OPM、スケジュールF復活を正式提案 5万人の連邦職員が随意雇用に

ガバメント・エグゼクティブ(Government Executive)は4月18日、人事管理局(Office of Personnel Management:OPM)が「スケジュールF(Schedule F)」を正式に復活させる規制案を提出し、約5万人の連邦職員が公務員としての保護を失い、随意雇用(at-will employment)となる見込みであると報じた。「スケジュールF」は第1期トランプ政権で導入されたもので、政策立案に関わる連邦職員がこれに区分される。具体的に、今回、名称を「スケジュール政策・キャリア(Schedule Policy/Career)」とし、これに区分される政府職員については、従来の複雑な解雇手続きを簡素化し、政権方針に反対すると考えられる職員を解雇しやすくすることで、政権の政治的意向を反映させる狙いがある。また、最終的な職務区分の決定権をOPM長官から大統領に移し、採用プロセスを従来の競争的雇用のまま維持する一方、法的整備を図るとしている。今回の提案は30日間の意見募集期間を経て最終化され、最終規則の発行後、追加の大統領令を発出し、正式に施行される予定であるという。 Government Executive “OPM proposes rule to formally revive Schedule F” (04/18/25) https://www.govexec.com/workforce/2025/04/opm-proposes-rule-formally-revive-schedule-f/404699/

大統領府 K-12教育へのAI導入を検討

ワシントン・ポスト紙(The Washington Post)は4月22日、トランプ政権がK-12教育(幼稚園から高等学校卒業までの義務教育12年間)に人工知能(AI)を導入する政策を盛り込んだ大統領令の草案「若者のための先進AI教育の推進(Advancing artificial intelligence education for American youth)」を検討していると報じた。米国の技術優位性確立に向け、次世代にAI技術を学ぶ機会を提供する必要があるとし、連邦機関に対し、学生へのAI使用指導や教育関連業務にAIを組み込むための措置を指示するもので、産業界と連携し、AIリテラシーや批判的思考スキルを育成するプログラムを開発する。また、教育省(Department of Education)のリンダ・マクマホン長官(Linda McMahon)に対し、教師のAI活用に関する研修のための助成も優先するよう指示するという。さらに「大統領AIチャレンジ(Presidential AI Challenge)」と呼ばれる学生と教育者向けのAIスキルを実証するための競技会も設立される予定である。 The Washington Post “Draft executive order outlines plan to integrate AI into K-12 schools” (04/22/25) https://www.washingtonpost.com/education/2025/04/22/ai-schools-executive-order-trump-draft/

NSF予算混迷 スパコン・ホライズン建設計画に影響

HPCwireは4月22日、テキサス大学アーリントン校(University of Texas at Arlington)のテキサス先端計算センター(Texas Advanced Computing Center: TACC)が進めるスーパーコンピューター、ホライズン(Horizon)の建設計画が、連邦予算の不確実性によって遅延または中止の危機に直面していると報じた。同プロジェクトは米国科学財団(National Science Foundation: NSF)の主要研究機器・施設建設(Major Research Equipment and Facilities Construction: MREFC)を通じて支援される大規模計画の一つで、2億3,400万ドルが同スパコンの開発継続に充てられる予定であった。400ペタフロップス(petaflop)の性能を持つホライズンは、エアロゾル中のウイルス挙動のシミュレーションから銀河形成のモデル化などの研究に不可欠とされ、ダン・スタンツィオーネ所長(Dan Stanzione)は「建設費4億7,000万ドルのうちの7,300万ドルに加え、移行に既に2,600万ドルを費やしており、支援が途絶えればすべてが無駄になる」と懸念している。 HPCwire “NSF Budget Dispute Threatens Progress on TACC’s Horizon System” (04/22/25) https://www.hpcwire.com/2025/04/22/nsf-budget-dispute-threatens-progress-on-taccs-horizon-system/

環境団体、非営利団体への課税免除撤廃を懸念

ユーティリティ・ダイブ(UTILITY DIVE)は4月22日、トランプ大統領が環境団体の免税資格取り消す大統領令を発表する可能性があると報じた。チェサピーク気候行動ネットワーク(Chesapeake Climate Action Network)が記者会見を開き、ジェイミー・ラスキン下院議員(Jamie Raskin、メリーランド州選出民主党)や元ワシントン州知事のジェイ・インスリー(Jay Inslee、民主党)が、政府が内国歳入法(Internal Revenue Code: IRC)の特定条項に基づく非営利団体の分類である501(c)(3)の免税資格を取り消す可能性に言及した。ラスキン議員は、政権が環境団体を「テロ支援組織」として税額免除を撤回する可能性も指摘し、法的手続きが整っているため、裁判で争う準備があると述べた。環境NGO「350.org」のビル・マッキベン氏(Bill McKibben)も、自らが率いる団体が犯罪者に指定されることに疑問を呈しており、抵抗する意向を示している。 UTILITY DIVE “Climate advocates brace for Trump executive order targeting nonprofits’ tax exempt status” (04/22/25) https://www.utilitydive.com/news/climate-advocates-environmentalists-trump-executive-order/746003/

ハーバード大、政府を提訴 助成金凍結の取り消し求め

アーステクニカ(Ars Technica)は4月23日、ハーバード大学(Harvard University)が、政府による20億ドル以上の研究資金凍結は違憲であると主張し、政府を相手取り、マサチューセッツ州の連邦地方裁判所に提訴したと報じた。政府の要求が、同大学の憲法修正第一条と公民権法第6条に基づく大学の権利を侵害しており、特に反ユダヤ主義への懸念と科学研究と間に合理的な関連性を特定できず、「恣意的で気まぐれ」であると主張している。これまで、政府はガバナンス改革や採用・入学選考における「視点の多様性」などを求める内容の書簡を同大学に送付し、改善を求めてきたが、同大学は拒否したことを受け、資金を凍結したという経緯がある。ただし、凍結期間や解除に必要な具体的な内容は明らかにしておらず、資金削減には公聴会の開催や30日間の待機期間、議会への通知などの明記が必要で、同大学は政府の対応を違法とし、凍結命令の無効化と手続きの遵守を求めている。 Ars Technica “Harvard sues to block government funding cuts” (04/23/25) https://arstechnica.com/science/2025/04/harvard-sues-to-block-government-funding-cuts/

米中AI競争 技術的優位性の確立が急務 CNAS報告

新米国安全保障センター(Center for a New American Security: CNAS)は4月22日、米中人工知能(AI)競争による紛争規範、国家権力、バイオエシックス(新たな生命倫理)、災害リスク領域への影響を検証した報告書「プロメテウス競争:米中AI競争による世界変革への影響(Promethean Rivalry: The World-Altering Stakes of Sino-American AI Competition)」を発表した。著者のビル・ドレクセル氏(Bill Drexel)は、米国が、技術権威主義体制を推進して国家権力へのAI活用を進める中国に後れをとっていると指摘し、米国が技術的優位を拡大し、民主主義価値を推進する必要性を強調した。一方で中国の外交的強硬姿勢は軍事的・経済的優位性を超えたリスクを高めているとし、米中間の協力の限界にも触れた。自律型兵器システムから監視国家、人間の遺伝子工学、AIによる大惨事などの危機に踏まえ、この断絶は特に憂慮すべき事態と言及し、国際的な規範設定や技術イノベーション基金の設立などを推奨している。 CNAS “New CNAS Report on the World-Altering Stakes of U.S.-China AI Competition” (04/22/25) https://www.cnas.org/press/press-release/new-cnas-report-on-the-world-altering-stakes-of-u-s-china-ai-competition

生成AIによる環境と人間への影響に関する対応策を発表 GAO提言

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は4月22日、人工知能(AI)技術の進化による環境や人間への影響に対処する政策オプションを発表した。AIは様々なタスクの自動化を可能にし、産業の生産性を高めるが、機器の過熱を防ぐための水や電気の消費量が多いことに加え、労働者の代替による雇用喪失やディープフェイクなどの誤情報の拡散にもつながる可能性を踏まえ、同局は環境や人々への影響を軽減するための政策オプションを提案している。特に、2022年のデータセンターの電力消費量は、総電力需要の約4%を占め、2026年には6%に達する見込みで、業界や政府が取り組む必要性を強調している。具体的には、技術イノベーションや機器製造や廃棄による環境への影響に関するデータ収集の共有に加え、エネルギーと水の使用量削減に向けた技術開発への取り組み強化、ベストプラクティスの共有、標準化確立などを提言している。 GAO “Artificial Intelligence:Generative AI’s Environmental and Human Effects” (04/22/25) https://www.gao.gov/products/gao-25-107172

中国の太陽光発電設備容量が急増 24年に880GW

エネルギー情報局(Energy Information Administration: EIA)は4月21日、2024年の中国の大規模太陽光発電設備の容量が880ギガワット(GW)を超える見込みと発表した。世界で最多の太陽光発電設備を保有する中国の2024年の新規設置容量が277GW増加し、2024年末までに米国に設置される容量121GWの2倍以上となった。グローバル・エネルギー・モニター(Global Energy Monitor)がまとめた「グローバル・ソーラー・パワー・トラッカー(Global Solar Power Tracker)」によると、中国では720GW以上の太陽光発電所プロジェクトが計画中で、うち約250GWが建設中、300GWが建設準備段階にあり、177GWが発表済みのプロジェクトであるという。2030年までに完成予定の太陽の長城(Great Solar Wall)プロジェクトは、内モンゴル自治区とその周辺地域にまたがる地域に約100GWの新規設置を予定しており、クブチ砂漠の北部と南部、またオルドス砂漠や新疆で大規模開発計画が進んでいるという。 EIA “China’s solar capacity installations grew rapidly in 2024” (04/21/25) https://www.eia.gov/todayinenergy/detail.php?id=65064

2024年米国大学特許保有数ランキング発表 全米発明家アカデミー

全米発明家アカデミー(National Academy of Inventors: NAI)は4月17日、2024年度の米国の大学が取得した特許数に基づくトップ100大学リスト(2024 Top 100 U.S. Universities Granted U.S. Utility Patents List)を発表した。イノベーション推進に大きな役割を果たした米国の学術機関をランキング化したもので、カリフォルニア大学(The Regents of the University of California)が540件で1位となり、マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology)が295件で2位、テキサス大学システム(The University of Texas System)が234件で3位となった。ポール・サンバーグ会長(Paul R. Sanberg)は「特許申請を通じて知的財産を保護し、これを実用化して市場に投入することで、経済を活性化し、具体的な社会的解決策の創出を可能にする」と説明し、関係者も米国の競争力を維持するための投資の重要性を訴えている。リストに掲載された大学は計6,700件以上の特許を保有している。 NAI “2024 Top 100 US Universities Announced by the National Academy of Inventors” (04/21/25) https://academyofinventors.org/2024-top-100-us-universities-announced-by-the-national-academy-of-inventors/

GAO、エネルギー省への優先事項公開勧告を発表

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は4月18日、「優先事項公開勧告:エネルギー省(Priority Open Recommendations: Department of Energy)」を発表した。GAOは2024年6月、エネルギー省(Department of Energy)宛てに27件の優先事項勧告を発表し、エネルギー省はそのうち、サイバーセキュリティ政策の改訂の発表など3件の勧告を実践していた。これを受けて、GAOは2025年3月、エネルギー省への新たな優先事項勧告7件を特定すると共に、1件の優先事項勧告を取り消し、エネルギー省への優先事項勧告は合計30件となった。これらの勧告には、①契約、プロジェクト、プログラムの管理の改善、②核の現代化に伴う改題への対処、③エネルギー省による環境・処分責任への対処、などの分野が含まれる。 Government Accountability Office: GAO “Priority Open Recommendations: Department of Energy” (04/18/25) https://www.gao.gov/products/gao-25-108093