Category:その他
テキサス州電気信頼性評議会(ERCOT)、電力需要増にソーラー/風力/蓄電池で対応
2021年以来、テキサス州電気信頼性評議会(Electric Reliability Council of Texas Inc.: ERCOT)の管轄内の電力需要は一貫して増加しており、今年1~9月におけるERCOTの電力需要は過去最高を記録した。同期間におけるERCOTの電力需要は前年同期に比べて5%増加して72テラワット時(TWh)に達した。これは2021年同期間に比べて23%大きい。2023年以来、ERCOT内で最も急速に成長した電力供給源は風力及び太陽光発電(特にユーティリティ規模の太陽光発電)で、これらは需要増大への対応において大きな役割を担いつつある。例えば、2025年1~9月にユーティリティ規模の太陽光発電は45TWhの電力を生産しており、前年同期比50%増であるほか、風力発電も前年同期比4%増の87TWhとなっている。また、ERCOTは2024年10月から、毎時の蓄電池出力の記録を開始しており、2025年夏季には、太陽光発電の出力が低下する夕方に蓄電池が電力供給の助けとなり、午後8時台には平均で4GWを供給した。 Energy Information Administration “ERCOT increasingly meets rising demand with solar, wind, and batteries” (10/24/25) https://www.eia.gov/todayinenergy/detail.php?id=66464
ライト・エネルギー長官、データセンターの系統接続加速化をFERCに要請
クリス・ライト・エネルギー長官(Chris Wright)は10月24日、連邦エネルギー規制委員会(Federal Energy Regulatory Commission: FERC)に対し、データセンターを含む電力大型需要設備の系統接続を早急に加速するための規則案を提示し、規則策定手続きを開始するよう指示した。まず、ライト長官は、データセンターなど消費電力量が莫大な大規模負荷を送電網に接続する「大規模負荷接続(large load interconnection)」に関し、FERCが監督機関となることを求めた。その上で、同一地点に設置される大規模負荷設備と発電設備の系統接続を一括申請することを可能にするよう提案している。これにより、調査時間や電力網の改善費用が大幅に削減され、追加の発電や電力供給の稼働までに必要な時間も削減されると期待されている。ライト長官はまた、予備的な水力発電の認可に関する不要な負担を排除する規則策定手続きを開始することもFERCに指示した。 Department of Energy “Secretary Wright Acts to Unleash American Industry and Innovation with Newly Proposed Rules” (10/24/25) https://www.energy.gov/articles/secretary-wright-acts-unleash-american-industry-and-innovation-newly-proposed-rules
DARPA、計算・検知・知的システムのアイデアを募集
国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)は10月16日、数学・計算・処理、複雑かつ動的な知的システム、検知・測定・作用、マテリアル・製造・構造の分野における革新的なアイデアを模索する「ピッチデー公募(Pitch Day Solicitation)」を発表した。選出された企業は、2026年1月14日にフロリダ州で開催されるDARPAピッチデーで自らのアイデアをDARPA担当者に発表することになる。DARPAは、国家安全保障目標達成の一環として、戦略的な奇襲を創出する可能性があるアイデアを求めている。 Military+Aerospace Electronics “DARPA Researchers ask industry for ideas in computation, sensing, and intelligent systems” (10/20/25) https://www.militaryaerospace.com/computers/article/55324121/ideas-wanted-in-computation-sensing-and-intelligent-systems
オープンソース型AIモデル、研究活動を支援 CSET報告
安全保障・新興技術センター(Center for Security and Emerging Technology: CSET)は10月、オープンソースの大規模言語モデル(Large Language Models: LLM)は研究分野において、クローズドモデルよりも多様な用途を可能にするとの分析結果を発表した。同センターは、モデルの性能を決定づけるパラメーター値である「重み(weight)」の利用を必要とする250以上の科学論文を分析した結果、7つの主要用途が明らかになった。具体的には、モデルの継続的事前学習、圧縮、異なるモデルの結合、内部機能の詳細な検証など、重みを活用することのみによって実現することができる使い方に加え、カスタム微調整やモデル内部の解釈性研究などにも使われているという。また、オープンモデルを使用した研究論文は学術機関が大半を占め、国別では、国内で64%、中国では38%を占めたことも分かった。研究者らはオープンソースモデルにより、より幅広い研究課題の調査と実験手法の実施が可能になると結論づけている。 CSET “The Use of Open Models in Research” (10/24/25) The Use of Open Models in Research
空軍基地を民間にリース AIデータセンター建設向け
ディフェンス・ニュース(Defense News)は10月24日、空軍(Air Force)が5つの基地に亘る約3,100エーカーの土地を民間企業に開放し、人工知能(AI)データセンター建設を計画していると報じた。アーノルド空軍基地(Arnold Air Force Base・テネシー州)、デイビス・モンサン空軍基地(Davis-Monthan Air Force Base・アリゾナ州)、エドワーズ空軍基地(Edwards Air Force Base・カリフォルニア州)、マクガイア・ディクス・レイクハースト統合基地(Joint Base McGuire-Dix-Lakehurst・ニュージャージー州)、ロビンス空軍基地(Robins Air Force Base・ジョージア州)の5基地が対象で、1月と7月に発令されたAI技術の採用加速とデータセンター建設促進を求める大統領令に対応する。空軍は開発提案を民間から募集しており、条件は100メガワット(MW)以上の新規電力供給と5億ドル以上の投資額とした。土地リース期間は原則50年以内で、民間企業が運営する。提案締切は11月14日で、来年1月に選定が行われる予定である。 DefenseNews “US Air Force to lease base land for private AI data centers” (10/24/25) https://www.defensenews.com/air/2025/10/23/us-air-force-to-lease-base-land-for-private-ai-data-centers/
コンビニ各社、EV充電器投資で採算取れず
ユーティリティ・ダイブ(Utility Dive)は10月23日、コンビニエンスストア大手各社が電気自動車(EV)充電器への投資が収益を生んでおらず、事業拡大の正当化が困難になっていると報じた。東部で300店舗以上を展開するノウリア社(Nouria)は同社店舗の約4分の1に充電器を設置したものの、充電利用は前年から減少し、投資に見合う収益が得られていないと明かした。ペンシルベニア州を拠点に800店舗以上を運営するシーツ社(Sheetz)も「EVの勢いは鈍化している」と指摘し、同社店舗の約20%に充電器を設置しているが、政府補助金やテスラ社(Tesla)などの充電企業からの支援が減少する中、建設コストが上昇し、採算を取るにはより多くの利用者が必要であると説明した。パーカーズ・キッチン社(Parker’s Kitchen)も、EV普及は「以前の予測通りには進んでいない」と指摘し、運輸エネルギー研究所(Transportation Energy Institute)の報告書でもコンビニでのEV充電回数は、月平均130回未満にとどまっていることが明らかになっている。 Utility Dive “Convenience store executives say EV charging investments not paying off” (10/23/25) https://www.defensenews.com/air/2025/10/23/us-air-force-to-lease-base-land-for-private-ai-data-centers/
2025年のクリーンエネルギー投資中止、240億ドル超
E2は10月22日、2025年に民間企業がキャンセル・縮小したクリーンエネルギー関連プロジェクトの総額が240億ドルを超え、約2万1,000人の雇用を喪失と発表した。9月単月では、ゼネラル・モーターズ社(General Motors)がテネシー州とカンザス州の電気自動車(EV)生産ラインを縮小し1,600人が影響を受けたほか、ナトロン・エナジー社(Natron Energy)がミシガン州の電池工場を閉鎖し、ノースカロライナ州での大規模工場建設計画も中止するなど、約16億ドルのプロジェクトが失われた。エネルギー省(Department of Energy)による約80億ドルの予算打ち切りも重なり、共和党地域は特に大きな打撃を受けている。E2は、「他国がクリーンエネルギー産業で先行する中、米国の産業競争力が低下している」と懸念を表明し、水面下における資本流出や企業による海外投資模索の影響を指摘した。一方、9月に発表された新規投資は5億4,200万ドルで、主にEVや太陽光発電部品の新規製造施設、送電網インフラ整備向けのもので、約985人の雇用を見込んでいる。 E2 “E2: Companies Cancel $1.6 Billion in Clean Energy Projects in Sept; Over $24 Billion in 2025” (10/22/25) E2: Companies Cancel $1.6 Billion in Clean Energy Projects in Sept; Over $24 Billion in 2025
サイバー政策が大幅後退 CSC報告
シンクタンクの民主主義防衛財団(Foundation for Defense of Democracies: FDD)傘下のサイバースペース・ソラリウム委員会2.0(Cyberspace Solarium Commission: CSC 2.0)は10月22日、政府のサイバーセキュリティ政策実施が前年比で13パーセント後退したと発表した。完全実施と評価された約39件の約4分の1が、予算削減や人員削減により機能不全に陥り「実施間近」や「実施予定中」といった評価となったことが大きく、設立以来の「前例のない後退」と表現した。特にサイバーセキュリティ・インフラ安全保障庁(Cybersecurity and Infrastructure Security Agency: CISA)の労働力削減により、同機関職員の約3分の1が離職したことが響いたという。政府による予算削減や多様性・平等性・包摂性(DEI)イニシアティブの廃止、偽情報や外国の悪意のある影響力に対抗するための情報操作対策の縮小により、政府のサイバー人材プールが著しく減少したとし、同委員会は行政府と議会に人員と資金の復旧を強く求めている。 CSC 2.0 “2025 Annual Report on Implementation” (10/22/25) 2025 Annual Report on Implementation 参照記事 NEXTGOV/FCW “US cyber policy goals have regressed during Trump 2.0 in ‘unprecedented setback,’ landmark report says” (10/22/25) https://www.nextgov.com/cybersecurity/2025/10/us-cyber-policy-goals-have-regressed-during-trump-20-unprecedented-setback-landmark-report-says/408990/?oref=ng-home-top-story
政府、量子コンピュータ企業の株式取得を模索 出資と引き換え
ウォール・ストリート・ジャーナル紙(The Wall Street Journal)は10月23日、トランプ政権が重要分野と位置付ける量子コンピュータ企業に対する連邦政府の資金提供と引き換えに、商務省(Department of Commerce)への株式譲渡を交渉していると報じた。8月のインテル社(Intel)との約90億ドルの助成金を株式に転換する取り引きに続くもので、今般、イオンキュー社(IonQ)、リゲッティ・コンピューティング社(Rigetti Computing)、D-ウェーブ・クオンタム社(D-Wave Quantum)など複数の量子コンピュータ企業に対しても、政府からの最低1,000万ドル規模の資金提供と引き換えに、同省が株式を保有すると内容での議論が進められているという。クオンタム・コンピューティング(Quantum Computing)などの他の技術企業にも同様の内容が提示されるとみられ、ハワード・ラトニック商務長官(Howard Lutnick)は、納税者の資金が財政支援と承認の証であるとし、その利益を政府が共有すべきであると主張した。記事は、同分野への政府の介入が拡大するだろうと伝えている。 WSJ “Trump Administration in Talks to Take Equity Stakes in Quantum-Computing Firms” (10/23/25) https://www.wsj.com/business/entrepreneurship/trump-administration-in-talks-to-take-equity-stakes-in-quantum-computing-firms-60ee5143
ゲイツ氏ら著名投資家 気候スタートアップ投資を本格化
アクシオス(Axios)は10月23日、ビル・ゲイツ氏(Bill Gates)、ジョン・アーノルド氏(John Arnold)、ビノッド・コスラ氏(Vinod Khosla)ら著名投資家が高リスク気候技術スタートアップへの投資加速に向け、協調融資の仕組みを構築していると報じた。元テッド(Technology Entertainment Design: TED)代表のクリス・アンダーソン氏(Chris Anderson)が主催したカリフォルニア州ハーフムーンベイ(Half Moon Bay)でのイベント「オール・アボード・ファンド(All Aboard Fund)」で、エネルギー貯蔵、地熱、カーボン回収、水素など20社のスタートアップがプレゼンテーションを行う中で、発表されたものである。気候投資推進を目的とする基金で、ブレークスルー・エネルギー・ベンチャーズ(Breakthrough Energy Ventures)やエネルギー・インパクト・パートナーズ(Energy Impact Partners)などの投資企業14社が関与し、商業規模プロジェクトの実現に向けて支援する。政治的逆風下であるものの、同基金の初期目標額は3億ドルとし、今後数十億ドルの調達を目指すという。 Axios “Investors mull locking arms to back high-risk climate tech” (10/23/25) https://www.axios.com/2025/10/23/bill-gates-john-arnold-climate-tech-startups