内務省、沖合重要鉱物開発を迅速化

内務省(Department of the Interior)は6月25日、沖合の重要鉱物の探査と開発を加速するための新たな政策措置を発表した。重要鉱物の沖合開発を迅速化し、国内の供給網と国家安全保障の強化に向け、海洋鉱物政策を合理化が目的である。これを受け、海洋エネルギー管理局(Bureau of Ocean Energy Management: BOEM)と安全環境執行局(Bureau of Safety and Environmental Enforcement: BSEE)は、探査から生産まで全段階で承認プロセスを簡素化し、探査許可期間を3年から5年に延長するほか、環境審査の簡素化や最低入札価格の引き下げなど有利な契約条件を提供する。また地質調査所(United States Geological Survey: USGS)は、深海鉱物資源に関する最新の科学データを提供し、排他的経済水域(Exclusive Economic Zone: EEZ)内及び国際水域の鉱物資源の豊富な地域の調査を実施する。国のレジリエンス強化に向けた取り組みと位置付け、引き続き、開発の指針となる詳細な海底鉱物地図の作成に取り組んでいくという。 DOI “Interior Streamlines Offshore Mineral Policies to Strengthen U.S. Supply Chains and Security” (06/25/25) https://www.doi.gov/pressreleases/interior-streamlines-offshore-mineral-policies-strengthen-us-supply-chains-and

AIで宇宙優位性を確保 軌道上の奇襲回避へ CSET提言

安全保障・新興技術センター(Center for Security and Emerging Technology: CSET)は6月、宇宙軍(United States Space Force: USSF)が敵対国の脅威から衛星を守り、宇宙での優位性を確保するための人工知能(AI)活用に関する報告書を発表した。AIによる宇宙領域認識(Space Domain Awareness: SDA)と軌道上戦闘能力の飛躍的な向上が奇襲攻撃を回避する鍵になるとし、具体的にはニューラルネットワークや説明可能なAIツール、ライム(Local Interpretable Model- Agnostic Explanations: LIME)などを用いた宇宙物体の迅速な検出に加え、衛星に搭載したAIによるランデブー・近傍運用(Rendezvous and proximity operations: RPOs)などの自律的な管理を提言している。これにより意思決定が加速し、衛星の生存性が高まるといい、成熟したAI技術の即時導入と、軌道上での自律性の範囲を定める厳格な規定の確立が、アルゴリズムによる優位性を獲得するために重要であると提言している。 CSET ” AI on the Edge of Space Securing Space Superiority and Avoiding Surprise in Orbit ” (06/23/25) AI on the Edge of Space

AIによる環境負荷による影響、アクセンチュアが警鐘

Axiosは6月25日、人工知能(AI)データセンターからの二酸化炭素(CO2)排出量がこの10年で11倍に急増し、2030年までにAI関連の排出量が世界の総排出量の3.4%を占める見通しというコンサルティング大手のアクセンチュア社(Accenture)による調査について報じた。分析によると、データセンターの電力消費量はカナダ一国分に匹敵し、その冷却に必要な水量はノルウェーやスウェーデンの年間総取水量を超える恐れがあるとし、企業がコスト増大や規制リスクに直面する恐れがあるという。対策としてAIの効率性を総合的に測る新指標「持続可能性調整済み知能指数(Sustainability-Adjusted Intelligence Quotient)」の採用を提唱し、ハードウェアとソフトウェアを効率的に統合する「スマートシリコン(smart silicon)」の導入や大規模言語モデルが不要な場合は、より小規模な「タスク特化型」モデルの利用など、具体的な解決策を提示している。 Accenture “Powering sustainable AI” https://www.accenture.com/content/dam/accenture/final/corporate/corporate-initiatives/sustainability/document/Powering-Sustainable-AI-CanvasV10.pdf#zoom=40 参照記事:Axios “New study shows AI emissions path — and how to bend the curve” (06/25/25) https://www.axios.com/2025/06/25/ai-emissions-accenture-study

エネルギー貯蔵市場、第1四半期は過去最高も政策不透明感を懸念 

アメリカン・クリーン・パワー協会(American Clean Power Association: ACP)は6月25日、2025年第1四半期のエネルギー貯蔵市場が過去最高の成長を記録した一方で、今後の政策変更が市場の成長を脅かす可能性があると発表した。ウッド・マッケンジー社(Wood Mackenzie)との共同報告書によると、同市場は2025年第1四半期に全部門で2GW(ギガワット)以上を導入し、第1四半期として過去最高を記録した。特に公益事業規模部門は1.5GW以上を導入し、前年同期比57%増と成長を牽引した。住宅用蓄電池市場も過去最高の458MW(メガワット)を記録した。市場はインディアナ州など新たな地域にも拡大しているが、同協会は政策の不確実性が大きなリスクであると指摘している。例えば、投資税額控除(Investment Tax Credit: ITC)の利用が大幅に削減された場合、今後5年間の設備導入が27%減少する可能性があるとし、市場は力強い需要を示しているものの、ACPは安定した支援政策の重要性を強調している。 ACP “REPORT: Energy Storage Market Continues Strong Growth in Q1 2025” (06/25/25) REPORT: Energy Storage Market Continues Strong Growth in Q1 2025

オープンライセンスに関するAAAS調査、研究成果の誤用を懸念

米国科学振興協会(American Association for the Advancement of Science: AAAS)は6月23日、多くの研究者が自身の論文に適用されるオープンライセンスの内容や影響を十分に理解しておらず、研究成果が不正確に利用されることへ強い懸念を抱いているとする調査結果を発表した。これは、2024年秋に220人以上の研究者を対象に行われた調査で、オープンライセンスに「詳しい」と回答した研究者は52%に留まった。また、28%はクリエイティブ・コモンズ・BYライセンス(Creative Commons: CC BY License)を付与した研究成果の誤用や政治的な利用を懸念している。商業的な再利用については63%が懸念を示しており、その理由としてメディアによる不正確な表現や、適切なクレジット表示なしでのAIモデル学習などを挙げた。同協会は、研究成果が誤用された場合に「何もできない」という誤解が研究者の間で広がっていると指摘し、出版社ライセンスであれば、出版社が介入可能であると説明している。 AAAS “Interests, Concerns and Knowledge Gaps around Open Licenses” (06/23/25) https://www.aaas.org/news/interests-concerns-and-knowledge-gaps-around-open-licenses

商業コンピューティングの電力消費、2050年に最大へ  EIA予測

エネルギー情報局(Energy Information Administration: EIA)は6月25日、商業部門におけるコンピューティングの電力消費量が急増し、2050年までに冷房や換気を上回り、最大の電力消費要因になるとの予測を発表した。2025年版年次エネルギー見通し(Annual Energy Outlook: AEO2025)の報告書によると、同部門の総電力消費に占めるコンピューティングの割合は、2024年の8%から2050年に20%へと達する見込みで、主にデータセンターの需要拡大によるものとしている。これにより、技術革新などによる効率化で、これまで減少傾向にあった商業施設の床面積あたりの電力消費量を再び増加に転じさせる可能性があり、データセンターから発生する熱により、冷房や換気の電力需要も同様に増加すると分析している。なお、この予測は人工知能(AI)の急拡大のような革新技術のさらなる影響を考慮しておらず、消費量はさらに上振れする可能性を示唆している。 EIA “Electricity use for commercial computing could surpass space cooling, ventilation” (06/25/25) https://www.eia.gov/todayinenergy/detail.php?id=65564

住宅・都市開発省、NSFビルへの本部移転を発表

住宅・都市開発省(Department of Housing and Urban Development)のスコット・ターナー長官(Scott Turner)は、6月25日に行われた記者会見において、同省本部を現在のワシントンDCからバージニア州アレクサンドリアに移転することを発表した。これは、トランプ政権が推進するワシントンDCにおける連邦政府不動産縮小の取り組みの下で行われる初の主要省庁本部移転となるが、同省職員約2,700人の移転先は、現在米国科学財団(National Science Foundation:NSF)職員約1,800人が使用中のビルとする計画である。NSF職員の移転先は不明であるが、一般調達局(General Service Administration:GSA)公共建築物サービス(Public Building Service)コミッショナーのマイケル・ピーターズ氏(Michael Peters)は、ミッション遂行を継続できるよう支援するとコメントしている。なお、NSF職員が所属する労働組合「米国行政府職員連合(American Federation of Government Employees:AFGE)」は、ターナー長官による決定を批判する声明を発表しているのに対し、バージニア州のグレン・ヤンキン知事(Glenn Youngkin)は、住宅・都市開発省の移転を歓迎している。 WTOP News “HUD plans move to Alexandria, booting National Science Foundation from headquarters” (06/25/25) HUD plans move to Alexandria, booting National Science Foundation from headquarters

NREL開発の調達分析ツール、エネルギー購入時の複雑性を軽減

国立再生可能エネルギー研究所(National Renewable Energy Laboratory:NREL)は6月24日、NRELが新たに開発した「調達分析ツール(Procurement Analysis Tool:PAT)」を使用することにより、エネルギー購入者のニーズに応じたデータに基づく見識を通して複雑性の軽減が可能であることを明らかにした。PATはウェブベースの無料プラットフォームで、オフサイトでの電力調達の初期段階計画・審査を支援し、米国全域の発電所規模でのエネルギーオプションを調査・比較できる。主要機能には、①シナリオ計画、②調達オプション、③技術的見識提供、④個々に応じた結果提供、⑤ダウンロード可能なリソース、などが含まれる。 National Renewable Energy Laboratory “Navigating Utility-Scale Energy Procurement Just Got Easier” (06/24/25) https://www.nrel.gov/news/detail/program/2025/navigating-utility-scale-energy-procurement-just-got-easier

CESER資金受給プロジェクト、エネルギー事業会社用サイバーセキュリティツールを作成

エネルギー省は6月24日、同省サイバーセキュリティ・エネルギー安全保障・緊急対応局(Office of Cybersecurity, Energy Security, and Emergency Response:CESER)が資金を拠出するプロジェクトの下で、サイバーセキュリティ企業のバスタゾ社(Bastazo)及びネットワークパーセプション社(Network Perception)とアーカンソー大学(University of Arkansas)が、エネルギー公益事業会社による自社システムのセキュリティ脆弱性評価を行う手段を提供するソリューションを作成したことを発表した。「V-INT:自動脆弱性情報・リスク評価(V-INT: Automated Vulnerability Intelligence and Risk Assessment)」と呼ばれるソリューションは、組織の複雑なファイアーウォール方針の理解というサイバーセキュリティ最大の障壁に直接対応するもので、現実的なサイバー攻撃のシミュレーションを実施し、攻撃者側に脆弱性がどのように映るかを明確に提示することができる。「V-INT」ツールセットは、バスタゾ社及びネットワークパーセプション社の既存の商業技術プラットフォームに統合されて利用されている。 Department of Energy “CESER-Funded Collaboration Produces Cybersecurity Toolset for Energy Utilities” (06/24/25) https://www.energy.gov/ceser/articles/ceser-funded-collaboration-produces-cybersecurity-toolset-energy-utilities

アイダホ国立研究所、米国初の高燃焼度燃料サンプル過渡試験を終了

エネルギー省は6月24日、アイダホ国立研究所(Idaho National Laboratory:INL)の研究者らが、米国内で初めて行われた核燃料試験を終了したことを明らかにした。INL研究者らは、商業原子炉であらかじめ照射された高燃焼度燃料サンプルの過渡試験を行ったが、試用した実験用燃料棒は、新規燃料技術の開発・ライセンス付与を支援するためにアイダホ州と米国政府との間で締結された協定の一環として、2024年に同研究所に送られた25本の中の1本であった。米国内で高燃焼度燃料の過渡試験が行われたのは今回が初で、米国における核燃料の効率的使用に繋がる新たなデータを提供することが期待されている。INLでは、使用済み燃料輸送に関する安全性試験をあと7回実施予定で、さらに、計画初期段階にある複数の試験を実施する見込みである。なお、今後の試験では、エネルギー省事故耐性燃料(Accident Tolerant Fuel)プログラムを通して提供される実験用燃料棒を使用するが、複数主要燃料提供企業による新たな燃料及びクラッド混合物の開発を支援することになる。 Department of Energy “National Lab Conducts First-Ever High Burnup U.S. Fuel Safety Test” (06/24/25) https://www.energy.gov/ne/articles/national-lab-conducts-first-ever-high-burnup-us-fuel-safety-test