CRISPRを用いた臨床試験に認可が下りる

バイオメディカル科学分野で大きな注目を集めている遺伝子編集技術のCRISPRが、ヒトの臨床試験に近づいた。国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)の組み換え遺伝子研究諮問委員会(Recombinant DNA Research Advisory Committee: RAC)は6月21日、CRISPR-Cas9を使ってT細胞の遺伝子を編集し、癌治療に役立てるという提案を承認した。「細胞を用いた癌治療は有望であるが、多くの患者が再発の可能性が高い。遺伝子編集によってこうした治療の効果が向上し、癌や体の免疫システムに対する脆弱性の一部を排除することができる」と、研究のリーダーであるペンシルバニア大学(University of Pennsylvania)のエドワード・スタドマウアー氏(Edward Stadtmauer)は言う。最初の臨床試験は、小規模に行われ、CRISPRが人の利用に安全かどうかを見る試験となる(CRISPRが癌を治療するか否かではなく)。また、実際の臨床試験を行うには、今後、米規制当局とスタドマウアー氏が所属する組織の倫理委員会の承認を得なくてはならない。
Scientific American “First CRISPR Human Clinical Trial Gets a Green Light from the U.S.” (6/22/16)