貿易戦争への示唆 CNAS報告

新アメリカ安全保障センター(Center for a New American Security:CNAS)は8月4日、「ゲームオーバー? いかにして米国は貿易戦争で勝利できたのか(Game Over? How the United States Could Have Won the Trade Wars)」と題する報告書を発表した。CNASのエネルギー・経済・安全保障プログラム(Energy, Economics, and Security (EES) Program)は、関税引き上げによる貿易戦争を解決する道筋を模索すべく、貿易戦争シミュレーションを行った。この結果、貿易戦争は比較的前向きな結果で終わり、米国と緊密なパートナーで構成される貿易ネットワークの創出へ向けて政治的な勢いが生まれたという。これを踏まえてCNASは、主要な洞察として、①経済的重力(米国市場の重要性)に逆らうことは困難である、②外国政府は貿易交渉を進めるために安全保障問題を緩和させる可能性がある、③柔軟で取引内容を拡大した交渉が行われると合意に達する可能性が高い、④中国が貿易戦争に乗じて世界の経済秩序の新リーダーとして浮上する可能性は低い、を挙げている。報告書は、継続的な高関税は、生産的な国際貿易システムの再編へ向けた行動を促し、緊密な安全保障パートナーとの関係強化や中国からのリスク軽減へ向けた調整へと繋がる可能性があるとする一方、トランプ政権にこうした戦略を実行する能力または意思があるのかどうかは不明であるとしている。

CNAS “Game Over? How the United States Could Have Won the Trade Wars” (08/04/25)
https://www.cnas.org/publications/reports/game-over