エネルギー省、低濃縮ウランの国内調達契約を発表

エネルギー省(Department of Energy)は12月10日、米国内で新たなウラン生産能力の構築を促進することを目的として、低濃縮ウラン(low enriched uranium: LEU)の購入契約を締結できる企業6社を選出した。選出されたのは、アメリカン・セントリフュージュ・オペレーティング社(American Centrifuge Operating, LLC)やゼネラル・マター社(General Matter, Inc.)など6社で、これらの企業は将来のLEU供給事業を目指して競争するようになり、商業部門の力強い投資が育成される。エネルギー省はこれらの契約を通じて、新たな国内調達源(新規施設や既存施設の拡張プロジェクト)からLEUを入手する。契約は最大10年間で、各受益者は少なくとも200万ドルの契約を受注する。 Department of Energy “Biden-Harris Administration Announces Contracts to Buy U.S.-Sourced Low Enriched Uranium” (12/10/24)

エネルギー省、エネルギー専用作物の生産進展に5,200万ドル

エネルギー省(Department of Energy)のバイオエネルギー技術局(Bioenergy Technologies Office: BETO)は、炭素強度が低く、非食用のエネルギー専用作物(purpose-grown energy crops)の生産進展に取り組む6件の産学プロジェクトに5,200万ドルの資金提供を発表した。エネルギー専用作物は、クリーンエネルギーのバイオ経済を加速させる上で重要である。受益プロジェクトは、バイオ燃料及びバイオ製品の生産に欠かせない代替炭素資源の国内サプライチェーンを拡大し、輸送や産業部門における正味排出の削減や米国農産業の革新と成長に取り組む。主要な受益機関は6州に所在し、提案されている実験拠点は18州に及ぶ。6件の受益プロジェクトは、BETOが新たに資金拠出する「地域バイオマス資源ハブ(Regional Biomass Resource Hub: RBRH)」イニシアチブのメンバーとなる。 Department of Energy “U.S. Department of Energy Announces $52 Million in Projects to Advance Production of Purpose-Grown Energy Crops” (12/10/24)

エネルギー省、アーロ・アトミクス社の実験的マイクロ炉用暫定拠点を承認

エネルギー省(Department of Energy)は、アイダホ国立研究所(Idaho National Laboratory: INL)の一部を、アーロ・アトミクス社(Aalo Atomics)が新たに実験的原子炉施設を構築する暫定拠点として承認した。新たな施設は、同社の商用マイクロ炉「アーロ1(Aalo-1)」の設計を進展させるために使用される。同社は2030年末までの導入を目指している。アーロ・アトミクス社はテキサス州オースティンを拠点とする会社で、原子炉を大量生産向けに最適化することに取り組んでおり、既存のサプライチェーンを活用してクリーンで低費用の熱をデータ・センターや産業施設などの動力として提供することを計画している。同社は現在、エネルギー省の「原子力におけるイノベーション加速のためのゲートウェイ(Gateway for Accelerated Innovation in Nuclear: GAIN)」バウチャーを利用してINLと共に最終設計とライセンシング活動を支援するための追加の性能データの収集に取り組んでいる。 Department of Energy “U.S. Department of Energy Grants Tentative Site for Aalo Atomics Experimental Microreactor” (12/10/24)

商務省、マイクロン社にCHIPSインセンティブ61億6,500万ドルを提供

バイデン政権は12月10日、商務省(Department of Commerce)がCHIPSインセンティブ・プログラム(CHIPS Incentives Program)の商業化製造施設に関する資金提供機会(Funding Opportunity for Commercial Fabrication Facilities)の下、マイクロン・テクノロジー社(Micron Technology)に最大61億6,500万ドルの直接資金のアワードを提供したと発表した。本件は、4月25日に発表された予備的規約覚書(preliminary memorandum of terms: PMT)の署名と商務省による精査を経て実施された。この直接資金は、同社による20ヵ年ビジョンの第1歩を支援するもので、同ビジョンは、ニューヨーク州でのプロジェクトに約1,000億ドルを、アイダホ州でのプロジェクトに250億ドルを投資する。約2万人の雇用創出が見込まれ、先端メモリ製造における米国のシェアを現在の2%未満から2035年までに約10%に拡大する一助となることを目指す。政権はまた、商務省が同社との間で、バージニア州マナサスにある施設の拡大と現代化のための資金として最大2億7,500万ドルの資金を提供する案について、拘束力のないPMTに署名したと発表した。 Department of Commerce “Department of Commerce Awards CHIPS Incentives to Micron for Idaho and New York Projects and Announces Preliminary Memorandum of Terms for Virginia DRAM Project to Secure Domestic Supply of Legacy Memory Chips” (12/10/24)

サンディア国立研究所、2024年度のCRADA数は過去最高

サンディア国立研究所(Sandia National Laboratories)が2024年度(9月30日締め)に新規に締結した共同研究開発契約(cooperative research and development agreement: CRADA)は72件で、これは1990年代初頭にワールド・ワイド・ウェブ(WWW)が登場して以来、初めての最高水準である。2000年代初頭におけるサンディア国立研究所のCRADAの年間件数は約半分であった。CRADAは、連邦研究所と外部のパートナー事業体が互いの専門性や資源を活用しながら新技術の開発に合同で取り組むことを可能にする契約である。同研究所は、「一部のCRADAの取扱い方法を合理化したことが契約のより早い実行につながった」とする。また、サンディア国立研究所と国家核安全保障局(National Nuclear Security Administration: NNSA)が実施した2000年~2023年におけるCRADAと特許ライセンス契約の影響に関する調査では、1,400億ドル以上の経済効果と60万件以上の雇用をもたらしたことが明らかになっている。 Sandia National Laboratories “New Sandia R&D agreements reach levels not seen in three decades” (12/9/24)

テキサス州のエネルギー貯蔵、低費用と電力の信頼性を維持

米国クリーン電力協会(American Clean Power Association: ACP)が発表した分析報告書「テキサス州で大幅なエネルギー貯蔵能力の追加が低費用と電力の信頼性を維持(Significant Energy Storage Capacity Additions Keep Costs Low and Power Reliable in Texas)」によれば、テキサス州では過去1年間に行われたエネルギー貯蔵能力の追加によって、消費者の電力費用は抑えられ、省エネの呼びかけを回避することができ、異常気象時に電力グリッドがより良い対応をできるようになった。報告書のキーファインディングとして、①テキサス州の電力需要は過去2年間で急増した、②テキサス電力信頼性評議会(Electric Reliability Council of Texas: ERCOT)地域では過去1年間に大規模なエネルギー貯蔵能力(5ギガワット)が追加され、エネルギー需要の急増ペースを上回ることができた、③エネルギー貯蔵能力の追加は、7億5,000万ドルの費用削減に寄与し、消費者の節約をもたらした、などが挙げられている。 American Clean Power Association “New Analysis Shows Energy Storage Keeps Costs Low and Power Reliable in Texas” (12/9/24)

NIH、「科学の科学スカラー」を試験実施

科学がどのように機能するかについて考えたことはあるか?バイオ医療研究の進展を加速させる方法についてアイデアがあるか?国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)の方針やプログラムの影響をより良く理解したいと考えているか?-こうした研究者を対象に、NIHは「科学の科学スカラー(Science of Science Scholars)」プログラムを試験的に開始する。NIHが12月5日に発表したもので、研究コミュニティに関与し、NIHの研究事業を強化してバイオ医療研究の進展を進める一助とすることが狙いである。NIHが研究にもたらす影響について理解を深めることを目的としており、具体的な分野には、①バイオ医療研究への寄与、②バイオ医療研究の労働力への投資の最適化、③科学の質、頑強性、再現可能性の実現、が含まれる。 extramural NEXUS “That’s So Meta — Applications Open for NIH’s Science of Science Scholars Program Pilot” (12/5/24)

米国の電力需要、5年間で456%増

グリッド・ストラテジーズ社(Grid Strategies)が12月5日に発表した報告書「戦略的な業界の急増:米国の電力需要を押し上げる(Strategic Industries Surging:Driving US Power Demand)」によれば、主に6つの地域におけるデータ・センターや製造の増加により、米国の電力需要は今後5年間で128ギガワット(GW)増加する可能性がある。同社は、「電力需要が5倍に増加した」とする。報告書の電力需要予測は、連邦エネルギー規制委員会(Federal Energy Regulatory Commission)に提出された電力バランシング・オーソリティ(電力の需給バランスを行う組織)の年間計画報告と、ユーティリティ機関や計画地域からの追加の更新データに基づいて算出されたもの。 Utility Dive “Five-year US load growth forecast surges 456%, to 128 GW: Grid Strategies” (12/6/24)

防衛技術企業、AIに焦点を当てたコンソーシアムを設立

防衛技術企業大手のパランティア社(Palantir)とアンドゥリル社(Anduril)は12月6日、国防総省(Department of Defense)が人工知能(AI)を導入する上で障害となっている問題点に対処することを目的とした業界コンソーシアムを設立すると発表した。両社は合同声明の中で、「我々のゴールは、エンタープライズの最先端による技術インフラを提供し、政府と業界のパートナーが、米国の世界的なAIの進展を次世代の軍事及び国家安全保障能力へと変革できるようになることである」とする。パランティア社とアンドゥリル社はいずれも国防総省のAI及びソフトウェアのエコシステムにおける主要なプレイヤーであり、今回発表された新たなパートナーシップは、両社の既存の製品ラインを基盤として活動する。両社は、国防総省によるAIの導入において、①データの準備、②業界のAIモデルを拡張するためのセキュアなパイプラインの不足、の2点が大きな問題となっていると認識している。両社はいずれは参加企業を増やし、パートナーシップを拡大していく計画である。 Department of Defense “Defense tech firms establish AI-focused consortium” (12/6/24)

トランプ次期大統領、AI担当官にデビッド・サックス氏を選出

トランプ次期大統領は12月5日、自身の「ホワイトハウスAI・暗号通貨担当官(White House AI & Crypto Czar)」として、デビッド・サックス氏(David Sacks)を選出した。シリコンバレーにおいて論争的な存在で、イーロン・マスク氏(Elon Musk)の仲間であり、人気のポッドキャスターであるサックス氏が、大統領府の新興技術政策担当官となる。業界内の保守派やリバタリアン派は長年、「ワシントンDCのリーダーや文化はイノベーションを抑制している」と苦情を述べていたが、今度は自らが決定権を握ることになる。トランプ次期大統領は、暗号通貨の規制を緩和し、バイデン大統領によるAIに関する大統領令を撤回し、AI競争で中国に勝つと述べている。サックス氏は、ペイパル社(PayPal)の共同創立者で、当時、マスク氏やピーター・ティール氏(Peter Theil)と共に仕事をし、後に彼らの企業に投資した。同氏の就任に上院議会の承認は不要で、「特別政府職員」となる。 Axios “Trump picks David Sacks as his AI guy” (12/6/24)