GM、低コストLMR電池を大型EVに採用 400マイル走行を可能に

Axiosは5月13日、ゼネラル・モーターズ社(General Motors)がリチウム過剰型マンガン系(Lithium Manganese-Rich: LMR)電池を次世代大型電気自動車(EV)に採用すると報じた。400マイル走行とコスト低減の両立を掲げ、トラックやSUV市場の最大の課題である走行距離の制限と価格の高さを同技術で解消する業界初の試みとなる。同社は大型プラグインモデルで使用する LMR角柱型電池セルの商品化に向け、エルジー・エナジー・ソリューション社(LG Energy Solution: LGES)との提携を拡大し、両社の合弁アルティアム・セルズ社(Ultium Cells)が2028年から量産を開始する。コバルトとニッケル使用量を削減し、比較的安価なマンガン含有量を増やして材料コストを抑えたLMRセルは、角柱型(プリズマティック)構造によりセルを高密度に積層しており、円筒形セルよりも容量とエネルギー密度を向上させ、最高性能のリチウム鉄リン酸(Lithium iron phosphate: LFP)系セル比で33%高いエネルギー密度を同等コストで実現できる。 Axios “GM to pioneer cheaper battery tech for electric trucks” (05/13/25) https://www.axios.com/2025/05/13/gm-ev-battery-trucks-suv

フォーチュン500の再生エネ契約、2024年に急増

アメリカン・クリーン・パワー協会(American Clean Power Association:ACP)は5月14日、2024年における再生可能エネルギーの電力購入契約(Power purchase agreements: PPAs)が前年比56%増と記録的な水準に達したと発表した。フォーチュン100及び500企業による需要拡大を背景に、約49ギガワット(GW)に及ぶ新規再生可能エネルギープロジェクト展開と45の製造施設建設に向け、約800億ドルが投資された。データセンター需要が拡大する中、アマゾン社(Amazon)やマイクロソフト社(Microsoft)、メタ社(Meta)、グーグル社(Google)などの大手IT企業が契約した発電容量は11.3GWと、国内で5番目にクリーン電力供給量の多いフロリダ州の再エネ電力規模に匹敵するという。また風力と大規模太陽光発電の電力供給シェアが初めて石炭火力を上回り、16%を占めた。レポートは急増する電力需要への対応に向け、今後も再生可能エネルギーや蓄電池の大規模導入が不可欠と指摘している。 ACP “NEW REPORT: Clean Energy Contracts with Fortune 500 Companies Surge in 2024” (05/14/25) NEW REPORT: Clean Energy Contracts with Fortune 500 Companies Surge in 2024 

10年以上ほぼ横ばいであった米国の電力消費が再び増加

エネルギー情報局(Energy Information Administration: EIA)は最新の短期エネルギー見通し(Short-Termi Energy Outlook)で、米国の年間電力消費は2025年及び2026年に増加し、過去最高となった2024年を上回ると予想した。この増加は、2000年代半ばから2020年代初頭の比較的横ばいであった電力需要の傾向と対照的である。最近及び予想される電力消費の増加は、主に商業部門(データセンターを含む)と産業部門(産業施設を含む)によるものである。米国の電力消費は過去ほぼ20年間に亘り、実質的に横ばいであった。電力需要は一般的に人口増加と経済成長に関連して増加するが、エネルギー効率の向上や、製造業からサービス部門への移行など、経済における構造的変化によって相殺されてきた。 Energy Information Administration “After more than a decade of little change, U.S. electricity consumption is rising again” (05/13/25) https://www.eia.gov/todayinenergy/detail.php?id=65264

商務省、前政権のAI拡散規則を撤回 チップ関連の輸出管理を強化

商務省(Department of Commerce)は5月13日、バイデン前政権による人工知能(AI)拡散規則(AI Diffusion Rule)を撤回すると共に、半導体の世界的な輸出管理を強化する策を発表した。AI拡散規則は2025年1月15日に発表され、その順守要件は5月15日に発効予定であった。産業安全保障局(Bureau of Industry and Security:BIS)は、これらの新たな要件は、米国のイノベーションを妨げ、企業の負担となる新たな規制要件をもたらす他、数十カ国の地位を格下げしており米国の外交関係に悪影響をもたらす可能性があるとして、同規則の撤回とそれに代わる規則を連邦広報(Federal Register)で発表する計画である。加えて、華為技術(ファーウェイ)のAscendチップの使用は世界のどの地においても米国輸出管理に違反することを示す指針の発表など、海外でのAIチップに関する輸出管理を強化する措置を発表した。 Bureau of Industry and Security “Department of Commerce Rescinds Biden-Era Artificial Intelligence Diffusion Rule, Strengthens Chip-Related Export Controls” (05/13/25) https://www.bis.gov/press-release/department-commerce-rescinds-biden-era-artificial-intelligence-diffusion-rule-strengthens-chip-related

トランプ政権、3ヶ月間でNIHの研究資金27億ドルを削減

上院衛生・教育・労働・年金委員会(Senate Health, Education, Labor and Pensions Committee: HELP)のランキングメンバーであるバーニー・サンダース上院議員(Bernie Sanders、バーモント州選出無所属)は5月13日、「トランプ政権による科学への戦争(Trump’s War on Science)」と題する少数派スタッフ報告書(Minority Staff Report)を発表した。それによれば、トランプ政権は今年最初の3カ月間に国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)の研究向け資金27億ドルを削減した。この金額は、他から発表されている試算よりも遥かに大きい。報告書は、上院HELP委員会の少数派スタッフが行った分析に基づき、NIHの助成金データや厚生省(Department of Health and Human Services)の自己申告データなどが考慮されている。報告書は、「政権の措置は、癌などの疾病対策における画期的達成の減少や、将来の感染症対策の遅れ、公的機関への信頼低下の継続につながる」と警告し、研究資金の削減を止めるよう求めている。 CNN “Trump administration cut $2.7 billion in NIH research funding through March, Senate committee minority report says” (05/13/25) https://www.cnn.com/2025/05/13/health/trump-administration-nih-funding-sanders-report

ロスアラモス国立研究所、2025年ディープテック・アントレプレナーのフェローを発表

「ニューメキシコラボ組み込み型アントレプレナーシップ・プログラム(New Mexico Lab-Embedded Entrepreneurship Program (LEEP))」は、2025年のコホート(2名)を発表した。同プログラムは、ロスアラモス国立研究所(Los Alamos National Laboratory)が、国家安全保障に関するディープテックに焦点を当てたアントレプレナーを対象に提供する2年間のフェローシップで、今年で4年目となる。ディープテックは、新たなエネルギー資源や宇宙システム、次世代マテリアル及びコンピューティングなど社会的に大きな課題に対する技術ソリューションを指す。フェローは、経験豊富なメンターやビジネス資源のネットワークに関与し、ハイテクビジネスの成長支援を目的としたカリキュラムに参加する。また、共同研究開発契約(Cooperative Research and Development Agreement)を通じて研究所の科学者と共に、実行可能な製品の実証を加速させる。 Los Alamos National Laboratory “Los Alamos National Laboratory announces 2025 fellowships for ‘deep tech’ entrepreneurs” (05/07/25) https://www.lanl.gov/media/news/0507-nmleep

国立再生可能エネルギー研究所、114名の職員を解雇

CPRニュース(CPR News)の5月5日の報道によれば、国立再生可能エネルギー研究所(National Renewable Energy Laboratory: NREL)で少なくとも114名の職員が解雇された。人員削減の対象は、研究及び運営の双方の部門に及ぶ。解雇の通知は、NREL指導部(NREL Leadership team)からのEメールで行われ、「削減は研究所の長期的なミッションに焦点を当て、資源を重要な優先事項にシフトする一助となる」としている。トランプ政権による2026年度予算要求は、エネルギー省(Department of Energy)予算の約200億ドル削減を提案しており、NRELの運営資金を提供するエネルギー効率・再生可能エネルギー局(Office of Energy Efficiency and Renewable Energy)の予算は大幅削減されている。 CPR News “114 people laid off from the National Renewable Energy Laboratory” (05/05/25) https://www.cpr.org/2025/05/05/nrel-layoffs/

NIH助成の更新受給は更なるイノベーションにつながるとの論文

中国科学院科学開発研究所(Chinese Academy of Sciences Institutes of Science and Development:CASISD)の科学政策研究者2名が4月下旬にサイエントメトリクス誌(Scientometrics)に発表した論文によれば、過去40年間に、国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)助成の更新を受けた研究者は、そうでない研究者よりも新規イノベーションをもたらしているという。本研究は、米政府の主要なバイオ医療科学の助成提供機関に焦点を当てたものであるが、その研究結果は、世界中の政府に、研究者に安定した資金を提供する政策を実践する動機付けになるかもしれないと、論文の執筆者は結論づけている。研究は、1985年から2021年にNIHの助成(R01)を受給した642名の米国科学者を、最低3年間の更新を受けたグループと、そうでない対象群の2つに分け、それぞれの科学的成果を分析して行われた。 Nature “Renewal of NIH grants linked to more innovative results, study finds” (05/08/25) https://www.nature.com/articles/d41586-025-01420-5

米国の最大手財団、危惧されるトランプ政権への対策で結束

米国内で最大の資金と影響力を有する一部の民間財団は、トランプ政権が非営利財団の免税資格の取り消しを試みる可能性に備え、非公式に結束している。情報筋によれば、フォード財団(Ford Foundation)、ゲイツ財団(Gates Foundation)など、政治的に広範な分野でグラントを提供する財団は、政権によるこうした試みに備え、潜在的な対応策を検討しており、その多くが、法的対応を集団的に実施するか、個別に実施するかを協議しているという。トランプ政権は、こうした財団の免税資格の取り消しを明言してはいないが、より広範な形で非営利組織の免税資格を問い質す方法を模索している。既にトランプ大統領は、ハーバード大学(Harvard University)に対する免税資格取り消しに言及しており、今後もその他の非営利組織に何らかの措置を講じる可能性を示唆している。 Wall Street Journal “America’s Richest Foundations Team Up Against Feared Trump Assault” (05/09/25) https://www.wsj.com/politics/policy/nonprofit-foundations-prepare-trump-fight-884f6016

ハーバード大学、トランプ政権の助成凍結に反論

ワシントン・ポスト紙(The Washington Post)は5月12日、ハーバード大学(Harvard University)がトランプ政権からの新規助成停止の脅威に対して反論したと報じた。同大学のアラン・ガーバー学長(Alan Garber)は、リンダ・マクマホン教育長官(Linda McMahon)の主張に対し、大学は「政治的な機関ではない」と強調している。教育省(Department of Education)は同大学が「連邦法の順守を怠った」として助成停止を通告したが、同学長は「大学は政府による根拠のない報復を恐れて、法的に保護された中核的原則を放棄することはない」と表明した。トランプ政権は既に22億ドルの資金凍結を発表しており、ハーバード大学は先月、政府の措置は違法かつ違憲であるとして提訴している。両者の対立は、イスラエル・ガザ戦争をめぐるキャンパス内の抗議活動への大学の対応から激化した。 Washington Post “Harvard rejects Trump administration’s claims as funding battle escalates” (05/12/25)  https://www.washingtonpost.com/education/2025/05/12/trump-harvard-response-federal-grants/