エネルギー省、先進原子炉の試験について新たな経路を発表

エネルギー省(Department of Energy)は6月18日、エネルギー省の承認の下、国立研究所の外部で先進原子炉設計の試験を迅速に行うことを目的とした新たなパイロットプログラムを立ち上げると発表した。同省は、大統領令「エネルギー省における原子炉試験の改革(Reforming Nuclear Reactor Testing at the Department of Energy)」に基づき、申請の要請(Request for Application)を発布し、エネルギー省の承認プロセスを用いて国立研究所の外部で試験用原子炉を建設及び運用することに関心のある適格の米原子炉企業を募集する。今回の措置は、原子炉試験の合理化と、2026年7月4日までに少なくとも3基の原子炉が臨界を達成するための重要な一歩となる。 Department of Energy “Energy Department Announces New Pathway to Test Advanced Reactors” (06/18/25) https://www.energy.gov/articles/energy-department-announces-new-pathway-test-advanced-reactors

NSF、TIP局現行重点領域10領域に関する一般からの意見要請

米国科学財団(National Science Foundation:NSF)は、技術・イノベーション・パートナーシップ局(Technology, Innovation and Partnerships directorate:TIP directorate)における現行重点領域10領域に関し、一般からのフィードバックを要請する情報要求(request for information:RFI)を6月20日付で連邦官報(Federal Register)に公示する。これら10領域は、2022年制定の「半導体製造支援・科学法(Creating Helpful Incentives to Produce Semiconductors (CHIPS) and Science Act)」の下で定められたが、毎年見直しが義務付けられている。TIP局は特に、技術・経済成長・国家安全保障における米国リーダーシップに対し、①人工知能、②高性能コンピューティング、③量子科学、④ロボティクス、⑤自然・人為的災害の予防・緩和、⑥先進通信・没入技術、⑦バイオ技術、⑧データ保存・サイバーセキュリティ、⑨先進エネルギー技術、⑩先進マテリアル科学、という現行重点10領域の貢献状況に関するフィードバック及び、追加されるべき領域に関する提案を求めている。なお、本RFIへの回答期限は7月20日となる。 FedScoop “NSF seeks input on focus areas for its Technology, Innovation and Partnerships directorate” (06/18/25) NSF seeks input on focus areas for its Technology, Innovation and Partnerships directorate

国土安全保障省、米国への中国製信号妨害装置流入の増加を警告

国土安全保障省(Department of Homeland Security)は6月18日、米国への中国製信号妨害装置流入の増加に関する警告を発表した。同省税関・国境警備局(Customs and Border Protection:CBP)によると、2021年以降、同装置の押収件数は約830%増という。信号妨害装置は、特定周波数チャネルの妨害に使用され、緊急対応・警察・重要インフラに対する脅威の原因となる可能性があり、これまでにも、住居不法侵入・銀行強盗事件での地元警察への連絡、不法滞在者逮捕、窃盗事件への対応などが妨害された事例がある。なお、信号妨害装置の個人輸入・運用・マーケティング・販売などは連邦法で禁止されている。 Department of Homeland Security “Homeland Security Warns about the Spike in China-Based Technology Firms’ Smuggling of Signal Jammers” (06/18/25) https://www.dhs.gov/news/2025/06/18/homeland-security-warns-about-spike-china-based-technology-firms-smuggling-signal

DARPA、軍事システムのサイバー脅威へのセキュリティを強化

国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Projects Agency:DARPA)は6月17日、サイバー脅威に対する軍事システムのセキュリティ強化を目的として、数学ベースのソフトウェア開発導入拡大を促進する「回復力あるソフトウェアシステムアクセラレータ(Resilient Software Systems Accelerator)」プログラムを発表した。「フォーマルメソッド(formal methods)」と呼ばれる従来からのITインフラ・セキュリティ基準・ソフトウェアツール・技法は、数学に基づくアプローチで、国防コミュニティ内で使用する軍事システムの回復力・セキュリティ・機能性を大幅に向上させており、DARPAも10年間をかけて同メソッド関連ツールの開発に関与してきた。上記アクセラレータプログラムを立ち上げた理由は、DARPAが企業パートナーによる「フォーマルメソッド」導入協力を強く希望しているためで、本プログラムでは、国防企業と提携して同メソッドツールを利用し、取り組み度合いを評価するツール開発者にシード資金を提供する。また、DARPAは、国防総省内での同メソッド振興の一環として、米軍の全軍と提携して同メソッド利用法を実演している。 Department of Defense “DARPA Calls on Industry to Assist With Improving, Strengthening DOD Cybersecurity” (06/18/25) https://www.defense.gov/News/News-Stories/Article/Article/4220945/darpa-calls-on-industry-to-assist-with-improving-strengthening-dod-cybersecurity/   

国務省、留学生ビザ申請者のソーシャルメディア審査の概要を発表

国務省(State Department)は6月18日、米国の領事官宛てに、留学生及びその他の教育関係の入国ビザを申請する全ての外国人に対して、ソーシャルメディアやその他のオンライン上での活動に関する審査を行うよう通達した。通達は、申請者によるオンライン上での「米国の市民や文化、政府、機関、建国の理念に対する敵対的な示唆」について審査するよう指示している。また、海外のテロリストやその他の米国の国家安全保障の脅威に対する提唱・援助・支援、違法な反ユダヤ主義的な嫌がらせや暴力への支援について警戒を報告するよう大使館に指示している。国務省による領事官宛ての通達は、(5月末に停止されていた)学生ビザ申請者の新規面接を再開できるとした上で、それは追加の審査によって増加する業務量を考慮した形で行われるべきであると述べている。また、J1ビザを申請する医師の面接と、全学生に占める留学生の割合が15%以下の米国大学への留学を希望する学生のビザの面接を優先すべきであると付言している。 POLITICO “State Department unveils social media screening rules for all student visa applicants” (06/18/25) https://www.politico.com/news/2025/06/18/social-media-screening-student-visas-00413160

テスラ社のロボタクシー、テキサス州に参入

テキサス州オースティンに本社を構えるテスラ社(Tesla)は、6月16日、自律走行車モデルのYsを発表した。同社ではこの車両をロボタクシー(Robotaxi)と呼んでおり、6月22日から市内でタクシーサービスを開始する計画である。これは、将来的に数十億ドル以上となることが予想される新興市場において、現在同市場の支配的存在となっているウェイモ社(Waymo)を追い越すというイーロン・マスク氏(Elon Musk)の野心的な取り組みの一部である。しかしオースティン市はウェイモ社などによる自律走行車サービスが既に行われており、テスラ社は激しい競争やその他の課題に直面する。テスラ社の自律走行車技術は競合企業のものに比べて安全策が乏しいと批判する専門家もおり、テスラ社は技術を完璧なものにするために慎重な実験・検証に従事する必要があるともされている。 New York Times “Tesla’s Robotaxi, Long Promised by Elon Musk, Joins a Crowded Field” (06/18/25) https://www.nytimes.com/2025/06/18/business/tesla-robotaxi-austin-elon-musk.html

AIが重要であれば人は不可欠 空軍のAI導入に関するCSET報告

空軍(U.S. Air Force)はAIの導入を試みているが、機関全体としての実効性を得ることに苦戦している。安全保障・新興技術センター(Center for Security and Emerging Technology:CSET)は今般、「空軍におけるAIの指揮:AIが重要であれば人は不可欠(Honchoing AI in the Air Force: If AI Is Important, the People Are Indispensable)」と題する報告を発表した。報告書は、これまでの軍事イノベーション及び現行のAIに関する課題から教訓を引き出し、実用的で「人」を中心とした勧告を提示している。報告書は、煩雑でさほど複雑でない業務の担い手は人から機械へと移行し、エンジニアを運用・支援部隊に組み込み、リーダーに力添えをし、人材を維持することで、空軍はAIを活用し、軍事的優位性を達成できると分析している。 CSET “Honchoing AI in the Air Force: If AI Is Important, the People Are Indispensable” (June 2025) Honchoing AI in the Air Force

上院財政委員会の予算案、下院のIRA削減を緩和するも風力とソーラーはほぼ変わらず 

6月16日、上院財政委員会(Senate Finance Committee)による予算案が発表された。下院が5月に可決した法案で、それに比べるとインフレ抑制法(Inflation Reduction Act: IRA)の削減規模は緩和されたものの、風力とソーラーエネルギーを中心とした税インセンティブの削減はほぼ変わらない。上院案は、「技術中立型クリーン電力生産投資税額控除が適用されるためには、法制化されてから60日以内に着工し、2028年末までに稼働しなくてはならない」という下院案の厳しい要件を排除した。また、一部のIRAエネルギー税額控除について全期間中の譲渡可能性を認めており、45Q、45Z、45Xの税額控除の譲渡可能性を2027年で打ち切りにする下院案とは異なる。一方、上院案は住宅用ソーラー発電及び住宅用蓄電池に厳しい内容となっており、これらを対象とした30%の25D税額控除は法制化されてから180日後に段階的に廃止される。 Utility Dive “Senate Finance Committee reduces House IRA cuts, but few changes for wind and solar” (06/18/25) https://www.utilitydive.com/news/senate-house-ira-cuts-tax-credits-budget-bill-wind-solar-trump/751032/

オープンAI社、国防総省から2億ドルのプロトタイプ契約を受注

オープンAI社(OpenAI)は、国防総省(Department of Defense)向けにAIプロトタイプの開発を継続することを目的として2億ドルの契約を受注した。1年間の代替取引契約(Other Transaction Agreement: OTA)で、オープンAI社が呼ぶところの「フロンティアAI(frontier AI)」がどのようにして国防総省の管理業務、兵士及び家族の医療ケア、サイバー事業、プログラムと調達データの管理を支援できるかに焦点が当てられる。同社によれば、国防総省との契約は、「政府向けオープンAIイニシアチブ(OpenAI for Government initiative)」の下での最初の契約となるという。オープンAI社は、政府向けのチャットGPTの提供を1月に発表している。 Nextgov “OpenAI awarded $200M DOD prototype contract” (06/17/25) https://www.nextgov.com/artificial-intelligence/2025/06/openai-awarded-200m-dod-prototype-contract/406128/?oref=ng-homepage-river

USPTOにおけるAI応用の成功

米国特許商標庁(United States Patent and Trademark Office: USPTO)は、職員の業務を合理化することを目的として、生成AIソリューションによる複数のプログラムを開始している。こうしたツールの一つにScoutがある。Scoutは、「検索と統合と概要と理解(searching, consolidating, outlining and understanding)」の略で、規則の策定や不適切な出願の検出、サイバーセキュリティ脅威の検知、順守などの取り組みを支援するため、大規模言語モデルから構築されたチャットボット・アシスタントである。USPTOの高官によれば、2025年6月現在、200名以上のユーザーを支援するまでに拡大したという。また、「特許エンド・トゥ・エンド検索ツール(Patents End-to-End (PE2E) Search Tool)」は、AIに基づくクラウドベースのシステムで、出願済みの米国特許、付与前の出願文書、外国特許に関するデータを抽出することができる。USPTOによれば、2024年3月から2025年2月の間に、審査官はこのシステムを約85万回使用したという。ScoutやPE2Eなどの内部検索ツールには、「迅速な品質管理、正確な出願修正情報の更新、契約依存性の改善によって、内外の関係者に恩恵をもたらす」という共通の目標がある。 Nextgov “USPTO touts success in AI applications” (06/17/25) https://www.nextgov.com/artificial-intelligence/2025/06/ustpo-touts-success-ai-applications/406141/?oref=ng-homepage-river