NIH、データ共有規則を強化

国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)が先週公表した方針草案によれば、NIHの資金を受益している全ての研究者は、受益プロジェクトの規模にかかわらず、そのデータセットの共有に関する詳細な計画を提出することが義務付けられる。これには研究対象のプライバシー保護に関する措置も含まれる。この規則は2003年方針の改訂版で、NIHは本件に関する意見を過去3年間模索しており、バイオメディカル研究コミュニティにとってはこの草案は大きな驚きではない。NIHは2020年1月10日までコメントを受け受け、来年中に新たな規則を取りまとめたいと考えている。NIH及びその傘下の27機関では既に多くのデータ共有方針があるが、その実施状況にはばらつきがあることから、今回NIH全体での方針改定となった。​ ​ Science “Why NIH is beefing up its data sharing rules after 16 years” (11/11/19) ​

EPA、公衆衛生規則を作成する際の科学の使用を制限へ​

トランプ政権は、公衆衛生規則を判断する際に政府が使用できる科学及び医療研究を大幅に規制する準備を進めている。科学者や医師は、こうした新たな規則は政府の政策策定の科学的根拠を損なう可能性があると抗議しているが、政権はこうした抗議を受け付けずに進めている。環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)が発表した「規制科学の透明性強化(Strengthening Transparency in Regulatory Science)」規則草案は、「連邦機関が学術研究の結論を考慮する前に、科学者は全ての生データ(秘密保持のある医療記録も含め)を開示することが義務付けられる」としている。EPA高官は、これは透明性に向けたステップの一つであり、生データを開示することで結論を独立した形で検証することが可能になる」と述べている。しかし、汚染と疾病の関係を詳しく調査する研究の多くは、個人の医療情報に依存しており、これらの情報は秘密保持契約に基づいて収集されていることから、今回の措置は大気浄化及び水質に関する新規則の策定を難しくするものと考えられている。 ​ New York Times “E.P.A. to Limit Science Used to Write Public Health Rules” (11/11/19) ​

ペリー長官の政治的支持者、ウクライナでの大型天然ガス権利を獲得

米国エネルギー省(Department of Energy)のリック・ペリー長官(Rick Perry)が、ウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー新大統領(Volodymyr Zelenskiy)のアドバイザーとして自分の政治的支持者を提案した直後、その支持者は、同国で大幅な利益をもたらす可能性がある石油・天然ガス探査契約を取得した。ペリー長官は今年初め、ゼレンスキー新政府が米国からの軍事援助を模索し、またトランプ大統領の側近がウクライナに、民主党のライバルであるジョー・バイデン氏(Joe Biden)に対する捜査を行うよう働きかけていた頃、ウクライナのエネルギー政策に影響を及ぼそうとしていた。ペリー長官が5月のゼレンスキー新大統領就任式に出席し、会合を行った際、自分が推薦するエネルギー・アドバイザーの候補者リストを大統領に手渡していた。その1週間後、ペリー長官の政治的支持者2名がウクライナ国内で政府が管理する石油・天然ガス田の掘削権利に入札し、両者が提示する金銭的条件は競合者の提示よりも良くなかったものの、政府任命の委員会が「より技術的専門性と強力な資金源がある」と判断して選出された。​ ​ AP News “After boost from Perry, backers got huge gas deal in Ukraine” (11/11/19) ​

エネルギー省の製造研究所、プラスチックリサイクルにおける課題に対処する提案を要請​

エネルギー省(Department of Energy)は11月8日、米国の製造事業者がプラスチックやその他のマテリアルの回収/リサイクル/再利用/再製造を増加させることを目的とした研究開発/教育/労働力開発を支援するプロジェクトを募集する資金提供公募を発表した。エネルギー省傘下の「具現化されたエネルギーの削減と排出削減の製造研究所(Reducing EMbodied energy And Decreasing Emissions(REMADE) Manufacturing Institute)」が、12~18件の研究開発プロジェクトと4~8件の教育及び労働力開発プロジェクトに合計1,200万ドルを提供する(加えて1,200万ドルが費用分担資金として提供される)。​ ​ Department of Energy “Energy Department Manufacturing Institute Announces Call for Proposals to Address Challenges in Plastics Recycling” (11/8/19) ​

IARPA、アナリスト向け情報抽出を改善する「BETTER」プログラムを開始​

情報先端研究事業局(Intelligence Advanced Research Projects Activity: IARPA)は11月7日、「検索強化に向けた、テキストからのより良い抽出(Better Extraction from Text Towards Enhanced Retrieval: BETTER)」プログラムの開始を発表した。BETTERは複数年に亘って行われる研究活動で、複数の言語及びトピックで、個々のアナリスト向けに、個別化された情報を抽出する能力を開発することを狙いとしている。プログラムでは、きめの細かい知識発見に対処するための複雑な情報抽出業務に重点が置かれ、研究者は、複数の言語でユーザー・フィードバックによる情報を基に、意味的な特徴を情報検索及び文書関連性順位に適用する。BETTERプログラムの参加チームは、深層学習手法を使って、比較的少数の言語サンプルとユーザー・フィードバックに基づき、知識発見の向上に取り組む。参加チームとして、レイセオンBBN社(Raytheon BBN)、ジョンズホプキンス大学(Johns Hopkins University)、ブラウン大学(Brown University)、サザンカリフォルニア大学情報科学研究所(University of Southern California Information Sciences Institute)が主導する各チームが選出され、MITRE(非営利研究組織)と米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)が参加チームの評価を行う。​ ​ Office of the Director of National Intelligence “IARPA Launches “BETTER” Program to Improve Information Extraction for Analysts” (11/7/19) ​

国防イノベーション委員会、技術系人材を獲得する早道を勧告​

国防イノベーション委員会(Defense Innovation Board)は、10月31日に発表した報告書の中で、「国防総省(Department of Defense)は、技術系人材を拡充するための免除措置から恩恵を受けるだろう。国防総省の指導者たちは、軍事部門における既存のデジタル人材を増やし、活用するための行動を今取らなければ、重要な技術的競争で競合者に遅れを取るリスクがある」と勧告している。また、同委員会は、各軍事部門が、デジタル・イノベーション・スキルを持つ人材(軍人)を育成、使用、推進できるようになるまでの間、高価値の人材を引き付けかつ維持するための「デジタル・イノベーション人材管理プログラム(Digital Innovation Talent Management program)」を新設することを推奨している。本プログラムの目標は、現在、技術スキルを持つ軍人が直面している障害、-具体的にはデジタル分野での役割を担う前にオペレーション部門で奉仕することを義務付けられている点と、部外の任務を引き受けることを阻止する文化-を排除することである。​ ​ FCW “DOD’s innovation board recommends hiring shortcuts for tech talent” (11/7/19) ​

エネルギー省、生態系プロセスの新たな研究に1,000万ドルを提供

エネルギー省(Department of Energy)は11月8日、現在の地球システムモデルの正確性を向上させることを狙いとして、新たな観測及び実験研究に1,000万ドルを提供する計画であると発表した。研究は、3つの異なる環境(陸地、水域、地下)に重点を置いたものとなる。本イニシアチブの下で行われる研究は、土壌と植生、水域上の大気の流れと海岸システムなどの相互作用、総合的な水域で生じている複雑なプロセスなどが対象となる。大学、業界、非営利研究機関が主導機関となって応募することが可能で、エネルギー省傘下の国立研究所やその他の連邦機関と提携することも可能である。​ ​ Department of Energy “DOE to Provide $10 Million for New Research into Ecosystem Processes” (11/8/19) ​

エネルギー省、核融合エネルギーのR&Dに3,000万ドルを発表​

エネルギー省(Department of Energy)は11月7日、エネルギー高等研究局(Advanced Research Projects Agency-Energy: ARPA-E)の新しいプログラム、「熱核反応核融合エネルギーを実現するブレイクスルー(Breakthrough Enabling Thermonuclear-fusion Energy: BETHE)」の資金として最高3,000万ドルを提供すると発表した。BETHEプロジェクトは、タイムリーで商業的に実行可能な核融合エネルギーの開発を支援する。低コストの核融合概念の数と性能レベルを引き上げることが狙いである。管理された核融合は、安全でクリーンで豊富なエネルギー生成の可能性を秘めていることから、長い間、理想的なエネルギー資源とみなされていたが、その技術的課題と費用の問題から技術開発が遅れている。BETHEプログラムは、こうした課題に対処することを模索するものである。​ ​ Department of Energy “Department of Energy Announces $30 Million for Fusion Energy R&D” (11/7/19) ​

エネルギー省の化石エネルギー局、2019年グリッド近代化ラボ・コールの一環として約800万ドルを助成​

エネルギー省(Department of Energy)の化石エネルギー局(Office of Fossil Energy: FE)は11月6日、DOEの2019年グリッド近代化ラボ・コール(2019 Grid Modernization Lab Call)を通じて、3件のプロジェクトに合計約800万ドルの連邦資金を提供すると発表した。3件のプロジェクトは、エネルギー省全体で行われた資金提供公募(合計約8,000万ドル)の一部である。2019年グリッド近代化ラボ・コールは、エネルギー省の5つの応用エネルギー局(FE、サイバーセキュリティ/エネルギー安全/緊急対応局(Office of Cybersecurity, Energy Security, and Emergency Response)、電力局(Office of Electricity)、エネルギー効率・再生可能エネルギー局(Office of Energy Efficiency and Renewable Energy: EERE)、原子力エネルギー局(Office of Nuclear Energy))が全て参加しているという点でユニークであり、それぞれのプロジェクトは少なくとも2つの局から支援を受けている。​ ​ Department of Energy “FE Announces Approximately $8M for Projects under the U.S. Department of Energy’s 2019 Grid Modernization Lab Call” (11/6/19) ​

分散型ソーラーの価格は年間5~7%下落

ローレンス・バークレー国立研究所(Lawrence Berkeley National Laboratory)が毎年発表している「トラッキング・ザ・サン(Tracking the Sun)」レポートによれば、分散型ソーラー発電システムの価格は2018年に減少し続け、ソーラー・システムはより規模が大きくかつ効率的になっているという。このレポートは、分散型ソーラー・プロジェクトの価格と技術トレンドを全国的に調査したもの。キーファインディングとして、①設置済みシステムの価格は2018年全般から2019年へ通じて下落し続けており、全国的な同価格の中央値は前年比で5~7%下落している、②設置済みシステムの価格は州によってばらつきがある(例として、住宅用システムの1ワット当たりの価格は、ウィスコンシン州の2.8ドルからロードアイランド州の4.40ドルと幅広い)、③分散型太陽光発電システムはより大きく、より効率的になっている、などが挙げられている。​ ​ Berkeley Lab “Distributed Solar Prices Fall Annually by 5% to 7%” (11/6/19) ​