国防イノベーション委員会のジョシュ・マークーズ氏、グーグル社へ

国防イノベーション委員会(Defense Innovation Board: DIB)のエグゼクティブ・ディレクターとして、軍における技術主唱者の役割を務めていたジョシュ・マークーズ氏(Josh Marcuse)が、同職を去り、グーグル社(Google)の公的部門へ移動することが明らかになった。DIBは国防総省(Department of Defense)に助言する機関で、マークーズ氏のリーダーシップの下、同省のソフトウェア調達政策で大型改革を奨励し、合同人工知能センター(Joint Artificial Intelligence Center)の倫理原則を草案するなどした(草案はほぼ全面的に採択された)。更に、マークーズ氏は、「合同エンタープライズ国防インフラ・クラウド(Joint Enterprise Defense Infrastructure cloud: JEDI)」の初期の提唱者でもあった。同氏は2016年以来、DIBのエグゼクティブ・ディレクターを務めており、それ以外にも数多くのイノベーション政策で役割を務めてきた。グーグル社では、グローバル公的部門向け戦略及びイノベーションのトップ(head of strategy and innovation for global public sector)に就任する。​ ​ Fed Scoop “Defense Innovation Board’s Josh Marcuse heads to Google” (5/4/20) ​

FDA、新型コロナウィルス感染症の新治療薬の緊急使用を承認へ​

​新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の治療薬として研究が進められている「レムデシビル(remdesivir)」(抗ウィルス薬)が臨床試験で有望な結果を示した後、食品医薬品局(Food and Drug Administration: FDA)は5月1日、同薬に「緊急使用権限(emergency use authorization)」が認められると発表した。初期結果によれば、レムデシビルを重症のCOVID-19入院患者に投薬したところ、11日間で回復し、プラセボ投薬された入院患者の回復までの日数は15日間と、入院日数の短縮が見られた。レムデシビルを開発したギリアド社(Gilead)の最高経営責任者は、「本薬は、入院患者のための最初の重要な一歩である」とし、約150万本を寄付すると述べた。国立アレルギー・感染症研究所(National Institute of Allergy and Infectious Diseases: NIAID)のアンソニー・ファウチ所長(Anthony Fauci)は、「試験結果は、その他の治療法が開発されている間、レムデシビルが新たな治療基準となることを示す」と発言している。レムデシビルの研究は今後も続き、今回の緊急承認は通常の使用許可とは異なるが、処方薬として利用することが可能になる。​ ​ The Hill “FDA to authorize emergency use of new coronavirus treatment” (5/1/20) ​

厚生省、COVID-19パンデミック対策として遠隔医療に2,000万ドルを助成​

​厚生省(Department of Health and Human Services: HHS)の医療資源及びサービス局(Health Resources and Services Administration: HRSA)は4月30日、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の予防と対応の支援として、医療従事者と家族のための遠隔医療アクセス及びインフラを強化するため、2,000万ドルを助成すると発表した。HRSAの母子保健局(Maternal and Child Health Bureau: MCHB)が、4件の受益機関に合計1,500万ドルを提供し、連邦農村医療政策局(Federal Office of Rural Health Policy: FORHP)が、2件の受益機関に合計500万ドルを助成する。前者は、母子の健康の主要分野(小児医療、妊婦医療など)を支援し、後者は全国の遠隔医療臨床医を対象に、COVID-19の緊急公衆衛生問題に伴う新たなニーズに対応できるよう、免許及び資格取得に関する援助をする。​ ​ Department of Health and Human Services “HHS Awards $20 Million to Combat COVID-19 Pandemic through Telehealth” (4/30/20) ​

NIHがコウモリのコロナウィルス研究グラントを突如中止:「悪しき前例になる」「規則違反の可能性」と批判

​国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)は、現在のパンデミックの原因である新型コロナウィルスを含むコロナウィルスが、コウモリから人間へどのように感染するのかについて調査する中国での研究を支援するグラントを、突然、異例の形で中止した。グラントの突如中止は、米政治家及びメディアが、新型コロナウィルスは、中国の武漢ウィルス研究所(Wuhan Institute of Virology: WIV)から漏れたという見解(その証拠はない)を繰り返した後でのことである。その研究所に務める中国人ウィルス学者は、グラントからの資金を受益していた。このグラントの突如停止に、研究コミュニティは、警告と怒りを持って反応している。一部のアナリストは、NIHを統治する規則に違反する可能性もあると指摘している。NIHは、グラントを中止した理由についてコメントしていないが、NIHの対外研究部門の副所長のEメールは、「武漢の研究所は、病原菌の放出を防ぐための適切な全ての予防策を講じなかった」との見解を示唆している。本グラントの主任研究者は、ニューヨーク市にある非営利組織、エコヘルス・アライアンス(EchoHealth Alliance)のピーター・ダスザック所長(Peter Daszak)で、WIVを拠点とする中国人ウィルス学者と協力して研究していた。​ ​ Science “NIH’s axing of bat coronavirus grant a ‘horrible precedent’ and might break rules, critics say” (4/30/20) ​

数十億ドルのクリーンエネルギー融資が手つかず状態に​

​パンデミック対応の中、トランプ政権は、クリーンエネルギー・プロジェクト向けの約430億ドルの低金利融資を手つかずにしており、批判者からは「エネルギー省(Department of Energy)は資金の配分に党派的に反対している」と非難の声が上がっている。年間予算赤字が約4兆ドルと驚くべき額に近づいていることに懸念が高まりつつあるにもかかわらず、議会は既に更なる新型コロナウィルス救済措置を検討している。こうした中、一部のエネルギー専門家と議員は、議会が随分前に承認した数百億ドルの資金が未使用となっていることは道義に反すると考えている。この融資は、再生可能電力、原子力エネルギー、炭素捕獲及び貯留技術を対象としたもので、コロナウィルス問題が発生する前には超党派の支持を得ていた。しかし、本プログラムを支持する一部の者は、「風力エネルギーは癌の要因となっている」と間違った主張をしたり、再生可能エネルギー支出の大幅削減を望むトランプ大統領によって止められていると、述べている。​ ​ New York Times “Billions in Clean Energy Loans Go Unused as Coronavirus Ravages Economy” (4/30/19)

ヒューストン市、気候行動計画を発表​

​アースディの4月22日、テキサス州ヒューストン市は、「気候行動計画(Climate Action Plan: CAP)」を公式発表した。報道発表によれば、CAPは、科学ベースかつコミュニティ主導型の戦略で、ヒューストン市が、温室効果ガスを削減し、2050年までに炭素ニュートラルを達成するというパリ気候協定(Paris Agreement)の目標に到達し、世界のエネルギー移行を主導することを目的としている。具体的には、地域で最大の温室効果排出を生み出している①輸送、②エネルギー移行、③マテリアル管理、④構造物の最適化、の4つを重点分野とし、それぞれについて目標とターゲットが提示されている。​ ​ Click 2 Houston “Houston has created a Climate Action Plan. This is what it means for transportation, energy and building.” (4/24/20) ​ ​

バテル・エネルギー・アライアンス、先端建築技術に関する業界パートナーを模索​

​エネルギー省(Department of Energy)傘下のアイダホ国立研究所(Idaho National Laboratory: INL)を管理運営するバテル・エネルギー・アライアンス社(Battelle Energy Alliance, LLC: BEA)は、原子力エネルギーシステム・プロジェクトの経済性に変革をもたらし、成功へと導く可能性がある先端建築技術を開発もしくは実証するためのパートナーシップ形成について、業界ステークホルダーから「関心表明(Expression of Interest: EOI)を募集している。これは、先端原子炉の実証及び導入の可能性を追求する国立原子炉イノベーション・センター(National Reactor Innovation Center: NRIC)のイニシアチブとして実施されるものである。NRICは、INLが主導し、その他の国立研究所と協力しながら進められている。​ ​ Idaho National Laboratory “Battelle Energy Alliance seeks industry partners for advanced construction technologies” (4/17/20) ​

パーデュー大学、サンディア国立研究所とのパートナーシップを更新及び拡大​

​パーデュー大学(Purdue University)とサンディア国立研究所(Sandia National Laboratories)は4月17日、2015年に開始された戦略的パートナーシップを更新かつ拡大する覚書(memorandum of understanding)に署名した。新たなパートナーシップは2030年まで継続される。覚書は、パートナーシップの多くの分野について具体的に記述されており、双方は互いに関心を持つ4つの分野(極超音速飛行システム、サイバー対応力と複雑なシステムでの対応力、信頼できるシステム及びコミュニケーション、先端データ科学)にフォーカスした研究協力に取り組む。​ ​ Purdue University ”Purdue renews, expands Sandia National Laboratories partnership” (4/17/20) ​

米国の悩み:中国抜きでどのように兵器用の鉱物を確保するか

​米政府は、兵器及びハイテク機器の生産に使用される特殊鉱物について、中国への依存を低減したいと考えているが、それに伴うジレンマに悩んでいる。カリフォルニア州南部のマウンテン・パス(Mountain Pass)は、ミサイルや戦闘機、夜間ビジョン・ゴーグル、その他の機器に使用されるレアアースの鉱山である。米国内で唯一の鉱山であり、世界8番目の埋蔵量とされている。しかし、エネルギー省(Department of Energy)は政府系の科学者に、この鉱山の所有者であるMPマテリアルズ社(MP Materials)と協力しないよう求めている。その理由は、中国系投資家がMPマテリアル社の約10%を所有しており、売上や技術ノウハウについて中国に依存しているためである。エネルギー省の指示は、米国の商業レアアース業界の復活を目論む米政府高官が直面している相反する圧力を象徴する。レアアースの世界供給を支配している中国との関係が緊張し、米国議員が重要な国防部品を競合国に依存する危険性について警告している中、米国内のレアアース生産を復活させることは、米政府の優先事項となっている。​ ​ Reuters “American quandary: How to secure weapons-grade minerals without China” (4/22/20)

FDA高官、政権内のワクチン権威に浮上​

​厚生省(Department of Health and Human Services:HHS)の現・元高官によれば、HHS傘下のバイオメディカル先端研究開発局(Biomedical Advanced Research and Development Authority:BARDA)の局長を務めていたリック・ブライト氏(Rick Bright)が突如退任した後、食品医薬品局(Food and Drug Administration: FDA)の上級高官であるピーター・マークス氏(Peter Marks)が、トランプ政権の非公式なワクチン権威として浮上している。マークス氏は、癌専門医師で、現在は、FDA内でワクチン及び遺伝子治療の許認可を監督する部門の長を務めている。HHSは、マークス氏を、BARDA及びその他のワクチン開発担当局の非公式アドバイザーと位置づけつつある。「ワクチンで世界クラスの専門家」と評されるマークス氏がより重要な役割を担うことで、「最近のBARDA内の人事改造がパンデミック対応の遅れにつながる」という懸念が緩和されるとも見られている。一方、ブライト氏は、トランプ大統領が、証拠が欠落しているにもかかわらず、コロナウィルス治療にヒドロキシクロロキンの使用を称賛したことに抵抗を示したため、政治的理由で退任に追い込まれたと主張している。​ ​ Politico “FDA official steps into vaccine vacuum after shakeup” (4/29/20) ​