AI産業の競争維持が技術優位性の鍵 CSET 提言

安全保障・新興技術センター(Center for Security and Emerging Technology: CSET)は5月、人工知能(AI)革新を促進するためには競争的で多様な市場環境の育成が不可欠とする報告書を発表した。報告書によると、現在のAI産業では大手テクノロジー企業が計算資源、データ、基盤モデル、流通チャネルなどの重要な要素を支配しており、競争を阻害する恐れがあると警告している。このような市場独占は長期的な米国のAIイノベーション能力と安全保障上の回復力を損なう可能性があるとし、同センターはより競争的な環境を促進するための政策提言を行った。特に計算資源提供者間の競争促進やAIモデルとアプリケーション開発の公平な環境整備、またAI製品の開かれた流通チャネルの推進を主要目標として掲げている。中国などの競合国に対する優位性を維持するためにも、早急な政策対応が必要と提言している。 CSET “Promoting AI Innovation Through Competition” (05/XX/25) Promoting AI Innovation Through Competition

下院共和党、IRA税額控除の早期廃止を提案

ユーティリティー・ダイブ(UTILITY DIVE)は5月13日、下院歳入委員会(House Ways and Means Committee:HWMC)がインフレ抑制法(Inflation Reduction Act:IRA)に基づく技術中立型クリーンエネルギー投資(48E)・生産税額控除(45Y)を2028年から段階的に縮小し、2032年に打ち切る予算案を公表したと報じた。2029年に80%、2030年に60%、2031年に40%へ縮小し、2032年にゼロとし、原子力発電向けも同日程で廃止する一方、炭素隔離(45Q)とクリーン燃料生産(45Z)は延長する。また適用条件の建設開始から運転開始した年への変更により、系統接続待ちの大規模再エネ案件が対象外になる可能性がある。税額控除の譲渡制度も2年で打ち切られる方針で、中小開発企業の資金調達難化が懸念されている。クリーン水素生産(45V)や家庭向け省エネ設備・電気自動車関連控除も今年で終了予定で、業界はクリーン技術の商業化停止や国家安全保障に不可欠な原子力産業後退、コスト上昇と投資停滞を危惧している。 UTILITY DIVE “Promoting AI Innovation Through Competition” (05/13/25) https://www.utilitydive.com/news/house-gop-proposes-early-phaseout-of-ira-clean-energy-tax-credits/747970/

エクイノール ニューヨーク沖風力発電事業取りやめも

ユーティリティー・ダイブ(UTILITY DIVE)は5月12日、エクイノール社(Equinor)が、トランプ政権による作業停止命令が数日以内に解決されなければ、ニューヨーク沖合の810MWの洋上風力計画「エンパイア・ウィンド1(Empire Wind 1)」を全面的に終了せざるを得ないと表明したと報じた。4月16日、ダグ・バーガム内務長官(Doug Burgum)が十分な環境・機関連携が行われていないとして同計画の一時停止を命じたことにより、建設は30%時点で中止され、既に投資している27億ドルに加え、遅延コストは週あたり最大5,000万ドルに達しているという。アンダース・オペダルCEO(Anders Opedal)は「前例がなく違法である」とし、大統領府で国家経済会議(National Economic Council: NEC)のケビン・ハセット議長(Kevin Hassett)と面会したが進展は得られなかった。同社は現在、合法的に発給された許可に基づく権利と投資保護を主張し、法的措置も検討中である。同計画は、2026年末の稼働開始を予定していた。 UTILITY DIVE “Empire Wind 1 stop work order may force project’s termination soon: Equinor” (05/12/25) https://www.utilitydive.com/news/equinor-stop-work-order-empire-wind-termination-trump/747830/

国防高等研究計画局、新局長にウィンチェル氏

ディフェンススクープ(DefenseScoop)は5月8日、トランプ政権が国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Projects Agency: DARPA)の新局長にスティーブン・ウィンチェル氏(Stephen Winchell)を任命したと報じた。同氏は国防総省(Department of Defense)の戦略能力室(Strategic Capabilities Office: SCO)で人工知能(AI)・自律型ポートフォリオの責任者を務め、過去にはアルゴリズム戦争クロス・ファンクショナル・チーム(Algorithmic Warfare Cross Functional Team)のメイブン・プロジェクト(Project Maven)の主任技師や、インテリジェンス高等研究計画活動(Intelligence Advanced Research Projects Activity: IARPA)の大統領イノベーション・フェロー(Presidential Innovation Fellow)も歴任した。さらに、ジョンズ・ホプキンス大学応用物理研究所(Johns Hopkins University Applied Physics Laboratory)ではプログラム・マネージャーを務めた経験を持つ。就任は5月19日を予定している。 DefenseScoop “Copyright Office head fired after reporting AI training isn’t always fair use” (05/13/25) Trump administration picks new DARPA director

著作権局長解任、AI訓練のフェアユース問題で波紋

アース・テクニカ(Ars Technica)は5月13日、トランプ政権が著作権局(Copyright Office)のシラ・パールマッター局長(Shira Perlmutter)を解任したと報じた。同局が作成したAI訓練におけるフェアユース適用に関する報告書の発表から数日後に行われた。報告書は、AI開発者が効果的なモデルを構築するためにどれだけのデータが必要かという点が未解決の問題としつつも、AI訓練が著作権市場を脅かす場合、フェアユースと認められない可能性を示唆し、技術業界に衝撃を与えている。同局はAI訓練の一部はフェアユースと位置付けて、クリエイターの著作権保護と技術革新のバランスを重視し、ライセンス契約の必要性を提言しているが、業界団体は、本報告書をイノベーションを阻害するものとして反発している。記事は今回の解任劇についてイーロン・マスク氏(Elon Musk)が率いる政府効率化省(Department of Government Efficiency:DOGE)との関連を示唆しており、議会や専門家らは「権力乱用」と批判していると伝えている。 Ars Technica “Copyright Office head fired after reporting AI training isn’t always fair use” (05/13/25) https://arstechnica.com/tech-policy/2025/05/copyright-office-head-fired-after-reporting-ai-training-isnt-always-fair-use/

ゼルディンEPA長官、アイドリングストップ技術を批判

AXIOSは5月12日、環境保護庁(Environmental Protection Agency:EPA)のリー・ゼルディン長官(Lee Zeldin)が自動車のアイドリングストップ技術に対する優遇措置の見直しを示唆したと報じた。同長官は自身のX(旧ツイッター)上に、同技術について「赤信号になるたびに車が止まる。誰もが嫌がっているので、修正する」と投稿し、撤廃の可能性を示している。アイドリングストップ技術は燃費向上と排出ガス削減に役立つとし、2016年から自動車への導入が増加、2023年には新車の65%に搭載されるようになった。年間約1,000万トンの温室効果ガス削減効果があったと推計されており、同庁は、自動車への同技術導入を義務付けてはいないものの、採用メーカーに燃費クレジットを提供している。環境推進派はこの技術を評価する一方、一部の利用者からは不評を買っているとし、記事は同技術について、運転者のボタン操作により無効化できる、とも伝えている。 AXIOS “EPA administrator targets stop-start vehicle tech: “Everyone hates it”” (05/12/25) https://www.axios.com/2025/05/12/epa-lee-zeldin-stop-start-vehicles

GAO、原子力規制委員会への優先事項公開勧告

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は2024年5月、原子力規制委員会(Nuclear Regulatory Commission: NRC)への優先事項公開勧告を8件発表した。それらは、実施されれば、放射線源の安全保障問題に対処し、NRCの費用試算の信頼性を高めるものである。それらへの対応は現在も継続しており、GAOは2025年5月に、新たに1件の優先事項勧告を追加した。これは、リスク情報に基づく意思決定を改善するもので、これにより、NRCへの優先事項公開勧告は合計9件となった。 Government Accountability Office “Priority Open Recommendations: Nuclear Regulatory Commission” (05/12/25) https://www.gao.gov/products/gao-25-108097

米宇宙軍とイタリア空軍、宇宙安全保障協力の拡大に合意

米宇宙軍(U.S. Space Force)の宇宙作戦総司令官(Chief of Space Operations)のチャンス・サルツマン大将(Gen. Chance Saltzman)と、イタリア空軍参謀総長(Italian Air Force Chief of Staff)のルカ・ゴレッティ中将(Lt. Gen. Luca Goretti)は5月8日、重要な宇宙安全保障分野での相互協力を拡大することを意図した了解覚書(statement of understanding)に署名した。署名は、ローマで開催された2025年航空宇宙パワー会議(2025 Aerospace Power Conference)で行われた。抑止と防衛の重要性に関する共通の認識の下、宇宙領域の保護及び防衛に対する双方のコミットメントを強化する。宇宙の戦略的重要性が高まる中、米宇宙軍とイタリア空軍の間の了解覚書は、スキルの向上と集合的安全保障への寄与に関する貴重な機会を示すものとなっている。 United States Space Force “US Space Force, Italian Air Force sign statement to expand space security cooperation” (05/09/25) https://www.spaceforce.mil/News/Article-Display/Article/4179676/us-space-force-italian-air-force-sign-statement-to-expand-space-security-cooper/

DIUのハイブリッド宇宙通信ネットワーク、商業技術の活用で素早い意思決定を実現

国防イノベーション・ユニット(Defense Innovation Unit: DIU)のハイブリッド宇宙アーキテクチャ(Hybrid Space Architecture: HSA)プロジェクトは、民間、商業、軍事の宇宙資産を一つの統合型アーキテクチャに統合し、兵士に非対称的な状況認識とその場でのより良い意思決定を提供することを狙いとしている。HSAネットワークは、通信のマルチパスルーティングを導入し、データ移送を最適化すると共に、気象やその他の障害による影響を軽減することで、対応力を高められる可能性がある。DIUは、米戦闘司令部(U.S. Combatant Commands)との連携で、作戦上のニーズを評価し、ソフトウェア・アーキテクチャを試作し、効果的な移行経路を策定した。DIUは最近、複数企業に新たな契約を発注しており、一部の企業は今夏から主要なミッション・パートナーとの間で実証を開始する。 Defense Innovation Unit “Hybrid Space Communications Network Leverages Commercial Technology, Enabling Faster Decision-Making on the Battlefield” (05/12/25) https://www.diu.mil/latest/hybrid-space-communications-network-leverages-commercial-technology-enabling

サンディア国立研究所、スマートな支出プログラムで数百万ドルの公的資金節約

サンディア国立研究所(Sandia National Laboratories)は、エネルギー省(Department of Energy)が2006年にサプライチェーの効率性強化と費用削減を目的として創設したサプライチェーン管理センター(Supply Chain Management Center: SCMC)プログラムを活用した結果、4億3,900万ドルの節約を実現した。この節約額は、エネルギー省内または国家核安全保障局(National Nuclear Security Administration: NNSA)のどの拠点よりも大きい。SCMCは、主要な契約事業者と協力して調達契約を確立し、エネルギー省傘下の拠点が利用できるようにするというもので、これによって各拠点が個別に契約事業者と交渉する必要がなくなり、一括購入による価格設定や、早期支払い割引、還付金などのインセンティブを確保できる。SCMCは、NNSA及びエネルギー省内の26拠点と協力し、117件の契約を確立している。 Sandia National Laboratories “Sandia National Labs helps save taxpayers millions through smarter spending” (05/12/25) https://newsreleases.sandia.gov/sandia-national-labs-helps-save-taxpayers-millions-through-smarter-spending/