Category:その他
電力会社の42%が2年以内にAI導入を計画 NGP社調査
投資会社のナショナル・グリッド・パートナー社(National Grid Partners: NGP)は10月、電力会社のイノベーション活動に関する第2回年次調査結果を発表した。166人の業界関係者から得た調査によると、革新的プロジェクトを積極的に実行する電力会社の割合は1年で24%から32%に急増しており、64%がイノベーション予算を増やし、全体の支出は15%上昇したという。また、69%がイノベーションを事業部門全体に組み込み、従来の中央集権型チームから脱却した。さらに、回答者の71%が送電網整備を最優先事項と位置付け、96%が人工知能(AI)を戦略的重点分野とみなしていることがわかった。電力会社の42%が今後2年以内に規制報告やコンプライアンス、作業員訓練、遠隔機器監視などの分野でAIを導入する計画という。ただし、企業全体レベルでのAIプログラムを持つ企業はわずか4%にとどまり、66%がAI人材の不足を最大のハードルと指摘した。NGP社は電力会社がスタートアップとの提携で、これらの課題を解決できると提言している。 National Grid Partners “Innovation in Action: Key Findings from the 2025 Utility Innovation Survey” (10/27/25) https://www.ngpartners.com/stories/innovation-in-action-key-findings-from-the-2025-utility-innovation-survey 参照記事:Utility Dive “Utilities see AI as tool for grid modernization but lack expertise, survey finds” (10/28/25) https://www.utilitydive.com/news/utilities-see-ai-as-tool-for-grid-modernization-but-lack-expertise-survey/803980/
グーグル社、アイオワ州の原子力発電所を再稼働 ネクステラ社と提携
グーグル社(Google)は10月27日、ネクステラ・エナジー社(NextEra Energy)と提携して、アイオワ州にあるデュアン・アーノルド発電所(Duane Arnold Energy Center)を2029年初頭に再稼働させると発表した。この再稼働により、60万キロワット(KW)以上の電力が供給される予定で、人工知能(AI)やクラウド関連の施設の電力需要に応えることが可能になるという。同発電所は2020年にネクステラ社によって閉鎖されたが、連邦エネルギー規制委員会(Federal Energy Regulatory Commission: FERC)の認可を受けて再稼働することになった。急増する電力需要に対応するため、国内では廃止・中止された原子力発電プロジェクトの仕切り直しが進んでいることが背景にあり、グーグル社は大規模な原子力発電の迅速な実現に加え、今回の提携により同州に数千の雇用と経済効果をもたらすと説明している。 Google “Our new agreement with NextEra Energy will bring Iowa’s only nuclear plant back to life.” (10/27/25) https://blog.google/feed/infrastructureduane-arnold-nuclear-plant-iowa/ 参照記事:Utility Dive “Google-NextEra, Santee Cooper announcements signal new life for defunct nuclear projects” (10/28/25) https://www.utilitydive.com/news/santee-cooper-nextera-google-nuclear/803959/
米国政府、大型原子炉建設で3社と協定 800億ドルを投資
10月28日、ウェスティングハウス・エレクトリック社(Westinghouse Electric Company: WH)、カメコ社(Cameco Corporation)、ブルックフィールド・アセットマネージメント社(Brookfield Asset Management)が、米国政府と提携し、新たな原子力発電所建設に向けた戦略的パートナーシップを立ち上げたと発表した。WH社のAP1000原子炉技術を用いる原子炉建設に約800億ドルを投じる予定で、国の原子力産業の基盤を構築する。同社のAP1000原子炉は、ポーランドやウクライナ、ブルガリアなど世界で稼働中の原子力発電所の半数以上に採用されている最も先進的な商業用原子炉で、これにカメコ社の核燃料供給網に関するノウハウを活用し、世界最大級のエネルギー発電技術投資企業のブルックフィールド社が支援する形となる。安定した電力供給に向け、人工知能(AI)の開発も加速させるとし、今回の提携により約4万5,000人の製造・エンジニアリング関連の雇用と全米展開により10万人以上の建設関連雇用を創出すると見込んでいる。 Brookfield “United States Government, Brookfield and Cameco Announce Transformational Partnership to Deliver Long-term Value Using Westinghouse Nuclear Reactor Technology” (10/28/25) https://bam.brookfield.com/press-releases/united-states-government-brookfield-and-cameco-announce-transformational-partnership
シリコンウエハー出荷、2025年に5.4%増加へ
国際半導体製造装置材料協会(Semiconductor Equipment and Materials Institute: SEMI)は10月28日、2025年の世界のシリコンウエハー出荷が前年比5.4%増の128億2,400万平方インチ(Million Square Inches: MSI)に達すると発表した。最先端ロジックデバイス向けの先進エピタキシャルウェーハ(epitaxial wafers)や広帯域幅メモリ(High Bandwidth Memory: HBM)向けの研磨ウエハーなど、AI(人工知能)関連の需要増加が成長を牽引した。2028年には出荷量が154億8,500万平方インチ(MSI)に達し、新記録を達成すると予測している。一方、AI以外のアプリケーション向けのウエハー出荷も、近年の低迷から徐々に回復しつつある。SEMIの予測によると、この成長基調は2028年まで続き、AIの利用が広がるにつれて、データセンターだけでなくスマートフォンなどのエッジデバイスでも、より多くの計算リソースが必要になっていることから、シリコンウエハーの出荷がさらに増加するとみられている。 SEMI “SEMI Reports Global Silicon Wafer Shipments to Rebound 5.4% in 2025, with New Record Expected by 2028” (10/27/25) https://www.semi.org/en/semi-press-release/semi-reports-global-silicon-wafer-shipments-to-rebound-5.4-percent-in-2025-with-new-record-expected-by-2028
風力発電のPPA価格、太陽光を上回る上昇率
ユーティリティ・ダイブ(Utility Dive)は10月27日、トランプ政権下で風力発電の電力購入契約(Power Purchase Agreement: PPA)価格が太陽光を上回るペースで上昇していると報じた。レベルテン・エナジー社(LevelTen Energy)のデータによると、2025年第2四半期から第3四半期にかけて太陽光PPA価格が4%上昇したのに対し、風力は5%近く上昇し、昨年比で約14%の上昇となった。主に関税や連邦政府の許認可政策の厳格化、さらに「ワン・ビッグ・ビューティフル・ビル法(One Big Beautiful Bill Act)」による税制優遇措置の期限を前にした開発業者の駆け込み申請が価格上昇の要因と分析している。一方、エネルギー転換企業トリオ社(Trio)は、資金調達コストの上昇が主要因と指摘し、今後発表される追加関税によりPPA価格はさらに10%から15%上昇する可能性があるという見解を示した。両社共に当面は価格下落の見通しは立たないとの見方を示している。 Utility Dive “Wind PPA prices rising faster than solar under Trump administration” (10/27/25) https://www.utilitydive.com/news/wind-solar-ppa-prices-level-ten-trio/803792/
電力業界、設備投資に1.4兆ドル データセンター需要が牽引
ユーティリティ・ダイブ(Utility Dive)は10月27日、国内の電力会社が2025年から30年の5年間で1.4兆ドルの設備投資を行う「スーパーサイクル(数十年に及ぶ景気循環)」に突入したと報じた。格付け会社のモーニングスターDBRS社(Morningstar DBRS)によると、相次ぐデータセンター建設により、北米電力信頼度協議会(North American Electric Reliability Corporation: NERC)のデータに基づく今後10年間の電力需要増加率は、従来予測の6.1%から11.6%へと大幅に上方修正され、規制委員会の支援、健全な信用格付けと資本市場へのアクセスがある電力会社にとって好機になるという。エジソン電気協会(Edison Electric Institute: EEI)も同様の分析を示しており、発電投資は4年連続で業界の総設備投資に占める割合が増加している。一方、報告書は、データセンター容量の需要予測の不確実性、従来の資金調達手段の不足、他の顧客層への料金負担増加といった課題も指摘しており、電力会社は資金不足を補うため民間資本の活用を模索していると伝えている。 Utility Dive “US electric utilities entering investment ‘super-cycle,’ says Morningstar DBRS” (10/27/25) https://www.utilitydive.com/news/us-electric-utilities-investment-super-cycle-morningstar/803841/
ハーバード大学、大学院入学定員を大幅削減
ハーバード大学(Harvard University)の学生新聞、ハーバード・クリムゾン紙(The Harvard Crimson)は10月21日、同大学の文理学部(Faculty of Arts and Sciences)が今後2年間の博士課程(Ph.D.)入学定員を大幅に削減すると報じた。理学部門では75%以上、人文学部門では約60%の削減となり、社会科学部門でも50~70%が削減されるとみられる。同大学は9月下旬に研究資金の不確実性と年間最大3億ドルに上る基金税(endowment tax、大学基金の運用益への課税)の増加を理由に挙げており、歴史学科は昨年の13人から5人に、社会学科は2026-27年度に6人のみ入学させ翌年はゼロとする方針で、ドイツ語学科の入学枠は無くなる見通しである。削減の背景には、トランプ政権による連邦助成金の凍結があり、同大学は2025年度に1億1,300万ドルの赤字を計上している。連邦地裁が9月に助成金回復を命じたものの、医学部(Harvard Medical School)では研究費を少なくとも20%削減するよう指示が出されており、財政圧力は続いている。 The Harvard Crimson “Harvard FAS Cuts Ph.D. Seats By More Than Half Across Next Two Admissions Cycles” (10/21/25) https://www.thecrimson.com/article/2025/10/21/fas-phd-admissions-cuts/
トランプ政権のUCLA和解案、裁判所命令で公開
ロサンゼルス・タイムズ紙(Los Angeles Times)は10月24日、カリフォルニア州最高裁判所が、カリフォルニア大学(University of California: UC)によるトランプ政権との和解案を非公開にする要請を退けたと報じた。公開されたのはカリフォルニア大学ロサンゼルス校(University of California, Los Angeles: UCLA)への12億ドルの和解案で、UCは文書公開により、交渉に「取り返しのつかない損害」が生じると主張していた。27ページに亘るこの和解案は、政権によるUCLAの入学政策の大幅な変更、抗議活動へのより厳格な規制、未成年者への性別適合医療の禁止などを要求するもので、UCLA教職員組合(UCLA Faculty Association)が公記録法(Public Records Act)に基づき内容を公開するよう提訴し、下級裁判所がUCに開示を命じていた。トランプ政権は8月、UCLAが反ユダヤ主義への対応、入学慣行、性別アイデンティティ問題で違法行為があったとし、5億8,400万ドルの研究資金を一時停止し、大学側も罰金と補償の支払いは不可能という見解を示していた。 Los Angeles Times “Under court order, UC publicly releases Trump administration’s $1.2-billion settlement proposal” (10/24/25) https://www.latimes.com/california/story/2025-10-24/uc-publicly-release-trump-ucla-1-2-billion-settlement-offer
商務省、量子コンピューティング企業への出資交渉を否定
CNBCは10月23日、商務省(Department of Commerce)が量子コンピューティング企業との出資交渉を行っていないと報じた。ウォール・ストリート・ジャーナル紙(The Wall Street Journal: WSJ)が、トランプ政権とイオンキュー社(IonQ)、リゲッティ・コンピューティング社(Rigetti Computing)、ディー・ウェーブ・クオンタム社(D-Wave Quantum)との協議が進んでいると伝えたが、同省当局者が否定したという。トランプ政権は国家安全保障上重要な産業として、8月に半導体大手のインテル社(Intel)に10%、レアアース大手のMPマテリアルズ社(MP Materials)に15%の出資を実施し、ハワード・ラトニック商務長官(Howard Lutnick)も連邦資金の投入には政府も企業の利益を共有すべきだと主張していた。同技術は軍事的応用の可能性から各国政府が注目している。そんな中、グーグル社(Google)は23日、従来型コンピューターの1万3000倍以上の速度でアルゴリズムを実行できたとする同技術の研究成果を発表し、同産業への注目が集っている。 CNBC “Trump admin not negotiating equity stakes with quantum firms: Commerce official” (10/23/25) https://www.cnbc.com/2025/10/23/trump-quantum-stock-stake.html
NNSA、史上初の職員一時帰休 政府機関閉鎖で1,400人対象
フェデラル・ニュース・ネットワーク(Federal News Network)は10月20日、国家核安全保障局(National Nuclear Security Administration: NNSA)が25年で初めて職員の一時帰休を実施したと報じた。政府閉鎖の影響で予算が底をついたため、同日、連邦職員1,400人を一時帰休とした。一方で、核物質管理施設の安全管理に最低限必要な業務の継続のため、約400人の職員が引き続き業務に従事しており、無給での勤務が続いているという。クリス・ライトエネルギー長官(Chris Wright)はネバダ州ラスベガスで「(同局での職員一時帰休は)これまでに前例がない」と言及した。政府機関の閉鎖は、2018~19年の35日間閉鎖の最長記録に迫る勢いとなっている。同長官は予算管理庁(Office of Management and Budget: OMB)と調整し、約10万人の雇用維持に向け「予算のやり繰りをした(do some gymnastics and stretch)」と説明したが、追加資金が枯渇すれば数万人の重要な作業員とその家族、国家安全保障が危険にさらされると警笛を鳴らしている。 Federal News Network “‘This has never happened before’: NNSA furloughs 1,400 staff” (10/20/25) ‘This has never happened before’: NNSA furloughs 1,400 staff