Day: August 31, 2026
トランプ大統領、宇宙士官学校創設へ委員会設置
大統領府は8月28日、「米国宇宙士官学校(United States Space Academy)」新設に向け、トランプ大統領が委員会を創設する大統領令に署名したと発表した。宇宙軍(United States Space Force: USSF)や民間宇宙産業、安全保障分野の将来を担う次世代リーダーの育成を目的に、士官学校の設立計画を始め、カリキュラム設計、設置候補地の選定を進めるもので、航空宇宙局(National Aeronautics and Space Administration: NASA)長官が委員長となり計画を推進する。トランプ政権は政権発足以来、宇宙安全保障の強化を積極的に進めており、急速に拡大する宇宙領域における米国の主導権維持と人材基盤の確固たる構築に向けた取り組みの一環と説明している。具体的には技術教育とリーダシップ育成、公共奉仕の理念をもとに、宇宙分野を担う人材育成を推進していく計画で、委員会は、同校設立・運営に向け、実証事業や連携体制などに関する行政措置や立法戦略など様々な詳細事項に関する助言を大統領に提出する必要がある。 The White House “Fact Sheet: President Donald J. Trump Establishes a Commission to Design the United States Space Academy” (08/28/26) https://www.whitehouse.gov/fact-sheets/2026/08/fact-sheet-president-donald-j-trump-establishes-a-commission-to-design-the-united-states-space-academy/
知的財産集約型産業、民間GDPの44% USPTO報告
州科学技術研究所(State Science & Technology Institute: SSTI)は8月27日、知的財産(IP)集約型産業が民間部門GDPの44%、6,600万人の雇用、商品輸出額1兆5,800億ドルと米国経済に寄与しているとする特許商標庁(USPTO)の最新報告書について伝えた。従業員1人当たりの特許・商標取得数が経済全体平均を上回る産業を知財集約型と定義し、調査対象210産業のうち128産業が該当していることがわかった。うち商標が103産業と最多となり、次いで、意匠特許が91産業、実用特許が75産業と続いた。商標分野でIP集約型と認定された住宅・不動産業分野は民間部門GDPを8,300億ドル押し上げ、米国経済の中核を担う実態を浮き彫りにした。また、航空宇宙製品・部品が輸出額トップ(1,410億ドル)となったほか、ソフトウェア出版やコンピュータシステム設計や関連サービス、ケーブルテレビやその他有料番組なども米国経済に大きく貢献する形となった。 SSTI “New USPTO report tallies the economic impact of IP-intensive industries” (08/27/26) https://ssti.org/blog/new-uspto-report-tallies-economic-impact-ip-intensive-industries
ウラン生産量、2025年は210万ポンドに急増
エネルギー情報局(Energy Information Administration: EIA)は8月28日、2025年の全米におけるウラン(イエローケーキ、八酸化三ウラン:U3O8)の生産量が210万ポンドに達したと発表した。2024年の3倍超となり、2017年以来の高水準を記録した。また、2025年の地下鉱床の試掘穴数は1,824本(総掘削長100万フィート)となり、2024年の1,324本(総掘削長60万フィート)から増加、鉱床開発の掘削活動も3,708本(総掘削長130万フィート)と2024年の2,462本(総掘削長126万フィート)から大幅に増加した。一方、同年の原子力発電事業者の購入総量は4,690万ポンドと前年の5,590万ポンドから減少したものの、平均調達価格は1ポンド当たり58.46ドルと前年比11%(52.71ドル)上昇した。カナダ(32%)が最大の供給国となっており、次いでカザフスタン(28%)、オーストラリア(15%)が上位を占めた。なお、米国産は全体の7%にとどまっている。 EIA “U.S. uranium production more than tripled in 2025 and was the highest since 2017” (08/28/26) https://www.eia.gov/todayinenergy/detail.php?id=68044
サンディア科学技術パーク、経済波及効果は86億ドル
サンディア国立研究所(Sandia National Laboratories: SNL)は8月28日、隣接する「サンディア科学技術パーク(Sandia Science & Tech Park)」による最新の経済波及効果について公表した。1998年の設立以来6,600人の雇用を創出し、入居企業による累計賃金支払額は86億ドルに達した。2025年には新たに6社が参入して入居数は計47社となり、民間の総投資額は6億8,100万ドル、公的投資も1億500万ドルに上り、課税対象の消費支出は48.5億ドルに達するなど、官民連携構想モデルとしての地位を確立している。これに伴い、同年のパーク内労働者の平均年収は11万5,000ドルと、アルバカーキ首都圏平均(6万4,480ドル)を大きく上回っており、特にSNLとの近接性を生かした技術移転や共同研究が促進され、今年2月に開所した核安全保障分野の試作拠点「先端製造イノベーション・センター(Center for Advanced Manufacturing and Innovation: CAMINO)」などを通じた地域経済への貢献が顕著となったという。 SNL “Sandia Science & Tech Park bringing new companies, higher-paying jobs” (08/28/26) https://newsreleases.sandia.gov/sandia-science-tech-park-bringing-new-companies-higher-paying-jobs/
OPM、連邦政府の採用でAI活用を拡大
フェドスクープ(FedScoop)は8月28日、人事管理局(Office of Personnel Management: OPM)が連邦政府機関における採用プロセスでの人工知能(AI)利用を促進するため、一般的な人事におけるAI利用は、厳格なリスク管理を必要とする「高影響」カテゴリーに該当しないとする指針を各省庁に提示したと報じた。AIのみの判断とせず、採用担当者がAIデータを確認して精査や評価を行えば「高影響」にみなされず、同局は人による判断を補完する上でのAI利用は有用であるとの認識を示した。特にAI導入の有無が採用効率と質に影響していると指摘しており、求人情報の作成や応募者評価、採用決定前のデータ検証などにAIを活用することで業務効率化を図る狙いがある。こうした同局の指針について、専門家らは評価した一方、実質的な評価支援ツールがリスク検証なしに使われることへの懸念も指摘しているという。 FedScoop “NSF Graduate Research Fellowships Expected to Fall Next Year” (08/28/26) https://www.aip.org/fyi/nsf-graduate-research-fellowships-expected-to-fall-next-year
NSFの大学院研究奨学金、来年度枠は1,500人
米国物理協会(American Institute of Physics: AIP)は8月28日、米国科学財団(National Science Foundation: NSF)が実施する大学院研究奨学金制度(Graduate Research Fellowship Program: GRFP)の2027年採用枠が約1,500人と大幅に削減される見通しと伝えた。政権の削減要求方針を反映した新年度の募集要項によるもので、過去最高を記録した今年の約2,600人から急減する見通しとなっている。公募ではSTEM教育・学習に関する研究や社会・行動・経済科学分野が対象外となったほか、これまで90日間としていた提出期限を60日間以内と大幅に短縮した。NSFは最終的な採用数は今後の議会予算審議に委ねられるとしているものの、専門家らは応募者減少を懸念しており、少なくとも2,500件を確保するよう求める声が上がっている。 AIP “NSF Graduate Research Fellowships Expected to Fall Next Year” (08/28/26) https://www.aip.org/fyi/nsf-graduate-research-fellowships-expected-to-fall-next-year
エネルギー省、水力発電許認可の迅速化に550万ドル
エネルギー省(Department of Energy)の水力発電・水力運動エネルギー局(Hydropower and Hydrokinetic Office: H2O)は8月28日、水力発電施設の許認可及び更新手続きの迅速化とコスト削減に向け、国立研究所の11事業に総額550万ドルを交付すると発表した。連邦エネルギー規制委員会(Federal Energy Regulatory Commission: FERC)が交付する許認可は30〜50年間有効であるが、維持・更新には膨大な影響評価研究や調査が義務付けられていることから、関係者の合意形成を迅速に進めるツールやデータセットの提供を通じて、許認可プロセスの簡素化を図る。具体的には、追加設置型揚水式水力発電の影響評価や、魚類の遡上リスクなどをモニタリングする魚道(魚介類専用の道)におけるイノベーション(魚類通過技術)や環境モニタリング、さらにノルウェーとの技術提携やアラスカ僻地でもデータ管理システムを導入するほか、人工知能(AI)を活用した水質・運用予測など、多角的な課題解決型プロジェクトを実施していく計画となっている。 Department of Energy “DOE’s Hydropower and Hydrokinetic Office Announces Funding for National Laboratory Projects to Streamline American Hydropower Permitting” (08/28/26) https://www.energy.gov/cmei/water/articles/does-hydropower-and-hydrokinetic-office-announces-funding-national-laboratory
ニューヨーク州、学術用最先端AIスパコンの運用開始
ニューヨーク州のキャシー・ホークル知事(Kathy Hochul)は8月5日、全米最大級の処理能力を誇る学術研究向けスパコン「エンパイアAIベータ版(Empire AI Beta)」の本格運用を開始したと発表した。州内大学や研究機関に高度な計算資源を提供するために4,000万ドルを投じて開発したシステムで、ニューヨーク州立大学バッファロー校(State University of New York at Buffalo)に設置された。州は、公共の利益に資する責任ある人工知能(AI)研究推進の重要な節目と位置付けており、今後、医療診断や気候変動対策など300を超える研究事業を加速していく方針を示した。2024年に開始した同州のエンパイアAI構想は、米国科学財団(National Science Foundation: NSF)が主導する地域AIインフラ構築計画の先行モデルとして全米から注目を集めており、既に官民から計5億ドル以上の資金を調達しており、「ガンマ版(Gamma)」施設が2027年末までに完成予定である。 New York State “Governor Hochul Announces Empire AI Beta Fully Online as Federal Government Takes Inspiration From New York to Launch State and Regional AI Infrastructure Hubs” (08/05/26) https://www.governor.ny.gov/news/governor-hochul-announces-empire-ai-beta-fully-online-federal-government-takes-inspiration-new
ニューヨーク州、量子技術の商用化ハブ構築へ6,000万ドル
カナダの量子技術専門メディア、クオンタム・インサイダー(Quantum Insider)は8月13日、ニューヨーク州が州内スタートアップの量子技術商用化支援に向け最大6,000万ドルを投じると報じた。州内最大4ヵ所の地域拠点を新設し、各拠点へ約1,500万ドルを充当する計画で、州経済開発局(Empire State Development: ESD)が提案を募集している。既存の量子研究基盤強化に向けた取り組みの一環で、非営利団体を対象に大学や研究機関による量子計算やセンサー、通信分野の研究成果を製品化や企業設立へ結び付ける共有インフラを構築する。特に試作開発や企業との共同実証、資金調達支援などを通じて量子産業の集積と経済波及効果を目指しており、各拠点との連携を通じて全州規模のネットワークを構築する方針である。なお、スタートアップ育成も今回取り組みの重要要素とし、提案書の提出期限を10月14日午後2時(米国東部時間)とした。 Quantum Insider “New York Opens $60 Million RFP for Quantum Technology Hubs” (08/13/26) New York Opens $60 Million RFP for Quantum Technology Hubs