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レポート

FDA、510(k)プログラムと政策決定における科学の活用に関する評価を発表

FDAは8月4日、二つの報告書を発表した。一つ目は、医療機器・放射線保健センター(Center for Devices and Radiological Health:CDRH)による市場販売前審査プロセス(510(k)プログラム)の強化および明確化に関するものである。近年、510(k)プログラムに対する懸念がFDA内外から指摘されており、これに対処することを目的とした報告書となっている。もう一つは、CDRHにおける政策決定過程における科学の活用方法を評価したものである。これは、イノベーションに必要な予測可能な規制環境を維持しつつ新しい科学情報を取り入れていくことを狙いとしており、医療機器イノベーションの育成、予測可能な規制環境の強化、患者の安全性の強化といった面から様々な勧告を行っている。 U.S. Department of Health & Human Services “FDA Issues Assessments of the 510(k) Program and Use of Science in Decision-Making” (08/04/10)

米国研究論文の無料アクセス化により10億ドルの効果が生まれるとの試算

オーストラリアのビクトリア大学(Victoria University)のエコノミスト、ジョン・ホートン氏(John Houghton)が発表した経済分析報告によれば、公費で行われている科学研究の論文へのアクセスを無料にすることで、30年間で10億ドル以上の経済効果が米国にもたらされるという。国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)ではグラント受益者に対し、グラント研究成果をまとめた論文を一定期間後(12ヵ月後)に無料公開するよう義務付けており、議会は現在この方針を11の研究省庁に拡大すると共に、NIHグラント受給者の論文一般無料公開開始期間を、研究論文発表6ヶ月後に短縮することを検討している。ホートン氏による報告書はこの政策による影響を分析したもので、論文へのアクセスが無料になることで、論文を購入しなければならない場合に比べ、ダウンロードや引用が増えるとのビジネスモデルに基づいている。 ScienceInsider “Free Access to U.S. Research Papers Could Yield $1 Billion in Benefits” (08/04/10)

エネルギー省報告書、米国風力市場に光

エネルギー省(Department of Energy)のローレンス・バークレー国立研究所(Lawrence Berkeley National Laboratory)が8月4日に発表した報告書「風力技術市場報告書(Wind Technologies Market Report)」によれば、2009年の風力世界市場で米国は中国に次いで2番目に成長した市場であったという。報告書ではその他のキーファインディングとして、「風力発電は全米各地で普及しつつある」「風力市場の成長は米国内に投資をもたらしている」「風力発電機器の米国内製造が成長している」などが挙げられている。 PhysOrg.com “New Study Sheds Light on U.S. Wind Power Market” (08/04/10)

ベンチャー企業が創出した雇用には長期的経済効果あり

ユーイング・マリオン・カウフマン財団(Ewing Marion Kauffman Foundation)の最近の研究報告「始動の後:ベンチャー企業による雇用創出はどれぐらい持続するか?(After Inception: How Enduring is Job Creation by Startups?)」によれば、ベンチャー企業によって創出された雇用の多くは、その企業の継続に伴い、より長期的な経済効果をもたらしていることが分かった。従来、ベンチャー企業は失敗する確率が高いことから、これらの企業による雇用はすぐに蒸発すると考えられていたが、実際には、多くのベンチャー企業が失敗し雇用が失われている一方、その他の企業は継続・繁栄し、雇用を創出し続けているという。ただし、数多くの不況にさらされることで、雇用に悪影響がもたらされるともしている。 Kauffman Foundation “Jobs Created by Startup Companies Have Long-Lasting Economic Impact” (08/02/10)

NRC、バイオセキュリティー問題に迫る

国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)から調査委託を受けた全米研究評議会(National Research Council:NRC)は今週、バイオセキュリティーに関する報告書「特定物質のシーケンス・ベース分類:より明確なライン(Sequence-Based Classification of Select Agents: A Brighter Line)」を発表した。報告書は、バイオセキュリティー対策として、合成DNAの民間販売会社から定期的に遺伝子配列を購入し、これらをスクリーニングすることで生物兵器の生成を見つけるという方法は、技術的に難しく、これを政府が実際に行うことは現実的でないとの見解を示した。一方、現在の技術で可能なバイオセキュリティー対策として、規制の対象とすべき危険な病原菌をシーケンスに基づいて分類するシステムを確立することを勧告した。報告書はまた、それ自体は危険な特定物質ではないものの生物兵器の生産に関連する可能性があるシーケンスへの対処として、「イエローフラッグ」システムについても記述している。 Scientific American “NRC report pins down future biosecurity” (08/03/10)

エネルギー省、「一般的なセキュリティホールによりエネルギーグリッドが危険な状態に」と警告

エネルギー省(Department of Energy)がまとめた報告書によれば、米国内のエネルギー・インフラは、基本的なセキュリティ対策を怠っているためにサイバー攻撃の対象となる危険性があるという。これはアイダホ国立研究所(Idaho National Laboratory)の研究者が2003年から2009年の間に24の産業制御システム(industrial control system)を試験した結果をまとめた、先月公開の報告書において指摘されている。この試験においてはエネルギー・インフラにはセキュリティホールが存在していることが確認されたが、高度なセキュリティ対策を行うことでシステムのセキュリティを強化することが可能であり、それにはエネルギー専門家やソフトウェアプロバイダーによる更なる取り組みが必要であると報告書は結論付けている。 CNET News “DOE: Common security holes leave energy grid vulnerable” (08/03/10)

ANSI、ナノメディシン標準化に関するワークショップ結果を発表

ANSIと化学遺産財団(Chemical Heritage Foundation)が7月12日に共同開催した、ナノ標準に関するワークショップの報告書が発表された。ワークショップはナノメディシンに関する討議が中心となっており、ターミノロジーや分類について検討が行われた結果がまとめられている。 ANSI, “ANSI Announces Availability of Workshop Report on Nanomedicine Terminology and Standards” (8/4/2010)

デューク大学の報告書、「いまや太陽光エネルギーは原子力エネルギーよりも安価」

デューク大学(Duke University)のジョン・ブラックバーン経済学教授(John O. Blackburn)と同大学院生サム・カニンガム氏(Sam Cunningham)が執筆した報告書「太陽光と原子力のコスト:歴史的交差」によれば、同州が位置するノースカロライナ州において、太陽光エネルギーのコストが原子力エネルギーのコストとついに一致するという「歴史的接点」を迎え、現在は太陽光エネルギーが新たな低価格再生可能エネルギー源として主役の座を奪いつつあるという。これまで連邦や州政府が原子力エネルギーの後押しをしてきたとの見方もある中、本報告書は、太陽光エネルギーのコストが原子力エネルギーのコストと同じとなり(キロワット時あたり16セント)、さらに低下しつつある現在、原子力推進の動きが緩やかになり、政府は原子力とその他の再生可能エネルギーの混合により目を向けるのではないかと推測している。 Daily Tech “Duke Report Claims Solar Energy is Now Cheaper Than Nuclear Power” (08/02/10)

議会共同経済委員会、米国製造業レポート発表

議会共同経済委員会(U.S. Congress Joint Economic Committee)は、8月2日、米国製造業の状況をまとめた20ページに渡るレポート「Understanding the Economy: Promising Signs of Recovery in Manufacturing」を発表した。この中では、製造業の中でも耐久財分野が景気後退によって最も影響を受けたこと、また、2010年前半において13万6,000人の新規製造職創出が行われたこと(それらのほとんどが耐久財分野におけるもの)などのデータがまとめられており、製造業がさらにロバストでサステナブルな再生を遂げるためには、議会によるさらなる支援が必要であると結論付けている。

NRC、気候変動関連情報を取りまとめる国家システム設置を提言

米国アカデミーにおいて政策評価・提言を行う米国学術研究会議(National Research Council:NRC)は、7月22日、気候変動による深刻なリスク回避に向け、官民両セクターにおける気候変動関連情報を連邦レベルで取りまとめ、モニタリング、検証、研究、評価等に役立てる新たな国家システムの設置が望まれるとの見解を示した報告書「Informing an Effective Response to Climate Change」を発表した。この報告書は、議会からの要請基づきNRCが作成する報告書シリーズ「気候変動に対する米国の選択(America’s Climate Choices)」の一つである。 National Academies, “Reliable Information and Better Communication Needed to Guide U.S. Response to Climate Change” (7/22/2010)