エネルギー省と民間パートナー、有望なエネルギー技術の商業化に合計6,500万ドル以上を拠出

エネルギー省(Department of Energy)は6月24日、クリーンエネルギーや先端製造、建造物のエネルギー効率強化、次世代マテリアルなど、有望なエネルギー技術の商業化を加速させるため、68件のプロジェクトに3,000万ドル以上を提供すると発表した。民間部門はマッチング資金として3,500万ドル以上を拠出する。これらのアワードは、エネルギー省傘下の国立研究所で生まれた革新的なソリューションを市場化しつつ、新規雇用やビジネスの創出、米国の経済的競争力の強化、2050年までにネットゼロ炭素排出を達成するというバイデン大統領の目標達成の一助となる。今回のアワードは、同省の技術移転局(Office of Technology Transition: OTT)による技術商業化基金(Technology Commercialization Fund: TCF)によって実施される。 Department of Energy “DOE Announces Over $65 Million in Public and Private Funding to Commercialize Promising Energy Technologies” (6/24/21)

超党派のインフラ合意に大規模な気候措置は含まれず

バイデン大統領と超党派の上院グループは6月24日、国内の道路や鉄道、橋などの修復に新たに5,790億ドルを歳出する超党派のインフラ法案で合意したが、これには大統領が「実存する脅威」と呼ぶ気候変動対策はほとんど盛り込まれていない。大統領は、電力会社に対し、風力や太陽光、その他の資源由来の発電を増やし、最終的に二酸化炭素排出をゼロとすることを義務付ける「クリーン電力基準」を実行するツールとして抜本的なインフラ法案を利用することを期待していたが、今回の超党派法案には盛り込まれなかった。民主党指導部や環境保護派は、「予算調整(budget reconciliation)」として知られ、共和党の支持がなくても単純過半数で可決できるファスト・トラック・プロセスで可決される別途のインフラ法案に盛り込まれることを期待しているが、このプロセスも困難に直面する可能性はある。 New York Times “Bipartisan Infrastructure Deal Omits Big Climate Measures” (6/24/21)

NREL、北米再生可能資源統合研究報告を発表

北米の電力システムは現在、大幅な変化を経験しており、再生可能資源はかつてないほどの電力を生産している。国立再生可能エネルギー研究所(National Renewable Energy Laboratory: NREL)は6月24日、グリッドの計画者、ユーティリティ機関、業界、政策策定者、その他の関係機関向けに、将来の低炭素グリッドを支援するため、大規模な風力やソーラー、水力を統合する大陸システムの課題と機会について情報提供することを目的として、一連の報告書で構成される「北米再生可能資源統合研究報告(North American Renewable Integration Study: NARIS)」を発表した。NARISプロジェクトは2016年に開始されたプロジェクトで、報告書の結果は、様々な柔軟な資源を利用しながら、需給バランスをとることができる複数の方策を通じて、将来の低炭素北米グリッドを達成することは可能であることを示している。また、電力取引の増加と送電の拡大は大きな恩恵をもたらす可能性があることを示しており、調整に基づく低炭素大陸グリッドの機会が強調されている。 National Renewable Energy Laboratory “North American Renewable Integration Study Highlights Opportunities for a Coordinated, Continental Low-Carbon Grid” (6/24/21)

米国の国内電気自動車生産及び投資は減少傾向

国際クリーン輸送評議会(International Council on Clean Transportation: ICCT)の新たな報告によれば、電気自動車(EV)生産者として、米国は中国と欧州に続く3番手となっており、1位及び2位との差は拡大している。ICCTによれば、世界の累積EV生産に占める米国の割合は、2010年以来、20%から18%へ減少し、世界の自動車メーカーによるEV投資(約3,450億ドル)のうち、米国へ流入しているのはわずか15%となっている。2020年までの企業の発表によれば、世界合計の中で米国の組み立て工場へ積極的に投資されているのは約5%である。また、EV生産の割合は、中国(世界で生産されたEVに占める割合は、2017年の36%から2020年の44%へ上昇)と、欧州(2017年の23%から2020年の25%へ上昇)で上昇している。年間のEV生産台数で見ると、欧州は110万台で、中国の127万台に近く、次いで米国(45万台)、日本と韓国(約11万台)となっている(2020年)。 Green Car Congress “ICCT report finds US domestic EV production and investment continues to fall; only 5% of global EV investment to go to US EV assembly plants” (6/29/21)

EPA、米国救済計画の下、環境正義イニシアチブへの5,000万ドル拠出を発表

環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)は6月25日、米国救済計画(American Rescue Plan: ARP)の下、EPAに配分された資金を通じて、環境正義(Environmental Justice: EJ)に5,000万ドルを提供すると発表した。新型コロナウィルス感染症(COVID-19)のパンデミックへの対応として、議会はこれらの資金が、様々な地域イニシアチブを通じて、社会的に恵まれない地域社会が受けている不均衡な環境もしくは公衆衛生の問題を特定し、これらに対処することを目的としたグラント、契約、その他の連邦活動に充当されるよう指示している。EPAのマイケル・リーガン長官(Michael S. Regan)は、ボルチモア市におけるUH2Oメンタリング・プログラム(若い成人が水に関する業界で雇用されるよう準備するプログラム)に20万ドルが拠出されると発表した。EPAはまた、低所得のコミュニティや有色人種のコミュニティにおける大気質や飲料水の向上、バスからのディーゼル排出の改善に取り組む重要なプログラムを活用するため、ARPの資金を早急に拠出することで、資源の少ないコミュニティを援助する。更に現在、全米各地で行われている環境正義に焦点を当てた14件のプロジェクトへ約280万ドルが拠出されており、今後更なる拠出が発表される予定である。 Environmental Protection Agency “EPA Announces $50 Million to Fund Environmental Justice Initiatives Under the American Rescue Plan” (6/25/21)

NIST、新しい製造USA技術ロードマップの助成金コンペを開始

商務省(Department of Commerce)傘下の米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)は6月17日、米国内で先端製造部門を成長させる上で優先順位の高い研究課題に対処する技術ロードマップの開発について、これに取り組む業界主導のコンソーシアムを支援するための助成金を提供する新たなコンペを発表した。これは、「製造USA技術ロードマップ(Manufacturing USA Technology Roadmaps: MfgTech)」プログラムと呼ばれ、最高18か月間にわたり、8件のアワードを提供する予定。それぞれの助成金額は最高30万ドルとなっている。技術ロードマップは、大きな課題に取り組む際に、障害ならびに関連する開発ステップを特定するための戦略的ツールである。 National Institute of Standards and Technology “NIST Launches New Manufacturing USA Technology Roadmap Grant Competition” (6/17/21)

DARPA、部隊の交代や個々の異動における知識の継続を確実にするための取り組み

軍人の勤務地は数年ごとに代わり、定期的な異動が行われ、現在、組織の主要な業務情報や、地域固有の問題の理解に関する引き継ぎは、主に個別の状況に応じて行われている。こうした移行の間に、知識の効率的かつ効果的な引き継ぎが確実に行われるようにすることは、軍にとって課題である。重要な知識が引き継ぎから漏れないようにするため、国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)は、「大規模かつ迅速な知識管理(Knowledge Management at Scale and Speed: KMASS)」プログラムを発表した。KMASSは、必要な時に、必要な精度で、文書化された知識の効果的な利用や、定期的な業務フローの一環としての新知識の取得、有益な情報の応用を可能にする基本的な技術の研究・開発・統合・評価・実証に取り組む。この取り組みは、軍人の頻繁な異動によってもたらされる組織の知識的な溝を埋めることが狙いである。 Defense Advanced Research Project Agency “Ensuring Continuity of Knowledge During Unit Rotations, Individual Replacements” (6/21/21)

ランダー氏とコリンズ氏、ARPA-Hへのビジョンを示す

サイエンス誌(Science)に発表された論説で、大統領府科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy: OSTP)のエリック・ランダー長官(Eric S. Lander)と、国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)のフランシス・コリンズ長官(Francis S. Collins)らは、新たな科学機関として、「医療高等研究計画局(Advanced Research Project Agency for Health: ARPA-H)」のビジョンを概説した。バイデン大統領の2022年度予算案で65億ドルが計上されているARPA-Hに対しては、バイオメディカルのイノベーション、技術の導入、医療ケアと医薬に革新をもたらす手法を加速させることが期待されている。両長官らは、「ARPA-Hは、医療と医薬の分野で革新的なアイデアを主唱するため、国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)のような文化と手法が確立されるべきである」としている。 National Institutes of Health “Lander, Collins set forth a vision for ARPA-H” (6/22/21)

国防総省チーム、AIイニシアチブとして、戦闘司令部におけるデータの合理化に取り組む

国防総省(Department of Defense)のキャサリーン・ヒックス副長官(Kathleen Hicks)は今週、米国の戦闘司令部がデータ及び人工知能(AI)により良い対応ができるよう支援する部隊を形成すると発表した。人工知能及びデータ・アクセラレーション(Artificial Intelligence & Data Acceleration: AIDA)イニシアチブを通じて、世界中にある11の軍部間戦闘司令部(interservice combatant command)に、AI専門家による2つのチームを派遣し、AIならびにAIによって意思決定を合理化する方法について、司令官がより良い理解を得るよう支援する。ヒックス副長官は、「国防総省のデータが、目に見え、アクセス可能で、理解可能で、互いにつながり、信頼性と相互運用性があり、セキュアであることを確実にする。そのために、省がデータを戦略的資産として扱うよう最初の主要ステップを指示した」と述べている。 UPI “DoD teams to streamline data at combatant commands in AI initiative” (6/23/21)

下院共和党、気候コーカスを立ち上げ

下院共和党は6月23日、気候変動について議員に学びを提供することを狙いとしたコーカスを立ち上げた。この取り組みは、ジョン・カーティス下院議員(John Curtis)(ユタ州選出共和党)が先頭となって行なっているもので、具体的な政策を支持するものではなく、本件の会話方法の情報や戦略を提供することを意図し、更には気候変動への考え方に変化をもたらす可能性もある。カーティス議員は、「自分が気候問題を身近に感じるのに長い時間がかかった。他の議員も同じようになることを願っている」と述べた。共和党は、「気候変動が生じている」という考え方を明確に否定する状況から移行しつつあり、そうした中で気候コーカスが発足する。 The Hill “House GOP to launch climate caucus” (6/22/21)