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政府、AI開発阻害する連邦規制改正へ 意見募集を発表

科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy: OSTP)は9月26日、人工知能(AI)技術の開発・導入・普及を不必要に妨げている連邦法規制や行政手続きを特定するため、産業界や学術界などから広く意見を募集すると発表した。この情報提供要請(Request for Information: RFI)は、7月23日に大統領府が発表した「米国AI行動計画(America’s AI Action Plan)」の一環として実施されるもので、AIのグローバル覇権確立を目指す取り組みの重要な柱となっている。OSTPは、既存の規制の多くが現代のAI技術が登場する前に策定されたもので、人間による操作を前提とした要件がAIシステムの機能と合致していないことを問題視しており、この意見募集で、医療機器の承認プロセスや自動運転車の安全基準など、具体的な規制障壁の特定と規制目標を維持しながらAI技術の導入を可能にする修正案の提案を求める。提出期限は10月27日午後 11 時 59 分 (東部時間)で、連邦電子規則制定ポータル(http://www.regulations.gov)を通じて受け付ける。 Federal Register “Notice of Request for Information; Regulatory Reform on Artificial Intelligence” (09/26/25) https://www.federalregister.gov/documents/2025/09/26/2025-18737/notice-of-request-for-information-regulatory-reform-on-artificial-intelligence

ブルックヘブン研究所、ジョン・ヒル氏を暫定所長に任命

ブルックヘブン国立研究所(Brookhaven National Laboratory)は9月23日、現副所長のジョン・ヒル氏(John Hill)を暫定所長に任命したと発表した。ジョアン・ヒューイット所長(JoAnne Hewett)は同日付で所長職を退き、ストーニーブルック大学(Stony Brook University)のC.N.ヤン理論物理学研究所(C.N. Yang Institute of Theoretical Physics)の終身教授職に就任する。同研究所を運営するブルックヘブン・サイエンス・アソシエイツ(Brookhaven Science Associates)は後任の所長選出に向け、競争的選考プロセスを実施する。暫定所長に就任するヒル氏は、1992年に同研究所の物理学部門に博士研究員(ポスドク)として入所後、2015年から2023年まで国立シンクロトロン光源II(National Synchrotron Light Source II: NSLS-II)の所長を務めるなど、長年に亘り研究所の主要役職を歴任してきた。また米国物理学会(American Physical Society: APS)フェローへの選出に加え、大統領若手研究者賞(Presidential Early Career Award)などの受賞経歴もある。 Brookhaven National Laboratory “John Hill Named Interim Director of Brookhaven National Laboratory” (09/30/25) https://www.bnl.gov/newsroom/news.php?a=122630

上院、科学技術分野の主要ポスト100名超の承認、一括投票へ

米国物理協会(American Institute of Physics: AIP)は9月29日、上院が科学技術分野を含む100名以上の政府高官人事の一括承認投票を準備していると発表した。今回の人事には、米国地質調査所(U.S. Geological Survey: USGS)所長にネッド・マムラ氏(Ned Mamula)、米国海洋大気庁(National Oceanic and Atmospheric Administration: NOAA)長官にニール・ジェイコブス氏(Neil Jacobs)、エネルギー省(Department of Energy)エネルギー効率・再生可能エネルギー局長にオードリー・ロバートソン氏(Audrey Robertson)などの重要ポストが含まれている。これに先立ち、上院共和党は2週間前に、承認手続きを個別投票から一括投票に変更する議会規則を改正し、第一弾として約50名の人事を承認した。民主党による旧規則を利用した遅延工作で投票が遅れたという経緯があり、今回の第二弾に含まれる候補者の中には、委員会での承認から4カ月以上も経過しているケースもあり、これにより停滞していた重要人事の承認が前進されることになるという。 AIP “New batch of S&T nominees teed up for confirmation” (09/30/25) https://www.aip.org/fyi/the-week-of-aug-29-2025

トランプ政権、台湾にチップ生産50%を米国移転するよう要求

アース・テクニカ(Ars Technica)は9月30日、トランプ政権が台湾に対し、中国の侵攻脅威からの保護と引き換えに、半導体生産能力の50%を米国へ移転するよう圧力をかけていると報じた。ハワード・ラトニック商務長官(Howard Lutnick)は、スマートフォンや自動車、軍事防衛技術に米国が使用する半導体の約95%が台湾で製造されていると指摘し、米国での生産を現在の2%から40%への引き上げに向け、台湾の供給網全体を米国に移転させたい考えであるという。ただし、エヌビディア社(Nvidia)のジェンスン・ファンCEO(Jensen Huang)が米国の供給網独立達成には「10年から20年かかる」と指摘したように、それには「大変な仕事(Herculean task)で、誰もが不可能と言っている」と認め、米国が何らかの安全保障を台湾に提供し、その「シリコン・シールド(Silicon shield、半導体の盾)」を失わないよう保証すると示唆した。一方で台湾積体電路製造(TSMC)社は1,000億ドルの投資を約束したが、現地の人材不足を理由に、依然として台湾に留まっている。 Ars Technica “Taiwan pressured to move 50% of chip production to US or lose protection” (09/30/25) https://arstechnica.com/tech-policy/2025/09/taiwan-pressured-to-move-50-of-chip-production-to-us-or-lose-protection/

EPA、石炭火力規制を緩和

環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)は9月29日、石炭火力発電所への環境規制の緩和措置を発表した。発電所の排水規制(Effluent Limitations Guidelines: ELGs)について、排ガス脱硫排水(Flue gas desulfurization wastewater)やボトムアッシュ(主灰:焼却炉の下に貯まる灰)水輸送(Bottom ash transport water)、燃焼残留浸出水(Combustion residual leachate)のゼロ排出制限など、既存の7件の期限を延長する規則案を提示し、年間最大2億ドルの電気料金を削減する。EPAは国民の健康と環境を保護しつつ、政権の「米国エネルギー支配解き放つ(Unleashing American Energy Dominance)」政策推進に向けた取り組みと説明し、石炭をエネルギー源として活用し、国民へのコスト削減を実現するという。また大気浄化法(Clean Air Act: CAA)に基づく「地域ヘイズ規則(Regional Haze Rule: RHR)」についても規則制定の事前通知(Advance Notice of Proposed Rulemaking: ANPRM)を発行し、州や業界の負担を軽減すべく、改正に向けた意見募集も行う。 EPA “Administrator Zeldin Announces Actions to Unleash American Energy at National Energy Dominance Council’s Advancing America’s Beautiful Clean Coal Event” (09/29/25) https://www.epa.gov/newsreleases/administrator-zeldin-announces-actions-unleash-american-energy-national-energy

内務省、石炭採掘を大幅拡 政権のエネルギー戦略を推進

内務省(Department of the Interior)は9月29日、連邦政府所有地1,310万エーカーの石炭リースを許可すると発表した。これはトランプ政権のワン・ビッグ・ビューティフル法(One Big Beautiful Bill Act)基準の3倍に相当するもので、ダグ・バーガム長官(Doug Burgum)は、国内供給網の強化と安定したエネルギー供給確保に向けた経済・国家安全保障強化が目的と説明している。具体的には、石炭ロイヤルティー(資源採掘量)料率を7%へ引き下げ、リース可能面積を拡大する。また、鉱山廃棄物からウラン、亜鉛、レアアースなどの重要鉱物を採掘し、モンタナ州からアラバマ州に至る地域における高賃金雇用の創出に貢献するという。ノースダコタ州のフリーダム鉱山やファルカーク鉱山を含む既存のリース販売は既に進行しており、今回の措置は多様なエネルギー源を活用し、外国からの石炭や鉱物への依存を減らすというトランプ政権の包括的なエネルギー戦略「米国エネルギー優位性回帰(Restore American Energy Dominance)」政策を反映している。 DOI “Interior Unleashes American Coal Power in Bold Move to Advance Trump Administration Priorities” (09/29/25) https://www.doi.gov/pressreleases/interior-unleashes-american-coal-power-bold-move-advance-trump-administration

DIU、対UASプロジェクトに追加資金投入 

国防イノベーションユニット(Defense Innovation Unit: DIU)は9月29日、グループ3以上の敵対的脅威を撃退し、領空主権を確保する商用およびデュアルユース技術ソリューションの試作を開始したと発表した。対無人航空機(Unmanned Aircraft System: UAS)迎撃システムを開発する「カウンター・ネクスト(Counter NEXT)」プロジェクトに65社を超える中から選ばれたアンドゥリル・インダストリーズ社(Anduril Industries)とゾーン5テクノロジーズ社(Zone 5 Technologies)が、設計・開発スプリントや初期飛行試験を完了した。今後は商用部品(Commercial off-the-shelf: COTS)を活用しコスト低減しつつ、高度な製造技術を取り入れた量産性確保に加え、モジュラー型オープンシステムアーキテクチャの採用により、あらゆる領域に対応できるよう開発・展開していくという。DIUは既存の戦闘システムとの統合を進めつつ、再装填の簡略化や対抗手段のコスト非対称性の是正を重視しており、今回の成果を基に2026年夏の実射試験に向け、追加資金を投入している。 DIU “Two Companies Selected to Support DIU’s Counter Unmanned Aerial Systems – NEXT Project” (09/29/25) https://www.diu.mil/latest/two-companies-selected-to-support-dius-counter-unmanned-aerial-systems-next

NSF、オープンソースの安全・セキュリティ強化に初投資

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は9月29日、オープンソース・エコシステムの安全性、セキュリティ、プライバシーを強化する初の投資プログラム(Safety, Security, and Privacy of Open-Source Ecosystems: Safe-OSE)を立ち上げ、8チームへ支援すると発表した。クラウド・コンピューティング向け人工知能(AI)、医療記録、国家安全保障、プライバシー基盤など多様な分野の強靭化に向け、各プロジェクトに最長2年で最大150万ドルを拠出する。このSafe-OSEプログラムはオープンソースの分散型・コミュニティ主導の発展を支援する「オープンソース・エコシステム実現のための道筋(Pathways to Enable Open-Source Ecosystems)」プログラムから派生したもので、非営利法人HDFグループ(The HDF Group)やインディアナ大学(Indiana University)、非営利団体のトーア・プロジェクト(The Tor Project)、コロラド大学(University of Colorado)やバージニア大学(University of Virginia)などがコードの脆弱性やサプライチェーン攻撃、内部脅威に対応する。 NSF “NSF invests in safeguarding open-source ecosystems” (09/29/25) https://www.nsf.gov/tip/updates/nsf-invests-safeguarding-open-source-ecosystems

2023年の企業研究開発費、7,220億ドルに増加 NSF調査

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は9月29日、2023年の国内企業の研究開発(R&D)支出が7,220億ドルに達し、前年比4.4%増となったと発表した。支出の大部分である6,350億ドルは企業の自己資金によるもので、外部資金は860億ドルを占めた。R&D活動の内訳では、開発が全体の79%(5,680億ドル)と最も多く、基礎研究が6%(430億ドル)、応用研究が15%(1,100億ドル)であった。国内R&D実施者の55%は製造業が占め、連邦政府は外部資金の主要な供給源として320億ドルを提供し、その大半は航空宇宙製品・部品産業に投じられた。州別ではカリフォルニア州が全国の34.4%を占めた。また企業全体のR&D強度(R&D対売上高比率)は5.1%で、特に半導体・電子製品(25.8%)や医薬品(17.8%)などが顕著であった。一方。中小企業(従業員10~249人)のR&D集約度は11%と高い水準となった。R&D関連の雇用者数は210万人で、全従業員2,300万人の9%を占め、うち研究者(科学者、技術者、管理者)が140万人であった。 NSF “Business R&D Performance in the United States Increases to $722 Billion in 2023” (09/29/25) https://ncses.nsf.gov/pubs/nsf25353

ARPA-H、室内空気質改善へBREATHEプログラム始動

医療高等研究計画局(Advanced Research Projects Agency for Health:ARPA-H)は9月29日、室内空気質を改善し健康を守るための「空気と健康のためのレジリエントな環境構築(Building Resilient Environments for Air and Total Health: BREATHE)」プログラムを開始したと発表した。米国人は人生の90%を室内で過ごすことから、病気予防を目指す次世代スマートビルを実現する統合システム開発に向け、5年間で最大1億5,600万ドルを投じる。具体的には室内の空気質を常時監視し、病原体やアレルゲンをリアルタイムで検知・対応する技術を確立する内容で、マイクロ流体液滴クリスパー技術(Microfluidic droplet CRISPR technology)を基盤としたバイオセンサーを開発するメイヨー・クリニック(Mayo Clinic)や空気中の標的微生物を認識すると微小な電気信号を送信し、建物がそれに応じて対応する増幅を必要としない遺伝子センサーを開発するポピー・ヘルス社(Poppy Health)などバイオセンサーを開発する4団体が主導し、学校や医療機関などで実証実験を行う。 ARPA-H “BREATHE research teams kick off efforts to enhance indoor air quality to improve health” (09/29/25) https://arpa-h.gov/news-and-events/breathe-research-teams-kick-efforts-enhance-indoor-air-quality-improve-health