DARPA、海洋生物を利用して戦略的水域をモニターする技術を開発

巨大な海洋では、敵対者の動きを検知することが難しい。このため米軍は、有人・無人のプラットフォーム及びセンサー・ネットワークを配備し、敵対活動のモニターに取り組んでいるが、その壮大なスケールでの任務は困難であり、ハードウェアだけで全てのニーズに対応することはできない。一方、海洋生物は、周囲の環境への順応が高度に優れている。このことから、国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)の生物技術局(Biological Technologies Office)は、このような海洋生物の自然感知能力を活用することを目的として、「持続的な水中生物センサー(Persistent Aquatic Living Sensors: PALS)」プログラムを開始する。PALSプログラムは、自然生物及び変更された生物を研究し、海中の有人・無人船の動きを検知するセンサー・システムを最良の形でサポートする可能性がある生物の特定に取り組む。 Government Accountability Office “Defense Advanced Research Project Agency” (2/2/18)

DARPA、脅威にさらされた身体の歴史を読み解くECHOプログラムを開始

国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)は、「エピジェネティック特性化及び観測(Epigenetic Characterization and Observation: ECHO)」プログラムを開始する。現地で利用可能な携行型プラットフォーム技術の開発を狙いとしたもので、 ある人物のエピゲノムを迅速に読み解き、その人物がそれまでの人生において、大量破壊兵器(weapons of mass destruction: WMD)の関連マテリアルにさらされたことがあるかを示唆するシグネチャー(目印)を特定する技術の開発を目指す。エピゲノムとは、生体の記録管理情報で、DNAは一生変わることはないが、後天的な環境要因によって遺伝子発現を変更するマークがDNAに残る。こうした変更が記録されるのは数秒から数分で、そのエピゲノムは数十年にわたって残る。ECHOプログラムは4年にわたって行われ、研究者は、①脅威マテリアルにさらされることによって作られるエピジェネティック・シグネチャーの特定及び判読、②脅威マテリアルへの暴露の種類と時間を明らかにする高度かつ明確な犯罪科学・診断分析技術の創出、という2つの主要課題に取り組む。 Defense Advanced Research Project Agency “Reading the Body’s History of Threat Exposure” (2/1/18)

NIST、ブロックチェーン技術に関する報告書を発表

米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)は、興味深くもあり不可解でもあるブロックチェーンを、企業やその他の組織にとって恩恵となるよう明確化することを狙いとして、「NIST省庁間報告書草案8202:ブロックチェーン技術の概要(Draft NIST Interagency Report (NISTIR) 8202: Blockchain Technology Overview)」と題する報告書を発表した。ブロックチェーンの概念を紹介し、電子通貨におけるブロックチェーンの利用について議論し、そのより広範な応用を示した内容となっている。本報告書は、企業がブロックチェーンの利用について判断する際の参考となることを意図して作成されたものである。 National Institute of Standards and Technology “NIST Report on Blockchain Technology Aims to Go Beyond the Hype” (1/24/18)

メリーランド大学とキャピタル・ワン社がイノベーションの促進とデータ及び機械学習の人材開発で提携

メリーランド大学(University of Maryland: UMD)とキャピタル・ワン社(Capital One)は12月12日、機械学習やデータ分析、サイバーセキュリティといった主要な国家的ニーズがある分野の労働力育成を目的として、学生の人材パイプライン開発に取り組むパートナーシップを発表した。新しいパートナーシップにより、UMDのディスカバリー地区(Discovery District)に新たなイノベーション・ラボが設置される。ラボは、UMDの学生が教室で学習したこと(データ科学や技術、オートメーションといったトピックで)を実世界の問題や経験に適用する機会を提供する。キャピタル・ワン社はまた、UMDの機械学習に関するリーダーシップの推進を支援するため、300万ドルを寄贈する。さらに、UMDは、「初年度イノベーション・研究経験(First-Year Innovation & Research Experience: FIRE)」プログラムを通じて提供される教育課程の開発でキャピタル・ワン社と協力する。 University of Maryland “University of Maryland, Capital One Partner to Drive Innovation, Fueling Talent Pipeline in Data and Machine Learning” (12/17/17)

MITインテリジェンス・クエストが発足

マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology: MIT)のラファエル・リーフ学長(Rafael Reif)は2月1日、MITインテリジェンス・クエスト(MIT Intelligence Quest: MIT IQ)の立ち上げを明らかにした。MIT IQは、人間のインテリジェンスの根本となるものを発見し、社会のあらゆる側面にポジティブな仮想的影響をもたらし得る技術ツールの開発を促進することを目的とするイニシアチブである。リーフ学長は、①人間のインエリジェンスは(工学的見地において)どのように機能するのか? ②人間のインテリジェンスに関する深い理解をどのようにしてより賢く有益な機械の構築に利用することができるのか? という大きな質問を提示した。この取り組みは、MIT IQ内の二つの部門(人間と機械のインテリジェンスの科学及び工学を進展させる「コア(The Core)」と、自然及び人工知能に関するMITの発見を全ての学問分野に応用させることに取り組む「ブリッジ(The Bridge)」)によって行われるという。 MIT News “Institute launches the MIT Intelligence Quest” (2/1/18)

エネルギー省傘下の国立研究所によるレアアース回収プロジェクト、期待を上回る進展

エネルギー省(Department of Energy)の化石燃料局(Office of Fossil Energy: FE)と国立エネルギー技術研究所(National Energy Technology Laboratory: NETL)が管理する4件のレアアース元素(rare earth element: REE)回収プロジェクトは、石炭及び石炭副産物からREE濃縮物を生産させることに成功し、REEの国内供給開発で大幅な進展を示している。携帯電話から国防に至るまでの様々な分野でREEの需要があり、エネルギー省の研究はREEの有望な国内資源として石炭及び石炭副産物を特定している。NETLの支援を受けて2020年まで行われる4件のプロジェクトは、少なくとも2%のREE濃縮物の実現と、環境に安全なREE回収プロセスの開発という目標において、これまでのラボ及び小規模な実験で、いずれも目標達成あるいはそれを大幅に上回る進展を示している。 Department of Energy “NETL Rare Earth Recovery Projects Meeting and Exceeding Expectations” (2/1/18)

エネルギー省、HPC4Mfgプログラムの下、300万ドルの助成計画を発表

エネルギー省(Department of Energy)は2月1日、エネルギー省傘下の国立研究所の高性能コンピューティング能力を活用して製造業が抱える課題に対処することを望む米国製造事業を支援するため、10件のプロジェクトに最高300万ドルを助成する計画を発表した。この「製造業向け高性能コンピューティング(High Performance Computing for Manufacturing: HPC4Mfg)」プログラムの下、選出されたプロジェクトは、パートナーとなる国立研究所のコンピューター・サイクル及び活動支援として、エネルギー省から最高30万ドルの資金を受益し、産業パートナーはDOEによる資金の少なくとも20%をプロジェクトへ寄与することが義務付けられる。加えて、過去に受益し、実証に成功したプロジェクトは後続プロジェクトとして最高30万ドルの資金をエネルギー省から受益できる(産業パートナーの負担は50%)。実証プロジェクト及び後続プロジェクトとも、公募の受付(概念論文の提出)は3月15日までとなっている。 Department of Energy “Energy Department Announces $3 Million for High Performance Computing Collaborations for U.S. Manufacturers” (2/1/18)

連邦機関による中小企業研究プログラムには進捗状況を評価するための策が必要

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は、「中小企業研究プログラム:連邦機関は商業化技術へ向けた進捗を評価する策を講じることが必要(Small Business Research Programs: Agencies Need to Take Steps to Assess Progress Toward Commercializing Technologies)」と題する報告書を発表した。中小企業庁(Small Business Administration: SBA)及び11の連邦機関は、中小企業技術革新制度(Small Business Innovation Research: SBIR)及び中小企業技術移転制度(Small Business Technical Transfer:STTR)に参加している。両プログラムには、受益プロジェクトの進捗と将来の助成の適格性を評価することを目的に2つのベンチマークを設定しているが、データ面での課題からこれらを正確に測定することが困難な状況となっている。GAOは、こうした問題を是正するため、データの信頼性の強化など、11の勧告を行っている。 Government Accountability Office “Small Business Research Programs: Agencies Need to Take Steps to Assess Progress Toward Commercializing Technologies” (1/31/18)

パシフィック・ノースウェスト国立研究所とワシントン大学がマテリアル研究で提携

エネルギー省(Department of Energy)傘下のパシフィック・ノースウェスト国立研究所(Pacific Northwest National Laboratory: PNNL)とワシントン大学(University of Washington)は、「ノースウェスト・マテリアル物理学・化学・技術研究所(Northwest Institute for Materials Physics, Chemistry and Technology : NW IMPACT)」を共同で設立することを発表した。NW IMPACTは、エネルギーや通信、医薬、情報技術、その他の分野を変革するマテリアルの発見と進展を支援する合同の取り組みである。それぞれの強みを活かし、単独では不可能な発見、イノベーション、教育的機会の実現を目指す。当面の重点先として、①エネルギー転換及び貯蔵のためのマテリアル、②量子マテリアル、③水の分離と活用のためのマテリアル、④バイオミメティクス・マテリアル、が挙げられている。 Pacific Northwest National Laboratory “Pacific Northwest National Laboratory, University of Washington team up to make the materials of tomorrow” (1/31/18)

DARPA、ACTUVプログラムの「シーハンター」プロトタイプを海軍研究局へ移管

国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)は、これまで進めてきた「海中戦対策としての無人船による継続的な追跡(Anti-Submarine Warfare (ASW) Continuous Trail Unmanned Vessel: ACTUV)」プログラムを成功裏に終わらせ、技術実証船舶「シーハンター(Sea hunter)」を海軍研究局(Office of Naval Research: ONR)へ移管した。ONRは引き続き、この革命的船舶の技術開発を継続する。シーハンターは、乗組員が一人もいない状態で一度に数か月かけて数千キロを横断することができる全く新しい種類の無人水上艇として、米国の海洋活動に革命をもたらす可能性がある。 Defense Advanced Research Project Agency “ACTUV “Sea Hunter” Prototype Transitions to Office of Naval Research for Further Development” (1/30/18)