MITとセンスタイム社が人工知能研究の進展努力で協力

マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology: MIT)と人工知能(AI)の有力企業であるセンスタイム社(SenseTime)は2月28日、センスタイム社が、MITによる人と機械の知能の次なる最前線を定義する取り組みに参加すると発表した。センスタイム社は、MITの卒業生(1996年に博士号取得)が創設した企業で、コンピュータ・ビジョンと深層学習技術を専門とする。MITとセンスタイム社による人工知能の同盟は、MIT全体におけるコンピューター・ビジョンやロボティクスなどの発見に新たな道筋を開くこと、AIの技術的ブレイクスルーの促進、MITの教員と学生が知能研究の最前線で学際的なプロジェクトを追求するよう意欲付けをすること、を狙いとしたものである。MITは2月初旬に、学校全体のイニシアチブとして「MITインテリジェンス・クエスト(MIT Intelligence Quest)」を立ち上げており、センスタイム社はこのイニシアチブに参加する最初の企業である。 Massachusetts Institute of Technology “MIT and SenseTime announce effort to advance artificial intelligence research” (2/22/18)

NSF、コンピューティング及び情報科学のフロンティアの革新的進展を狙いとして3,000万ドルを拠出

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は、新たに3件の「コンピューティング探究(Expeditions in Computing)」アワードを発表した。受益するのは、カリフォルニア大学バークレー校(University of California, Berkeley)、シカゴ大学(University of Chicago)、ライス大学(Rice University)の研究者チームで、それぞれ今後5年間で1,000万ドルが提供される。受益チームは複数の研究者で構成され、コンピューター及び情報科学と工学分野で大規模かつ包括的でトランスフォーマティブな可能性がある研究を追求する。今年のアワードは、リアルタイムの意思決定や量子コンピューティング、非侵襲的バイオメディカル画像の分野で、ゲームチェンジングとなる進展の実現を狙いとしている。 National Science Foundation “NSF invests $30 million to pursue transformative advances at frontiers of computing and information science” (2/27/2018)

カリフォルニア州、自動運転車を対象とした安全運転規則を廃止へ

カリフォルニア州では、自律的に運転する自動運転車が州内を走行する際は、緊急時のために運転席に人が着席することが義務付けられていたが、同州の自動車省(Department of Motor Vehicles)は2月26日、この規則を廃止すると発表した。規則撤廃は4月2日から施行される。カリフォルニア州は、50社に自動運転車を試験するライセンスを提供している。これらの企業は、自動運転車の遠隔操作ができること、何か間違いが発生した際には法規取り締まり官やその他のドライバーと通信できるよう義務付けられることになる。今回の規則変更は、自動運転車の広範な導入に向けた一歩と見られている。自動運転車を巡る競争で先導を行く企業の多くはカリフォルニア州に拠点を置いている中、一部の企業は、自動運転車により非干渉型の手法を取るアリゾナ州で自動運転車の試験を開始している。 New York Times “California Scraps Safety Driver Rules for Self-Driving Cars” (2/26/18)

中国の科学大臣、2017年度の研究開発支出は2,790億ドルと報告

中国政府科学技術部の万 鋼(ワン・ガン)大臣は2月26日、2017年度における中国の研究開発(R&D)費は合計2,790億米ドルであった(試算)と発表した。これは前年比で14%増である。「中国はイノベーション国家の仲間入りをし、2050年までに技術イノベーション大国になる必要がある」と同大臣は述べた。2017年の中国のR&D費が同国のGDPに占める割合は約2.1%であった。比較として、米国のそれは約2.8%、ドイツ2.9%、日本3.3%となっている(世界銀行(World Bank)データ、2015年)。万大臣によれば、中国のR&D支出は2012年以来、70.9%増加している。 Reuters “China spends $279 bln on R&D in 2017: science minister” (2/26/18)

エネルギー長官、中小企業開発グラントに3,000万ドルを発表

エネルギー省(Department of Energy)のリック・ペリー長官は2月27日、全国36州で149の中小企業に合計179グラント(3,000万ドル)を提供すると発表した。本件は、エネルギー省の中小企業技術革新制度(Small Business Innovation Research: SBIR)及び中小企業技術移転制度(Small Business Technical Transfer:STTR)を通じて提供されるもので、フェーズI(新しいイノベーションの技術的フィージビリティを調査するもので、6~12か月間で助成額の中央値は15万ドル)の研究開発向けである。フェーズIに成功した受益者は、2019年度にフェーズIIへの応募資格を得ることができる。 Department of Energy “Secretary of Energy Rick Perry Announces $30 Million for Small Business Research and Development Grants” (2/27/18)

旧式テクノロジーの反撃(経営幹部へのアンケート調査の結果より)

レガシー企業(伝統のある企業)が恐れる懸念の一つは、新しい巧みなスタートアップによってもたらされるディスラプションである。しかし、驚くべき新たな現実として、ビッグ・データと人工知能の組み合わせによって彼らの不安は軽減している。IBM社とオックスフォード大学(Oxford University)の商業部門であるオックスフォード・エコノミクス(Oxford Economics)が112か国で20産業の経営幹部1万2,854名を対象に行ったインタビューによれば、回答者の72%が、「自分たちのセクターにディスラプションがもたらされるとしたら、それは自分たちのような昔からの人間の手によるものであろう(=ディスラプションをもたらすのは我々のような伝統的な企業である)」と回答している。そして、そのディスラプションは「中小企業あるいはスタートアップ企業による」としたのはわずか22%であった。また、世界のビッグ・データの約8割は、既存の大手企業が所有していると考えられている。 Axios “How Old Tech could roar back” (February 2018)

DARPA、60日以内に感染病のまん延阻止に取り組む研究者チームを発表

感染症による脅威の増大への対処や、世界のあらゆるハイリスク環境で援助活動を行う国防総省(Department of Defense)の軍人に適切な装備を提供することを目的として、国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)は、2017年に、「大流行防止プラットフォーム(Pandemic Prevention Platform: P3)」プログラムを開始した。そして今般、P3プログラムに取り組む研究機関を発表した。助成を受ける研究機関には、デューク大学(Duke University)、バンダービルト大学(Vanderbilt University)、メドイミューン社(MedImmune)などが含まれる。P3プログラムの目標は、感染症の流行拡散を阻止する技術を開発することで、その中心になるのは、核酸ベースの技術(特にDNAとRNAに重点を置いたもの)となる。 Defense Advanced Research Project Agency “DARPA Names Researchers Working to Halt Outbreaks in 60 Days or Less” (2/22/18)

エネルギー省、電力グリッドへのコスト効果の高い支援を目的とした熱電併給技術研究に1,000万ドルの助成計画を発表

エネルギー省(Department of Energy)のエネルギー効率・再生可能エネルギー局(Office of Energy Efficiency and Renewable Energy: EERE)は、コスト効果が高く高度に効率的な熱電併給(combined heat and power: CHP)技術の活用(具体的には本件を通じて電力グリッドへの支援を提供する)を進めることを目的として、研究開発活動に最高1,000万ドルを投資する計画を発表した。本公募では、①パワー・エレクトロニクス及び制御システム、②発電コンポーネント、の2つが関心エリアとして提示されている。エネルギー省では、共同契約(cooperative agreement)として6~10件のアワードを提供する計画である。 Department of Energy “Department of Energy Announces $10 Million for Combined Heat and Power Technology Research to Provide Cost-Effective Support to the Electric Grid” (2/23/18)

エネルギー省の上級アドバイザーが離任

エネルギー省(Department of Energy)で政治的任命を受け、上級アドバイザーとして電力調査研究を監督していたトラビス・フィッシャー氏(Travis Fisher)が同省を去ることになった。フィッシャー氏は、同省のリック・ペリー長官(Rick Perry)が昨年要請していた電力調査研究を管轄していた。同研究では、「市場力学(具体的には安価な天然ガスと再生可能エネルギー)によって原子力と石炭による発電の経済性が低下している」との結論が示された。この結果は、多くの専門家の客観的見解を再確認したものであり、予想されていたほどは論争的にならなかった。それ故、その後ペリー長官が、石炭及び原子力発電所を後押しする規則案を連邦エネルギー規制委員会(Federal Energy Regulatory Commission: FERC)に承認するよう要請したことは対照的であった(FERCはこの要請を却下した)。関係者によれば、フィッシャー氏の離任の少なくとも一因は、同氏とペリー長官の間の政策姿勢におけるこうした違いであると考えられている。 Axios “Scoop: Top Energy Department adviser to depart” (2/22/18)

内務省、ドローンの利用を拡大。今後エネルギー分野での利用が増加する可能性

内務省(Department of Interior)が発表した報告書によれば、同省は2017年度に、312機の無人航空機(ドローン)を使い、4,976件の飛行を行っている。内務省は、このうち707件のミッションは71件の火災対策として利用し、消防隊により良い観察・調査データを提供することができたと発表している。ただし、その他の利用も多く、報告書は、「広範なセンサー機能を持つドローンによって、ダムや油井の調査、野火の調査、不法投棄の監視、土地のマッピングに寄与した」としている。また内務省は、今後、エネルギー分野でのドローン利用が増える可能性を認めている。 Axios “Interior expands drone use and energy may become a growth” (February 2018)