内務省、オフショア風力発電規則の抜本的見直しを開始 

内務省(Department of the Interior)は、オフショア風力エネルギー規則の全面的な見直しを行い、外縁大陸棚法(Outer Continental Shelf Lands Act)及びトランプ大統領による米国エネルギーの優先事項と整合性を確実にする方針を8月7日に発表した。見直しの対象には、再生可能エネルギー現代化規則(Renewable Energy Modernization Rule)及びオフショア風力プロジェクトに関する財務確証要件や終了後の撤去費用試算が含まれ、外国資本によって管理され、信頼性が低いエネルギー資源が、米国産エネルギーよりも優遇されないように連邦規則を改正するという。見直しは、海洋エネルギー管理局(Bureau of Ocean Energy Management)と安全環境執行局(Bureau of Safety and Environmental Enforcement)が主導し、連邦規則集(CFR)第30編のパート585、586、285の規則の更新を検討する予定である。 Department of the Interior “Interior Launches Overhaul of Offshore Wind Rules to Prioritize American Energy Security” (08/07/25) https://www.doi.gov/pressreleases/interior-launches-overhaul-offshore-wind-rules-prioritize-american-energy-security

NSF、AIを活用した新規のタンパク質設計手法の加速に約3,200万ドル

8月7日、米国科学財団(National Science Foundation: NSF)の技術・イノベーション・パートナーシップ局(Directorate for Technology, Innovation and Partnerships:TIP)は、「使用にヒントを得たタンパク質設計の加速(NSF Use-Inspired Acceleration of Protein Design: USPRD)」イニシアチブからの最初の投資(5件のチームに約3,200万ドル)を発表した。人工知能(AI)をベースとした手法によるタンパク質設計への移行を加速させ、米国バイオ経済に重要な新しい応用を実現させる。タンパク質の三次元構造の予測は大幅に進展しており、研究者は現在、この知識を活用して特定の望ましい性質を持つタンパク質の設計に取り組んでいる。こうした進展は、高分子モデリングや訓練データへのアクセス、AIや機械学習の応用等によって促進されており、USPRDは、学際的かつ分野横断型の専門家を全国から結集させ、この基盤を強化することを目指す。 National Science Foundation “NSF invests nearly $32M to accelerate novel AI-driven approaches in protein design, strengthening the U.S. bioeconomy” (08/07/25) https://www.nsf.gov/tip/updates/nsf-invests-nearly-32m-accelerate-novel-ai-driven-approaches

トランプ大統領、連邦助成金の監督を強化する大統領令

トランプ大統領は8月7日、選挙で選出されておらず、説明責任を持たない官僚が無駄な助成金に公的資金を使用することを阻止する大統領令に署名した。今後は、トランプ大統領に任命された者が資金提供公募及び助成金の実施を点検し、各助成金が米国民に恩恵をもたらすことを確実にする。助成は、政治的被任命者と領域専門家によって精査・決定され、米国一般市民に恩恵をもたらし、政権の優先事項に整合し、重複を避けるために連邦機関間で調整されたことを確認した上で実施する。また、この大統領令は、こうした基準を満たさない将来の助成金を打ち切りにすることも可能にしている。大統領令は、連邦機関が公募要綱を平易な言葉で簡素にすることを義務付ける他、毎年のように受給している大学や非営利組織だけでなく、功績のある様々な受給者に助成金を付与するよう指示している。 White House “Fact Sheet: President Donald J. Trump Stops Wasteful Grantmaking” (08/07/25) https://www.whitehouse.gov/fact-sheets/2025/08/fact-sheet-president-donald-j-trump-stops-wasteful-grantmaking/

NIH、オープンアクセス論文出版費用に上限を設ける複数の提案を発表

ジャヤンタ・バッタチャリアNIH長官(Jayanta “Jay” Bhattacharya)が7月に、研究論文をオープンアクセスにするための政府の支払いに上限を設ける計画を発表した件で、国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)は7月30日、「情報の要請:出版費用に許容制限を設け、研究資金を最大限化することについて(Request for Information on Maximizing Research Funds by Limiting Allowable Publishing Costs)」を発表し、NIHによる本計画の詳細を提示した。それによれば、①助成金から拠出できる論文出版料について論文1本当たり2,000ドルの上限を設定する、②論文の査読者へ費用を支払い、その内容を公開する専門誌へ支払う論文出版料に3,000ドルの上限を設定する(①に加え、査読者一人につき300ドル×3名分を上乗せ)、③論文出版料の上限を研究助成金受給期間中の直接費用の0.8%または2万ドルのいずれか大きい額とする、など5つの選択肢が提示されている。NIHは、情報の要請へのコメント提出を9月15日まで受け付け、2026年1月1日までにこれらの計画について最終決定する計画である。 Science “NIH details options for limiting its payments for open-access publishing fees” (08/05/25) https://www.science.org/content/article/nih-details-options-limiting-its-payments-open-access-publishing-fees

NSFは裁判所の命令を無視してUCLAの300件のグラントを凍結か

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)が4月にカリフォルニア大学(University of California)の教員向けの数百件の助成金を停止した件で、米地方裁判所のリタ・リン判事(Rita Lin)は6月23日、「充分な理由がないままNSFは助成金を中止した」としてNSFにそれらのグラントを復活させるよう命じた。そのうち何件の助成金が復活したのかは明らかではないが、NSFは7月30日、同大学の一つであるUCLAに対して、反ユダヤ主義及び大学運営者による偏見を理由に、新たに300件の助成金の凍結を発表した。カリフォルニア大学教員側の弁護士は、NSFによる新たな措置は、リン判事による前回の差止命令を回避する違法な試みであるとし、同判事に現行の命令を維持するよう要請した。一方、政府側の弁護士は、今回のグラントはリン判事の判決の対象とはならないと書簡で主張した。リン判事は8月12日に双方の口頭弁論を聞く予定である。 Science “Has NSF defied a court order by suspending 300 UCLA grants?” (08/05/25) https://www.science.org/content/article/has-nsf-defied-court-order-suspending-300-ucla-grants

NHTSA、米国製自動運転車に初の実証免除を付与

道路交通安全局(National Highway Traffic Safety Administration: NHTSA)は8月6日、新たに拡張された自動運転車免除プログラム(Automated Vehicle Exemption Program:AVEP)の下、ズークス社(Zoox、カリフォルニア州)のドライバーレス自動車に免除措置を付与したと発表した。同プログラムの下、米国製の自動車に免除措置が付与されたのは今回が初めてである。ショーン・ダフィー運輸長官(Sean P. Duffy)は、米国の自動運転車機能を安全に成長させることを自身のイノベーション議題の主要な要素としており、NHTSAは4月にAVEPを拡大して国内で製造された車もAV枠組みに含めた。それより以前に免除が適用されたのは外国製の自動運転車のみで、米国のイノベーターに不利となっていた。 Department of Transportation “NHTSA Issues First-Ever Demonstration Exemption to American-Built Automated Vehicles” (08/06/25) https://www.transportation.gov/briefing-room/nhtsa-issues-first-ever-demonstration-exemption-american-built-automated-vehicles

内務省、モンタナ州における石炭鉱山の計画拡大を承認

内務省(Department of the Interior)は、モンタナ州ローズバッド郡及びトレジャー郡に位置するローズバッド鉱山の採鉱計画修正を承認した。この決定により、約3,375万トンの連邦所有の石炭の採鉱が可能になり、同鉱山の操業期間は2039年まで延長される。また、300名以上の高賃金雇用が確保され、モンタナ州経済が強化されると共に、米国エネルギー覇権(American Energy Dominance)に関するトランプ政権の誓約が進展する。 Department of the Interior “Interior Department Approves Coal Mine Expansion in Montana, Supporting American Energy and Jobs” (08/05/25) https://www.doi.gov/pressreleases/interior-department-approves-coal-mine-expansion-montana-supporting-american-energy

内務省、バイデン前政権が承認したラバリッジ風力発電プロジェクトを中止へ

8月6日、ダグ・バーガム内務長官(Doug Burgum)は、バイデン前政権が退任間近に性急に承認したラバリッジ風力プロジェクト(Lava Ridge Wind Project)を撤回すると表明した。これはアイダホ州南部における1,000メガワットの膨大な風力発電プロジェクトである。内務省(Department of the Interior)は、トランプ大統領の下、ラバリッジ風力プロジェクトや急進的なグリーン・ニュー・ディール(Green New Deal)のような信頼性が低く間欠的で農村コミュニティや生計、土地に害をもたらす電力源への優遇的扱いをしないとしている。トランプ大統領が1月20日に発した風力プロジェクトの許認可手続きの見直し等に関する通達に基づき、内務省は、バイデン前政権による2024年12月のラバリッジ風力プロジェクトの承認について見直しを行い、その結果、独自の法定基準が無視されているなど承認には重大な法的欠陥があると判断した。 Department of the Interior “Interior Department Moves to Cancel Reckless Biden-era Approval of Lava Ridge Wind Project” (08/06/25) https://www.doi.gov/pressreleases/interior-department-moves-cancel-reckless-biden-era-approval-lava-ridge-wind-project

NSF、AI対応型テストベッドへ投資 米国リーダーシップの加速を目指す

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は、人工知能(AI)対応のテストベッド開発支援として、200万ドル以上の計画助成金を発表した。実際の環境に近い状況で米国の経済と繁栄に重要な部門でAI技術の設計・評価・導入を加速させるのが狙い。このイニシアチブは、NSFのコンピュータ情報科学工学総局(Directorate for Computer and Information Science and Engineering: CISE)と技術・イノベーション・パートナーシップ総局(Directorate for Technology, Innovation and Partnerships: TIP)が共同で主導する。緊急時応答から無線ネットワークに至る幅広い分野でAIシステムの統合が進んでおり、実際の環境に近い状況でそれらの信頼性や性能を評価することは、長期的で実効性のあるソリューションを開発する上で重要である。今回選出されたプロジェクト(4件)は、無線・ラジオ通信、スマート輸送、災害対策計画、プレシジョン農業など多様な分野でAIの用途を模索する。 National Science Foundation “NSF invests in AI-ready test beds to accelerate U.S. leadership” (08/06/25) https://www.nsf.gov/news/nsf-invests-ai-ready-test-beds-accelerate-us-leadership

オープンアクセス論文出版の世界的状況 NCSES報告

国立科学工学統計センター(National Center for Science and Engineering Statistics:NCSES)は、2003~2022年におけるオープンアクセス(Open-access: OA)論文出版(査読を受けた研究論文で専門誌購読や利用料の支払いを必要とせずに誰もがオンライン上でアクセスできるもの)の世界的傾向及び科学的影響について調査した。ゴールドOA(完全なオープンアクセス)の論文出版数は、2003年の19,089件(世界の出版論文の2%)から、2022年には99万1,805件(同30%)に増加した。一方、世界の論文出版に占めるクローズドアクセスの論文の割合は、2003年の58%から2022年の45%へ低下した。記事ではこの他に、国レベルでのゴールドOA論文出版とクローズドアクセス出版論文の比率、国別所得レベルによるOA論文出文などについて記述し、次のような結論を提示している。①OAは時代と共に一般的になりつつあり、世界中で研究者の論文発表の慣行が変化、②米国と中国は過去20年間のOA論文出版が増加傾向(ただし全体的な論文出版は依然としてクローズドアクセスが圧倒的)、③低所得国の執筆者は、高所得国の執筆者に比べてゴールドOA論文出版の割合が高い、④米国、EU27カ国、英国ではゴールドOA論文出版の割合が増加し、クローズドアクセス論文出版の割合は全体的に減少している一方、中国とインドは、クローズドアクセス論文出版の割合は横ばいまたは増加しつつ、ゴールドOA論文出版の割合が増加。 NCSES “Open-Access Publishing in a Global Context” (08/06/25) https://ncses.nsf.gov/pubs/nsf25347