商務省、成熟ノード・チップ使用に関する評価報告書を発表

商務省(Department of Commerce)の産業安全保障局(Bureau of Industry and Security: BIS)は12月6日、米国の重要インフラを直接的または間接的に支えるサプライチェーンにおける成熟ノード半導体チップ(または「レガシー・チップ」)の使用に関する報告書を発表した。報告書には、中国を拠点とする事業体によって製造されたレガシー・チップの米企業による使用に関するキーファインディングが含まれている。報告書は、国防生産法(Defense Production Act: DPA)に基づく権限によってBISが収集したデータに基づくもので、①レガシー・チップを含む製品を販売している企業は依然として、半導体サプライチェーンにおける可視性が欠落している。調査対象となった企業の約半分が、自社の製品に中国を拠点とする工場で生産されたチップが含まれているか否かを判断できなかった、②寄せられた回答に基づくと、中国を拠点とする工場で製造されたチップの使用は米企業の間で広がっており、こうした企業の製品の3分の2以上に中国発のチップが含まれている。ただし、これらのレガシー・チップが製品全体で使用されているチップの合計数に占める割合は限定的である、などが示されている。報告書のファインディングは、通信や自動車、医療機器、防衛基盤などの米国の重要産業において、現在どれほどの米国企業が、中国を拠点とする企業によって製造されたレガシー・チップを調達しているのかやそれらのチップの使用がどの程度広がっているのかを示す。 Bureau of Industry and Security “BIS Publishes Assessment on the Use of Mature-Node Chips” (12/6/24)

財務省と内国歳入庁、水素貯蔵に関する投資税クレジット規則を発表

財務省(Department of Treasury)と内国歳入庁(Internal Revenue Service: IRS)は12月4日、セクション48エネルギー・クレジット(Section 48 Energy Credit)(いわゆる「投資税クレジット(Investment Tax Credit: ITC)」)に関する最終規則を発表した。最終規則は、水素に関して具体的に、「水素エネルギー貯蔵設備は、エネルギーとしてのみに使用され、その他の目的のために使用されない水素を貯蔵する必要はない(hydrogen energy storage property does not need to store hydrogen that is solely used as energy and not for other purposes.)」と規定している。 Department of Energy “Final Investment Tax Credit Rules Address Hydrogen Storage” (12/6/24)

バイデン政権、米国のサプライチェーン安全保障を強化

バイデン政権は12月6日、CHIPS・科学法(CHIPS and Science Act)の下、商務省(Department of Commerce)が3社との間で個別の予備的規約覚書(preliminary memorandum of terms: PMT)に署名したと発表した。①コヘレント社(Coherent)には最大3,300万ドルの直接資金の提供が提案されており、テキサス州シェーマンにある同社の既存施設の拡大及び現代化を支援する。これにより、約70件の直接雇用創出が見込まれている。②スカイウォーター・テクノロジー・ファウンドリー社(SkyWater Technology Foundry Inc.)には最大1,600万ドルの直接資金の提供が提案されており、ミネソタ州ブルーミントンにある同社の既存の施設の現代化を支援する。これにより、約70件の雇用創出が見込まれている。③Xファブ社(X-Fab)には最大5,000万ドルの直接資金の提供が提案されており、テキサス州ルボックにある同社の既存の炭化ケイ素製造工場の現代化と拡張を支援する。これにより、最大150件の雇用創出が見込まれている。 Department of Commerce “Biden-Harris Administration Announce Preliminary Terms with Coherent, SkyWater, and X-Fab to Advance U.S. Supply Chain Security” (12/6/24)

GM社、合弁事業電池工場アルティウム・セルズ社の株式を売却

ゼネラル・モーターズ社(General Motors)は、ミシガン州ランシングにあるアルティウム・セルズ(Ultium Cells)社の電気自動車用電池セル工場の株式を、合弁事業のパートナーであるLGエナジー・ソリューション社(LG Energy Solution)へ売却するため、拘束力のない合意を交わした(同工場は、GMとLGエナジー・ソリューション社との間の合弁事業として運用を計画していた3件の米国施設の一つ)。GM社が12月2日の報道発表で明らかにした。合意の一環として、LGエナジー・ソリューション社は、電池セル製造設備の導入を開始するため、280万平方フィートの施設への即時アクセスを得る。工場は完成間近で、年間41ギガワット時(GWh)の能力を有する予定。GM社によれば、この取引は、2025年第1四半期に締結する見通しで、同施設への26億ドルの株式投資を回収する一助となる。GMは、EV市場が拡大する中、製造能力を戦略的に調整し、費用を管理することを目指している。 Utility Dive “GM sells stake in Ultium Cells joint venture battery plant” (12/5/24)

アンドゥリル社とオープンAI社、ドローン技術対策強化で提携

防衛技術企業のアンドゥリル・インダストリーズ(Anduril Industries)は先般、オープンAI社(OpenAI)と提携し、同社の人工知能(AI)モデルを使って米軍の基地及び人員をドローン攻撃から守る能力を強化すると発表した。アンドゥリル社は声明の中で、「アンドゥリル社とオープンAI社は、最先端のAIモデルによって、時間的に重要なデータを迅速に統合し、運用者である人間の負担を軽減し、状況認識を向上させる方法を模索する」とした。両社は、この合意に資金が伴うのか否かについては明らかにしていない。大手AI企業と防衛産業の提携は最近のトレンドとなっている。現在、中東及びウクライナで米国や同盟軍に対して兵器化されたドローンが使用されていることへの懸念が高まっている中で、今回のアンドゥリル社とオープンAI社のパートナーシップが発表された。 Defense News “Anduril, OpenAI partner to boost counter-drone tech for bases, troops” (12/5/24)

カナダ、国内のAIコンピュート能力構築を支援

カナダのイノベーション・科学・産業省(Ministry of Innovation, Science and Industry)のフランソワ=フィリップ・シャンパン大臣(François-Philippe Champagne)は12月5日、「カナダのAI主権コンピュート戦略(Canadian Sovereign AI Compute Strategy)」を正式に開始した。最大20億ドルを3つの主要目的の達成へ向けて投資する。それらは、①AIコンピュート・チャレンジ(AI Compute Challenge)を通じてデータ・センターの新設または拡大に投資し、カナダのAI提唱を拡大させることに最大7,000億ドルを投じる、②変革的な公共コンピューティング・インフラの構築に最大10億ドルを投じる、③AIコンピュート・アクセス基金(AI Compute Access Fund)を通じて中小企業によるコンピュートへの手頃な費用のアクセスを提供することに最大3億ドルを投じる、の3件。この戦略は、カナダの企業、イノベーター、研究者が、カナダ製のAI製品を開発する上で必要なコンピュート能力へのアクセスを確実にし、フロンティア研究を促進するものである。 HPC Wire “Canada to Drive Billions in Investments to Build Domestic AI Compute Capacity at Home” (12/5/24)

PCAST、NITRDプログラムのレビュー報告書を発表

大統領科学技術諮問委員会(President’s Council of Advisors on Science and Technology: PCAST)は12月5日、議会から作成を義務付けられている報告書「ネットワーキング・情報技術研究開発プログラムのレビュー(Review of the Networking and Information Technology Research and Development (NITRD) Program)」を発表した。PCASTは、ネットワーキングと情報技術の研究開発(R&D)における米国のリーダーシップ育成を意図した連邦プログラムであるNITRDについて、「コンピューティングや通信技術において米国のイノベーション及び商業的成長を支える上で引き続き効果的であり、米国にとって貴重なツールである」としている。また、これらの成功を強化するために、「NITRD調整局(NITRD Coordination Office)は、ユーザーのニーズにより良く対応できるよう、報告書作成の形式とタイミングを見直す」など、7つの勧告を提示している。 White House “PCAST Releases Report Reviewing the Networking and Information Technology Research and Development Program” (12/5/24)

米英、民間所有のST40施設改良に5,200万ドルを共同投資

エネルギー省(Department of Energy)、英国のエネルギー安全保障及び正味ゼロ省(Department of Energy Security and Net Zero: DESNZ)、民間の核融合エネルギー企業であるトカマク・エナジー社(Tokamak Energy Ltd.:TE)は12月5日、実験的核融合施設のST40の改良に5,200万ドルの共同投資を行い、将来の核融合パイロット・プラントの実現へ向けて必要な核融合の科学技術進展に取り組むと発表した。本件は、エネルギー省科学局(Office of Science)の公募を通じて、2025年までの共同作業として選出された。エネルギー省とDESNZは2023年12月、米国の「商業核融合エネルギーのための大胆な10年ビジョン(Bold Decadal Vision for Commercial Fusion Energy)」と英国の核融合戦略を進展させることを目的とした核融合戦略的パートナーシップを発表しており、その主要なゴールの一つに、「核融合の研究開発に必要な施設への共通のアクセスと開発」がある。エネルギー省/DESNE/TEの共同作業を通じて、大学や国立研究所、研究所の研究者は、民間所有のST40球形トカマクで実施される研究の恩恵を受けられるようになる。5,200万ドルの資金は、3者で均等に分割される。 Department of Energy “DOE Partners with UK’s DESNZ and Tokamak Energy Ltd. to Accelerate Fusion Energy Development through a $52M Upgrade to the Privately Owned ST40 Facility” (12/5/24)

「NIHには、女性の衛生研究に特化した新研究所が必要」との報告

米国アカデミー(National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine)は今般、「女性の衛生研究に関する新たなビジョン:国立衛生研究所における変革的変化(A New Vision for Women’s Health Research: Transformative Change at the National Institutes of Health)」と題する報告書を発表した。報告書は、「国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)は数十年にわたり、女性の衛生に関する研究の優先付け及び資金提供を怠ってきた」とし、この問題を是正するために新たな研究所を創設し、約160億ドルの新たな資金を充当することを要請した。この提案に対してNIHの観測者は、報告書が示すゴールは賞賛しつつ、トランプ次期政権と議会共和党がNIHの抜本的改革を意図している中、新たな研究所の設立は可能性が低いと、複雑な反応を示している。報告書は、1993年に議会が「女性衛生研究局(Office of Research on Women’s Health: ORWH)」を設立し、臨床試験を中心に研究に助成を含めるよう要請して以来、さほど進展がないことを嘆いている。 Science “NIH needs a new institute for women’s health research, expert panel says” (12/5/24)

クリーンエネルギー・サイバーセキュリティ・アクセラレータ第2次コホート、システム可視性評価を継続

クリーン・エネルギー・サイバーセキュリティ・アクセラレータ(Clean Energy Cybersecurity Accelerator: CECA)プログラムは、エネルギー省(Department of Energy)のサイバーセキュリティ/エネルギーセキュリティ/緊急応答局(Office of Cybersecurity, Energy Security, and Emergency Response: CESER)及びユーティリティ機関とのパートナーシップによるプログラムで、新興の運用技術(operational technology: OT)セキュリティ技術の導入を迅速に行うことで電力部門のサイバーセキュリティ・リスクを軽減することを狙いとしている。CECAは、第1コホートの成功に続き、第2次コホートを招集して産業制御システムの複雑さとシステムの不完全な可視化によって浮上するリスクに対処した。そして今般、アシミリ社(Asimily)のリスク管理プラットフォームの評価報告書を発表した。プラットフォームは、機器の在庫管理や機器のぜい弱性軽減、リスク・モデリング、脅威検知などの能力を強化することで接続された機器の可視性を高めた。 Department of Energy “The Second Cohort of the Clean Energy Cybersecurity Accelerator Program Continues System Visibility Evaluations” (12/5/24)