DARPA、アルファドッグファイトのトライアル最終イベントを8月へ延期

​国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)による「アルファドッグファイト・トライアル・ファイナル(AlphaDogfight Trials Final)」イベントは当初、4月に予定されていたが、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)のパンデミックを受け、8月へ延期された。ファイナル・イベントは2020年8月17~20日、ネバダ州ラスベガスにある空軍のイノベーション・ハブ「AFWERX」で行われる。本コンペは、シミュレーションによる空中戦(口語的には「ドッグファイト」)で先端人工知能(AI)アルゴリズムの実証を競う仮想コンペで、昨年、コンペに参加する8チームが選出された。これまでに、メリーランド州にあるジョンズホプキンス大学応用物理学研究所(Johns Hopkins University Applied Physics Laboratory)で、第1回トライアル(2019年11月19~21日)と第2回トライアル(2020年1月28~30日)が実施され、今度の3回目が最後となる。COVID-19のパンデミックの影響で、8月にAFWERXへの渡航が難しい場合は、分散型コンペとして実施される計画である。​ ​ Defense Advanced Research Project Agency “AlphaDogfight Trials Final Event Moved to August” (4/27/20) ​ ​

エネルギー省、900万ドルの脱塩プライズを開始​

​エネルギー省(Department of Energy)は4月28日、900万ドルの「米国製チャレンジ:ソーラー脱塩プライズ(American-Made Challenges: Solar Desalination Prize)」の開始を発表した。同プライズは、太陽熱エネルギーを使って、塩分濃度が極めて高い水からクリーンな水を生産するシステムの開発を加速させることが狙いである。コンペは4段階にわたって行われ、参加者は最高230万ドルの賞金と最高20万ドルのバウチャー(国立研究所もしくは適格のパートナー機関で利用できる)を獲得することができる。加えて、参加者は、国立研究所、インキュベーター、投資家、業界専門家で構成される「米国製ネットワーク(American-Made Network)」へのアクセスを得て、業界の専門知識、民間資本アクセス、地元の能力を活用しながら、自分たちのイノベーションの開発及び商業化を加速させることができる。​ ​ Department of Energy “Department of Energy Launches $9 Million Desalination Prize” (4/28/20) ​

エネルギー省、CCUS技術に1億3,100万ドルを発表​

​エネルギー省(Department of Energy)化石エネルギー局(Office of Fossil Energy)は4月24日、新たな資金提供公募(FOA)を通じて選出される炭素捕獲・活用・貯留(carbon capture, utilization, and storage: CCUS)の研究開発プロジェクトと、以前のFOAの下で選出された5つのプロジェクトに、合計最高1億3,100万ドルを提供すると発表した。新たなFOA「産業発生源向けの石炭及び天然ガスをベースとする煙道ガスの初期工学設計と工学規模試験(Engineering-Scale Testing from Coal- and Natural-Gas-Based Flue Gas and Initial Engineering Design for Industrial Sources)」の下、産業発生源から排出される二酸化炭素の捕獲と貯留に取り組むコスト分担型プロジェクトに最高4,600万ドルを用意する。また、以前に発表されたFOA「炭素貯留確証施設エンタープライズ:サイト特性化と二酸化炭素捕獲評価(Carbon Storage Assurance Facility Enterprise (CarbonSAFE): Site Characterization and CO2 Capture Assessment)」の下、CCUS技術の広範な導入の加速を目的として、5件のプロジェクトに8,500万ドルを提供する。​ ​ Department of Energy “U.S. Department of Energy Announces $131 Million for CCUS Technologies” (4/24/20) ​

北米貿易協定(USMCA)、7月1日に施行へ​

​トランプ政権は4月24日、議会に、「米国・メキシコ・カナダ協定(U.S-Mexico-Canada Agreement: USMCA)が7月1日に施行されると通知した。トランプ大統領が、従前の北米自由貿易協定(NAFTA)の改正に取り組み始めてから約3年に及ぶプロセスが完了する。ただし、米・墨・加の3カ国には依然としてまとめるべき要件があり、今後2か月間に完了する必要がある。しかし、新型コロナウィルス感染症の拡大による経済低迷を受け、USMCAの施行を先延ばししたいと考える多くの北米企業が、これらのステップに反対している。「7月1日施行」は、パンデミック前にトランプ大統領が目指していたゴール(夏前の施行)に合致する。しかし、パンデミックが発生する前から、元政権高官や業界リーダーは、「夏施行というゴールは歴史的に極めて野心的である」と考えていた。トランプ大統領は、USMCAの完成は、2020年の再選に大きく貢献すると考えている。​ ​ Politico “North American trade deal to take effect on July 1” (4/24/20) ​

UPS社とCVS社、フロリダ州でドローンを使って処方薬を配達へ​

​UPS社とCVS社が提携し、フロリダ州にある高齢者コミュニティ「ビレッジ(Villages)」の居住者を対象に、ドローンを使って処方薬の配達を開始する。本サービスは、連邦航空局(Federal Aviation Administration: FAA)の許可を得て、マターネット社(Matternet)のM2ドローンを使用して実施される。ドローン配達は5月に開始され、最初は、0.5マイル飛行して高齢者コミュニティ近くの拠点に配達され、その後UPSの配達車が居住者宅の玄関口まで配達する。ノースカロライナ州で限定的なドローン配達試験を行っているUPS社は、「新型コロナウィルス感染症により、自宅待機となっている人々を支援するため、ドローン・サービスを拡大する」と述べている。​ ​ ​ The Verge “UPS and CVS will use drones to deliver prescriptions in Florida” (4/27/20) ​

アマゾン・ウェブ・サービス、IBM、マイクロソフト・クアンタム、NSF研究者に量子コンピューティング・プラットフォームへのアクセスを提供

​米国科学財団(National Science Foundation: NSF)のコンピューター&情報科学&工学総局(Directorate of Computer & Information Science & Engineering: CISE)のマーガレット・マートノシ副局長(Margaret Martonosi)と、数学・物理科学総局(Directorate Mathematical and Physical Sciences: MPS)のアンネ・キネ―副局長(Anne Kinney)は、科学コミュニティ宛ての書簡(Dear Colleagues)を公表した。それによれば、NSFのCISEとMPSは、アマゾン・ウェブ・サービス(Amazon Web Services)、IBM、マイクロソフト・クワンタム(Microsoft Quantum)と共に、学術機関における量子コンピューティングの研究及び能力強化を目的として、クラウドベースの量子コンピューティング・プラットフォームへのアクセスを提供する。NSFは、大学院生がこれらのプラットフォームを使って作業するための時間を補完的に支援する資金を提供し、上記3社はプラットフォームへのアクセスを無償で提供する。補完的資金の対象となる研究は、①量子アルゴリズム及びその実験の実現、②量子コンパイラ及びランタイム・インフラ設計、など6つの分野に限定されている。​ ​ CCC blog “NSF Dear Colleague Letter: Enabling Quantum Computing Platform Access for National Science Foundation Researchers with Amazon Web Services, IBM, and Microsoft Quantum” (4/27/20) ​ ​

ニュージャージー州、地域温室効果ガス・イニシアチブ(RGGI)戦略的資金計画を発表​

​ニュージャージー州の環境保護省(Department of Environmental Protection: DEP)、公共事業委員会(Board of Public Utilities: BPU)、経済開発局(Economic Development Authority: EDA)は4月17日、「地域温室効果ガス・イニシアチブ(Regional Greenhouse Gas Initiative: RGGI)」による州のオークション収益を投資するにあたっての戦略的資金計画を公表した。RGGIは、発電部門から排出される温室効果ガスの削減に取り組む北東部州間のキャップ・アンド・トレード協定である。これによると、ニュージャージー州は毎年、温室効果ガス排出を削減するプロジェクトに8,000万ドル(試算)を投資し、クリーン・エネルギーを押し上げ、雇用を創出し、州民の健康を保護するプロジェクトを進展させる計画である。同州は、今年、RGGIに正式に再加入し、3月には第1四半期二酸化炭素割当オークションに参加して2,000万ドル以上の収益をあげた。​ ​ New Jersey Economic Development Authority “MURPHY ADMINISTRATION RELEASES RGGI STRATEGIC FUNDING PLAN; ANNOUNCES NEW INVESTMENTS IN CLIMATE CHANGE REDUCTION, ENVIRONMENTAL JUSTICE AND CLEAN ENERGY” (4/17/20) ​

バージニア州、南部州で初めて炭素フリー・エネルギーの目標を掲げる​ ​

バージニア州のラルフ・ノーサム知事(Ralph Northam)は4月11日の週末、包括的な「バージニア・クリーン経済法案(Virginia Clean Economy Act)」に署名し、法制化した。これにより、バージニア州は、南部州で初めて、2045年までに炭素フリーを目指す州となった。同法の下、州内最大のユーティリティ機関であるドミニオン・エネルギー社(Dominion Energy)に対し、2045年までに再生可能エネルギーに切り替えることが義務付けられた他、州内の別の大手、アパラチアン電力社(Appalachian Power)は2050年までに炭素フリーとなる必要がある。更に、州内のほぼ全ての石炭火力発電所は、2024年までに閉鎖しなくてはならない。南部州で、このようなクリーン・エネルギー目標を提示したのは、バージニア州が初めてとなる。また、同州は、北東部州でキャップ・アンド・トレード市場を進める「地域温室効果ガス・イニシアチブ(Regional Greenhouse Gas Initiative: RGGI)」に参加し、同イニシアチブのメンバーの中で最南州となった。​ ​ Washington Post “Virginia becomes the first Southern state with a goal of carbon-free energy” (4/13/20) ​

EPA長官、大気汚染とコロナウィルスのリスクの間の関係にもかかわらず、大気質基準の強化を拒否​

​大気汚染と、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)などの呼吸器系疾患の間の関係が指摘されているにもかかわらず、環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)のアンドリュー・ウィーラー長官(Andrew Wheeler)は4月14日、「微小粒子状物質(すす)の現行基準を維持する」と発言し、大気質基準を強化しない方針を表明した。EPAのスタッフは昨年、年間の粒子状物質基準を1立方メートル当たり8~10マイクログラムに強化することを勧告し、「同数値を9に強化することで年間約1万2,000人の命を救うことができる」としていた。EPAのクリーンエア科学諮問委員会(Clean Air Scientific Advisory Committee: CASAC)では本件について意見が割れていた。ウィーラー長官は、「米国は世界で最も清浄な大気を有している国の一つで、我々はこれを維持する。現行基準は公衆衛生を保護している」と述べた。​ ​ Washington Post “Trump officials reject stricter air quality standards, despite link between air pollution, coronavirus risks” (4/14/20) ​

EPA、業界と活動家の反対にもかかわらず、水銀汚染規則を大幅に変更​

​環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)のアンドリュー・ウィーラー長官(Andrew Wheeler)は4月16日、「水銀及び大気有害物質基準(Mercury and Air Toxics: MATS)」について、政府が大気汚染物質の費用対効果を計算する方法を変更すると発表した。この変更により、有害物質制御に向けた規制当局の権限が制限される可能性がある。専門家は、「米国が致死的な呼吸器系ウィルスと戦う中、大気汚染は恐らく悪化するだろう」と分析している。EPAは、表面的には既存の水銀規制を維持するが、今回の発表は、政府は今後、有害な大気汚染物質を制限する際、その副次的利益(具体的には、水銀を規制することで煤煙やスモッグも軽減されることによる効果)を考慮することはできないことを意味する。ウィーラーEPA長官は、「規則改定後も排出規制は変わらないため、水銀の排出が増えることはない」と強調しているが、反対派は、「EPAは、本来の規則は正当化されないと宣言したことから、水銀規制を無効にしようとする法的取り組みが広がる土台を作ったことになる」と述べている。​ ​ Washington Post “EPA overhauls mercury pollution rule, despite opposition from industry and activists alike” (4/16/20) ​ ​