エネルギー省・ミズーリ州・ミズーリ大学、戦略的ラジオアイソトープ対応で協力

エネルギー省(Department of Energy)科学局(Office of Science)は、ミズーリ大学(University of Missouri)との提携を拡大するため、2,000万ドルを助成することを8月11日に発表した。ミズーリ州からも同額の2,000万ドルが投じられ、ミズーリ大学の研究パーク「ディスカバリー・リッジ(Discovery Ridge)」にラジオアイソトープ科学センター(Radioisotope Science Center: RSC)が立ち上げられることになる。「RSCは、ミズーリ大学とエネルギー省アイソトープ研究開発生産局(Office of Isotope R&D and Production)における数十年に及ぶ経験を活かし、ミズーリ州からの支援を得て、ラジオアイソトープの国内供給を強化する」と、エネルギー省は発表した。RSCは3万3,500平方フィートの敷地で、2029年初頭に完成予定である。 Department of Energy “DOE, the State of Missouri, and Mizzou Collaborate to Address Strategic Radioisotopes in Short Supply” (08/11/25) https://www.energy.gov/science/articles/doe-state-missouri-and-mizzou-collaborate-address-strategic-radioisotopes-short

貿易戦争への示唆 CNAS報告

新アメリカ安全保障センター(Center for a New American Security:CNAS)は8月4日、「ゲームオーバー? いかにして米国は貿易戦争で勝利できたのか(Game Over? How the United States Could Have Won the Trade Wars)」と題する報告書を発表した。CNASのエネルギー・経済・安全保障プログラム(Energy, Economics, and Security (EES) Program)は、関税引き上げによる貿易戦争を解決する道筋を模索すべく、貿易戦争シミュレーションを行った。この結果、貿易戦争は比較的前向きな結果で終わり、米国と緊密なパートナーで構成される貿易ネットワークの創出へ向けて政治的な勢いが生まれたという。これを踏まえてCNASは、主要な洞察として、①経済的重力(米国市場の重要性)に逆らうことは困難である、②外国政府は貿易交渉を進めるために安全保障問題を緩和させる可能性がある、③柔軟で取引内容を拡大した交渉が行われると合意に達する可能性が高い、④中国が貿易戦争に乗じて世界の経済秩序の新リーダーとして浮上する可能性は低い、を挙げている。報告書は、継続的な高関税は、生産的な国際貿易システムの再編へ向けた行動を促し、緊密な安全保障パートナーとの関係強化や中国からのリスク軽減へ向けた調整へと繋がる可能性があるとする一方、トランプ政権にこうした戦略を実行する能力または意思があるのかどうかは不明であるとしている。 CNAS “Game Over? How the United States Could Have Won the Trade Wars” (08/04/25) https://www.cnas.org/publications/reports/game-over

カリフォルニア州最高裁、屋根上ソーラーパネル政策の新たな見直しを要求

カリフォルニア州最高裁(California Supreme Court)は8月7日、屋根上ソーラーパネルを所有する住宅所有者が余剰電力を電力網へ送電した際にユーティリティ機関が支払う報酬を低減した2022年のカリフォルニア州公益事業委員会(California Public Utilities Commission: CPUC)による政策を見直すよう下級審に命じた。州最高裁は、州の政策を違法とみなしたわけではいが、州控訴裁判所(State Court of Appeal)が十分な審査をせずに政策を承認し、州規制当局に必要以上に配慮しすぎたことは誤りであるとした。屋根上ソーラー業界等は州最高裁の決定を称賛し、州内の住宅用ソーラーパネル設置を過去2年間に急減させた政策の撤回に繋がる可能性があると歓迎した。年間を通して晴天が多いカリフォルニア州では約200万件の屋根上ソーラーシステムが設置されており、国内で主導的存在となっている。また同州は電気代が高く、住宅所有者が屋根上ソーラーパネルを設置することで電力代を節約でき、数年で投資費用を回収できることもソーラーパネルに投資する理由の一つとなっていた。しかし、ユーティリティ企業及びその関係者、州規制当局は、従来の屋根上ソーラーパネルの所有者への報酬方法は不公平であり、住宅所有者へ提供されるクレジットは寛大すぎる等と批判していた。 New York Times “California Supreme Court Requires New Review of Rooftop Solar Policy” (08/07/25) https://www.nytimes.com/2025/08/07/business/energy-environment/california-supreme-court-rooftop-solar.html

AI研究の未来像 CCC白書

計算コミュニティ・コンソーシアム(Computing Community Consortium: CCC)は先般、AI研究の未来像を探る「AI研究の潜在的な未来像(Envisioning Possible Futures for AI Research)」と題する白書を発表した。CCCは、AI研究の潜在的な未来像について、①中心となるテーマまたは一連の中核的原則があり、特定の研究が描く未来像について明確な境界がある、②可能(possible)ではあるが、必ずしも高い可能性(likely)である必要はない、③目標を達成するための最終的なゴールと手段について説明できる、④具体的な技術的問題が動機となっている、と定義した上で、AI研究の潜在的な未来像に該当する6件を挙げた。それらは、①ニューロシンボリックAI(Neuro-Symbolic AI)、②ニューロモルフィックAI(Neuromorphic AI)、③エンボディッド(具現化)AI(Embodied AI)、④マルチエージェントAI(Multi-Agent AI)、⑤人間中心型AI(Human-Centered AI)、量子AI(Quantum AI)である。 Computing Research Association “Envisioning Possible Futures for AI Research” (July 2025) https://cra.org/ccc/wp-content/uploads/sites/2/2025/07/Envisioning-Possible-Futures-for-AI-Research_FINAL.pdf

第2次トランプ政権、オンライン環境関連情報を大幅に変更

環境データ及びガバナンス・イニシアチブ(Environmental Data & Governance Initiative: EDGI)は8月6日、「気候の抑圧:第2次トランプ政権における環境情報(Climate of Suppression: Environmental Information Under the Second Trump Administration)」と題する報告書を発表した。それによれば、第2次トランプ政権は発足してから最初の半年間で、ウェブサイト上で公開されている連邦環境関連情報を大幅に変更したという。EDGIは、4,000件以上の連邦環境ウェブページを監視し、その内容や文言、情報アクセスに関する変更点を連邦環境ウェブトラッカー(Federal Environmental Web Tracker)上で共有している。監視しているウェブページは、第1次トランプ政権の間に監視していたウェブページの20%に過ぎないものの、最初の100日間におけるウェブサイトの変更は、第1次の時よりも第2次の方が70%以上多いという。また、第2次トランプ政権の情報抑圧の最大の標的の一つは、「環境正義」「多様性と公平性と包含性」に関連するウェブコンテンツとなっている。 Environmental Data & Governance Initiative “Climate of Suppression: Environmental Information Under the Second Trump Administration” (08/06/25) https://envirodatagov.org/wp-content/uploads/2025/08/Climate-of-Suppression.pdf

NSF、11地区でEPSCoR研究インフラ協力に2,920万ドル投資

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は、EPSCoR研究インフラ向上プログラム:重点的EPSCoRコラボレーション(EPSCoR Research Infrastructure Improvement Program: Focused EPSCoR Collaborations (FEC))を通じて、6件の資金提供を発表した。研究能力の強化とトランスレーショナルな研究の促進を目的として、合計11地区で4年間に2,920万ドルを投資する。本プログラムは、歴史的に連邦研究資金の受益金額が少ない州の変革的研究とインフラ強化の促進を目指すもので、今回の受給プロジェクトでは、使用にヒントを得た地球システム関連調査や、山火事管理、水資源管理、生態系と人間の健康リスク等の重要分野における研究が行われる。 National Science Foundation “NSF invests $29.2 million in EPSCoR Research Infrastructure collaborations for transformative impact across 11 jurisdictions” (08/08/25) https://www.nsf.gov/news/nsf-invests-292-million-epscor-research-infrastructure

エネルギー省、パリセーズ原発再開へ向け、5回目の融資支払い

クリス・ライト・エネルギー長官(Chris Wright)は8月7日、エネルギー省(Department of Energy)融資プログラム局(Loan Programs Office)が、パリセーズ原子力発電所(Palisades unclear plant)の再開へ向けた支援として、ホルテック社(Holtec)に5回目となる融資支払いを行うと発表した。同原発は、今後原子力規制委員会(Nuclear Regulatory Commission: NRC)の承認を得られた場合、米国で最初の商業原子炉の再稼働となる原発で、今回ホルテック社へ支払われたのは、最大15億2,000万ドルの融資保証のうちの8,323万4,156ドルである。 Department of Energy “DOE Approves Fifth Loan Disbursement to Restart the Palisades Nuclear Plant” (08/05/25) https://www.energy.gov/articles/doe-approves-fifth-loan-disbursement-restart-palisades-nuclear-plant

トランプ大統領、大学における入学審査の透明性を確実にするよう通達

トランプ大統領は8月7日、教育長官に対して、連邦政府から資金援助を受けている高等教育機関が入学審査に透明性を持つよう求めることを指示する通達に署名した。通達は教育長官に対して、①総合高等教育データシステム(Integrated Postsecondary Education Data System: IPEDS)のオンライン上での説明とデータ収集方法を改良し、効率的でアクセス性が高く、保護者と学生に分かりやすい形で提示すること、②大学に義務付けられている入学データ報告の内容を拡大し、教育長官の判断に基づく適切な透明性を持たせること、③大学がIPEDSを通じて提出するデータの正確性に関するチェックを強化し、大学が適切な時期に提出しなかったり、不完全または不正確なデータを提出したりした場合に是正措置を講じること、を指示している。 White House “Fact Sheet: President Donald J. Trump Ensures Transparency in Higher Education Admissions” (08/07/25) https://www.whitehouse.gov/fact-sheets/2025/08/fact-sheet-president-donald-j-trump-ensures-transparency-in-higher-education-admissions/

アップル社、米国製造強化に6,000億ドルの投資を誓約

アップル社(Apple)のティム・クック最高経営責任者(Tim Cook, CEO)は8月7日、同社は今後4年間で米国投資を6,000億ドルまで拡大すると発表した。同社の供給網の新たな部門や先端製造を米国内に回帰させるという。この発表に、トランプ大統領も同席した。アップル社の投資には、供給会社及びパートナーが米国内での製造を加速させる取り組みに参加するよう奨励する「米国製造プログラム(American Manufacturing Program)」も含まれ、新たに2万件の直接雇用と、供給部門で更に数千件の雇用が創出される見通しである。 White House “Apple’s $600 Billion Commitment to Boost U.S. Manufacturing” (08/07/25) https://www.whitehouse.gov/articles/2025/08/apple-600-billion-commitment-to-boost-u-s-manufacturing/

超党派上院議員ら、連邦職員大量削減政策から海軍造船所を対象外とする法案を提出

超党派上院議員グループは8月5日、トランプ政権下で連邦職員大量削減政策が進められる中、公共造船所における一部の職務を人員削減対象から除外する「公共海軍造船所保護法(Protecting Public Naval Shipyards Act:PSNY Act)」案を議会に提出した。同グループを主導するジーン・シャヒーン上院議員(Jeanne Shaheen)は、これらの造船所の労働力は米国の国防・緊急事態への備えにおいて不可欠で、大統領府による軽率な人材採用凍結の対象となるべきではないと主張している。PSNY法案は、①ノーフォーク海軍造船所(Norfolk Naval Shipyard、バージニア州)、②ポーツマス海軍造船所(Portsmouth Naval Shipyard、メイン州)、③ピュージェット・サウンド海軍造船所(Puget Sound Naval Shipyard and Intermediate Maintenance Facility、ワシントン州)、④パール・ハーバー海軍造船所(Pearl Harbor Naval Shipyard and Intermediate Maintenance Facility、ハワイ州)、の4ヶ所の公共造船所を人員削減の対象外とすることを要求している。同グループは、これらの造船所を人員削減対象外とすることにより、米国原子力潜水艦隊の維持管理・修理を滞りなく確実に行うことが可能としており、同法案では当該造船所における採用人数上限も撤廃している。 Defense News “Senate bill seeks to protect shipbuilding jobs from workforce cuts” (08/06/25) https://www.defensenews.com/congress/2025/08/06/senate-bill-seeks-to-protect-shipbuilding-jobs-from-workforce-cuts/