エネルギー省、新たな官民連携と2件のスパコン計画を発表

エネルギー省(Department of Energy)は10月27日、オークリッジ国立研究所(Oak Ridge National Laboratory)にAMD社の開発による人工知能(AI)向けスパコンを2台設置すると発表した。そのうちの1台「ラックスAI(Lux AI)」クラスターは、AMD社とエネルギー省の新たな官民提携体制により、記録的な早さで設置され、2026年初頭に導入される予定である。ラックスのセキュアでオープンかつ効率的なAIソフトウェア・スタックにより、米国のイノベーション基盤と競争力を強化する。もう1台のスパコン「ディスカバリー(Discovery)」は、従来型の調達モデルに基づいて設置される。こちらはAMDのプロセッサ及びアクセラレータを搭載したHPEシステムで、2028年に完成予定である。 Department of Energy “Energy Department Announces New Public-Private Partnership Model, Two Supercomputers, to Accelerate American Dominance in Science and Technology” (10/27/25) https://www.energy.gov/articles/energy-department-announces-new-public-private-partnership-model-two-supercomputers

米日政府、採掘・加工を通じた重要鉱物及びレアアース供給確保

米日両政府は、両国の国内産業に欠かせない重要鉱物の原料及び加工物の供給を支援するため、重要鉱物及びレアアースの採掘・加工に関する共通の政策枠組みを発表した。まず、米日両政府は、重要鉱物及びレアアースの供給確保を加速させるため、米国及び日本の財政支援制度や適切な貿易措置、重要鉱物の備蓄制度の活用等により、互いの協力を強化するとした。また、官民の支援(助成金や保証、融資、株式を通じた資本及び運用費支援、調達契約、保険等)を活用する意向を示した。更に、米日両政府は、重要鉱物及びレアアースの採掘・分離・加工に関する許認可の日程及び手順の加速・合理化・規制緩和につながる措置、公正な競争と価格メカニズム、資産販売等に関する取り組みを推進する意向も表明した。 White House “United States-Japan Framework For Securing the Supply of Critical Minerals and Rare Earths through Mining and Processing” (10/28/25) https://www.whitehouse.gov/briefings-statements/2025/10/united-states-japan-framework-for-securing-the-supply-of-critical-minerals-and-rare-earths-through-mining-and-processing/

米日政府、技術繁栄ディールに関する協力覚書

米国の大統領府科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy: OSTP)のマイケル・クラツィオス長官(Michael Kratsios)と、日本の小野田紀美内閣府特命担当大臣(科学技術政策)は10月28日、人工知能(AI)や量子技術、バイオテクノロジー等の最先端の科学技術の急速な進展は、米日両国の未来の繁栄に戦略的意味合いを含み、二国間協力の重要性を強調するとの認識に基づき、戦略的科学技術分野において相互の利益に基づく共同の機会へ向けた協力を強化することを目的として、協力覚書(Memorandum of Cooperation)を交わした。具体的な協力分野の一例として、①人工知能(AI)の導入及びイノベーションの加速(米国科学財団(National Science Foundation: NSF)や日本の科学技術庁等が支援するイニシアチブを通じて科学・産業・社会のためのAI用途を加速させる革新的研究を促進)、②信頼される技術リーダーシップ(研究安全保障や先端無線アクセスネットワーク等を含む重要な技術及び慣行における長期的な協力関係を強化し、世界的な技術リーダーシップを実現)が挙げられている。 White House “Memorandum of Cooperation Regarding the Technology Prosperity Deal Between the Government of the United States of America and the Government of Japan” (10/28/25) https://www.whitehouse.gov/articles/2025/10/u-s-japan-technology-prosperity-deal/

トランプ大統領、日本による数十億ドルの投資について発表

トランプ大統領は10月28日、日本が以前に約束した5,500億ドルの投資を進展させ、米国の産業基盤を更に活性化させる主要プロジェクトについて発表した。米国と日本は、重要鉱物協定に署名し、日本による米国エネルギーの購入を確実にし、違法薬物対策における日米協力を強化した。トランプ大統領と高市首相は、日米枠組協定(U.S.-Japan Framework Agreement)を記念する署名式を実施し、協定の一環として、日本及び日本企業は次のような投資への意欲を示した。①重要エネルギーインフラ投資(米国の重要エネルギーインフラ支援に最大3,320億ドル)、②AIインフラ投資(三菱電機との提携により、データセンター用の発電設システム・設備の供給に最大300億ドル)、③電子機器及び供給網投資(村田製作所との提携により、先端電子部品の製造に最大150億ドル)、④重要鉱物投資(米国内のアンモニア及び尿素肥料製造施設の建設に最大30億ドル)、⑤製造及び物流投資(米国産原油の輸出促進を目的として米南部の港湾・水路の改修に6億ドル)。この他、日本は米国製品の輸出に更なるコミットを示し、これにはトヨタ自動車による米国産自動車の逆輸入計画が含まれる。更に、米日両国は、投資・調達・労働力・技術イニシアチブを整合させることで、両国の造船能力を拡大する協力覚書(Memorandum of Cooperation)に署名した。 White House “Fact Sheet: President Donald J. Trump Drives Forward Billions in Investments from Japan” (10/28/25) https://www.whitehouse.gov/fact-sheets/2025/10/28195/

電力会社の42%が2年以内にAI導入を計画 NGP社調査

投資会社のナショナル・グリッド・パートナー社(National Grid Partners: NGP)は10月、電力会社のイノベーション活動に関する第2回年次調査結果を発表した。166人の業界関係者から得た調査によると、革新的プロジェクトを積極的に実行する電力会社の割合は1年で24%から32%に急増しており、64%がイノベーション予算を増やし、全体の支出は15%上昇したという。また、69%がイノベーションを事業部門全体に組み込み、従来の中央集権型チームから脱却した。さらに、回答者の71%が送電網整備を最優先事項と位置付け、96%が人工知能(AI)を戦略的重点分野とみなしていることがわかった。電力会社の42%が今後2年以内に規制報告やコンプライアンス、作業員訓練、遠隔機器監視などの分野でAIを導入する計画という。ただし、企業全体レベルでのAIプログラムを持つ企業はわずか4%にとどまり、66%がAI人材の不足を最大のハードルと指摘した。NGP社は電力会社がスタートアップとの提携で、これらの課題を解決できると提言している。 National Grid Partners “Innovation in Action: Key Findings from the 2025 Utility Innovation Survey” (10/27/25) https://www.ngpartners.com/stories/innovation-in-action-key-findings-from-the-2025-utility-innovation-survey 参照記事:Utility Dive “Utilities see AI as tool for grid modernization but lack expertise, survey finds” (10/28/25) https://www.utilitydive.com/news/utilities-see-ai-as-tool-for-grid-modernization-but-lack-expertise-survey/803980/

グーグル社、アイオワ州の原子力発電所を再稼働 ネクステラ社と提携

グーグル社(Google)は10月27日、ネクステラ・エナジー社(NextEra Energy)と提携して、アイオワ州にあるデュアン・アーノルド発電所(Duane Arnold Energy Center)を2029年初頭に再稼働させると発表した。この再稼働により、60万キロワット(KW)以上の電力が供給される予定で、人工知能(AI)やクラウド関連の施設の電力需要に応えることが可能になるという。同発電所は2020年にネクステラ社によって閉鎖されたが、連邦エネルギー規制委員会(Federal Energy Regulatory Commission: FERC)の認可を受けて再稼働することになった。急増する電力需要に対応するため、国内では廃止・中止された原子力発電プロジェクトの仕切り直しが進んでいることが背景にあり、グーグル社は大規模な原子力発電の迅速な実現に加え、今回の提携により同州に数千の雇用と経済効果をもたらすと説明している。 Google “Our new agreement with NextEra Energy will bring Iowa’s only nuclear plant back to life.” (10/27/25) https://blog.google/feed/infrastructureduane-arnold-nuclear-plant-iowa/ 参照記事:Utility Dive “Google-NextEra, Santee Cooper announcements signal new life for defunct nuclear projects” (10/28/25) https://www.utilitydive.com/news/santee-cooper-nextera-google-nuclear/803959/

米国政府、大型原子炉建設で3社と協定 800億ドルを投資

10月28日、ウェスティングハウス・エレクトリック社(Westinghouse Electric Company: WH)、カメコ社(Cameco Corporation)、ブルックフィールド・アセットマネージメント社(Brookfield Asset Management)が、米国政府と提携し、新たな原子力発電所建設に向けた戦略的パートナーシップを立ち上げたと発表した。WH社のAP1000原子炉技術を用いる原子炉建設に約800億ドルを投じる予定で、国の原子力産業の基盤を構築する。同社のAP1000原子炉は、ポーランドやウクライナ、ブルガリアなど世界で稼働中の原子力発電所の半数以上に採用されている最も先進的な商業用原子炉で、これにカメコ社の核燃料供給網に関するノウハウを活用し、世界最大級のエネルギー発電技術投資企業のブルックフィールド社が支援する形となる。安定した電力供給に向け、人工知能(AI)の開発も加速させるとし、今回の提携により約4万5,000人の製造・エンジニアリング関連の雇用と全米展開により10万人以上の建設関連雇用を創出すると見込んでいる。 Brookfield “United States Government, Brookfield and Cameco Announce Transformational Partnership to Deliver Long-term Value Using Westinghouse Nuclear Reactor Technology” (10/28/25) https://bam.brookfield.com/press-releases/united-states-government-brookfield-and-cameco-announce-transformational-partnership

シリコンウエハー出荷、2025年に5.4%増加へ

国際半導体製造装置材料協会(Semiconductor Equipment and Materials Institute: SEMI)は10月28日、2025年の世界のシリコンウエハー出荷が前年比5.4%増の128億2,400万平方インチ(Million Square Inches: MSI)に達すると発表した。最先端ロジックデバイス向けの先進エピタキシャルウェーハ(epitaxial wafers)や広帯域幅メモリ(High Bandwidth Memory: HBM)向けの研磨ウエハーなど、AI(人工知能)関連の需要増加が成長を牽引した。2028年には出荷量が154億8,500万平方インチ(MSI)に達し、新記録を達成すると予測している。一方、AI以外のアプリケーション向けのウエハー出荷も、近年の低迷から徐々に回復しつつある。SEMIの予測によると、この成長基調は2028年まで続き、AIの利用が広がるにつれて、データセンターだけでなくスマートフォンなどのエッジデバイスでも、より多くの計算リソースが必要になっていることから、シリコンウエハーの出荷がさらに増加するとみられている。 SEMI “SEMI Reports Global Silicon Wafer Shipments to Rebound 5.4% in 2025, with New Record Expected by 2028” (10/27/25) https://www.semi.org/en/semi-press-release/semi-reports-global-silicon-wafer-shipments-to-rebound-5.4-percent-in-2025-with-new-record-expected-by-2028

風力発電のPPA価格、太陽光を上回る上昇率

ユーティリティ・ダイブ(Utility Dive)は10月27日、トランプ政権下で風力発電の電力購入契約(Power Purchase Agreement: PPA)価格が太陽光を上回るペースで上昇していると報じた。レベルテン・エナジー社(LevelTen Energy)のデータによると、2025年第2四半期から第3四半期にかけて太陽光PPA価格が4%上昇したのに対し、風力は5%近く上昇し、昨年比で約14%の上昇となった。主に関税や連邦政府の許認可政策の厳格化、さらに「ワン・ビッグ・ビューティフル・ビル法(One Big Beautiful Bill Act)」による税制優遇措置の期限を前にした開発業者の駆け込み申請が価格上昇の要因と分析している。一方、エネルギー転換企業トリオ社(Trio)は、資金調達コストの上昇が主要因と指摘し、今後発表される追加関税によりPPA価格はさらに10%から15%上昇する可能性があるという見解を示した。両社共に当面は価格下落の見通しは立たないとの見方を示している。 Utility Dive “Wind PPA prices rising faster than solar under Trump administration” (10/27/25) https://www.utilitydive.com/news/wind-solar-ppa-prices-level-ten-trio/803792/

電力業界、設備投資に1.4兆ドル データセンター需要が牽引

ユーティリティ・ダイブ(Utility Dive)は10月27日、国内の電力会社が2025年から30年の5年間で1.4兆ドルの設備投資を行う「スーパーサイクル(数十年に及ぶ景気循環)」に突入したと報じた。格付け会社のモーニングスターDBRS社(Morningstar DBRS)によると、相次ぐデータセンター建設により、北米電力信頼度協議会(North American Electric Reliability Corporation: NERC)のデータに基づく今後10年間の電力需要増加率は、従来予測の6.1%から11.6%へと大幅に上方修正され、規制委員会の支援、健全な信用格付けと資本市場へのアクセスがある電力会社にとって好機になるという。エジソン電気協会(Edison Electric Institute: EEI)も同様の分析を示しており、発電投資は4年連続で業界の総設備投資に占める割合が増加している。一方、報告書は、データセンター容量の需要予測の不確実性、従来の資金調達手段の不足、他の顧客層への料金負担増加といった課題も指摘しており、電力会社は資金不足を補うため民間資本の活用を模索していると伝えている。 Utility Dive “US electric utilities entering investment ‘super-cycle,’ says Morningstar DBRS” (10/27/25) https://www.utilitydive.com/news/us-electric-utilities-investment-super-cycle-morningstar/803841/