一部の米国発電所は乾式冷却を利用

発電所で、発電システムを稼働させるために生成される大量の熱(蒸気)は、その後、大量の水を使って排除または循環使用される。そのため、こうした冷却システムは発電所における最大の水使用源となっている。歴史的にこうした冷却は、水や湖などの水資源によって提供されていたが、エネルギー省(Department of Energy)傘下のエネルギー情報局(Energy Information Administration: EIA)の発表によれば、近年は、水をほとんど、あるいは全く使用しない乾式冷却を利用する発電所が増えている。乾式冷却システムは資本費用が比較的高く、稼働させるためにより多くのエネルギーを必要とする。これらの要素は、発電所の全体的な効率性の低下につながっているが、乾式冷却システムは湿式冷却システムに比べて使用する水の量が約95%少ない。 Energy Information Administration “Some U.S. electricity generating plants use dry cooling” (8/29/18)

国土安全保障省、太陽光発電織物の開発に約20万ドルを助成

国土安全保障省(Department of Homeland Security: DHS)の科学技術総局(Science and Technology Directorate: S&T)は、太陽光(PV)発電織物(energy harvesting fabrics)の開発に取り組むプロテクト・ザ・フォース社(Protect the Force Inc.)に19万9,260ドルを提供した。PV発電織物は繊維の中で電力を生産・貯蔵し、携行機器の充電を行う。プロテクト・ザ・フォース社は、S&Tのシリコン・バレー・イノベーション・プログラム(Silicon Valley Innovation Program: SVIP)による「国土安全保障アンサンブルのためのPV発電繊維(Photovoltaic (PV) Energy Harvesting Textiles for Homeland Security Ensembles)」と題するプロジェクトの下で受益した。同社は、PV繊維を開発してそれを「電力織物(power fabric)」として織り込み、第一応答者の着衣と統合して信頼性が高い携行電力源とする計画である。 News Wise “DHS Awards $199K for Development of Energy Harvesting Fabric” (8/28/18)

世界のユーザーの64%がモノのインターネットの不具合を経験

ソフトウェア・インテリジェンス企業のダイナトレース社(Dynatrace)が世界で1万人の消費者を対象に行った調査の結果(8月21日に発表)によれば、世界の消費者の52%が「モノのインターネット(Internet of Things: IoT)」機器を利用している一方、それらの64%がすでに何らかの不具合を経験しているという。平均すると、消費者は毎日1.5件のデジタル不具合を経験しており、62%が、問題とその頻度は今後増加すると懸念している。IoT戦略を導入している機関にとり、これらの調査結果は、①新たなクラウド技術によるITの複雑性やマイクロサービス、革新を早急に行わなくてはならないという圧力が増加していること、②健全なアプリケーションと優れたデジタル経験を確実にするためには、十分な計画に基づくIoTモニタリング及びパフォーマンス戦略を構築する必要性があること、を示唆している。 IoT Business News “IoT Failures Plague 64% of Users Worldwide, as Cloud Complexity Surges” (8/21/18)

サウジアラビアの石油大手、アラムコ社、特許王を目指す

特許商標局(U.S. Patent & Trademark Office: USPTO)は、2017年にサウジアラビア石油会社(Saudi Arabian Oil Co.: Aramco(通称「アラムコ」))に230件の特許を付与した。これは、わずか57件だった2013年の4倍で、石油・天然ガス会社としては、エクソン・モービル社(Exxon Mobil Corp.)、シェブロン社(Chevron Corp.)についで3番目となった。アラムコ社は過去5年間で研究所の科学者の数を2倍にし、デトロイトやパリ、北京など9か所に研究センターを開設し、石油サービス企業から科学者を引き抜いている。同社は1933年の設立以来、膨大で安価な油田に事業の多くを依存しているものの、その巨大な油田の一部は枯渇しつつあり、さらに、炭化水素排出削減への圧力もあり、顧客や潜在的な投資家との間で石油の妥当性について話し合いも行っている。こうした状況に対応するため、地上からより多くの原油を採取する革新的な方法や、石油製品の新たな利用を考案する方法を模索し始めている。 Wall Street Journal “Oil Giant Saudi Aramco Wants to Become a King of Patents” (8/28/18)

カリフォルニア州議会、2045年までに炭素排出ゼロ・エネルギーの目標を設定

カリフォルニア州議会は8月28日、「2045年までに州内の電力は100%炭素フリー(炭素排出ゼロ)とする」ことを義務付ける法案を承認した。これは、気候変動の影響への対策として、最も積極的なステップの一つである。同州は既に、2030年までに州内の電力の50%は再生可能資源由来とすることを義務付けているが、法案はその割合を60%にまで引き上げている。ハワイ州は2015年に、2045年までに電力を100%炭素フリーとすることを義務付ける法案を可決しており、カリフォルニア州はそれに続く。マサチューセッツ、ニュージャージー、ニューヨークの各州とワシントンDCも同様の義務付けを検討しており、メリーランドとコロラドの両州は同様法案を検討したが可決には至っていない。カリフォルニア州議会の上下両院は今後、修正事項で合意しなくてはならないが、今議会が終了する8月31日までに合意に達する見込みで、ジェリー・ブラウン知事(Jerry Brown)も署名すると予測されている。 New York Times “California Lawmakers Set Goal for Carbon-Free Energy by 2045” (8/28/18)

NSF、次世代スパコンに6,000万ドルを助成

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は、NSFが米国の科学工学研究コミュニティ向けに支援するスパコンとしては過去最大かつ最速のスパコン開発に6,000万ドルを助成する。新しい高性能コンピューティング(high-performance computing: HPC)システムは、「フロンテラ(Frontera)」と呼ばれ、テキサス大学オースチン校(University of Texas at Austin)のテキサス先端コンピューティング・センター(Texas Advanced Computing Center: TACC)に設置される。今回のNSFによる助成は、研究者に「リーダーシップ級」のコンピューティング資源を提供するための複数段階のプロセスの第一歩となる。TACCに設置されるスパコンは、デルEMC(Dell EMC)によるコンピューティング・システムを主軸とし、インテル社(Intel)のプロセッサを使用する。フロンテラは来年夏までに設置、稼働する予定である。 National Science Foundation “NSF awards $60 million for next-generation supercomputer” (8/29/18)

エネルギー省、科学と社会に役立つ粒子加速器に800万ドルの投資を発表

エネルギー省(Department of Energy)は8月27日、粒子加速の科学技術における基礎及び利用に基づく(use-inspired)様々な研究に助成を行うと発表した。対象となるのは12件の研究プロジェクトで、合計800万ドルを受益する。20世紀に原子核内部を研究するために開発された粒子加速器は現在、癌治療や殺菌による食品安全保障の確証、爆弾やテロリストの脅威検知といったものが応用の中心となりつつある。今回の助成は、科学局(Office of Science)の「加速器スチュワードシップ・プログラム(Accelerator Stewardship program)」を通じて実施されたもので、同プログラムは、国土安全保障省(Department of Homeland Security)、国防総省(Department of Defense)、国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)、米国科学財団(National Science Foundation: NSF)と密接に協力しながら行われている。 Department of Energy “Department of Energy Announces $8 Million for Particle Accelerators for Science & Society” (8/27/18)

NIH、外国政府からの助成を開示していない可能性がある研究者を調査

国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)のフランシス・コリンズ長官(Francis Collins)は8月23日、上院公聴会に出席し、「連邦グラントを受益している研究者の中で、外国政府からの大規模な助成金の開示を怠っている可能性がある者がいる」との疑いの下、約6機関を対象に、調査を行っていると発表した。同長官は公聴会後、「知的財産を転用、あるいはピアレビュー資料へのアクセスを使ってそれらを海外へ流す意図を持ち、こうしたつながりを故意に隠している者がいることを懸念している」と述べた。コリンズ長官はまた、NIHのグラントを受益している約1万件の機関に向けて、連邦捜査局(Federal Bureau of Investigation: FBI)の現地事務所から知的財産及び外国の干渉の脅威について説明を受ける機会を持つよう奨励する書簡を送ったことを明らかにした。 STAT “NIH is investigating researchers who might have failed to disclose contributions from foreign governments” (8/23/18)

アマゾン社、アレクサ・フェローシップを拡大し、学生とアントレプレナーに投資

会話に基づく人工知能(AI)技術の開発に力を入れるアマゾン・ドット・コム社(Amazon.com)は、同技術開発をめぐる様々な問題を解決する努力の一環として、アレクサ基金(Alexa Fund)を立ち上げ、音声を使った革新に取り組む有望なスタートアップ向けに2,000万ドルを割り当てた。2017年には音声と言語技術に重点を置く有力大学の研究者を支援するため、「アレクサ基金フェローシップ(Alexa Fund Fellowship)」を開始し、4大学を選出している。そして今般、2018-2019年アマゾン・アレクサ・フェローシップ(Amazon Alexa Fellowship)として、新たに18の大学を選出した。具体的には、「アレクサ大学院フェローシップ(Alexa Graduate Fellowship)」として米国、インド、英国、カナダの10大学が、「アレクサ・イノベーション・フェローシップ(Alexa Innovation Fellowship)」(新規プログラム)として、米国の10大学が選出された(2つの大学が両方を受益)。 Amazon Alexa “Alexa Fund Invests in Student Scientists and Entrepreneurs with Expanded Alexa Fellowship” (8/22/18)

エネルギー省、より良い建造物チャレンジの目標達成機関を認定

エネルギー省(Department of Energy)は8月23日、2018年のエネルギー生産性目標を達成した19の「より良い建造物チャレンジ(Better Buildings Challenge)パートナー」と、当初の目標を達成した後、新たなチャレンジ目標を設定した26パートナーを認定した。「より良い建造物チャレンジ」は任意のプログラムで、プログラムの立ち上げ以来、参加するパートナー機関は、31億ドルのエネルギー費用と3,800兆BTUのエネルギーを節約している。今回、「当初の目標を達成し、新たな目標を設定したパートナー」として認定された26パートナーの中には、カーディントン・ユタカ・テクノロジーズ、北米日産、トヨタ・モーター・エンジニアリング・アンド・マニュファクチャリング・ノース・アメリカなどの日系企業が含まれている。 Department of Energy “Energy Department Recognizes Better Buildings Challenge Goal Achievers at the 2018 Energy Exchange and Better Buildings Summit” (8/23/18)