Category:

その他

DARPA、AIの電力効率と性能の両立目指す新プログラム始動

国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Projects Agency: DARPA)は9月24日、人工知能(AI)システムの電力消費と性能のバランスを最適化する新プログラム「機械学習の物理へのマッピング(Mapping Machine Learning to Physics: ML2P)」を開始すると発表した。電気工学、数学、論理学、機械学習などの分野の専門家を招集し、エネルギー効率を考慮した新世代の機械学習の設計を進める。従来の機械学習モデルは性能の最大化のみに焦点を当てて設計し、電力消費を考慮しなかったことから、モデルの性能を物理的な電気特性(実際の電力使用量)にひも付けし、そのエネルギー使用量をジュール単位で測定することで、精度と消費電力の適切なバランスを実現するモデルを構築する。ネットワーク接続が制限・隔絶されるなどの電力制約の厳しい戦術的エッジ(tactical edge)環境でのAI導入が加速する中、省エネ設計に重点を置くML2Pの技術は、防衛分野を超え、将来的にはAIワークロードに最適化されたハードウェア設計にも貢献できるという。 DARPA “Energy-aware machine learning” (09/24/25) https://www.darpa.mil/news/2025/energy-aware-machine-learning

オープンAI社/オラクル社/ソフトバンク社、新たに5件のAIデータセンター拠点

オープンAI社(OpenAI)、オラクル社(Oracle)、ソフトバンク社(SoftBank)は、オープンAI社による包括的な人工知能(AI)インフラ基盤プロジェクトであるスターゲート(Stargate)の下、米国内に新たに5件のAIデータセンター拠点を発表した。これら5拠点と、テキサス州アビリーンにあるオープンAI社の旗艦拠点、コアウィーブ社(CoreWeave)と現在進行中のプロジェクトを合わせると、スターゲートで計画されている電力需要はほぼ7ギガワット(GW)となり、投資額は今後3年間で4,000億ドルとなる。これにより、オープンAI社等が1月に発表した「4年間で5,000億ドルを投じて10GWのAIインフラを実現する」という誓約を予定より早く達成できる可能性がある。 HPC Wire “OpenAI, Oracle, and SoftBank Expand Stargate with 5 New AI Data Center Sites” (09/24/25) OpenAI, Oracle, and SoftBank Expand Stargate with 5 New AI Data Center Sites

住宅用設備の改良によってデータセンターのエネルギー需要に対応可能

リワイヤリング・アメリカ(Rewiring America)は9月18日、「自家製エネルギー:住宅用設備の改良によってデータセンターの電力需要に完全対応できる(Homegrown energy: How Household upgrades can meet 100 percent of data center demand growth)」と題する報告書を発表した。報告書は、住宅用ヒートポンプや蓄電池、ソーラーアレイへの投資によって、人工知能(AI)のデータセンターから予想される電力需要増の100%をまかなうことが可能であるとしている。具体的には、米国のAIブームの背後にいる大手技術企業やインフラ企業が、住宅のヒートポンプの改良費用の50%、ソーラー及び貯蔵費用の30%を負担すること等で、新たに天然ガス翼発電所を建設するのと同程度の費用で93ギガワット以上の送電網容量を確保することができるという。 Rewiring America “Homegrown energy” (09/18/25) https://www.rewiringamerica.org/newsroom/press-releases/peak-demand-report-2025 参考:https://www.utilitydive.com/news/heat-pump-solar-and-storage-deployment-could-offset-ai-load-through-2029/761013/

テスラ社、次なるEV充電器インフラ事業の先導役に

ブルムバーグ・インテリジェンス社(Bloomberg Intelligence)の2026年電気自動車(EV)充電見通しによれば、電気自動車(EV)充電業界の一部の早期参入企業は、財務上の課題の増大に直面しており、業界内に淘汰が起こる見通しであるという。2026年EV充電見通しによれば、今後のEV充電事業を先導するのは、これまで同事業を支配していた企業ではなく、電気化の取り組みに既に数十億ドルの投資をしている自動車メーカーが所有・支援する垂直統合型ネットワークとなる可能性が高い。テスラ社(Tesla)は、自社のスーパーチャージャー・ネットワーク(Supercharger network)に3万2,000基以上のポートがある他、より低速のレベル2の充電器を1万9,000基保有しており、2030年までにスーパーチャージャー・ネットワークのポート数をほぼ倍増させる見通しである。BMWやゼネラル・モーターズ(General Motors)、ホンダなど自動車メーカー8社の合弁会社であるイオンナ社(Ionna)は、高速充電ポート(現在300基)を2030年までに3万基増設する計画である。一方、これまでレベル2充電器で先導してきたチャージポイント社(ChargePoint)やブリンク社(Blink)等は、レベル2充電器の低価格競争によって成長が鈍化しており、DC急速充電器に投資する資本も有していないと、ブルムバーグ・インテリジェンス社は指摘している。 Axios “Tesla leads the next wave of EV charging infrastructure” (09/24/25) https://www.axios.com/2025/09/24/next-wave-ev-charging-infrastructure

ブルーウォーター社、ドローン船舶の建造企業としてコンラッド社を選出

マサチューセッツ州を拠点とするスタートアップ企業のブルーウォーター・オートノミー社(Blue Water Autonomy)は、同社設計の無人自律船舶をルイジアナ州にある造船企業コンラッド・シップヤード社(Conrad Shipyard)で建造すると発表した。来年には進水の予定である。この造船契約は、①中国が支配的となっている造船業における米国の造船業の復活、②水兵及び海兵隊の双方を強化するハイブリッド艦隊の追求、という米海軍にとって死活的ともいえる二つの課題が関係する。ブルーウォーター社は、「コンラッド社と共に、真の量産型船舶を造船する。完全な自律型で乗組員はおらず、当社がゼロから設計する船舶となる」と発表した。同社の無人自律船舶は全長150フィートで複数の任務を目的として設計される。ルイジアナ州は、ドローン船舶のホットスポットとなりつつあり、今年初めにはサロニック社(Saronic)が同州フランクリンにある造船会社のガルフ・クラフト社(Gulf Craft)を買収し、大型水上艦の建造を計画している。 Axios “Exclusive: Blue Water picks Conrad for drone-ship production” (09/24/25) https://www.axios.com/2025/09/24/blue-water-conrad-asv-louisiana

トランプ政権、国内最大のリチウム鉱山企業の株式取得を要求

ロイター通信(Reuters)は9月24日、トランプ政権がエネルギー省(Department of Energy)による22億6,000万ドルの融資条件再交渉の一環として、リチウム・アメリカズ社(Lithium Americas)の株式最大10%を要求していると報じた。同社はゼネラル・モーターズ社(General Motors: GM)と共同で、2028年の操業開始時には西半球最大のリチウム供給源となるネバダ州サッカー・パス鉱山プロジェクトを進めており、計画の第一段階で最大80万台の電気自動車に供給可能な規模となる年間4万トンのバッテリー用炭酸リチウムを生産する予定である。一方、政府は中国の過剰生産によるリチウム価格低迷を背景に、同社の融資返済能力に懸念を示し、インテル社(Intel)やMPマテリアルズ社(MP Materials)などへの出資に続き、国家安全保障上重要な産業への直接介入を強化している。大統領はこの計画を支持するものの、公平性を望む姿勢を崩していないとし、GM社に対してもリチウム購入の保証やプロジェクトの一部管理権を政府へ移譲するよう求めているという。 Reuters “Exclusive: Trump wants piece of company in charge of America’s biggest lithium mine” (09/24/25) https://www.reuters.com/business/autos-transportation/trump-administration-seeks-equity-stake-lithium-americas-amid-loan-talks-2025-09-23/

AI技術の進化がサイバー攻撃者を有利にする危険性 CNAS報告

新米国安全保障センター(Center for a New American Security: CNAS)は9月23日、将来の先端人工知能(AI)技術がサイバー攻撃者を有利にし、サイバーセキュリティの攻守バランスを崩壊させる危険性があるという報告書を発表した。ケイレブ・ウィザーズ氏(Caleb Withers)がまとめた報告書「形勢逆転:新興AI機能とサイバー攻撃と防御バランス(Tipping the Scales: Emerging AI Capabilities and the Cyber Offense-Defense Balance)」によると、これまでのAI技術は防御側が新たな脅威に迅速に対応できるよう支援してきたが、自律性が高まる今後の先端AIモデルは、攻撃側に決定的な優位性をもたらす可能性があるという。米中間の競争が激化する中、報告書はAI対応のサイバーセキュリティ政策の強化、防御に特化したAI研究開発への投資、先端AI開発者の情報セキュリティ強化など7つの政策提言を行っており、CNASは、政府の介入なしには高度なAIシステムが攻撃者に危険な優位性を与える恐れがあると警告し、政府の迅速な対応を求めている。 CNAS “New CNAS Report Examines the Threat of Emerging AI Capabilities to Cybersecurity” (09/24/25) https://www.cnas.org/press/press-release/new-cnas-report-examines-how-emerging-ai-capabilities-could-disrupt-the-cyber-offense-defense-balance

非営利団体の2023年度R&D支出、10%増の308億ドル

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は9月24日、国内の非営利団体による研究開発(R&D)支出が2023年度に308億ドルに達し、前年度比10%増加したと発表した。国立科学・工学技術統計センター(National Center for Science and Engineering Statistics: NCSES)が資金提供し、国勢調査局(Census Bureau)が実施した調査によると、資金源別では連邦政府が124億ドルと全体の40%を占め最大となり、非営利団体の内部資金が84億ドル(27%)と続いた。研究分野別では、生物・生物医学・健康科学が全体の72%を占め、前年度から16%増加した。R&D活動の内訳は、基礎研究が51%(157億ドル)、応用研究が32%(99億ドル)、実験開発が17%(53億ドル)となり、フルタイム換算で14万3,650人がR&D活動に従事していることが明らかになった。また、R&D関連の設備投資は18億ドルと前年度比82%の大幅増を記録し、2020~2023年度の4年間で、内部資金によるR&D支出は40%増加した一方、連邦政府資金は5%の増加にとどまった。 NSF “U.S. Nonprofits Spent $31 Billion on R&D Activities in FY 2023” (09/24/25) https://ncses.nsf.gov/pubs/nsf25355

カリフォルニア州、リサイクル可能なナトリウム電池開発に200万ドル助成

ローレンス・リバモア国立研究所(Lawrence Livermore National Laboratory)は9月24日、カリフォルニア州エネルギー委員会(California Energy Commission: CEC)から地元スタートアップのダーモックテック社(DarmokTech)と共同で、リサイクル可能なナトリウムポリマー電池の開発に3年間で200万ドルの助成金を獲得したと発表した。リチウムイオン電池の代替として、より安定的で費用対効果の高いエネルギー貯蔵実現に向けた取り組みで、同研究所のポリマー化学者であるヨアンナ・シュワルツ氏(Johanna Schwartz)が主導する。具体的には、高分子電解質材料を迅速にスクリーニングできるチップ上高分子研究(Studying-Polymers-On a-Chip: SPOC)技術を活用し、従来の破砕処理を必要としない分解可能な電池設計の開発を進める。リチウムの希少性や液体電解質の発火リスクなどの課題解決に向け、増大するエネルギー需要に対応する送電網向け蓄電池の実用化を図る。プロジェクトは今月から開始され、製造可能で市場投入可能な電池の完成を目指すという。 LLNL “California awards grant to LLNL and DarmokTech to develop recyclable sodium batteries” (09/24/25) https://www.llnl.gov/article/53506/california-awards-grant-llnl-darmoktech-develop-recyclable-sodium-batteries

オクロ社、核燃料リサイクル施設建設に約17億ドル投資

次世代原子力開発のオクロ社(Oklo)は9月23日、テネシー州オークリッジの東テネシー技術パーク(East Tennessee Technology Park)に商業用核燃料リサイクル施設を建設すると発表した。この計画は総額16億8,000万ドルの先進燃料センター建設の第一段階で、800人以上の雇用創出を見込み、2030年代初頭までに同社のオーロラ発電所(Aurora powerhouses)向けの金属燃料生産を開始する予定である。国内の原子力発電所に保管されている約9万4,000トンの使用済み核燃料には相当量のリサイクル可能な燃料が含まれ、石油換算で約1.3兆バレルに相当するとし、この再利用に注力するという。また、約250エーカーの土地に同施設の建設を予定している同社に対し、オークリッジ環境管理局(Oak Ridge Office of Environmental Management: OREM)は、これまでに1,832エーカーを移管しており、年末までにさらに667エーカーの区画の移管を予定している。 Department of Energy “EM Cleanup Paves Way for $1.7 Billion Energy Investment in Oak Ridge” (09/24/25) https://www.energy.gov/em/articles/em-cleanup-paves-way-17-billion-energy-investment-oak-ridge