の活動を追跡する研究プロジェクトに助成

国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)傘下の国立補完・統合的医療センター(National Center for Complementary and Integrative Health: NCCIH)は、腸内微生物と、食品化合物から「代謝物」への変化の間の潜在的な関係を研究する10件のプロジェクトに合計約400万ドルを提供する。小さな腸由来の代謝物は、広く知られている「果物と野菜を多く摂取する食事の健康上の利点」を説明する一つの手段となる可能性がある。「様々なエビデンスにより、我々が食する食べ物、消化器系の腸内微生物、基本的な生物学的機能はすべて、我々の健康全般に影響するという考えが強化されつつある。今回の助成によって、食事と微生物の相互作用による代謝物、それらを生成するバクテリア、それらに関係する生物学的活動を系統的に特定することが可能になる」と、本件を担当するNCCIH委託研究部門(Division of Extramural Research)の高官は述べる。 National Institutes of Health “NIH research projects to track activities of gut-derived metabolites” (10/9/18)

エネルギー省と陸軍TARDECが、軍事使用を目的とした水素・燃料電池で協力へ

水素・燃料電池デー(Hydrogen and Fuel Cell Day)である10月8日、エネルギー省(Department of Energy)は、米陸軍(U.S. Army)との間で、軍事及び非軍事使用を目的とした水素及び燃料電池の技術開発で協力することを記した覚書(memorandum of understanding: MOU)に署名したことを発表した。陸軍「タンク自動車研究開発・工学センター(Tank Automotive Research Development and Engineering Center: TARDEC)」のポール・ロジャース部長(Paul Rogers)と、エネルギー省の燃料電池技術局(Fuel Cell Technologies Office: FCTO)のスニタ・サティヤパール部長(Sunita Satyapal)が署名した。このMOUによって両研究機関は、双方の目標に合致できる技術についてより緊密に協力することが可能となる。 Department of Energy “Energy Department and Army TARDEC to Collaborate on Hydrogen and Fuel Cells for Military Use” (10/9/18)

グーグル社、自社のAI原則を巡り、国防総省のクラウド公募(100億ドル)から撤退

グーグル社(Google)は、国防総省(Department of Defense)が進めている「合同エンタープライズ国防インフラ・クラウド(Joint Enterprise Defense Infrastructure cloud: JEDI)」コンペ(契約額100億ドル)から撤退することを決定した。JEDIコンペの目的は、軍が膨大な量のデータと処理能力をクラウドへ移す(それによって軍高官が必要とするデータを即座に入手できるようになる)ためのソリューションを見つけることである。グーグル社は、JEDIコンペの規約が自社の人工知能原則(AI Principles)に合致するかどうかを確定できないため、同コンペへの参加を止めたと発表している。グーグル社は去る5月に、どのAI開発プロジェクトに関与するかを決定する際のガイドとなる一連の規則を策定しており、AIを兵器に使用することを禁じている。 engadget “Google sits out $10 billion Pentagon cloud contest over AI principles” (10/9/18)

2018年第3四半期の「ピッチブック-NVCAベンチャー・モニター」発表

ピッチブック社(PitchBook)と全米ベンチャーキャピタル協会(National Venture Capital Association: NVCA)による第3四半期ベンチャー・モニター(3Q 2018 PitchBook-NVCA Venture Monitor)が発表された。ハイライトとして、①第3四半期終了時点で既に2006年以来の過去最大となっている。少なくとも1億ドル以上のメガ取引は増大的に普及しつつあり、前年比38.9%増となった、②2018年の新規株式公開(IPO)件数は2017年を上回っており、2018年は「技術系企業の新規株式公開(IPO)は死んだ」という噂を否定する年となった、③資金調達活動は引き続き絶好調で5年連続で300億ドルを超えた、といった点が挙げられている。 PitchBook “PitchBook-NVCA Venture Monitor” (10/8/18)

エクソン社、炭素税推進運動に100万ドルを寄付

エクソン・モービル社(Exxon Mobil Corp.)は、二酸化炭素排出に課税する提唱活動に100万ドルを寄付する。寄付先は、気候リーダーシップ評議会(Climate Leadership Council)の提唱活動部門である「炭素分配を支持する米国民(Americans for Carbon Dividends)」で、同団体は二酸化炭素排出に1メトリックトン当たり43ドルの課税を提案している(税収は全て、租税還付金あるいは直接支払いとして納税者に還元)。この提案は、大手企業及び元共和党政策策定者らによって支持されている。なお、エクソン社は、BP社、ロイヤル・ダッチ・シェル社(Royal Dutch Shell)などと共に気候リーダーシップ評議会の提案を支持する内容の書簡に署名している。 The Hill “Exxon contributes $1 million to carbon tax campaign” (10/9/18)