Day: August 13, 2026
CSET、軍へのAI導入とサイバー適合刷新を提言
安全保障・新興技術センター(Center for Security and Emerging Technology: CSET)は8月、連邦政府のサイバーセキュリティ評価プロセスが先端人工知能(AI)技術の軍事配備を阻害しているとする分析報告書を発表した。10年以上もの間、継続的に制度改革に取り組んできたにも関わらず、問題が解決されてこなかった要因として、運用承認(Authorization to Operate: ATO)の遅延を挙げた。特に責任者や基準が不透明で、この課題を解消するよう提言している。また、AIを活用した提出書類の標準化や機械可読化の推進のほか、自動化されたAIレッドチーム(セキュリティ攻撃耐性を検証するチーム)による継続的な脅威評価の導入も求めた。さらに、他部署の評価結果を再利用する相互承認制度の義務化を通じて、手続きの重複を排除するよう促しており、CSETは手続きによる技術の現場配備停滞を解消し、商用イノベーションの軍事応用を迅速化することで、安全保障強化につながると提言している。 CSET “Outpaced: AI and Policy’s Role in Transforming Cybersecurity Compliance” (08/XX/26) Outpaced: AI and Policy’s Role in Transforming Cybersecurity Compliance
ユタ州、州量子イニシアチブを開始 新評議会設置へ
ユタ州のスペンサー・コックス知事(Spencer J. Cox)は8月10日、量子技術の研究開発や商用化、人材育成を加速させる州の総合戦略「ユタ州量子イニシアチブ(Utah Quantum Initiative)」を始動すると発表した。これに伴い、知事経済開発局(Governor’s Office of Economic Development: GOED)が主導する量子調整評議会(Quantum Coordination Council)を新たに設置し、量子技術を州の経済戦略の重点分野と位置付け、民間投資の誘致や連邦政府の支援獲得を目指す。同州は量子センサーや光工学、量子材料分野に強みがあり、量子シミュレーションや古典・量子ハイブリッド計算に利用できる高性能コンピューターなど州内インフラが既に整備されており、さらに、既存の半導体・先端製造業基盤、防衛資産なども分野横断的に活用していく考えを示した。また、教育や見習い機会を通じた専門人材の育成、防衛・ライフサイエンス分野への商用化を進める方針で、評議会は2027年3月30日までにインフラや人材資産を網羅した報告書を取りまとめる予定となっている。 Governor Cox “Gov. Cox launches Utah Quantum Initiative” (08/10/26) Gov. Cox launches Utah Quantum Initiative
DARPAプログラム、重量物運搬ドローンで新基準達成
国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Projects Agency: DARPA)は8月11日、垂直離着陸航空機の性能向上を競うコンテスト「リフト・チャレンジ(Lift Challenge)」でアビドローン社(AVIDrone)が新基準を達成したと発表した。軍事・民間の物流イノベーションに向けた新型ドローンの提案を募る技術競技会で、同社の機体が積載重量比3.84対1を記録した。目標の4対1には届かなかったものの、従来ヘリコプターの性能限界を超える成果を示した。同局は、今回の成果を航空宇宙産業の技術イノベーションを加速させると評価し、こうした技術が将来的に広く普及していくとの見通しを示している。また、中小企業イノベーション研究(Small Business Innovation Research: SBIR)制度による資金提供や、傘下の商業戦略局(Commercial Strategy Office)を通じた投資家とのマッチングを通じて、実用化に向けた技術育成や安全保障・民生分野への導入を支援していく方針を示した。 DARPA “Lift Challenge results” (08/11/26) https://www.darpa.mil/news/2026/lift-challenge-awards
国防総省、ミサイル防衛の新デジタル拠点を開設
国防総省(Department of Defense)は8月11日、本土ミサイル防衛構想「ゴールデン・ドーム(Golden Dome for America)」の産業連携を加速させるデジタル拠点「ゴールデン・ドーム・フォー・アメリカ・エコシステム・ハブ(Golden Dome for America Ecosystem Hub)」を開設したと発表した。防衛企業や商業技術企業、ベンチャーキャピタル、研究機関などを直接つなぐ統一窓口として機能するポータルで、従来の煩雑な許認可手続きを削減し、現場への迅速な技術配備を促す体制を整備した。同省は、リアルタイムに技術課題を公開することで、民間の知見や既存製品を活用していく計画で、1,850億ドルの予算範囲内で、多層的な防衛シールドを迅速かつ低コストに構築する方針を示している。また、供給網(サプライチェーン)の強化に向け、参入障壁の撤廃を推進するとし、新興企業など多様な企業の参入を促している。 Department of Defense “Department of War Launches the ‘Golden Dome for America Hub’ To Accelerate Industry Engagement, Revolutionize Homeland Missile Defense Partnerships” (08/11/26) https://www.war.gov/News/Releases/Release/Article/4568639/department-of-war-launches-the-golden-dome-for-america-hub-to-accelerate-indust/
ORNLと京都フュージョニアリング社、核融合施設を建設へ
オークリッジ国立研究所(Oak Ridge National Laboratory: ORNL)は8月11日、京都フュージョニアリング社(Kyoto Fusioneering: KF)と連携し、商用核融合発電の実現に向けた実証施設「ユニティ3(UNITY-3)」をテネシー州に建設すると発表した。エネルギー省(Department of Energy)の資金提供を受け、14メガ電子ボルト(MeV)の強力な中性子源を備えた最新施設を建設する計画で、これに伴い、KF社は米国本社をテネシー州へ移転する。具体的には、増殖ブランケット(炉内の熱を回収し、核融合反応で生まれた中性子を当て発電燃料となるトリチウムを増殖)試験施設の建設と運用を担う計画で、先端センサーによる高精度な計測データを通じて、燃料となるトリチウムの生産や増殖ブランケットの性能評価を実際の核融合環境に近い条件で行う。これまで実環境での検証データが存在しなかった商用ブランケットの試作評価やトリチウム生成の計算モデル検証ほか、AIを活用した増殖ブランケットのデジタルツイン構築が可能になると説明している。 ORNL “ORNL, Kyoto Fusioneering to develop fusion technology test facility in East Tennessee” (08/11/26) https://www.ornl.gov/news/ornl-kyoto-fusioneering-develop-fusion-technology-test-facility-east-tennessee