原子力規制委員会、マイクロリアクター規制緩和で商業展開へ

ユーティリティー・ダイブ(UTILITY DIVE)は6月24日、原子力規制委員会(Nuclear Regulatory Commission: NRC)が一部の工場製マイクロリアクターの核燃料装填を、従来型原子炉規制を適用せず行える新方針を発表したことを報じた。これにより、非商業用研究・試験炉よりもより緩やかな規制下で、臨界を防ぐ安全機能を備えたマイクロリアクターの商業運転試験が可能になる。マイクロリアクターは輸送性や互換性、燃料寿命の長さから、マイクログリッドや緊急対応に最適で、水素製造や淡水化、地域暖房への利用が期待されている。まだ商業運転には至っていないものの、国防総省(Department of Defense)などが複数のプロジェクトを進行中で、これに伴い、新たな製造ライセンス政策により申請プロセスの効率化も図られているという。さらに、トランプ大統領はエネルギー省(Department of Energy)との共同プロジェクト推進に加え、将来的な法改正に向けた調査を指示している。 UTILITY DIVE “Nuclear regulators lighten microreactor restrictions” (06/24/25) https://www.utilitydive.com/news/nuclear-regulators-lighten-microreactor-restrictions-NRC/751479/

GAO、量子コンピュータ脅威に警鐘 国家戦略の不備を指摘

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は6月24日、量子コンピューティングによるサイバー脅威に対する国家戦略整備に向けたリーダーシップ確保強化に関する提言を発表した。同局は、量子コンピュータが暗号システムを破壊する潜在的な脅威を持ち、今後10〜20年以内に暗号に依存する政府機関などの重要なインフラストラクチャーのセキュリティを危険にさらす可能性があるとし、国家サイバーセキュリティ局(National Cyber Director’s Office)に対し、量子コンピューティングに対する包括的な国家戦略の定義に向け、戦略目標の明確化、パフォーマンス指標の設定、分野横断的な準備の促進が必要と報告した。具体的には、攻撃に耐性のある耐量子暗号技術の標準化、この暗号技術の連邦政府システムへの移行、産業界に対しこれらの暗号技術への脅威への備えを促す内容で、政策立案者に対して、人材確保対策、開発への継続的な投資、堅牢で安全な供給網構築の促進が有効と提言している。 GAO “Quantum Computing: Leadership Needed to Coordinate Cyber Threat Mitigation Strategy” (06/24/25) https://www.gao.gov/products/gao-25-108590

ニューヨーク州、新たな先進的原発を州北部に建設検討

ニューヨーク州は6月23日、ニューヨーク州電力公社(New York Power Authority: NYPA)に、最先端のゼロエミッション原子力発電所の建設を指示したと発表した。信頼性が高く手頃な価格の電力網を整備し、クリーンエネルギー経済実現への道筋確保を目的にしたもので、同州のキャシー・ホークル知事(Kathy Hochul)から要請を受けたNYPAは、少なくとも総発電容量1ギガワット(GW)以上の発電能力を持つ新しい原子力発電所の開発を民間企業との提携も視野に進めていく。同知事は今回の決定に関して、経済成長と化石燃料火力発電所の廃止により電力需要が増加する中で、新たなクリーン電力源の必要性に応えるものであると説明しており、労働組合や産業界、エネルギー関連企業など各界からの支持が相次いでいる。NYPAは原子力技術、ビジネスモデル、立地の評価を直ちに開始し、資金調達オプションの検討を進めていくという。 New York State “Governor Hochul Directs New York Power Authority to Develop a Zero-Emission Advanced Nuclear Energy Technology Power Plant” (06/23/25) https://www.governor.ny.gov/news/governor-hochul-directs-new-york-power-authority-develop-zero-emission-advanced-nuclear-energy

CATF、カリフォルニア州の地熱資源開発強化を提言

クリーン・エア・タスクフォース(Clean Air Task Force: CATF)は6月24日、カリフォルニア州の地熱エネルギー開発促進に向けた政策提言をまとめた報告書を発表した。報告書は、世界でも有数の地熱資源を持つ同州の潜在能力を十分に引き出すために、許認可や計画の改革が必要と提言している。また、地熱エネルギーの成長を支援し、導入の障壁を減らすことがゼロカーボン電力の実現に不可欠であると強調し、超高温岩体地熱発電(Superhot Rock Geothermal)などわずか1%で379GWのエネルギーを生産できる次世代地熱技術が、太陽光や風力、蓄電池とともに、クリーンな電力網の重要な要素になる可能性があるとも指摘した。地熱エネルギーの開発促進に向け、許認可の迅速化や規制の現代化、州の補助金プログラムの拡充などが提言された同報告書の発表は、同州の政府機関と議員が、24時間供給可能で信頼性の高いゼロカーボン電力網への低コスト移行の実現に向け苦戦している中で行われた。 CATF “Permitting and planning reforms key to unlocking California’s geothermal potential, argues new CATF report” (06/24/25) Permitting and planning reforms key to unlocking California’s geothermal potential, argues new CATF report

NSF、製造業育成に2,550万ドル投資

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は6月24日、製造業支援に向け、基礎研究と人材育成に2,550万ドルの投資を行うと発表した。NSFフューチャー・マニュファクチャリング(NSF Future Manufacturing: NSF FM)プログラム下で、今年度7件の研究助成と9件のシードプロジェクトを通じて36の機関・企業を支援する。研究助成はバイオやサイバー、エコ製造などの分野を対象とし、量子製造との融合も模索する。NSFは、科学、工学、製造の各分野の専門家を結集して新しい製造技術を開発すること、特に、まだ想像されていない技術を含む、新興分野の基盤を築くことを目標にするという。研究助成とシードプロジェクトには、資源が限られた環境でのバイオエンジニアリングや金属スクラップから製品を製造する人工知能(AI)を用いたリサイクル製造、ロボット工学とデジタルツインを活用した複合材料の製造など、様々なプロジェクトが含まれる。 NSF “NSF invests $25.5M in research to drive new U.S. manufacturing technologies and talent pipelines” (06/24/25) https://www.nsf.gov/news/nsf-invests-255m-research-drive-new-us-manufacturing

内務省、アラスカ石油備蓄の拡張計画を発表

内務省(Department of Interior)は6月17日、アラスカ州の国立石油保留地(National Petroleum Reserve)における石油・ガス開発を拡大する新提案を発表した。この計画は、2,300万エーカーの保留地の82%をリース及び開発に開放する内容が含まれており、トランプ政権の「エネルギー支配」政策推進に向け、アラスカの膨大な資源を最大限に活用する大統領令第14153号や長官令第3422号を踏まえたものである。具体的には、エネルギー安全保障の強化を目的としたもので、公開された環境評価案には最新のデータを反映した。また、2024年のリース制限規則を撤回する方針も示し、同省は、この計画が雇用創出や外国石油への依存削減に寄与すると強調、国内のエネルギー需要に応えるための規制緩和が推進される見込みである。同省は本件に関する一般からの意見を広く募集している。提出期限は7月1日まで。 Department of the Interior “Department of the Interior Moves to Expand Oil and Gas Development in Alaska’s National Petroleum Reserve” (06/17/25) https://www.doi.gov/pressreleases/department-interior-moves-expand-oil-and-gas-development-alaskas-national-petroleum

アンスロピック社、大規模言語モデルによる不一致行動の拡大を警告

アンスロピック社(Anthropic)は6月20日、AI業界の大規模言語モデル(Large language model)によるセーフガード回避、欺瞞の行使、架空の試験シナリオにおける企業秘密登用の試みなどに前向きな傾向があると警告する新たな調査結果を発表した。本報告書は、アンスロピック社、オープンAI社(OpenAI)、グーグル社(Google)、メタ社(Meta)、エックスAI社(xAI)などを開発企業の主要AIモデル16種について、様々な模擬シナリオによる試験を実施した結果、有害な要求を拒否しないなどといった不一致行動が一貫して起こることが確認され、異なる企業が提供するモデルに共通してこの傾向が見られたとしている。また、この脅威は、AIモデルによる企業データ・ツールへのアクセス機会増加に伴い、より高度なものとなっていることを明らかにした。同報告書は、最先端にあるAI開発企業による透明性が重要と強調し、業界全体での安全基準が必要と主張している。 Axios “Top AI models will lie, cheat and steal to reach goals, Anthropic finds” (06/20/25) https://www.semi.org/en/semi-press-releases/semi-flextech-solicits-proposals-for-advancing-the-future-of-flexible-hybrid-electronics

トランプ大統領によるNRC役員解任、原子力産業監視・擁護団体の両方が懸念を表明

トランプ大統領は、原子力規制委員会(Nuclear Regulatory Commission:NRC)コミッショナーのクリストファー・ハンソン氏(Christopher Hanson)を6月13日に突然解任した。ハンソン氏は、解任の理由はなく、現行法及び独立省庁被任命者の解任に関する慣例に反するものと主張している。一方、大統領府広報官は、トランプ大統領は行政府内の職員を解任する権限を保有すると主張しているが、ハンソン氏の解任理由は明らかにしていない。NRCは5人のコミッショナーで構成されるが、ハンソン氏の解任により空席が1つでき、連邦議会上院が7月1日までにデービッド・ライト委員長(David Wright)の再任を承認しない場合は空席が2席となる。トランプ大統領は、①原子炉建設許可の迅速化、②米国内の原子力サプライチェーン拡大、③NRC改革、④2050年までに原子力発電能力300ギガワットの追加、を目的とする大統領令4件を5月に発令したばかりで、突然のコミッショナー解任により現行の取り組みの進行を妨げる可能性があり、原子力産業監視機構及び擁護団体は、いずれも懸念を表明している。 Utility Dive “Trump’s NRC firing raises alarms at pro-nuclear and watchdog groups alike” (06/23/25) https://www.utilitydive.com/news/trumps-nrc-firing-Hanson-raises-alarms/751281/

核抑止力専門家のトビー・タウンゼント氏、サンディア研究所副所長に就任

サンディア国立研究所(Sandia National Laboratories)は6月16日、統合安全保障ソリューション部門(Integrated Security Solutions Division)担当研究所副所長に、核抑止力専門家のトビー・タウンゼント氏(Toby Townsend)を選出し、同日に就任したことを発表した。タウンゼント氏は、リバモアキャンパス(Livermore campus)における事業の監督、カリフォルニア核抑止力(California Nuclear Deterrence)プログラムの管理、同研究所のエネルギー・国土安全保障ポートフォリオの管理、カリフォルニア州・ニューメキシコ州・テキサス州・アリゾナ州で勤務する職員2,000人超の指揮を行うことになる。同氏は、核抑止力・国家安全保障を専門としてサンディア研究所に20年以上勤務しており、核安全保障事業全体の複雑なシステム・プログラムを取り扱ってきた実績が、副所長選出の主要因となった。 Sandia National Laboratories “Nuclear deterrence expert picked to lead Sandia’s California site” (06/16/25) https://newsreleases.sandia.gov/toby-townsend-ald/

SEMIフレックステック、FHE技術の進歩を目的とするRFPを発表

半導体・電子機器の設計・製造サプライチェーン企業及び専門職が所属する業界団体SEMIの技術コミュニティであるフレックステック(FlexTech)は6月18日、先進マテリアル・3Dプリントを含む先進柔軟ハイブリッド電子機器(flexible hybrid electronics FHE)技術の進歩を目的とする提案書要求(Request for Proposals:RFP)を発表した。選出されたプロジェクトは、米陸軍研究所(Army Research Laboratory:ARL)から25万~75万ドルの助成を受給するが、助成受給チームもマッチングファンドを提供してプロジェクトコストを賄うことになる。RFPの対象分野は、①先進マテリアル、②マルチスケール・マルチマテリアル・3Dプリント電子機器製造のための統合デジタルツインプラットフォーム、③拡張可能FHE・3Dプリント電子機器製造のためのシステム統合・信頼性・規格、④「市場・応用状況評価」「FHEプロセス開発キット」「3D構造協調設計ツール」に関するオープントピック、の4分野となる。 SEMI “SEMI FlexTech Solicits Proposals for Advancing the Future of Flexible Hybrid Electronics” (06/18/25) https://www.semi.org/en/semi-press-releases/semi-flextech-solicits-proposals-for-advancing-the-future-of-flexible-hybrid-electronics