Category:

その他

トランプ大統領、小児がん治療にAIを活用する大統領令に署名

大統領府は9月30日、トランプ大統領が、人工知能(AI)を活用して小児がんの治療法開発を加速させる大統領令に署名したと発表した。小児がんは米国の子どもの疾病関連死因の第1位で、1975年以降発症率が40%以上増加している現状がある。これを受け、AIを用いた革新的な診断・治療・予防戦略の開発を推進するもので、具体的には、トランプ氏が2019年に開始した国立がん研究所(National Cancer Institute: NCI)の小児がんデータイニシアチブ(Childhood Cancer Data Initiative: CCDI)への投資拡大を指示する内容となっている。この投資により、複雑な生物学的システムのデータ分析強化に加え、AI ツールによる臨床試験の設計、アクセス、結果を改善する方法を模索し、データ・インフラを改善していくとし、政府は、MAHA委員会(Make Our Children Healthy Again: MAHA Commission)に対し、科学技術やAI・暗号通貨などの関連機関や民間企業との連携を強化し、小児がんの根治を目指すよう指示している。 The White House “Fact Sheet: President Donald J. Trump Prioritizes Harnessing American AI Innovation to Unlock Cures for Pediatric Cancer” (09/30/25) https://www.whitehouse.gov/fact-sheets/2025/09/fact-sheet-president-donald-j-trump-prioritizes-harnessing-american-ai-innovation-to-unlock-cures-for-pediatric-cancer/

エネルギー省、オークリッジでAIデータセンター建設提案を募集

エネルギー省(Department of Energy)は9月30日、テネシー州オークリッジ保留地(Oak Ridge Reservation)に人工知能(AI)データセンターを建設し、電力供給するための運営提案を企業から募集すると発表した。同省傘下の環境管理局(Office of Environmental Management)と科学局(Office of Science)が共同で発行した提案依頼書(Request for Proposal: RFP)によると、対象となるのは東テネシー技術パーク(East Tennessee Technology Park)と、これに隣接するオークリッジ国立研究所(Oak Ridge National Laboratory: ORNL)の2カ所で、企業側がインフラ建設から運営、廃止措置まで全て負担する長期リース契約となる。マンハッタン計画の拠点の一つであった同地は、AIに革新をもたらす「マンハッタン計画2.0(Manhattan Project 2.0)」でも重要な役割を果たす態勢が整っているとし、担当者らは「核浄化施設から核ルネサンス拠点への変革に向けた新たな一歩となる」取り組みと説明した。提案締め切りの12月1日に向け、同省は10月15日に説明会を開催する予定である。 Department of Energy “U.S. Energy Department Seeks Proposals for AI Data Centers, Energy Projects at Oak Ridge” (09/30/25) https://www.energy.gov/em/articles/us-energy-department-seeks-proposals-ai-data-centers-energy-projects-oak-ridge

エネルギー省、リチウム企業に出資へ

エネルギー省(Department of Energy)は10月1日、リチウム・アメリカズ社(Lithium Americas)の株式5%取得に加え、同社とゼネラル・モーターズ社(General Motors)の合弁事業にも5%出資すると発表した。タッカーパス鉱山における炭酸リチウム製造施設建設を支援する2024年10月の融資プログラム局(Loan Programs Office: LPO)とリチウム社の契約を再構築する内容で、LPOは今回の融資にあたり、2010年のテスラ社(Tesla)への融資で用いたワラント(株価が上昇した時に安く株式を取得でき、下落時は購入しない選択ができる権利)を活用する。契約改定には別途1億ドル以上の新規資本も投入する。同施設の稼働後は年間約4万トンの電池用炭酸リチウム(battery-grade lithium carbonate)を生産する見込みで、クリス・ライト長官(Chris Wright)は「北米最大のリチウム鉱床を持ちながら、世界の供給量の1%にも満たない米国の生産拡大につなげる」と言及しており、重要鉱物の国内サプライチェーン強化が、今回の出資の目的と説明している。 Department of Energy “Department of Energy Restructures Lithium Americas Deal to Protect Taxpayers and Onshore Critical Minerals” (10/01/25) https://www.energy.gov/articles/department-energy-restructures-lithium-americas-deal-protect-taxpayers-and-onshore

エネルギー業界は採用減速 電力網への懸念も拡大

ユーティリティ・ダイブ(Utility Dive)は9月30日、北米のエネルギー部門において採用計画が減速傾向にあり、電力インフラへの対応懸念が高まっていると報じた。エネルギー技術者協会(Association of Energy Engineers: AEE)の年次調査報告書によると、今後12カ月以内にエネルギー関連技術者を採用する計画があると回答した企業の割合は、2024年の45.9%から2025年には42.6%に低下した一方で、採用計画がない企業は27.2%から34.9%に増加した。電力会社やエネルギーサービス企業などでは採用意欲が維持されているが、製造や公共機関では低迷しているという。また回答者の83%が、今後10年以内に地域の電力網が急速な電化に対応できないとし、昨年の79%から増加した。業界は人口動態の変化にも直面しており、回答者の24%が5年以内に、さらに16.9%が10年以内に退職する予定であると回答した。予算や労働力の確保に課題が残るなかで、エネルギー業界の人材やインフラへの不安が拡大していると記事は伝えている。 Utility Dive “North American energy professionals report slower hiring: AEE survey” (09/30/25) https://www.utilitydive.com/news/energy-sector-hiring-interest-shrank-jobs-workforce-aee-survey/761480/

厚生省、最高技術責任者にDOGE出身のザカリー・テレル氏を起用

FEDSCOOPは9月29日、厚生省(Department of Health and Human Services: HHS)が、政府効率化省(Department of Government Efficiency: DOGE)のザカリー・テレル氏(Zachary Terrell)を最高技術責任者(Chief Technology Officer: CTO)に任命したと報じた。米国科学財団(National Science Foundation: NSF)にも所属する同氏は、DOGE関連業務や両機関の助成見直しなどに関与してきた経緯がある。以前はコインベース社(Coinbase)が買収したブロックチェーン系企業、スピンドル社(Spindl)やウェイジャー社(Wager)創業などの民間実績に加え、2022年3月までカンザス州立大学(Kansas State University)で学術研究を行っていた。CTOのポストは政権交代に伴い、近年空席が続いていたが、ロバート・F・ケネディ・ジュニア長官(Robert F. Kennedy Jr.)が進める同省の大規模再編の一環である数千人規模の人員削減に加え、IT部門を統合する計画の最中での登用となった。 FEDSCOOP “HHS has a new DOGE-affiliated technology chief” (09/29/25) HHS has a new DOGE-affiliated technology chief

OMB、中立的なAI指針策定に向け業界意見を募集

NEXTGOV/FCWは9月29日、行政管理予算局(Office of Management and Budget: OMB)が「イデオロギー的中立性(Ideological neutrality)」を備えた人工知能(AI)調達基準策定のため、業界と意見交換を始めると報じた。7月の大統領令により「政治的イデオロギー」を含まないAIモデル導入が義務付けられたが、多様性・公平性・包括性(DEI)の排除基準が不明確との指摘がある。そこで透明性やリスク管理の改善に加え、政治的にセンシティブなテーマへの業界の対応を参考にするという試みであるが、スタンフォード大学ヒューマンセンタードAI研究所(Stanford University’s Institute for Human-Centered AI)は完全な中立性は不可能とし、第三者評価など多面的な安全策が必要と提言している。背景には問題発言を繰り返すAIモデル調達への批判があり、OMBはAIリスク管理から誤情報などに加え、DEIや気候変動の記載を除外する意向である。このガイドラインは11月末までに策定する予定で、今後の政府調達やAIの活用方針に大きな影響を与えるとみられている。 NEXTGOV/FCW “White House seeks industry input as it crafts “anti-woke” AI guidelines” (09/29/25) https://www.nextgov.com/artificial-intelligence/2025/09/white-house-seeks-industry-input-it-crafts-anti-woke-ai-guidelines/408457/?oref=ng-skybox-hp

カリフォルニア州、AI安全法を制定 透明性・安全性とイノベーション推進

カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事(Gavin Newsom)は9月29日、「最先端AI透明性法(Transparency in Frontier Artificial Intelligence Act: TFAIA)」を制定したと発表した。この新法は、最先端の人工知能(AI)開発において、安全性・信頼性を高めるのが目的で、大手AI開発企業に対し、国内外の標準や業界のベストプラクティスを盛り込んだ透明性枠組みの公表を義務づける内容となっている。ニューサム知事は「イノベーションと安全性の両立を目指し、カリフォルニア州が全米のモデルケースとなる」と強調し、あわせて、AIの安全性・倫理・公平性を推進する新コンソーシアム「カルコンピュート(CalCompute)」を創設した。また、重大な安全インシデントを緊急サービス室(Office of Emergency Services)に届け出る仕組みも導入し、内部告発者の保護や違反時の民事上の罰則も定めた。さらに、同州技術局(Department of Technology)が法改正更新を毎年提言する体制を整え、国際基準と最新技術への柔軟な対応も図るという。 GOVERNER GAVIN NEWSOM “Governor Newsom signs SB 53, advancing California’s world-leading artificial intelligence industry” (09/30/25) https://www.gov.ca.gov/2025/09/29/governor-newsom-signs-sb-53-advancing-californias-world-leading-artificial-intelligence-industry/

ARPA-H、がん30種類以上を早期発見する家庭用検査キット開発へ

医療高等研究計画局(Advanced Research Projects Agency for Health:ARPA-H)は9月30日、30種類以上の早期がん(ステージI)を尿や呼気で簡便に検出できる革新的な診断キットの開発プログラム「ポセイドン(POSEIDON)」を開始すると発表した。国内の新規がん症例が2025年に年間約200万人に達するとの予測を受け、カーネギーメロン大学(Carnegie Mellon University)などが参画し、合成生物学や人工知能(AI)医療機器、データサイエンスなどの知見を結集し、脳腫瘍や膵臓がん、卵巣がんなど従来検査のなかったがん種の固形腫瘍の早期特定を目指す。一般用医薬品(Over the counter: OTC)として市販することで、遠隔医療や電子カルテとも連携し、検査陽性時には迅速に医療機関へのアクセスを確保する仕組みも計画しており、プログラムには当局からの5年間で最大1億4,700万ドルに加え、グラフトン・バイオサイエンシズ社(Grafton Biosciences)、オールストーン・メディカル社(Owlstone Medical)が2,100万ドル相当のリソースを投入するという。 ARPA-H “ARPA-H’s POSEIDON program kicks-off to develop cancer screening kits for at-home use” (09/30/25) https://arpa-h.gov/news-and-events/arpa-hs-poseidon-program-kicks-develop-cancer-screening-kits-home-use

NCI新所長にアンソニー・レタイ氏が就任

国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)は9月29日、アンソニー・レタイ氏(Anthony Letai)が国立がん研究所(National Cancer Institute: NCI)の新所長に就任したと発表した。同氏はハーバード大学医学部(Harvard Medical School)教授及びダナ・ファーバーがん研究所(Dana-Farber Cancer Institute)の腫瘍内科医として、がん細胞の細胞死研究や治療法開発、予測バイオマーカー(Predictive biomarkers)の特定において数十年の経験を持ち、BCL-2阻害剤ベネトクラクス(BCL-2 inhibitor, Venetoclax)の臨床応用に貢献、血液がんや固形腫瘍の治療法開発を前進させてきた。同氏は就任に際し「がんの根本原因、予測バイオマーカー、そして最も効果的な治療法の特定に向け、昼夜を問わず取り組む。細胞死と複製に関する理解の進歩は、政府が掲げる健康な米国の実現に不可欠」と抱負を述べた。レタイ氏はプリンストン大学(Princeton University)で物理学の学士号、シカゴ大学(University of Chicago)で医学博士号と哲学博士号を取得している。 NIH “Secretary Kennedy Swears in Dr. Anthony Letai as Director of the National Cancer Institute” (09/29/25) https://www.nih.gov/news-events/news-releases/secretary-kennedy-swears-dr-anthony-letai-director-national-cancer-institute

NNSA、高純度劣化ウラン生産契約を発表

エネルギー省(Department of Energy)の国家核安全保障局(National Nuclear Security Administration: NNSA)は、BWXテクノロジーズ社(BWX Technologies, Inc.)の子会社であるBWXTオードナンス・テネシー社(BWXT Ordnance Tennessee)との間で、同社がテネシー州ジョーンズボロに所有する施設で高純度劣化ウラン(High Purity Depleted Uranium: HPDU)生産能力体制を確立するための許認可・設計・運用に関する契約を締結した。この生産能力体制により、Y-12国家安全保障複合施設(Y-12 National Security Complex)に製造用の劣化ウランを提供し、NNSAが核抑止力を強化・維持する能力を有していることを確実にする。HPDUは、NNSAの寿命延長プログラム(Life Extension Programs)(核兵器の耐用年数の延長)等を支援するために必要とされており、これらの任務を支援するため、NNSAは、HPDUの供給網の維持と、生産及び加工に必要な原料を供給する責務を負っている。 Department of Energy “NNSA Issues Award for High Purity Depleted Uranium Production” (09/30/25) https://www.energy.gov/nnsa/articles/nnsa-issues-award-high-purity-depleted-uranium-production