GAO、海水からの重要鉱物抽出について報告

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は7月22日、「科学技術スポットライト:海水からの重要鉱物抽出(Science & Tech Spotlight: Critical Minerals from Seawater)」と題する報告書を発表した。米国は、マグネシウムやリチウムなどの重要鉱物の多くを海外に依存しており、その中には敵対国も含まれる。戦争や禁輸などによって米国の製造やエネルギー生産、国防産業基盤などの産業に深刻な影響が及ぶ可能性があり、国内資源の開発はこうしたリスクを軽減する一助となる。GAOによれば、技術の進歩により、海水の淡水化によって残った塩水から重要鉱物を抽出することは可能となっているが、拡張性や経済的実行可能性の実証はまだ行われておらず、政策策定者や業界は、様々な疑問に直面している。このためGAOは、海水淡水化による塩水からの鉱物抽出に関する機会として、①高まる鉱物需要に対応できる、②海外への依存度を低減できる、の2点を挙げている。一方で、課題としては、①海水の淡水化プラントは極めて少ない、②鉱物加工インフラが欠落している、といった点が挙げられている。 Government Accountability Office “Science & Tech Spotlight: Critical Minerals from Seawater” (07/22/25) https://www.gao.gov/products/gao-25-108484

EVインフラの整備には連邦によるパフォーマンス管理の強化が必要 GAO報告

米国内を走行する電気自動車(EV)の台数は近年増加しているが、議会調査局(Congressional Research Service)によれば、EV充電ネットワークが限定的であることがEV普及の障害になっているという。充電器の増設を目的とした連邦プログラムが複数行われており、政府は、エネルギー省(Department of Energy)と運輸省(Department of Transportation)による協力を促進する新たな局として、エネルギー・運輸合同局(Joint Office of Energy and Transportation)(合同局)を創設するなどしている。しかし、合同局も運輸省も、それらの進展を追跡するための目標を明確に定義していない。このため、政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は、「合同局は、パフォーマンス管理枠組みを全面的に実践する」など、3件の勧告を提示している。 Government Accountability Office “Electric Vehicle Infrastructure: Improved Performance Management Needs to Be Part of Any Related Federal Efforts” (07/22/25) https://www.gao.gov/products/gao-25-106992

運輸省、米国の造船所の活性化と海事支配の支援に875万ドル助成

ショーン・ダフィー運輸長官(Sean P. Duffy)は7月21日、海事局(Maritime Administration)が米国の造船所の再活性化と海事支配の支援を目的として、875万ドルの助成金を17件の受益者(12州)に提供すると発表した。これらの助成金は、小規模造船所グラント(Small Shipyard Grant)プログラムの一部で、先端の訓練、労働力開発、米国の造船と修復能力を強化する新技術を支える。小規模造船所グラントプログラムは、2008年の開始以来、382件の助成金(合計3億2,050万ドル)を適格の小規模造船施設へ提供している。運輸省は、米国の小規模造船所は戦略的資産であり、米国の国家安全保障及び経済的活力にとり重要であるとしている。 Department of Transportation “President Trump’s Transportation Secretary Sean P. Duffy Announces $8.75 Million in Grants to Revitalize U.S. Shipyards, Support Maritime Dominance” (07/23/25) https://www.transportation.gov/briefing-room/president-trumps-transportation-secretary-sean-p-duffy-announces-875-million-grants

DIU、対小型無人航空機システム(C-sUAS)低コスト検出チャレンジの決勝進出者を発表

国防イノベーションユニット(Defense Innovation Unit: DIU)は、米北方軍(U.S. Northern Command)や陸軍(U.S. Army)などとの協力の下、7月21日、対小型無人航空機システム(Counter-small Unmanned Aircraft System: C-sUAS)の低コスト検出(Low-Cost Sensing: LCS)チャレンジで、10件の決勝進出者(企業)を発表した。これらの企業は、118件の応募者の中から厳格な基準に基づいて選出されたもので、9月に実施される米北方軍のファルコン・ピーク(Falcon Peak)演習での検出技術実証へと進む。選出された企業の手法は、受動型の無線周波数検出やアクティブレーダー、光学カメラ、赤外線カメラなど多岐に及び、現行の国防総省(Department of Defense)システムに比べて、主要なカバレッジ領域で大幅な価値をもたらす可能性がある。また、全体的な保有コストも50~80%削減できる可能性がある。 Defense Innovation Unit “DIU, USNORTHCOM, US ARMY Announce Finalists for C-UAS Low-Cost Sensing Challenge” (07/21/25) https://www.diu.mil/latest/diu-usnorthcom-us-army-announce-finalists-for-c-uas-low-cost-sensing

NETL、メキシコ湾岸の地質学的二酸化炭素貯留プロジェクトの費用試算ツールを発表

メキシコ湾岸のオフショア塩水貯留を地質学的二酸化炭素貯留(geologic carbon storage: GCS)に利用することへの関心が高まっている中、国立エネルギー技術研究所(National Energy Technology Laboratory: NETL)は7月22日、コストモデリング・ツールを開発した。利用者は、これを使ってオフショアエリアGCSの可能性に関する正確な技術分析を確実に行うことができる。技術的な実行可能性を判断することは、新たなオフショアGCSを実現する上で最初の課題となる。NETLの目的は、コストモデリングと分析を使って技術経済的実現可能性を評価するためのツールを作成することであった。 NETL “NETL Releases Tool To Calculate Costs of Geologic Carbon Storage Projects in the Gulf of America” (07/2225) https://netl.doe.gov/node/14918

石炭火力の利用継続 再エネ導入遅れが原因 ウッド・マッケンジー報告

ユーティリティ・ダイブ(UTILITY DIVE)は7月15日、電力需要の増加と代替エネルギーの整備遅れが石炭火力の利用継続につながると報じた。ウッド・マッケンジー社(Wood Mackenzie)によると、国内では石炭がガスや再生可能エネルギーに比べて高コストであるにもかかわらず、新たなガス発電所の建設コストが倍増しており、長時間エネルギー貯蔵技術(long-duration energy storage: LDES)も基盤電源として未成熟な状況にあるとし、2030年には石炭火力のコストが1メガワット時(MWh)あたり約230ドルに達する一方、ハイブリッド太陽光と貯蔵は80ドル程度と予測されるという。また、需要増が続けば石炭火力による発電のピークが2030年にずれ込み、2050年までにガスや再生可能エネルギーの代替が2,100ギガワット(GW)分減少する可能性があるとした。米国のガス火力発電の経済性は、液化天然ガス(LNG)輸入に依存するアジアや欧州諸国に比べて優れているものの、急増する電力需要に対応するには限界があるとし、技術やインフラへの投資の必要性を提言している。 UTILITY DIVE ” Wood Mackenzie sees extended ‘sunset’ for costly coal power” (07/21/25) https://www.utilitydive.com/news/wood-mackenzie-sees-extended-sunset-for-costly-coal-power/753568/

AI経済、ベイエリア一極集中 ブルッキングス調査

ブルッキングス研究所(Brookings Institution)は7月16日、人工知能(AI)活動の地域格差が顕著で、サンフランシスコ・ベイエリア単独でAI関連求人の13%を占めるなど一極集中が進んでいるとする分析結果を発表した。同研究所のマーク・ムロ上級研究員(Mark Muro)らが全米195の都市圏を対象とし、14の基本指標を用いて、人材、イノベーション、導入の3つの柱で評価したAI準備度(AI readiness)に基づいて「スーパースター」から「その他」まで6段階に分類した。これによると、サンフランシスコとサンノゼの2都市圏のみが最高位の「スーパースター」に位置づけられ、28都市圏が第2位の「スターハブ」、79都市圏が「初期段階」、43の都市圏が複数分野で導入が遅れている「その他」に分類された。同研究所は、AI人材の損失や研究資源の未開発、導入の遅れといった機会損失を防ぐため、強力なAI支援プラットフォームを構築する国家戦略と地域主導の開発戦略を組み合わせた取り組みが急務と提言している。 Brookings “Mapping the AI economy: Which regions are ready for the next technology leap” (07/16/25) Mapping the AI economy: Which regions are ready for the next technology leap

留学生ビザ発給数が大幅減少 大学収入への影響懸念

高等教育情報サイトのインサイド・ハイヤー・エド(Inside Higher Ed)は7月17日、留学生向けビザ発給数の大幅減少により大学の収入減が懸念されると報じた。国務省(Department of State)データによると、2025年5月のF-1ビザ発給数は前年同月比22%減の1万2,689件減となり、J-1ビザも13%減少した。トランプ政権による中国共産党関係者へのビザ取り消しや19カ国への渡航制限、ソーシャルメディア審査の導入などが影響しているとみられ、オンライン教育プラットフォームを提供するスタディポータル(Studyportal)の調査では、米国留学への関心がコロナ禍以降最低水準まで低下し、学生が英国や豪州を検討する傾向が強まっているという。国際教育研究所(Institute of International Education: IIE)によると40%の教育機関が学部レベルの国際学生数の減少を、49%が大学院レベルでの減少を予測しており、フィナンシャル・タイムズ紙(Financial Times)は10%の減少で30億ドルの収入減になると試算している。 IHE “International Student Visa Issuances Dropped in May” (07/17/25) https://www.insidehighered.com/news/global/international-students-us/2025/07/17/f-1-j-1-student-visa-issuances-dropped-may#

BIS、産業調査の負担軽減について意見募集

連邦官報(Federal Register)は6月13日、商務省(Department of Commerce)産業安全保障局(Bureau of Industry and Security: BIS)が国家安全保障と重要な技術を評価するための情報収集活動継続に伴い、調査にかかる負担軽減に関する意見を公募すると発表した。この活動は、国防総省(Department of Defense)や国土安全保障省(Department of Homeland Security: DHS)、航空宇宙局(National Aeronautics and Space Administration: NASA)などの政府機関の要請を受け、1995年ペーパーワーク削減法(Paperwork Reduction Act of 1995: PRA)に基づき、国内の重要産業セクターと技術の調査・評価を行うもので、年間30万8,000時間の負担が見込まれており、影響を受けるのは約2万8,000の企業や営利団体で、回答には8〜14時間がかかるという。同省は、この情報の必要性や負担時間の正確性、収集方法の改善点について意見を募る。期限については、8月12日までとし、提出されたものは公開記録として取り扱うとしている。 Federal Register “Agency Information Collection Activities; Submission to the Office of Management and Budget (OMB) for Review and Approval; Comment Request; National Security and Critical Technology Assessments of the U.S. …
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トランプ政権、気候変動レポートの公開を取りやめ

共同通信(Associated Press)は7月15日、トランプ政権が、航空宇宙局(National Aeronautics and Space Administration: NASA)が気候変動に関する報告書のウェブサイト公開を中止すると報じた。政権は、連邦法で義務付けられた気候変動の評価結果をNASAのサイトで公開する予定であったが、同局報道官のベサニー・スティーブンス氏(Bethany Stevens)は「法的義務がない」として計画を中止した。テキサス工科大学(Texas Tech University)の気候科学者キャサリン・ヘイホー氏(Katharine Hayhoe)は、同報告書について、税金で作成されており、災害が増加する中、国民が気候変動から身を守るための重要な情報を含んでいると指摘している。オバマ政権の元科学顧問ジョン・ホルドレン氏(John Holdren)も、気候変動による生活への影響を政権が意図的に検閲または隠蔽しようとしていると批判した。過去の報告書は、海洋大気庁(National Oceanic and Atmospheric Administration: NOAA)の図書館に保管されており、最新の評価は同庁のサイトで確認できる。 AP “Trump administration says it won’t publish major climate change reports on NASA website as promised” (07/15/25) https://apnews.com/article/climate-change-nasa-reports-trump-hidden-doc-1ade1eb89bb4785f7cdd6e1d6ba31a21